映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2011年04月04日(月)  NEX-VG10 HDSDI 2出力仕様のSVSスペシャル公開
NEX-VG10の千里ビデオスペシャル最新動画です。
拡大フォーカス&ピーキング表示できる5インチモニターとHDSDI出力が2系統です。
間もなくNEX-VG10の業務バージョンが発売されますが、VG10と同様にHDSDI出力は無くてHDMIのみとなるため、今回のHDMI→HDSDIコンバーターはそのまま流用となります。
12V仕様のHDSDIコンバーターはNP-F970(HVR−Z5J用7.2Vバッテリー)をDC−DCコンバーターで12Vに昇圧しています。
動画は三脚仕様ですが、ハンディー仕様でもAHEADCAMにHDMI分配器、HDSDIコンバーター、5吋モニターを搭載できます。


この動画はビデオカメラではなくデジタル一眼レフNIKON D300(D300SではなくてD300です)で撮影しました。
KIKON D300で撮影した静止画は4288×2488ピクセル、つまり4kです。
ピクセル等倍でコンバーター部分を動画に編集したものが次のYouTubeです。


動画と静止画の親和性が向上したことはまさにデジタルの恩恵ですね。

2011年03月12日(土)  東北地方太平洋沖地震
11日午後に発生した東北地方太平洋沖地震は、国内では観測史上最大といわれるM9.0の巨大地震であり、報道では目を覆うばかりの惨状が伝えられています。行方がわからない方々の一刻も早い救出を願うばかりです。
各地で被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、各地で救助復旧、報道にかかわっておられる全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

2011年03月10日(木)  寒い一週間でした
今週はけっこう寒い日が続き、昨日も箕面では雪が舞いました。
週の始まりは夜間工事の記録撮影。雷が鳴り、雪混じりの雨が降る工事現場は芯から冷え込みます。
防寒服を纏って懐炉を入れても足元から冷えてきます。工事の進捗を見ながら時折バルーンライトの発発の排気口から出る温風で暖を撮りながら朝6時まで・・・・・
さすがに明け方は冬山に居るかのような冷え込みになりました。

同行の制作さんを市内にお送りしながら眺める桜宮橋付近、ここからまた一日が始まります。

これは住之江付近の撮影現場。プラントの見学者用案内ビデオの撮影です。屋内や屋外、時に海の上など、現場へ行っていた助手は「すごく面白かった」と感想を述べています。
夜間工事やプラント撮影など、普段立ち入ることの出来ない場所を見られることは本当に面白いと思います。

阪神高速4号湾岸線。ここで一日が終わります。
けれどもこの日撮影したカメラマンのMさんはこの後例の夜間工事の現場へ・・・・


PS.先般のVG10での撮影がオンエアに先駆けてポータルサイトにアップされました。
オンエアは3/14〜4/24までです。

2011年03月03日(木)  いよいよ本格稼動デジタルシネマPMW-F3、AF105など
新登場のPLレンズ対応、スーパー35mm相当撮像素子を搭載したソニーPMW-F3が使えるようになったと機材会社からアナウンスがありました。また新規導入はPMW-F3だけではなくパナソニックのAG-AF105も入っています。

オリジナルアクセサリーBOXで拡張されたPMW-F3はVマウントリチウムイオンバッテリーで動作し、3分配されたHS-SDI出力、外部機器へのDC出力などを備えます。15Φスライドベースには5×6マットボックスやフォローフォーカスが付いています。また単焦点PLレンズに限らず、ズームコントローラに対応したズームレンズもチョイス出来ます。

こちらはPanasonic AG-AF105です。やはりオリジナルアクセサリーBOXによってVマウントバッテリーや3×HD-SDIなどはPMW-F3と同様です。ただし感度はPMW-F3より下がり、撮像素子は面積が小さいフォーサーズサイズになります。その代わりレンタル価格はPMW-F3の約半額となっています。

さらにローコストなシネスタイルとしてPMW-EX3も!こちらは撮像素子がHDCAMよりも小さい1/2吋のために映画用や写真用のレンズでは極端に画角が狭くなるため、付属のズームレンズが良いでしょう。価格はAG-AF105よりさらに安くなっています。それでもやはり深度の浅い映像をローコストで求められる場合には今のところHDCAMより撮像面積が大きいCanon EOS7DやEOS5Dmk2、Nikon D7000、そして笹邊のお気に入りのNEX-VG10ということになるでしょうか。

