撮影技術 フィールドレポート   LIST view  RSS
撮影技術会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)
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■2011年10月31日(月)  久しぶりにSDX900でした
昨日の雨で少し心配しましたが、今日はロケ日和になりました。お昼は公園でロケ弁です。


何を撮影していたか?それはまだ公開できませんが、カメラは局から支給されたAJ-SDX900です。あと数回のロケがあります。最近よく使うパナソニックのカメラはAG-HPX555やAG-HMC155などAG品番という業務用ですが、SDX900はAJという品番に分類される放送用です。
写真は今回のものではなく、以前に撮影した現場のもので、今回はショートズームを装着して使用しました。
パナソニックのSDカメラとしては非常に良く出来たカメラで、基本の操作性やスイッチレイアウト、カメラアタッチメントはソニーと共通です。ソニーの操作を手で覚えている笹邊でも違和感無く使えます。
これまでに使ったSDX900の現場の一部をWEBにアップしていましたが、ここしばらく使っていなかったので細かなパラメーター設定にいささか不安がありました。当然オペレーションマニュアルを見るわけですが、局支給のSDX900にはマニュアルが無いということでGoogleで探してみました。
残念ながら日本語版はありませんでしたがAJ-SDX900PのものがPDFで有りました。
http://www.zacuto.com/AJ-SDX900%20operating%20manual.pdf
URLを見ると、なんとデジタル一眼レフのルーペやリグでおなじみのZACUTOのサイトでした。
著作権をどう処理されているのか不明ですがユーザーは大変助かります。※メニューの内容はJモデルと同じです。
最近ではメーカーもマニュアルを公開するようになりましたが、放送機器ではまだそれほど多くはありません。


ちなみにHDW-750/730のオペレーションマニュアルはA5サイズ約400ページ白黒印刷で6,000円だそうです。おそらく世界中でもかなり高額な本ということになるでしょう。メーカーもそう易々とは公開しないのは当たり前ですね。

今回の仕事の撮影は後5回ほどあります。来週はそのなかの空撮になります。
その前に今週はヘアショーの中継やセミナー収録など、ちょっと忙しくなります。

■2011年10月30日(日)  自作マグライナー【マグパッチカート】三年目の車検?です
マグミッチミニカートもどきの【マグパッチカート】を作ったのは今から3年余り前の2008年の6月でした。

奥がオリジナルのマグミッチミニカート(オプションのバスケット付)です。照明用のグリップアームやHMIライトなどが積まれています。そして手前がアルミ台車2台を合体させて作った自作マグライナー【マグパッチカート】です。
音声機材やマットボックス、フィルター、弊社独自改造の桟敷三脚などを積んでいます。

マグパッチカートは様々な現場で大活躍し、状況によっては「本家以上に便利」と言われる照明部さんもいらっしゃいました。
(お世辞でも嬉しいです)

フックを付けたり、ガチ袋や脚立掛けなど、スタッフの意見に育てられながら進化を続けました。ワンボックス車はもちろんですが、ロケ車のデリカD:5にも分解することなく収まるので大変重宝します。

そんなマグパッチですが、3年を過ぎて色々と痛みが出てきたために、グレードアップを兼ねた総点検&メンテナンスです。いわば新車購入後の初回車検というところでしょうか。

車検が完了したマグパッチミニカートに実際の機材を積んで記念撮影。
VP撮影時のスタイルです。照明機材、音声機材、HDCAM、モニター、三脚などを搭載しています。掲載写真は弊社のBFにある撮影スタジオで撮っています。

本家のマグミッチミニカートを使ったときの写真です。さすがにスタイリッシュです。ただし価格は20倍。レンタルじゃなきゃ無理ですね。

それではマグパッチカートの詳細をご紹介します。
車検らしく?足回りの黒色塗装や天板を更新しました。ガチ袋には現場で必要な様々なものが色々(チャート、鏡、J-Jや変換コネクター、ドアストッパー等)入っています。ガチ袋ですから当然ナグリも(笑)

斜め後ろの写真です。M6のボルトフックにはカラビナでガムテープやパーマセルテープなどが掛けられます。

側面下部に付けたL型金具は照明用の枠(ディフューザー)や3x3カポック(レフ板)など、板状のものや脚立を載せる際に使用します。このフックが付いた状態でデリカD:5への積載が可能です。

モニターやコンバーターの電源を綺麗に引き回すためにコンセントを装着しています。延長ケーブルは10mにしています。DC駆動時はシールド式の鉛バッテリー(自動車用)を使った電源を搭載します。

エア抜けは現場で大変苦労します。米式バルブ用のインフレーター(空気入れ)はパナレーサー(ナショナルタイヤ)の手動式です。もちろんトライアスロンなどで使用するガス式も利用できます。

3年目ですからここは少しドレスアップ!見て笑われそうですが、お洒落なワンポイントとしてラリーカー風のマッドフラップです。赤色がカッコいいのですが、ラリーカーのほとんどが赤色を採用していますし、リベロでも赤色を使っていたのでマグパッチカートは青色に。もちろん泥を跳ね上げるなんてことは無いんですけれど・・・

3年間活躍し、さらに進化し続けるマグパッチには今回のチューンを記念して新しい名前を付けてあげました。


【MAGPATCH MASTER CART】のMASTERとは「自由に物事を操れる人」「偉い人」のような意味合いを持ち、名人・達人、マイスター、マエストロということで採用しました。
でも「コピー品や加工品の元になるものという意味から「マスターテープ」「マスター音源」といった用例があります。
「パッチもののマグパッチにマスターはオカシイやろ!」と突っ込まれそうですが、そこは大目に見ていただくとマグパッチも喜んでくれるでしょう。

