映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2010年09月19日(日)  NEX-VG10+Ai Nikkor運用テスト
大阪駅前歩道橋にて

NEX-VG10にF用ニッコールレンズ装着の運用テストを行いました。動画はプレビューだけで編集は行っておりませんので、その前にNEX-VG10の雄姿?をご覧下さい。
テ ストに使用したレンズはAi NIKKOR 15mm F3.5S/Ai NIKKOR 35mm F1.4S/Micro NIKKOR 55mm F3.5絞り自動補正機構付(AI改)/Ai NIKKOR 50mm F1.4S/Ai NIKKOR 85mm F1.4S/Ai NIKKOR 135mm F2S/Ai AF NIKKOR 300mm F4ED等でした。
初期に付属しているレンズ(すでに笹邊の手元には無く、NEX- 5ユーザーさんの元に嫁ぎました)はスチルでは問題ありませんが、笹邊が撮るムービーではやはり暗すぎて実用的ではありませんでした。NEX-VG10 ユーザーさんからはVG10の感度不足を嘆く声が聞こえますが、F1.4や2.0クラスのレンズを使えば感度不足どころか、夜間のノーライト撮影も 15dB程度のゲインアップで十分使えました。もちろん本体にNDフィルターを内蔵していないVG10ではシャッター速度を1/60以下で撮影するムー ビーではNDフィルターは必須となります。E 16mm F2.8には丸型の49mmNDフィルターが便利ですが、アタッチメントサイズが異なるNIKKORレンズではマットボックスに付いたフィルターホルダー に4x4吋のNDフィルターを適宜組み合わせて設定したアイリスに合わせて光両を調整する方が便利です。

Micro NIKKOR 55mm F3.5絞り自動補正機構付(AI改)装着:梅田

Ai NIKKOR 135mm F2S装着:梅田

Ai NIKKOR 15mm F3.5S装着:大阪駅前歩道橋

Ai NIKKOR 15mm F3.5S装着:大阪駅前歩道橋

Micro NIKKOR 55mm F3.5絞り自動補正機構付(AI改)装着:大阪駅前歩道橋

Ai NIKKOR 85mm F1.4S:大阪駅前歩道橋

Ai AF NIKKOR 300mm F4ED:大阪駅前

Ai NIKKOR 35mm F1.4S:大阪ミナミ戎橋付近

こ の日に撮影した動画はいずれYouTube SenriVideoChannelにてご覧いただけるようにします。トワイライトでの撮影も大口径レンズを用いることでHDCAM並みの感度を得ること が出来ることで、いかに付属レンズが暗いのかを体感しました。11倍でF2.0もしくはF2.8を通すというのは至難の業ということですね。なお、別日に 絞環が付いたAi AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-EDをテストしてみましたが、湾曲も無く明るさも十分でした。少し大きいですが、フォーカスも操作しやすくPV撮影やVP撮影の基本レンズとして便 利でした。

一口メモ:NEX純正レンズは安いラインナップが高性能でお得!
★別売18-55mm F3.5-6.3 OSS ズームレンズ ズーム比は3倍ですが軽くてバランスが良いレンズ。手持ち撮影ならこちらのレンズがお勧めです。ズームに頼らず自分から近づく事も大切ですね。 35mm判換算で、広角27mmから中望遠82.5mm相当までをカバーする、Eマウント専用の約3倍ズームレンズ。約4段の手ブレ補正効果を発揮する、光学式手ブレ補正機能を内蔵。さらに新開発のレンズ内モーターにより、静かでなめらかなフォーカスや絞り駆動を実現し、音声ノイズの少ない動画を記録できます。 大きさ:最大径φ62mm、全長60mm 質量:約194g また手ブレ防止はありませんが、AFを搭載した【SONY E 16mm F2.8 (SEL16F28)】は価格も安く、お勧めです。下に貼ったYouTubeは【SONY E 16mm F2.8 (SEL16F28)】1本だけでで撮影しています。


