映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2010年06月23日(水)  WANTED MACRO NIKKOR
写真はニコンマクロニッコールレンズ。 マイクロニッコールではありません。
左後ろから12cm F6.3マクロニッコール (2本写っています)右後ろが65mmf4.5マクロニッコール
手前左35oF4.5マクロニッコール、そして右手前19mmF2.8マクロニッコールです。

(写真はeBayから転載しています)

1960年頃から90年頃に販売されたマクロ写真装置「マルチフォト」のセットレンズです。
使われずに眠ってる「ニコン・マルチフォト」がありましたらぜひご一報下さい!

「大学とか研究・教育機関にいる方にお願い」もちろんお付き合いのある先生方にもお願いします。
古い光学機器(顕微鏡やカメラ、半導体製造)などを廃棄する時はこっそり教え下さい。
大事に末永く活用させていただきますので、どうかご一報を!

他にも半導体のフォトマスク製作に使用されてUltra Micro Nikkor(これはマイクロです)や製版用APOニッコールなども。
古いレンズでも使い方次第ではまだまだ現役復帰させられるものがいっぱいあります。廃棄して傷だらけになる前に、是非ともお願いします。

2010年06月17日(木)  インスピレーション!【里街みのお】構想
ふとある言葉を思いついてブログに書きました。
【里街みのお】です。里街を検索してみたところ里街という単語自体無いようです。大辞林 第二版 (三省堂)でも【里街】はありません。【里街みのお】【里街箕面】も的中するのは笹邊が今日書いたブログです。
何故里街なのかといえば、千里ビデオサービスの有る箕面って【里山】なんだろうか?という疑問が発端になりました。笹邊の母親は箕面の旧家の出身で屋号は布屋といい、笹邊も子供の頃から水車小屋で遊んだり、山や川、池を自分の庭のようにしていました。しかし今ではその面影は残すものの、千里ビデオサービスのある小野原界隈はとてもハイソな町並みになっています。当時村の墓地があって焼き場(火葬場)だったところには有名なレストランが建っています。当時の里山は大きく変貌し、今も北部ではどんどんと開発が進んでいます。にもかかわらず、現在の箕面都市部でもホタルなどの昆虫類や鳥類、そして両生類や爬虫類、哺乳類が数多く見られます。

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上の写真は小野原付近の神社の境内で見られるヒメボタルです。箕面川や箕川、勝尾寺川ではゲンジボタル、そして周辺の田圃や側溝ではヘイケボタルを見ることが出来ます。

こちらは千里ビデオサービスの近くの神社で毎年子育てを行っているアオバズク。冬季になると東南アジアへ南下し越冬するそうですが、夏季には日本などで繁殖、子育てするそうです。


昨年撮影したアオバズクの子育ての様子です

次は近くの公園にやってくる小鳥たち。
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公園に梅が咲き始めると冬鳥の【ジョウビタキ】がやってきます。「人間が近づいても逃げない」のでバカヒタキとも言われるそうでだそうです。実際にレンズを向けてもすぐに飛び立ちません。

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昔は「焼き鳥」といえばツグミが最高だったそうですが、今では獲っても駄目で、もちろん食べてはいけません。ツグミも千里ビデオサービスの裏の公園へやってきます。

次は箕面で見られる特別天然記念物です。
梅雨時に卵を産むモリアオガエル。少し山に入ると煩いほどの鳴き声が響きます。YouTubeの動画に鳴き声も入っています。



大型の両生類オオサンショウウオです。箕面の滝道や滝の上の川の中に入る姿を観察できます。

どんどんと都市化されていく箕面ですが、それでもなお様々な野生が身近で見られる状況が里山でもなく、田舎でもなく、かといって都会でもない。そんな箕面に【里街】という呼び方が相応しいのではないか?とふと思いました。
【里街みのお】【里街箕面】いかがでしょうか。

2010年06月13日(日)  オンボードカメラ GoPro HDを検証中
先月購入したオンボード用カメラのGoProHDの検証を始めました。
検証といってもたいしたことではなく、どのレベルの仕事に使えるかということです。
EL Nikkor 135mm F5.6 / PB-4 Bellows / NIKON D700 大きなサイズの写真はコチラにあります。

マッチ箱ほどのHDカメラのGoProHDは小さいながらもHDで170度の画角が撮影できるカメラで、動画だけではなく静止画の記録も可能です。シンプルなデザインの中に秘めたパフォーマンスは驚きです。笹邊がGoProHDを導入するきっかけとなったPVがこれです。そして複数購入した理由もこの映像の中にあります。