ところで、先日[NEX-VG10 ニッコール50-300mm]を検索していて偶然こんなページを見つけました。NEX-VG10ヤマハの発表会などを撮影なさっているOffice Feさんです。関西の方のようですが詳しくは判りません。
なんとOffice Feさん自作マグライナーを作っておられました。
材料は弊社のマグパッチと同じアルミ製4輪コンテナカート TC4519ALですが、なんと折りたたみ式に進化しています。もう脱帽です。すごいです。作り方も公開されているのでぜひご覧ください。
さらに音響収録の記事でRODE NT-1Aを使ったステレオアームも紹介されていて大変参考になります。特に加工技術は素晴らしいと思います。誰も考えることはよく似ていますね。ちなみに私の会社のステレオアームはこんな感じです。
http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/729/
BTS規格と互換のある水道用部品などを使用したものです。

■2011年10月26日(水)  ヘリコプターの下見
空撮が決まったので打合せ・下見にヘリポートへ行ってきました。
今回はスチルがメインのため使用するヘリコプターはロビンソンです。エアロスパシアル350のようなジャイロは付きませんが、スチルなら大丈夫です。一部動画の撮影も行いますが、光学防振とソフトウエアによる後処理で防振処理を行います。

巡航速度Cruise air-speedは113ノット(209km/h)と速く、2人乗りのR22とはかなり違います。

定員はパイロットを入れて4名ですが、空撮の場合は機材を含めて総員3名です。

パイロットの後ろにある撮影用の丸窓が取り外せます。内側に外れる丸窓は落下の不安が無く安心です。なぜ○なのかはマンホールが丸いのと同じ理由です。
今回下見では撮影に使用する画角でのローターやスキッドの見切れでドアを取り外す必要があるかを検証しました。結果は丸窓で問題なしということで、撮影地までの寒さは回避できそうです。

こちらはコクピットの計器類。撮影時にはカーナビを搭載します。エアロスパシアルにあった操縦桿のトリガーは付いていません。
撮影は11月上旬を予定しています。

■2011年10月24日(月)  HDW-750の内臓バッテリーを交換
ここ最近メンテナンスネタが続いていますが、週末までHDCAMでの撮影、そして週末はバスケットボールのU-Stream中継でした。

実は金曜日の撮影前にHDW-750のタイムコードや時計の設定がバッテリーを外すとリセットされてしまうことが判明。故障ではなくメモリーバックアップ電池の消耗です。
時間が無かったので、現場はカメラ用二連バッテリー(エンデューラではなく、弊社ではNP-1型リチウムを使用しています)を同時に2本を抜き取らないようにしてリセットされることを防ぎました。
休み明けの今日はポスプロから帰って内臓バッテリーの交換です。

まずはHDW-750の側面カバーのビス4本を緩めてハーネスを切断しないように注意しながらカバーを外します。

細いビス3本を抜いてシールド板を外すとボタン型リチウム電池が見えます。一体型ベーターカムの内臓電池はボタン型ではなくリードが付いた電池で、交換には半田付けが必要でしたが、HDW-750はソケット式のホルダーに入れるだけです。

後はパソコンの電池を交換するように電池を抜き取って交換するだけです。交換が完了したら再びシールド板を取り付けて側面カバーを元通りに組み付けます。この時もハーネスを挟んだりしないように注意しなくてはなりません。作業は数分で出来る簡単なもので、ミニ四駆が組み立てられれる人ならまず失敗はないと思います。自信が無かったり、自己責任が怖いと思う人は必ずサービスセンターで交換してもらってください。

電池の形式はCR2450という電子辞書などに使われているもので、家電量販店でもネット通販でも入手できます。今日はLABI千里中央ヤマダ電機で購入しました。ちなみに価格は税込み231円也!
左はオリジナルのソニー製CR2450で、右は今日交換したパナソニック製のCR2450です。ソニーはJAPANですがパナソニックはIndonesiaでした。同じ規格ですから問題はありませんがソニー製に比べるとパナソニック製は少し厚みがあります。電池の取り付け方によっては純正を選ぶにこしたことはありません。
 

■2011年10月13日(木)  HVR-Z1J修理完了<レンズまるごと交換
地上波CMの搬入も終わり、あとはOAを待つだけになりました。

さて、先日撮影準備の際に故障が出たHVR-Z1Jの修理が完了しました。
故障内容は【電源を入れても画像が出ない】というもので致命的なものです。ハイパーゲインを入れると黒いノイズを含んだ画像がでるので光学ブロック、CCDなどは大丈夫な様子。再生や録画も大丈夫。おそらくレンズの遮光板のプランジャーかと想像できます。

サービスさんの検証結果もやはり原因は想像していた部分でした。しかしこの部分は修理は出来ず、レンズアッシーのまるごと交換だそうです。見積は○○万円。
けっこうしますねorz...
でも水中ハウジングはHVR-Z1JないしHDR-FX1というこどで修理か買い替え。けれどもHVR-Z1Jの中古は程度にもよりますが、概ね20〜30万といまだに人気です。やはりここは修理で新品のレンズに交換がベストです。
そして取り外されたレンズがこれです。

レンズ交換式ではないためマウントは無く、電気系のハーネスが色々ついています。NDフィルターもこの中に内蔵されていました。

手前に見えるレバーがNDフィルターの切り替えのようです。遮光版のプランジャーはどれかはわかりませんが、いずれにせよ修理よりは交換というのは仕方ないことのようです。

機械式のマニュアルレンズと違って様々なハーネスが付いています。光学スタビライザーなどもこの中に入っています。精密なんですね。
ということでHVR-Z1JにはCCD撮像素子搭載のHDVカムコーダーとして水陸を問わず、ますます頑張っていただきます。

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