2010年09月13日(月)  NEX-VG10仕事モードスタイル
NEX-VG10 のテスト撮りを進めていますが、NDフィルターを内蔵していないVG10では動画撮影の場合はシャッター速度を1/60秒もしくは1/30秒に固定しなけ ればなりません。さらに被写界深度を優先させるためにアイリスは固定します。そうなると露出調整はねじ込み式のNDフィルターが×2、×4、×8、×16 などが必要で、さらに0.2刻みの3×3吋のKODAKやFUJIのゼラチンフィルター、そして4x4吋のティフェンが必要になります。またハーフNGや プロミスト、フォグ、ソフトなどもフィルターも必要になります。
写真はEOS動画用に購入したマットボックスですが、NEX-VG10用に芯出し調整しました。けっこうカッコイイなと見とれてしまいました。


(写真用に上と左右のフレンチフラップは外しています)

映 画の国インドで作られたマットボックスですが、クロジールのマットボックスほどの精度はありません。しかし必要にして十分な機能は備えています。EOSや VG10ならこの方が価格バランスもいいようです。三脚はビジョン3を使用しています。3kgスプリングでは弱いかも知れないと思いましたが、カメラが軽 いので十分でした。もちろんNIKKOR 200mmF2.0や300mmF2.8を使うことを考えるとサクラーのV18+が似合いそうです。

2010年09月12日(日)  NEX-VG10の付属レンズ
NEX-VG10のNIKON Fマウント変換アダプターがまだ届かないので、付属レンズのSONY E 18-200mm F3.5-6.3 OSSで写真を撮ってみました。
写真をクリックしていただくと800×533ピクセルの写真が別ウインドウで開きます。この程度のサイズなら使えるレベルですが、さすがに原寸で見ると解像度の低いところや残存色収差が気になります。http://svs.ne.jp/cgi-diary/2010/imgdata/DSC00122.jpg
やはりあくまで格安のセットレンズということでしょうか。製造した国が同じだったので、以前にブログで書いた三脚アタッチメントを思い出してしまいました。(※NEX-VG10本体はMade in Japanでした。念のため・・・) 明後日にはニコンFマウント→NEXマウント変換アダプターが届きますので様々なニッコールレンズでNEX-VG10の本気の撮影画像を見ることが出来ると思います。
た だしこのレンズもNEX-VG10の毎秒9コマの連写にはAF機能と防振機能が加わることでオマケとしては十分納得できるものです。ただし構造上レンズ全 長が二倍以上に伸縮するズームや、先端の第一のリングがズームで、フォーカスが第二のリングというのは動画向けでは無いと思います。それにフォーカスがグ ルグルまわりするのもいただけません。そして開放F値F3.5が使えるのは短焦点側だけで、50mmではF5.6、長焦点側でF6.3までドロップすると ころは困りものです。というわけで、付属の11倍レンズは購入後3日でNEX5ユーザーさんのところへお嫁入り。

ニコンFマウント→NEXマウント変換アダプターが到着してテストするレンズは15o/F3.5、 16mm/F2.8、20o/F2.8、24mm/F2.0、28mm/F2.0、35mm/F1.4、50mm/F1.4、New Nikkor 55mm F1.2(Ai改)、85mm/F1.4、 85mm/F2.0、105mm/F2.5、135mm/F2.0、180o/F2.8ED、200mm/F2.0ED、300mm/F2.8ED、25 -50mm/F4.5、35-70o/F3.5、28-85mm/F3.5-4.5、80-200mm/F2.8等です。これらの中からNEX-VG10 と相性のいいレンズが出てくれることを期待します。

