Field Report Archive
千里ビデオの代表が現場で印象に残ったことを写真やビデオキャプチャーで綴る写真日記
(webへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)
HDキャリングシステム 03/27(Tue)
 昨日に続いて別現場のHD/EFP収録でした。この日の現場は中継車を利用できるスペースが無く、可搬式のシステムとなりました。ENGは昨日同様HDW-750ですがEFPキャメラのHDC-1600は台数が1台少なくなり3CAMです。収録はHDW-M2000を2台とダウンコン収録のDSR-45です。

 搬入前の機材降ろしの様子です。機材量は中継車と同じほどあり、それプラス結線作業が増えるので大変です。

 これは音声機材です。昨日同様タムラのTS-4000S×2台で8in/4outになります。

 これはスイッチャー周りの様子です。左がVEスペース、中央がスイッチャースペース、右奥にVTRスペースがあります。

 VEスペースが狭いのでVEさんはとても便利な機材を持ってこられました。

 1つの画面にPGMとCAM1〜3が表示されます。同じモニターで同時に3台のキャメラ映像が表示されるので、アイリスの確認には最適です。

 客席後部に設置した3台のHDC-1600です。入場されたお客さんはかなり驚いていた様子で「テレビに映ったらどうしよう」という感じでした。

千里ビデオサービスの若きホープ(?)です。

 HDC-1600のファインダーはCRTではなく、カラー液晶が採用されていますが、フォーカスはCRTよりも見やすいくらいです。「一度使うともうCRTに戻れない」とキャメラマンさんたちの感想です。

 
HD中継車収録 03/26(Mon)
 今日は先日ロケハンしたHD収録の本番日でした。収録は東通さんにご協力いただき、中型HD中継車をお借りしました。
 R-14号中継車です。4月に予定している大型中継車と違って、ホールの駐車場にぴったり収まります。

これが笹邊の今日の仕事場のスイッチャー卓です。

 音声技師はいつもの今西さんです。今回は4ch収録するためにTAMURA TS-4000Sを2台と2ミックスモニター用のミキサーを中継車の中に置きました。

収録VTRはHDCAMのHDW-M2000を本線とアイソレーション用に2台用意しています。奥はHDC-1600用のCCUを4台コントロールするVE卓です。

 最新鋭のHDC-1600です。ファインダーはカラーになっています。キャメラの溝野さんいわく「カラーでもここまで見えるようになったんですね!」たしかに見やすくなっています。

 キャメラはセンターに2台と下手1台、上手1台の合計4台。1Cが東通さん、2C溝野さんSVS、3C邑久さんSVS、4C小神君SVSです。

 番組にボリュームを付けるため、HDW-750によるENGを加えました。千里ビデオが普段使用しているHDW-700Aに比べて感度が高く、ノーライトの現場では有利になります。とはいっても700AもBVW-400Aと同じ感度を持っていますし、照明部が入る現場では750よりも700Aの方が綺麗だとVEさん達は仰います。この日の現場は笹邊を加えて総勢スタッフ12名の体制です。

 本番前のチェックを行っている今西さんと笹邊です。今日の現場は車が置けるおかげで中継車を用いましたが、明日の現場は可搬式のキャリーシステムによる3CAM/EFPとENGで行います。キャメラは今日と同じHDC-1600とHDW-750です。

 
現場下見 03/23(Fri)
 新世界へロケハンに行ってきました。週明けにHD/4CAM:EFPで収録を行うためです。HDCAMでの収録で、笹邊はスイッチャーで、キャメラマン2名、音声を千里ビデオサービスのスタッフで固めました。車はHD中型中継車でキャメラはHDC-1600が4台、それにENG用のHDW-750です。そしてロケハンに持参したキャメラはJVCのHD-250です。打合せの後、新世界界隈を撮影して帰りました。

 新世界といえばやはり通天閣。大阪の人間にとっては東京タワーよりも高い存在です。夜伊丹に到着する飛行機から通天閣が見えると「帰ってきた」と感じます。

ショートズームが付いたHD250はかなり細長く見えます。


 お店の前には色とりどりのビリケンさん(?)が出現されていて、ビリケンさんを携帯で撮影している観光客たちを撮っていますが、ビリケンさんが二人居るようだと同行のスタッフの一言。ちょっとダイエットしないと、本物のビリケンさんになってしまいそうです・・・・。