他にも様々な映像がYouTubeのGoProチャンネルにアップされていますので是非ご覧下さい。CMOSのライン読み出しによるコンニャク現象が気にならないわけではありませんが、写っているものの素晴らしさとのバランスを考えれば許容できると思いますがどうでしょうか。
この小さなHDカメラが今後の映像作りにどう役立つかはアイデア次第です。背面のマルチコネクターで接続する拡張バッテリーや、LCDモニターも間もなく発売されるようです。また拡張バッテリーやLCDモニター装着時用のハウジング裏蓋も同時に出るようで期待できます。GoPro HDはスポーツ用品でお馴染みのエバニューで取り扱っています。

2010年06月09日(水)  ハイテクを支えるローテク撮影技術
バイオテクノロジーを研究されている最先端の研究機関からの撮影依頼がありました。撮影内容は学会発表前のため伏せておきますが、この撮影には弊社の保有する日本光学工業製ニコンレンズ(ニッコールではなくニコンです)のなかでも非常に珍しいと言われるものを使用しました。WEBにも上がってこない珍しいレンズなので少し紹介します。画像も大変少ないので各画像をクリックしていただくと大きな画像をご覧いただけるようにしています。

Nikon 5x F2.6 Ophthalmology lensという、おそらく眼科用のマクロ撮影レンズをベローズ(蛇腹)ユニットを介して取り付けています。カメラはNIKON D700ですが、ベローズユニットは笹邊がPB-4とともに昔から使っているPB-5といタイプです。レンズをスイング(アオリ)させる必要が無い撮影のためPB-5を使用しました。カメラをD700の代わりにC/Nマウントアダプターを介してCANON EOS5D markUを取り付ければフルハイビジョンの動画も撮影できます。
(NIKON D300SやD3Sの動画機能は露出シミュレーションが無いため、動画撮影ではEOS 5D markUや7Dが適していると思います。またNIKONはフルHDのACVHDではなく、1280×720/24fpsのMotion-JPEG AVIです。)

カメラを取り付けたベローズユニットをコピースタンドに取り付け、撮影倍率が変化しないようにフォーカスはコピースタンドのエレベーターで行います。この頑丈かつ高精度なコピースタンドも弊社設立時に購入したもので、イメージスキャナーな無かった頃は三管式や三板式の大きなビデオカメラを取り付けていました。商品名はSUPER REPROというものでイタリアIFF(スタジオ照明システムを作っているメーカー)製らしいのですが、千里ビデオサービスの社名のルーツであるOSカメラサービスで25年ほど前に購入したものです。

これがRED BOOK NIKKOR AID INTERNATIONALMike Symons's Mysterious 2 Strange Nikon Medical Micro Lensesとしてカナダのニコン史研究家のマイク・サイモンズさんが情報を探しているレンズです。マイク・サイモンズさんはNHS(The Nikon Historical Society)でも有名な研究家の方のようです。
バブリーな時代のレンズらしく洗練されたデザインで、作りは大変重厚かつ高精度なものです。重量は500g強と標準レンズの約二倍ほどで、F1.2のAiノクトニッコールよりも重く、AFニッコール85mmF1.4やAiニッコール200mmF4並みです。

この珍しいレンズですが、拡大撮影において大変優れた描写を見せてくれます。今回の撮影ではこの他にEL-NIKKOR 50mmF2.8、135oF5.6やリバースリングを付けた28mmF2.8なども用意しましたが、結局このNikon 5x F2.6 Ophthalmology lensが高倍率でのワーキングディスタンスも大きく取れて全てこれ1本で済ませることができました。
タイトルに書いた「ハイテクを支えるローテク撮影技術」ですが、撮影現場は30年前の技法と何ら変わることは無く、違いと言えばカメラの撮影メディアがフィルムからデジタルに変わったくらいで、露出はマニュアルでですし、フォーカスももちろんマニュアルです。バイオサイエンスの最先端の研究ですが、それを支える撮影技術は数十年前に構築されたローテクでした。撮影は超アナログ的な手法を多用したもので、写真は掲載していませんが極めて地味なスタイルで行いました。ただし撮影した写真は今風に現場で先生のコンピューターに落とし込みます。このあたりはさすがにデジタルスタイルです。画像を確認された先生からは「素晴らしい」というお言葉を頂きました。
ちなみに今回の撮影は弊社のホームページを見ていただいてのご依頼でした。最先端の研究のお手伝いが出来たことを心から喜んでおります。