最近このホームページへNEX-VG10をキーワードにアクセスされる方が多いので、ソニーのサイトに書かれていない重要なことを書いておきます。
NEX -VG10の映像出力はLCDパネル、ビューファインダー、HDMI出力が排他関係になっています。HDMI出力にモニターを接続するとLCDモニターは もちろん、ビューファインダーの映像も消えてしまいます。これはEOSと同じで、この価格のデジタルカメラとしては仕方の無いことのようです。弊社も購入 前に確認しておいたことで、これは納得の上での購入で、仕事ではHDMI分配器やHD-SDI変換後に分配することでEOSと同様問題なく仕事には使えま す。でも出来ればLCDモニター以外に出す映像出力は強調関係であって欲しかったです。

さて、このNEX-VG10の発売で映像関係の人たちは楽しい玩具を手に入れたとおおはしゃぎですが、業務用、放送用の分野でも他社のはかけ離れて独走状態です。
フォーサーズでソニーNEXに出遅れた業務用XLR音声入力付きのレンズ交換式AVCHDカムコーダーは今だ発売にはならず、ソニーからはPMW-500も 出てきます。撮像素子はローリングシャッター現象のないCCD(3-chip 2/3-inch type Power HAD FX CCD)搭載で記録はSxSカード。他にも色々なものがこの秋には登場します。まさにソニー、帝国の逆襲でしょうか。ローエンドとハイエンドが出尽くした あとのミドルレンジ如何にといった映像業界です。そして写真業界の方も今年はN帝国の逆襲が続いています。

ローリングシャッター現象が良くわかる動画がYouTubeにありましたので貼っておきます。


2010年09月12日(日)  NEX-VG10はサイバーショットでした
注文していたNEX-VG10が届きました。大人のオモチャのようですが、本物でした。



このカメラはハンディーカムに分類されていますが、笹邊の第一印象はサイバーショットR1に動画機能とレンズ交換機能が付いた【Cyber-shot R10】といったところ!
以前ブログで書いた記事を読み返してみてつくずくそう思いました。
http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/89/
http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/177/

レ ンズ交換が出来て、ミラー無しでR1と同様のAPS-C撮像素子。静止画有効画素数1,420万画素(4592×3056)液晶はHD画質で大きくなって 3.0型TruBlack技術搭載TFTエクストラファイン液晶(921,600ドット相当)VFの画素数もHD対応0.43型エクストラファイン液晶 (1,152,000ドット相当)共に視野率100%。映像はHDMI出力あり。そして連写は毎秒9コマ。
写真機としても十分魅力的ですが、さらにフルHDの動画が録れます。まさに一粒で二度も三度も美味しいNEX-VG10です。

でもハンディーカムユーザーにとっては極めて使いにくいカムコーダーだと思います。動画でのAFのレスポンスは悪く、焦点を見失うこと頻繁。付属レンズの開放F値が大きくて、せっかくの感度も全く発揮できずじまい。グリップの大きさに対してレンズが大きくバランスが悪い。
で は「何で買ったの?」ということになりますが、千里ビデオサービスではこれにマニュアルフォーカスの開放F値1.2〜2.0までの大口径ニッコールレンズ を装着します。またニコンのベローズユニットPB-4を取り付けて拡大撮影やシフト撮影、さらに野外用実体顕微鏡のニコンファーブルフォトに取り付けて ファーブルカムとして運用します。また無指向性マイクユニットを4個配した新設計のステレオショットガンマイクはメカのイズの無いNEX-VG10をメモリーレコーダーとして単体フィールドレコーダーとしても使用できます。

使いにくさはある意味で面白さ、可愛らしさ、チャームポイントと言えるかもしれません。
す でにVG10を使う案件も進んでいます。シネサイズの撮像素子でレンズ交換が可能なところはEOS7Dと同じですが、やはりソニーの作ったカムコーダーで すから動画に向けた機能が満載です。その一つが感度表示で、動画ではGAINで表示して、写真ではISO感度になるところです。これから本番に向けて色々 テストやチューニングを行います。いずれ近いうちにビンテンに乗ってマットボックスや蛇腹フード、液晶モニターが付いた姿をお目にかけることが出来るで しょう。