 
HVR-Z1Jで撮影したハイビジョン90分番組 03/18(Sun)
 今日はBS朝日の特番「教王護国寺・東寺 美に秘められた心の世界」〜虚空を結ぶ千二百年ロマン〜がオンエアされました。全編HVR-Z1Jで撮ったもので、撮影は私の会社のMと東京のWさんが担当し、私は特機でクレジットされていました。HDCAMで撮影したものとは比較になりませんが、全編HDVのお陰で本編中の落差は感じませんでした。このときはまだグライドカムが私の会社に入っていなかったため、Wさんがステディカムで行いました。クレーンとモノレールドリーのショットも随所に見ることができました。HDCAMに比べるとHDVの画質には不満もありますが、90分のハイビジョン番組を全編HVR-Z1Jで撮ったということでは、HDVにとって大きな前進ではないかと思います。今後発売される業務用HDVにおいては一層のレンズ周りの高性能化、また交換レンズ化を考えてもらいたいと思います。すでにJVCの1/3吋HDV用としてキヤノン、フジからは数本の1/3吋専用のマニュアルレンズやショートズームも発売されているんですからね。
 BS朝日のサイトを見ると「教王護国寺・東寺 美に秘められた心の世界」が今週のオススメとして掲載されていました。嬉しい限りです。


 
春の湖北が今日は大雪 03/11(Sun)
 三月も半ばに入った今日の湖北は季節外れの大雪です。河川の水中撮影のためにマキノ町まで行ってきました。時に顔が痛いほどの大粒の霰も降り、横殴りの風雪は外気温を1度Cまで下げました。もちろん体感温度は氷点下です。そんな寒風が吹きすさむ川へ潜って撮影するスタッフの暖房を準備することが笹邊の仕事です。石油ストーブをガンガンと燃やしながらお湯と食事の用意です。もうすこし若ければ私も潜るのですが、ここは若い者に任せて、またストーブでポカポカ・・・申し訳ない。

 菜の花が咲いているところへ降る雪に驚きました。今夜からは一層冬型が強まり、かなりの積雪が予想されます。

 仕事帰りに寄った佃煮屋さんです。前回の撮影の帰りにも寄ったところですが、ゴリやシジミが美味しかったので今回も土産を買いに立ち寄りました。

小さなお店ですが、色々な佃煮(甘露煮)があります。

今日買ったものは子鮎の甘露煮と小エビの甘露煮です。

もちろん今夜の食卓はびわ湖づくしです

 そして現場の近くで採れたつくし。一足早い春の土産に笹邊の家族も大満足です。

 つくしは笹邊の大好物のきんぴらになって食卓に並びました。「若いつくしは袴の間隔が短く大変だった」と娘の一言。でも新鮮な春の味覚に娘も満足していたようです。

 
VEの仕事 03/10(Sat)
昨日レンズのことを書いた現場です。今日の笹邊はVEを担当します。仕事場所はいつもの舞台袖ではなく、今日は調光室に入りました。

 下の左は調光室の奥にある音調室のミキサー卓です。右は調光卓で、今日のオペレーターは芝居の収録などでおなじみのE女史。実は彼女、小屋付きの照明さんなのです。お世話になります。
 上の写真は調光卓の横に組んだ収録ラックです。今日は中継ではなく収録が仕事です。今回は1CAM収録のため、パワーポイントが送出される6000Kのスクリーンと3200Kのハロゲン照明の舞台を違和感の無いように収録することです。演台の人物からスクリーンにキャメラを振ったときにホワイトバランスを追尾しなければなりません。
 