これは千里ビデオサービスオリジナルのAPS-HD撮像素子を搭載したNEX-VG10でHDMI出力を2分配しています。レンズはワイド、フィッシュアイコンバーターを含むEマウントソニーレンズだけではなく、NEXマウントアダプターによってNikkorレンズの16mmフィッシュアイを含む15mmF3.5〜200mmF2.0ED、300mmF2.8EDまで数十本のNIKON Fマウントレンズやマクロ撮影に特化した特殊レンズを保有し、サードパーティーの8〜16mm超広角レンズにも対応しています。

機材費はデジタル機器の進歩によって画期的に下がってきましたが、オペレーターにかかる人件費は下げてはいけないと思います。制作コストが低下する一方の昨今、それに合わせた撮影にはやはり撮像機の小型化による周辺機材(特機・照明等)の小型化だと考えます。超小型のクレーンやレールシステムはそれ自体のコストよりも運搬や設置の負担を軽減出来ます。もちろん運搬も小規模となり、先日のロケでも撮影部2名、制作部1名、照明部1名でカムコーダーは2台、レンズ6本、HMIライト2台、ミニクレーンなどを積んでデリカD:5での移動でした。(俳優部・プロデューサー・代理店は別便)
NEX-VG10では力不足なところもありますが、Eマウントデジタルシネマの前哨戦としてのNEX-VG10は工夫次第でかなりの性能を発揮してくれます、そして嬉しいことにEマウントの次期機種であるAPS-HDのNXCAMも夏までには出るようです。
先日のNEX-VG10で撮影したロケ作品も今日MAを終えて間もなくオンエアです。
次の時代に向けて千里ビデオサービスではアイデアと努力でお客様に満足をいただける技術提供を目指していきます。

追記:新しいEマウントNXCAMの情報が徐々に伝わってきました。
http://www.dv.com/article/103538
伝え聞くところによると今度のGWあたりかとも・・・・


まずは業務用EマウントNXCAMですが、PMW−F3と同じスーパー35mmCMOSセンサー搭載で1080/60P、そして1080Pのスロー&クイックモーション搭載らしいです。

そして小型サイズのEマウントNXCAMはNEX-VG10の業務用後継機なのでしょうか。96GBのメモリーを内蔵し脱着式のXLRアダプターも付くようです。

そして遂に3DのEマウントNXCAMも!こちらも脱着式のXLRアダプターが付くようです。

ますます楽しくなるEマウントシリーズ。発売が待ち遠しい限りです。

2011年03月02日(水)  ナレーションを録っていました
今日はナレーション録りで劇団の新しい事務所へ出張録音です。といってもR-44とマイクを持って自由空間へ・・

ナレーターは前回もお願いした梨田さん。役者なのでやはり動きを付けたほうが自然なナレーションになります。マイクロフォンはC-38Bです。56Pよりは女性の声には向いている気がします。今日は霰が降る寒い一日となったので、本番まではダウンを着てもらっています。

いつもお世話になっている監督の「かば」さん。今回の演出をお願いしています。この後は編集室で動画現像とMA作業です。

一階が劇場で二階が受付。三階〜は稽古場、衣装部屋など。とてもいいビルです。

こちらは二階のホワイエ。
現在この劇団から情報番組、トーク番組のUST放送を企てています。乞うご期待といきたいところです。

2011年02月26日(土)  サイバーショットが修理されて新品同様に!
現場レポートの撮影に使っていたサイバーショットDSC-T100が修理から帰ってきました。どんな修理かといえば、オートフォーカスの不良と異音の発生、それに筐体の損傷です。購入からすでに2年以上経っているのでもちろん有償の修理です。
ここまで壊れれば販売店では当然新しいデジカメの購入を勧められますし、1万円余りの費用を払うなら新品の特価品を購入するのが普通かもしれません。
しかし、このサイバーショットはとても気にいっています。画質はもちろんですが、タッチパネルを採用していないことも大きな理由です。それに気に入った道具は長く使いたいというのも大きな要因です。そんなわけで修理をお願いしました。
修理では裏面の筐体は修理不要(前面は故障箇所ということで定額に含まれました)ということでしたが、裏面の筐体も部品代のみ負担ということで筐体全体の交換をお願いしました。