NEX-VG10がサイバーショットR1だけじゃなく、何処と無くハッセルブラッド500CMに似ていると感じているのは笹邊だ けでは無いと思いますがいかがでしょうか。デザインや操作性だけじゃなく、普通の人にとってやたら使いにくいハッセルを長年使ってきた人にとっては使いに くいところも、手に馴染めば馴染むほど使い勝手がいいように思えてくるものです。ハッセルだけじゃなくニコンFやオリンパスPEN-Dのスライド式裏蓋な どは蝶板式のものより使いやすいものでした。

2010年09月08日(水)  レアニッコール Zoom Nikkor Auto 85-250mm F4
Jr.がとても気に入っているレンズのZoom Nikkor Auto 85-250mm F4です。

正 式名称はNippon Kogaku Japan Zoom-NIKKOR Auto 1:4 f=85mm〜250mmで、会社にあるものはニコンでAi改造したものですから最新のデジタル一眼レフで問題なく使用できます。これは1969年から 73年までに1552本が製造されました。重量は2,000gで全長は305mmもあります。1959年に日本初のスチル用ズームレンズとして発売されたAuto NIKKOR Telephoto Zoom 8.5cmF4-25cm F4.5は重量1,770gで全長304.5mm、モデルチェンジされた第二世代は1,960gで全長304.5mmとなり、この第三世代では光学、機械ともに再設計されて開放F値はF4一定になりましたが重量も増えてしまいました。
「大きいことはいいことだ」でお馴染みの山本直純氏の森永エールチョコレートのCMが流れたのは1960年代後半から1970年頃でした。性能のために大きさを犠牲にして設計したというべきか、小型化するための技術がまだ熟成していなかったと言うことでしょうか。
し かし第三世代が発売された翌年にはZoom Nikkor Auto 80-200mm F4.5という画期的なレンズが発売されています。大きさは全長162mmで重量はなんと830gです。性能も当時としては画期的なものでAi Zoom Nikkor 80-200mm F4Sまでにトータルで40万本以上が生産されました。しかし小型化を犠牲にしても高性能を求めたAi Zoom Nikkor 80-200mm F2.8S(全長 231mm 重量 1,900g)は1981年に発売されています。

今 回紹介するNippon Kogaku Japan Zoom-NIKKOR Auto 1:4 f=85mm〜250mmですが、40年以上前のレンズとは思えない描写が得られます。現在インターネットを探してもこのレンズで撮った作例は国内外とも に全くありません。それならば初の作例をアップしようとJr.がアップしたものがこちらのブログにあります。一応世界初のZoom-NIKKOR Auto 1:4 f=85mm〜250mmの作例です(笑)

それにしても直進式ズームレンズの被写界深度目盛のヒゲは美しいと思います。ニコンではレンズの目盛りや文字は手作業で色付けしていたそうです。まさに職人の世界!
Ai 改造された絞り環は非Aiのものとはデザインも異なり、NIKON F3のファインダーから直視できるマウント付け根の絞り値も付いています。距離指標は フィート表記のみでメートル表記はありません。オレンジ色の指標は専用プロクサー(1枚目の写真先端のオレンジ線が専用プロクサー)を付けた場合のフィー ト目盛りです。フィルターはシリーズ\が付属しますがプロクサーの位置に82mm径のものも取り付けることが出来ます。

2010年09月07日(火)  明日発売です
京都洛北でロケした大沢桃子さんのPVが徳間ジャパンからYouTubeにアップされています。

★「洛北 森と水の会」イメージソング★9月8日全国一斉発売です。
京都洛北地区の観光客誘致プロジェクト"洛北 森と水の会"を盛上げる、さわやかな新しい御当地ソングを、大沢桃子さんが書き下ろし!
http://www.tkma.co.jp/enka/oosawa/

ロケの様子はコチラにあります。

2010年09月06日(月)  別現場ですが良く似たシステムで助かりました
3カメ中継&収録と4カメ収録の現場が5日間連荘でした。(笹邊はマージャンはやりませんが、レンチャンという言葉は良く使います)