 下の写真のようにベクトルスコープを見ながら、RゲインとBゲイン、そしてアイリス、ニーをキャメラワークにあわせてマニュアルで調整します。自動追尾のATWで行えば良さそうですが、スクリーンの色によって誤動作してしまう自動追尾では良い結果は得られません。またとても便利に出来た人間の目は自動的に色補正するため、モニターの目視では正確な色調整が出来ません。やはり測定器とにらめっこする方法が優れています。
 上の写真は新大阪「がんこ」の昼定食です。仕込後〜本番までたっぷりと時間があり、ゆっくりとお昼を頂くことが出来ました。

 上はE女史のサービスカット。本番までの休憩時間に「本番みたいに」演じてくれました。同ポジのGIFアニメです。もちろん掲載OKです。そして彼女は02/24(Sat)の書き込みにある「照明家の三島うに」さんの一番弟子でなのです。

 
やっぱり20倍 03/09(Fri)
 明日はホール発注のセミナー&シンポジウムの撮影です。先日も同じホールでの中継で20倍を使用しましたが、明日も20倍での撮影です。主催者発注の場合はキャメラ位置を調整し易いのですが、ホール発注でのキャメラ位置は指定されたポジションになります。

 キヤノンのJ20aは前玉が大きく望遠でもシャープな画像を提供してくれます。天体望遠鏡(笹邊は中学生時代から天体ファンで、高校生の時に撮影した木星の写真は天文ガイドや天文と気象に掲載されたこともあります)を覗いていると一般の人から「この望遠鏡は何倍ですか?」と尋ねられます。実はこれは大きな間違いで、倍率とは主鏡(主レンズ)の焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った数字なのです。つまり1200mmのレンズに6mmの焦点距離を持った接眼レンズを使用すれば1200÷6=200倍となります。ところがそれよりも大事なのは集光力です。人間の瞳の面積=7mm×πに対してどれほどの光を集めることが出来るかという数字です。同時に集光力が大きいレンズは分解能(解像度)が高くなります。つまり口径が大きいほどシャープな画像が得られるということです。もちろん明るさも口径に比例し、同じ焦点距離では口径の大きいレンズほど明るくなります。レンズの明るさF値=焦点距離÷口径で、300mmの焦点距離で開放F値が2.8のレンズの口径は10cm強になります。

 このJ20aはテレ端160mmで開放F値が1.7ですから口径は94mmになります。普段ENGで使用しているJ14aや15aはテレ端120mmで1.7ですから70mmです。やはり口径分の差を感じます。もちろん解像度は口径だけで決まるのではなく、ガラスの材質、設計、加工精度によって変わります。そしてこのJ20aはそれら全てが揃った優秀なレンズです。業務用レンズと比べるとその差は一目瞭然で、エクステンダーを入れた場合も非常にシャープな画像を得ることが出来ます。
 ちなみに天体望遠鏡は、焦点距離の短い接眼レンズを使ってむやみに倍率を上げてもシャープにはなりません。主鏡の口径をmmで表示した数字の倍率が適正な最大倍率と言われてきました。6cmなら60倍、15cmなら150倍、20cmで200倍程度となります。しかし最近ではEDガラスや反射鏡の非球面精度が上がったことで、高精度なものは上記の数字の2倍程度までが実用的な倍率ということになってきました。技術の進歩ですね。

 
銀塩写真 03/07(Wed)
 最近大学生の息子が銀塩写真に凝っています。というのも、デジカメばかり撮っていると上達しないぞ!ということで笹邊が使っていたCanon A1をあげた事が始まりです。
 「このA1は中近東やアフリカ、アジア、オーストラリアなど世界を旅した由緒あるA1だから大切にするように」という条件であげたものですが、やはり日常をラフに撮るには気が引けるらしく、普段はオリンパスペン(これも笹邊にとっては思い出の逸品なんですが・・・)を持って色々スナップしているようです。

 そして撮影してきたものはなんと大阪の新世界界隈。思わず学生時代に鶴橋へ通っていた自分と重ねてしまいました。

 ネガカラーで撮影して、データCDにしてくれるサービスがあり、銀塩フィルムからスキャンする手間を考えるとハーブ版1本(約80枚)現像費込み1000円で出来るそうです。