2010年06月06日(日)  天気がいい日に屋内で撮影
昨日の予定通り今日も大変良い、というか良すぎる天気でした。撮影は日舞の2カメです。
昨日仕込、リハーサルを終えているので今朝はカメラを乗せるだけ。10〜16時の本番もつつがなく終了できました。

今日はビデオの撮影だけではなく、写真の撮影も行っています。客席中ほどからの撮影ではAi Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8Sが標準になりますが、今日は客席最後部がポジションになっているため少し長めで高倍率ののAi Zoom Nikkor ED 50-300mm F4.5Sです。46〜8度の画角はこういう撮影ではとても便利です。また引きから寄りまでF4.5一定という明るさがとても使いやすいです。カメラはもちろんフルサイズのD700でした。

2010年06月05日(土)  いい天気でした
今日は朝から明日行われる日舞のリハーサルでした。休憩時間に暗い舞台から出てみるとご覧の通り。
【雲ひとつ無い】ではなく、飛行機雲だけが見える空でした。

エクスペリアの気象レーダー画像を見ると沖縄を除けば殆どが快晴。明日の撮影はもちろん屋内。でも天気がいい日に現場に向かうのはやはりいい気分です。職業にもよりますが、私たちの仕事はやっぱり晴れがいいですね。

2010年06月03日(木)  OPERA Ver.1060にしました
WEBブラウザをこれまでのOPERA 10.10から10.60にしました。10.60はまだα版ですが不具合も無く良好です。α版のためアップグレードにはならずに新しいフォルダにインストールされます。インストール前に以前のブックマークを事前にエクスポートし、インストール後に不可視ファイルになっているクッキーやパスワード情報を以前のバージョンのフォルダから10.60のフォルダに移せば全て以前のバージョンどおりになります。

スピードダイヤルは10.00以降と同様ですが、全体的な処理速度は体感として速くなっていることがわかります。IE8もいいんですが、スピードダイヤルと横配置(上にも設定できます)のタブになれると大変便利で後戻りできません。

10.51でアイコンに格納されていたメニューバー項目が10.60では再び10.00以前と同様にメニューバーに戻りました。やはりこの方が使いやすいです。

OPERAを最初に使ったのは2000年初め頃のMacOS版でしたが、当時はIEやネスケ、iCabとは違ってシェアウエアでした。今ではエクスペリアにもアンドロイド版のOPERA MOBILEが搭載されています。
スキームはMOZIRAなどと同じく様々なスキームが提供されています。上の画像はBeOS風のスキーム。BeOSはこれもMac時代に4.0、5.0を使いました。Beは今もローランドのビデオ・キャンパス DV-7などで使われていますが、OSが顔を出すのは起動と保存、終了時くらいです。

こちらは標準のスキーム。とにかく使いやすいOPERAでSPEED DIALです。もちろんフラッシュ、PDF、WMV、QTなどの各種プラグインにも対応しています。β版がリリースされるのが待ち遠しいOPERA 10.60のお話でした。

2010年05月31日(月)  アオバズクが飛来しています
今年も会社の近くにアオバズクが飛来しています。間もなく子育てが始まり、7月には雛の巣立ちが観察できます。
各写真の下にオリジナルサイズのJPEG画像のリンクを付けています。ニコンといえども30年程前のレンズでは色収差が目立ちますが、写真は拡大せずに全てノートリミングで掲載しました。

Ai Zoom Nikkor ED 80-200mm F2.8S/NIKON D300

下の2枚は東京オリンピック時代に開発されたフォーカシングユニットを使用する600mmレンズ。最短撮影距離が11mのため接写用のエクステンションチューブを使用しています。
Nikkor-P Auto 600mm F5.6/NIKON D300

Nikkor-P Auto 600mm F5.6/NIKON D300

撮影の様子はいつものサイバーショットではなくAndroid携帯のエクスペリアで撮影。
SONY smart phone Xperia SO-01B

昨年の子育ての様子(2009年7月)豆カムHDでの夜間撮影のためノイズが多くなっています。

2010年05月30日(日)  Windows危機一髪
5/28に普段笹邊が事務及びメール等に使っているCore2DUOのWindowsが起動不能に陥りました。起動しかけて落ちては起動の繰り返しです。ヤバ〜〜!
OSのCDで起動してみると中身の入っていないCドライブが見えます。ア゛〜〜〜!。

取り敢えず28日のWEB配信用の2カメ撮影、29日の医学会議の3カメ撮影を終えるまでは保留状態にするしかありません。一応MyDocumentsやMailはシステムとは別なHDDを使っているので、最悪は新しいHDDで再セットアップといくことで現場へ向かいました。