ホテルの宴会場で1000人のアワードパーティー。1カメは標準レンズで2カメは33倍、3カメはハンディーのショートズーム。スクリーンは4面のリア打ちDLPです。
左はスイッチャー卓で右はVE卓です。音声収録は4CHでタムラのTS-4000Sを2台使用しています。カメラケーブルの総延長は3カメ分で200mでした。

ホテルでの現場は3日間で、翌日からはダンスの公演を4カメスイッチャーとハンディーのENGスタイルで収録します。VTRとカメラが増えましたが、常時車に積んでいるシステムで対応できたため助かりました。
音 声はステージの生音用にPCCが2枚とオーディエンスにショットガンマイクをディレーを抑えるためにステージ側から客席に向けたショットガンマイク2本で す。これを1台のTS-4000Sに入れていますが、TS-4000Sのファントムは2CH分しかないため、SONYの48Vファントム電源を使用してい ます。ライン音声はもう一台のTS-4000Sで管理して前日と同様4CH収録しています。

左 側はVE卓でアイリスは4画面分割合成したものを1つのモニターで監視します。CCU4台とVTRが5台、ミキサーを2台使ったシステムも普段のキャリン グシステムでコンパクトに組むことが出来ました。ただし接続のキャノンケーブルや同軸ケーブルの配線数は多くなっています。カメラケーブルは4カメ分で総 延長250mでした。
この5日間は連日24時を越える現場でしたがスタッフたちのお陰で無事終えることが出来ました。感謝

2010年08月30日(月)  LSCAM
SONY NEX-VG10の発売までもう数えるほどの日程になりました。

さて、この新しいカムコーダーはこれまでのカムコーダーと何処が違うのでしょうか?
レンズ交換式?
こ れまでに使ってきたデジスタイルの小型カムコーダーは専用レンズが固定されていましたが、業務用カムコーダーはDVCAM/HDCAMなど全てレンズ交換 式で、必要に応じてショートズームや超望遠レンズ、時に光学防振レンズに交換していました。レンズ交換式ということは何ら新しいことではありません。
一眼ビデオカメラ?
二眼ビデオカメラって何?ということでビデオカメラの殆どは撮影レンズ=ビューレンズであり、二眼ビデオと言えばP社の3Dカメラを思い浮かべてしまいます。
デジタル一眼
確かに最近良く使われているEOS5Dmk2やEOS5Dはデジタル一眼レフレックスカメラに動画機能を搭載したスチルカメラで「デジタル一眼ムービー」「デジ一」という言葉も一般的になってきました。
でも考えてみるとDVCAMやHDV、HDCAMなど全てデジタルプロセスカメラで、上にも書いたようにレンズは1本ですからこれらもデジタル一眼ムービーということになってしまいます。

ではNEX-VG10がこれまでのカムコーダーと大きく違うところに注目してみます。
最も大きな違いは撮像素子が大きいこ とです。現在このサイズの撮像素子が使われたカムコーダーはHDCAMの最上位機種CINEALTA F35(F23は2/3吋)やRED ONEなどのデジタルシネマということになり、民生機や民生機をベースにした業務用カムコーダーの分野ではNEX-VG10が初めてではないでしょうか。 (NEX-VG10は民生機のハンディーカムになります)
これまで1/3吋や1/4吋カムコーダーではDOFユニットを用いて浅い被写界深度を表 現してきましたが、APS-CサイズのカムコーダーNEX-VG10では35o一眼レフ用やオリンパスPEN F用、ライカLマウントの古い交換レンズを用いて比較的簡単に浅い被写界深度を得ることが可能です。もちろんEOSでもそれは可能ですが、写真撮影用に作 られたEOSではかなり特殊な周辺機器を用いないとカムコーダースタイルにはなりません。
参考に「自作の人生」さんがアップされている自作DOFアダプターのYouTubeを貼っておきます。