これが完了品と一緒に帰ってきた今回の修理で交換した部品です。ほとんど全体という感じですね。交換されなかった部品はLCDモニター周りだけのようです。

これが最も壊れていたレンズアッシーです。レンズ、プリズム、撮像素子などが含まれます。
「ここまで壊れたものをわざわざ修理しなくても・・・」と思われたかも知れませんが、このサイバーショットは修理しても使い続ける価値のあるカメラだと思っています。

これが修理完了したDSC-T100の姿です。新品といっても良い状態に治りました。

2011年02月24日(木)  ロケハン
今日はロケハンでした。雨も上がり午前中は気持ちの良いというか、汗ばむ感じの陽気。ここしばらくは三寒四温ということでしょうか。週末は再び寒くなるとか。

梅も咲いています。花を見ると気分的には春に近付いてきたようです。

 

2011年02月24日(木)  東京大学総合研究博物館小石川分館
東京大学総合研究博物館小石川分館で月18日から2月27日まで開催されている【IMAGINARIA - 映像博物学の実験室】において弊社撮影の【モリアオガエルの産卵】が展示されています。
621番がその作品で、博物館の展示室と2階廊下、そして小石川植物園の3箇所で上映されています。詳しくは下記をご覧ください。http://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/IMAGINARIA_leaflet.pdf

東京大学総合研究博物館小石川分館

モリアオガエルとは関係ないものですが、今度行う特殊な撮影のためにまたまた新たなDIYではなくて、DIMをやってしまいました。その写真を掲載します。大したものではありませんが、豆カムHDやNEX-5で使うマクロJIBアームです。記録部のLCD表示ははめ込みイメージではなくレンズ先に写真を置いた実写映像です。

写真をクリックしていただくと大きなサイズで開きます

超広角を超ローアングルで撮影するためのもので、様々な対象に効果的なアングルを提供します。もちろん野生動物や昆虫、植物、ペットの撮影などにも効果を発揮します。売っていないものは自分で作る。これが笹邊のD.I.M.精神です

2011年02月23日(水)  パルケエスパーニャ快晴
昨日までのロケは天候に恵まれて無事終了しました。

天気が良いと言うのはまさにこんな日のことだと思います。今回の撮影は全カットNEX-VG10で行いました。使用したレンズは概ねEマウントレンズで16mmF2.8と18-55mmF3.5-5.6、16mm専用ウルトラワイドコンバーターです。そしてもう一本はNIKONの50-135mmF3.5です。右の写真はZiggyJIB(VGクレーン)に乗せたNEX-VG10です。照明技師と監督がいます。監督は7インチLCDモニターを頸から提げています。

クレーンのモニターは5吋LCDで行いました。クレーンが小さいことで、風の影響を避けるためにマットボックスは使用していません。光量調整にはねじ込み型のガラスNDフィルターを使用しています。

左はクレーンカットの本番。ローアングルの上向きからフロートを若干見下ろせる高さまで一気にアップします。もちろんカメラの仰角は自動的に下がります。VG10クレーン動画サンプル
右は三脚で運用するNEX-VG10です。マットボックス、5吋モニター、HDMI分配器が装着されています。ハンディでのカットは先日紹介したハンディーリグに5吋モニターとHDMI分配器を付けて撮影しましたが、マットボックスが付いた3倍ズームレンズとのバランスはとても良かったです。
いずれの場合も日フィールド用に改造した単三駆動のHDMI分配器はとても役立ちました。
 