さて撮影も無事終了し、事務所に戻って修復作業。内蔵しているC以外のHDDへのケーブルを外します。問題のCドライブはそのままに(新しいシステムをCドライブ以外にするため)別なHDDを仮接続してWindowsを新規インストールします。中身は空っぽと言っても認識できていることは救いです。不具合の起こっているHDDへの上書き禁物。大事に隔離します。

仮インストールに使用したHDDは余っていた160GBのSATAです。インストールに要した時間は約40分。基本システムをインストールしてWindowsを立ちあげてマザーボードに以上が無いことは判りました。このシステムがCドライブで無いことを確認して管理モードに入ってCドライブの修復です。

チェックディスク(CHKDSK)を行うとCドライブのインデックスがとんでもないことになっていたようです。順次修復して作業は約3時間ほど。もちろん自動です。

治るかどうか、不安を抱きつつほのかな期待を・・・・

修復のため仮インストールしたHDDを外して、BIOSの起動ディスクを変更して起動・・・・・・・・やった〜〜!感謝感激雨あられ!
「システムは深刻なエラーから回復しました」そうです。
以前のデスクトップになって、メールも全て復活。様々な見積書や、データ、デスクトップ上(Cドライブ)のデータも全て復活しました。念のためデスクトップのデータは外部HDDにバックアップして一安心。何よりも失ったデータが全く無かったのは最高の幸せです。しかし・・・・疲れました。

2010年05月29日(土)  医学系会議の収録が終了しました
音声関係の問題や、収録方法を色々と検討してきた現場が終了しました。

今回持ち込んだ収録ベースです。普段使用している収録ラックですが、中身は全く異なります。上から14吋モニターと44分割ユニット、下にTAMURAのワイヤレスインカム(レンタル品)、右は波形モニターとハンディーカメラHC-D45/DSR1からの映像用モニター。
次の段に収録デッキDSR-45、無人カメラ(WV-E600)用のCCUとリモコンヘッドコントローラ。
そして次の段に音声収録用のR44とTAMURA TS-4000Sがそれぞれ2台です。

今回の収録システムの仕込図は最終バージョン。クリックしていただくと別ウインドウが開いてサイズ可変の画像をご覧いただけます。

4分割の左上C-1がメイン会場、右上がサブ会場のC-2。左下が両上を会場を受け持つHC-D45の映像でC-3に割り当てています。C4入力は使用していません。

カメラの映像はそれぞれパラレルに収録し、C-1/C-2はDSR-45に、HC-D45は一体化したDSR1に録画しました。
音声は各会場にバウンダリーマイクAKG C680×4本とアムクロンPCC-160×5ですがl、PCCは一箇所分をパラで繋いで4chとしました。またR44は2台をスレーブ接続でリンクさすことで1台をスタートさせればもう一台が揃ってスタートします。

R44の記録はモノラル4chで行いますが、映像編集時に4chをさわらなくていいように4chミキサーのTS-4000SでミックスしてDSR-45に送っています。また、それそれのTS-4000SからHC-D45にメイン会場、サブ会場の音声を送ることでカメラマンは収録中の会場のプログラム音声を会場に合わせてモニターチャンネルを切り替えて聴けるようにしています。CH-1にメイン会場、CH-2にはサブ会場の音声を収録しています。

2台のCCUでそれぞれのカメラコントロールを行い、メイン会場用にはリモコンヘッドを使用し、CCUの上にコントローラが載っています。HC-D45のアイリスはカメラマンが操作し、モニター用にBNCを1本と音声送り用のキャノンケーブルが2本繋がっています。インカム用ケーブルはワイヤレスのため必要ありません。

リモコンヘッドは固定部には三脚用の100oボールを加工して取り付けていますからヴィンテンの三脚にも簡単に取り付けることが出来ます。

ラストの全体会議ではサブ会場で使用したE600をメイン会場へ移動し、スクリーンのPPTの撮影用に使用します。

ディレクター用の三連モニターです。左のスピーカーからメイン会場の音声、右からはサブ会場の音声が出力され、必要に応じてTS-4000Sのモニターボリュームで音量を調整します。
以上が今回の収録の概要です。今回の収録スタイルは今までに無かったスタイルのためひな形はありませんでしたが、これでまた一つ引き出しが増えました。そして待望のバウンダリーマイクの購入や2台目のR44の購入など、技術職としては嬉しいことばかりでした。もちろん高価なワイヤレスインカムはレンタルで済ませましたが、それ以外の機材は全て弊社の保有で賄えました。色々と購入品のコストはかかりましたが、今後増えてくるだろう8chのフィールド録音やUSTREAMへの中継に役立つ機材だと信じています。

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