ソニーが出したデジタルカメラでAPS-Cサイズの撮像素子が使われたものにサイバーショットDSC-R1(販売終了)という製品がありましたが、残念ながら動画機能は搭載されませんでした。以前BLOGに書いた記事最新の光学設計技術を駆使してもミラーの存在はレンズ設計者にとって大変な障害と 書きましたが、NEX-VG10はレンズから撮像素子までの光路に一眼レフのようなミラーはありません。そのおかげでライカのLマウントレンズ(キヤノン や小西六のヘキサノンも)やコンタックス、ニコンSマウントなど、ミラーのないレンジファインダーカメラの交換レンズも使用できます。つまり一眼レフのよ うにミラーボックスを持ったカメラと異なり、フランジバック(マウント面から撮像面までの距離)が短いことでレンズの選択肢が広いことも大きな特徴だと思 います。

NEX-VG10の特徴を並べると
・スタイルが動画撮影用にデザインされたカムコーダースタイルである。
・撮像素子が大きい。
・フランジバックが短い(レンズ設計が自由・既存レンズの選択肢が広い)
ということになります。
そこでこの新しいカムコーダーをどういった呼び方が相応しいのかを考えると
Large Sensor Camcorder with Short Frangeback
または
Short Frangeback & Large Sensor Camcorder
もしくは
Large Sensor & Short Frangeback Camcorder
ということになるのでしょうか?

しかしこれではややこしいので、その最大の特徴であるLarge Sensorを略して
LSCAM もしくはハンドヘルドをデジと呼ぶことから LSデジ
いかがですか!

2010年08月20日(金)  2010年9月2日は?
2010年9月2日は?というと防災の日の翌日。お陰さまで今年も9月1日は3カメ中継の仕事をさせていただきますが、翌日9月2日は何の日?といえば、それはニコンから新しいレンズが発売される日です。
まず1本目はコレ

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRです。
これまでこのクラスのレンズと言えばDXフォーマットのAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR IIでしたが、今回はFXフォーマット(35mmフルサイズ)で登場します。
大 きさはDX用18-200mmがアタッチメントサイズ72mmに対しFXの28-300mは77mmとなり、重量も約565gから800gと大型化してい ます。レンズ構成も12群16枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚)から14群19枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚)に増えています。
二つを並べてみるとこの程度の差でしょうか。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

DX専用の18-200mmが持つ機動性がようやくフルサイズのD700やD3sで使えることになります。テレ端での開放F値5.6は暗いようですが、FXフォーマットの感度を考えるとDXよりは確実に有利です。またこのAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRをDX フォーマットで使用するとフルサイズ換算で42o-450oとなり、これも大変機動性に富んだ焦点距離だと思います。ちなみに笹邊が愛用するAi Zoom Nikkor ED 50-300mm F4.5は2,200g、Ai Zoom Nikkor ED 50-300mm F4.5Sは1,950gもあります。絞り環の付いた50-300mm F4.5は動画専用にして、スチル用はそろそろ乗り換えの時期でしょうか。

また同日にDXフォーマット用の新しいレンズAF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VRも発売されます。
こちらは35oフルサイズ換算で82.5mm-450mmとなります。またこのレンズはメーカー発表によると
交換レンズに初の搭載となる高屈折率(HRI= High Refractive Index)レンズにより小型・軽量化、良好な描写性能を実現
屈 折率が2.0以上と高いため、1枚のレンズで通常の光学ガラスの複数枚のレンズと同等の効果を得ることが可能。さらに、1枚で像面湾曲と球面収差を同時に 補正することができるため、望遠側焦点距離300mmの約5.5倍超望遠ズームレンズでありながら、小型・軽量化を実現。また、開放から全画面にわたって コントラストの高い鮮鋭な描写を実現