2011年02月20日(日)  着々とロケ準備
CS局で流すCMの撮影をNEX-VG10で撮影することが決まり、そのための準備が整いました。撮影はVG10を三脚に載せた状態とハンディー、そしてミニクレーンのZiggyJIBへの搭載です。いずれの場合も制作さんへ映像を見せなければならないので撮影映像を外部モニターに出さなければなりません。EOS7DであってもVG10であっても映像出力のHDMIがファインダーや液晶モニターと排他関係になっているためにHDMIで外部に映像を出すとカメラ本体のモニターが消えてしまいます。
このことについてはブログに【乾電池駆動のHDMI 2分配器】として掲載いたしました。
残るはカメラ周りの整備になりますが、乾電池駆動のHDMI分配器を三脚アタッチメントへの取り付けやカメラモニター、そしてLANC端子が無いVG10でのトリガーリモートです。

準備が整ったNEX-VG10です。カメラ側に付けたモニターは拡大フォーカスとピーキング機能が付いた5吋液晶モニターCLM-V55です。発売前のため写真はデフォーカスしています。VG10のファインダーは使用しませんが、アイピース入る外光が集光されて内部を溶かさないためにカバーをつけました。

HDMI分配器はソニーの三脚アタッチメントの後部に取り付けて、映像出力を撮影用モニターと制作モニターへ分配しています。

HDMI分配器は三脚アタッチメントに元々付いていた3本のM4ネジ穴を利用してローレットビスで固定したため着脱も容易です。

トリガーリモートはSNSで知り合った方から眼からうろこのアイデアを戴いて、それに笹邊風のアレンジを加えました。トリガーリモートは最新デジタルビデオカメラにもかかわらず、写真用の機械式レリーズです。レリーズはニコンF用のものを使用しています。

トリガー部分の取り付けはVG10のレックトリガー付近にアクセサリーシューを貼り付けて差し込んでいます。レリーズ取り付け部は硬質樹脂を削りだして作りました。

ハンディーでの運用には以前HDV用に製作したアヘッドカムをバージンアップしました。モニターは同じく5吋液晶を取り付けています。

撮影にはニッコールレンズを使用しますが、Eマウントの18-55mmと16mmも使用します。そして写真に写っているウルトラワイドコンバーターもチョイスしています。16mm×0.75倍=12mmとなります。VG10の動画使用での画角は約90度の超広角になります。テスト撮影の結果も16mmF2.8専用というだけあって湾曲も無く非常に良好です。
NDフィルターはマットボックスに4×4吋NDを挿入します。マットボックスと内臓マイクがぶつかるところまで近づけた状態でケラレは無くなります。

オープンでの制作モニターはソニーの新製品LPM-770BPです。価格を考えると究極の製品だと思いますが、実は運用時に問題が生じました。フードはよく出来ているんですがショルダーストラップが付属していません。もちろんフックも付いていないので大変です。
モニターの左右に付いた1/4吋三脚ネジを利用してカメラのショルダーベルトを取り付けてみましたが、フードの重量で液晶面がお辞儀してしまいます。ここは当然のことながらホームセンターのコーナンのお世話になります。フックを取り付ける位置を重心から遠ざけて液晶が上を向くように出来る金具が見つかったので加工しました。金具のモニターへの固定部にはナイロンワッシャーを挟んで任意の角度で停まるフリクションロックを採用しています。その結果、頚からぶら下げた状態で液晶面がいつも自分の方に向くようになりました。もちろこれは監督自ら頚にぶら下げていただくもので、スタッフの省力化作戦の一端です。
邑久いわく「久々のホームラン」だそうで、作った笹邊も自画自賛のできる仕上がりになりました。
Compilation RIGやZiggyJIBなど、けっこうホームランを打っているつもりなんですけれど・・・・・・・

※画像の一部に企画製品が写っているために画像処理を行っています。本掲載までしばらくお待ちください。


追記:レリーズの取り付け部分の出来に不満があったことと、長いレリーズ(クレーン使用などのため)を使用するために汎用タイプに対応しました。
アクセサリーシューに取り付ける水準器のベースに穴を開けて先端部分にレリーズ用のテーパーネジを切りました。これで長いエアレリーズなどにも対応できます。ストロークはレリーズの芯を若干短く削って対応しています。
ちなみにこのレックトリガーの名称は【Scales Drop Trigger】ということで落ち着きました・・・・え?何のこっちゃ?大した意味はありません。眼から鱗が落ちるということで【ウロコレリーズ】の方が良さそうです。これに決定です。

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