 フィルムはダイソーで売っている感度200のコダックゴールド27枚撮り(ハーフなので約60枚撮り)を使っているそうです。

 水原 弘さんの看板が懐かしいですね。レトロなものにはやはり銀塩でしょうか。

 息子に刺激され、私もこんなハーフカメラを引っ張り出してきました。これはキヤノンダイアル35というゼンマイ式自動巻上げのハーフ版で、リコーオートハーフよりもカッコイイカメラです。息子は狙っていますが、これだけは譲れません。その息子が徳島にあるカメラのキタムラで、なんと中古(ほぼ未使用の新同品)を1500円で手に入れてしまったのです。さらにA1用のモードラを2台もゲットしました。結局由緒あるA1はそれまでのワインダーからモードラ付きに変わって再び笹邊の元に戻っています。それも5コマ/秒のモードラ付きで。でも1回の現像、データ化の費用と大して変わらない金額でA1を手に入れた息子はよほどキタムラの店長さんに気に入っていただけたようです。
 銀塩⇒デジタルデータのサービスはポジで撮影していた頃よりもネガで撮影する映画に似た発色とトーンを持っているようです。しばらくは笹邊も銀塩のクラシックな写真機にはまりそうです。ただし明日もCM編集があり、しばらくは写真を撮り歩く時間はなさそうです。
 笹邊が使ってきたカメラのアルバムがこちらにあります。
 http://blog.zaq.ne.jp/senri/photoalbum/?id=thumbnail.7023.

 
セミナー 03/05(Mon)
 セミナーの中継でした。収録は無く、ステージに設置したリアプロジェクターへのライブ送出です。
 満席が予想されるため、客席内にはキャメラとキャメラマンのみとし、電源やコントロールは舞台袖に組んだブースから行います。

 ベースにはモニター、CCU、波形モニターの他にオーディオミキサーを用意しています。収録がないのでミキサーは不要に思われがちですが、ステージでの話がキャメラマンに聞き取りやすいよう、インカムにライン音声を送っています。

 こちらはパワーポイントとライブキャメラの切り替えを行うシームレススイッチャーISS-108です。

 目で見えている舞台と、送出された映像が同じ大きさでは意味がありません。中継だけの場合は状況説明のロングは必要なく、観客が見たいアップショットになります。

 キャメラ位置は客席最後部となり、望遠での安定したキャメラワークを行うためVision11を使用しています。笹邊は11よりも10が好きなのですが、耐加重は11の方が大きく設計されています。

 最近使用頻度がとても多くなったJ20a×8です。現場が重なった時はハイビジョン用のHJ22やフジのHA21を使用しますが、J20aは口径も大きく、テレ端やエクステンダー使用時の画質はHDレンズに引けをとらない高性能レンズです。

 
待ち望んでいたもの 03/04(Sun)
 長い間待ち望んでいたものが出来上がりました。といっても大きなものでは有りません。TVキャメラのズームリング用のオイルダンパーをレンズに取り付ける金具です。クロジールのオイルダンプズーマーは今までJ14aやJ15aに取り付けて使用していたのですが、この金具のおかげで笹邊が最も気に入っているJ14×8にも使用できるようになりました。

 オイルダンプズーマーはレンズのズームリングと2つのギアで噛み合います。一旦小さなギアと噛み合った後にもう一つのオイルダンプされたギアと噛み合います。つまりリングとレバーの回転方向を合わせるためです。

 レバーの付いたメインのギアはシリコーングリスでドラグが与えられます。ダイアルを調整することで同じ力を加えた時のズーミングの速度を可変できます。キャメラの三脚に付いているヘッドと同じ機構です。このダンパーのお陰で滑らかなスローズームもいたって簡単に行うことが出来ます。いわば職人の七つ道具といったところ。装着は無理と諦めたいたのですが、これからは笹邊が最も好きなJ14×8でもクロジールを使用できるようになます。滑らかな動きは触っているだけで楽しい気分にしてくれます。明日、新大阪のホールで教育関連のライブ中継で20倍を使用するのですが、このズーマーは使用しません。ズーマーを使ってフォーカスとズームの同時操作を一人ですることは無理なので、やはりVPやCM向けの道具ということですね。
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