ということで期待できます。さらに価格は上記28-300mmの半額以下で48,000円(税抜)という破格。安かろう悪かろうではなく、〜安価なレンズにこそニッコール魂が宿る〜というニッコール千夜一夜物語を思い浮かべます。

以下「第二十一夜 Nikkor-T 10.5cm F4 - ニッコール千夜一夜物語」より抜粋
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"今 も昔も、廉価版レンズの商品化で問題になるのは、性能と価格のバランスです。日本には "安かろう、悪かろう" という言葉があります。巷の安価な商品の中には、コストを下げるために、あたかも品質も下げてしまったかに見える商品もあります。皆が期待を裏切られた 時、こんな言葉を口にしたのです。しかし、ニコンのモノ作りは、この言葉とは全く逆の発想です。昔からニコンには "広く世間の人に使っていただく廉価版商品は、上位機種にも勝るとも劣らない性能を有していなければならない。" という心意気ともいえる考え方があります。なぜなら、低価格商品はコンシューマー層のお客様の殆どが手にする商品になるわけです。それがレンズの場合、そ の1本の廉価版ニッコールレンズの品質こそが、全てのニッコールの品質を代表していると思われてしまうからです。多くのお客様に満足していただくには、開 発者が一生懸命に知恵を絞って、価格と性能を両立させなければなりません。それは最高級品を開発するよりも、ある意味難しい試練なのです。そんな、時代を 超えた開発者の思いが、このレンズに宿っていました。まさに、ニッコールの名と共に脈々と受け継がれている設計思想に他ならないのです。"
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さらに9/16にはフルHD動画(H.264/MPEG-4 AVC)も搭載した廉価版クラスの新機種NIKON D3100も発売されます。
新製品ラッシュの秋、食欲を忘れて物欲に走る人も多いのでは無いでしょうか。

2010年08月15日(日)  お盆はいかがお過ごしだったでしょうか
みなさんお盆はいかがお過ごしだったでしょうか。笹邊のお盆は仕事。昨日までずっと撮影が続いておりました。けっこうきつい仕事でしたが終わってしまえば請求書を書くだけ。でも暑かったです。
週の初めは大阪南港。海辺は涼しくて気持ちがいいです。

そして怒涛の一発目は急遽依頼を受けた助っ人カメラマン。ピアノコンサートの3カメカメラマン。笹邊は体一つにリターンビデオ確認用のiKanの5.6吋モニターを持参で出張です。朝7時に京都に集合、奈良へ移動して仕込みをすませて本番終了は19時半。
翌 日、翌々日はある有名企業の30分インフォマーシャルの撮影。守秘義務がありますので書きませんが、P2カムコーダーのHPX-555とタイヤドリーなど を使って撮影しました。照明さんと朝6時半に待ち合わせて彦根に移動して撮影開始。その後大阪市内などを移動して初日終了。オンエア用のドキュメントタッ チの作品で6割がハンディー。現場終了は2200でした。この日M君は朝から野球の現場です。
そして翌日はインフォマーシャルをM君にバトンタッチして、笹邊はスチル撮影。
ハウススタジオで照明部さんにHMIを入れてもらいました。カット数は約30で新商品のカタログになります。
助手は先般プロ登録したJr.ですが、もっと経験を積まなくては一人前にはなれません。

2日間のスチル撮影を終えて昨日はプロ野球チームも持つ企業のプレゼンテーション用VPの撮影でM君とロケ。カメラはM君に任せて笹邊は助手兼ドライバー。すこしゆっくりさせてもらいました。そしてジュニアは阿波踊りの取材で徳島へ。

けっこう忙しい思いをしたお盆でしたが、今日は夕焼けがとても綺麗で、吹く風も何処と無く秋の雰囲気です。明日から少しは過ごしやすくなるのでしょうか。
そして嬉しいことにiPadのUSBアダプターが到着していました。サンプル映像をiPadに入れて持ち歩けるようになります。フラッシュは見えませんがQT系のH264やWiFiで見るYouTubeとUSTは営業に使えますね。

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