映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2011年10月26日(水)  ヘリコプターの下見
空撮が決まったので打合せ・下見にヘリポートへ行ってきました。
今回はスチルがメインのため使用するヘリコプターはロビンソンです。エアロスパシアル350のようなジャイロは付きませんが、スチルなら大丈夫です。一部動画の撮影も行いますが、光学防振とソフトウエアによる後処理で防振処理を行います。

巡航速度Cruise air-speedは113ノット(209km/h)と速く、2人乗りのR22とはかなり違います。

定員はパイロットを入れて4名ですが、空撮の場合は機材を含めて総員3名です。

パイロットの後ろにある撮影用の丸窓が取り外せます。内側に外れる丸窓は落下の不安が無く安心です。なぜ○なのかはマンホールが丸いのと同じ理由です。
今回下見では撮影に使用する画角でのローターやスキッドの見切れでドアを取り外す必要があるかを検証しました。結果は丸窓で問題なしということで、撮影地までの寒さは回避できそうです。

こちらはコクピットの計器類。撮影時にはカーナビを搭載します。エアロスパシアルにあった操縦桿のトリガーは付いていません。
撮影は11月上旬を予定しています。

2011年10月24日(月)  HDW-750の内臓バッテリーを交換
ここ最近メンテナンスネタが続いていますが、週末までHDCAMでの撮影、そして週末はバスケットボールのU-Stream中継でした。

実は金曜日の撮影前にHDW-750のタイムコードや時計の設定がバッテリーを外すとリセットされてしまうことが判明。故障ではなくメモリーバックアップ電池の消耗です。
時間が無かったので、現場はカメラ用二連バッテリー(エンデューラではなく、弊社ではNP-1型リチウムを使用しています)を同時に2本を抜き取らないようにしてリセットされることを防ぎました。
休み明けの今日はポスプロから帰って内臓バッテリーの交換です。

まずはHDW-750の側面カバーのビス4本を緩めてハーネスを切断しないように注意しながらカバーを外します。

細いビス3本を抜いてシールド板を外すとボタン型リチウム電池が見えます。一体型ベーターカムの内臓電池はボタン型ではなくリードが付いた電池で、交換には半田付けが必要でしたが、HDW-750はソケット式のホルダーに入れるだけです。

後はパソコンの電池を交換するように電池を抜き取って交換するだけです。交換が完了したら再びシールド板を取り付けて側面カバーを元通りに組み付けます。この時もハーネスを挟んだりしないように注意しなくてはなりません。作業は数分で出来る簡単なもので、ミニ四駆が組み立てられれる人ならまず失敗はないと思います。自信が無かったり、自己責任が怖いと思う人は必ずサービスセンターで交換してもらってください。

電池の形式はCR2450という電子辞書などに使われているもので、家電量販店でもネット通販でも入手できます。今日はLABI千里中央ヤマダ電機で購入しました。ちなみに価格は税込み231円也!
左はオリジナルのソニー製CR2450で、右は今日交換したパナソニック製のCR2450です。ソニーはJAPANですがパナソニックはIndonesiaでした。同じ規格ですから全く問題はありません。
 

2011年10月13日(木)  HVR-Z1J修理完了<レンズまるごと交換
地上波CMの搬入も終わり、あとはOAを待つだけになりました。

さて、先日撮影準備の際に故障が出たHVR-Z1Jの修理が完了しました。
故障内容は【電源を入れても画像が出ない】というもので致命的なものです。ハイパーゲインを入れると黒いノイズを含んだ画像がでるので光学ブロック、CCDなどは大丈夫な様子。再生や録画も大丈夫。おそらくレンズの遮光板のプランジャーかと想像できます。

サービスさんの検証結果もやはり原因は想像していた部分でした。しかしこの部分は修理は出来ず、レンズアッシーのまるごと交換だそうです。見積は○○万円。
けっこうしますねorz...
でも水中ハウジングはHVR-Z1JないしHDR-FX1というこどで修理か買い替え。けれどもHVR-Z1Jの中古は程度にもよりますが、概ね20〜30万といまだに人気です。やはりここは修理で新品のレンズに交換がベストです。
そして取り外されたレンズがこれです。

レンズ交換式ではないためマウントは無く、電気系のハーネスが色々ついています。NDフィルターもこの中に内蔵されていました。

手前に見えるレバーがNDフィルターの切り替えのようです。遮光版のプランジャーはどれかはわかりませんが、いずれにせよ修理よりは交換というのは仕方ないことのようです。

機械式のマニュアルレンズと違って様々なハーネスが付いています。光学スタビライザーなどもこの中に入っています。精密なんですね。
ということでHVR-Z1JにはCCD撮像素子搭載のHDVカムコーダーとして水陸を問わず、ますます頑張っていただきます。

2011年09月30日(金)  CANON J7x10B4M:HDCAM用に復活した超レアなTVマクロズーム
機在庫整理で仕舞い込んでいたレンズが復活しました。CANON J7X10B4という近接撮影専用のTVズームレンズです。正しい名称は「CANON MACRO ZOOM LENS J7x10B4M 10-70mm 1:2.1」となっています。
ずっと以前、SD時代に高精細なマクロ映像を取るために用意したもので、プロクサー(前掛け式フィルター型接写レンズ)とは異なり、近接撮影で解像度が高く、またプロクサーで高倍率撮影時に問題となる周辺解像度の低下もありません。

SDで使い、その後仕舞い込んだままになっていましたが、ふと思い出してHDW-750に着けてみました。
高倍率な標準ズームレンズに比べるとなんとも可愛いスタイルです。

距離目盛や焦点距離、アイリスの表示やクリックは無く、そのかわりにロック用のノブが付いています。ズームレンズですから勿論フランジバック調整も付いています。
プロクサーを装着せずにレンズ先端から約20cmまで近接できますが、近接専用設計のため60cm程度以遠にはフォーカスは合いません。ですから風景などでは使用することは不可能です。

カメラとの電気的な接続は無く、全てマニュアル操作になります。(写真に写っているケーブルはマイク用のケーブルでレンズ用ではありません)装着しているフードはサイバーショット用の花形フードの応用です。フォーカスをロックしてからフード部分を正しい角度に合わせて固定します。
HDではそうかな?と思いましたが、標準ズームにプロクサーを装着した状態とは次元が違うと言っても過言ではないでしょう。古いといってもさすがにマクロ専用設計だけあります。最近PMW-F3などに古いニッコールマニュアルレンズを使用して好結果が得られることを考えても納得できることです。

ちなみにこのレンズを検索しても全くヒットせず、唯一イタリアの技術会社が持っていました。
http://www.unicafilm.it/1/professional_technical_equipment_5315255.html

現在TV用マクロレンズはフジが販売していますが、残念ながらマクロ専用ズームレンズは見当たりません。
http://fujifilm.jp/business/broadcastcinema/lens/macro/index.html
そういうことから今回紹介したCANON MACRO ZOOM LENS J7x10B4M 10-70mm 1:2.1はとても貴重な存在としてHD時代に再び活躍してくれることと思います。

2011年09月28日(水)  千里ビデオサービスオリジナル白黒カポック=カネカポックの使い心地は良し
今日は京都のホテルをお借りしたプロンプター撮影でした。
プロンプター撮影は以前にも紹介していますので割愛し、今日は先日作ったカネカポックを紹介します。

見た目は普通の白黒カポックと変わりませんが、素材は発泡スチロールではなくカネカカネライトパネルで出来ています。
経たってきてもパラパラとスチロールの粉が出ず、汚れてくればペイントすることが出来ます。また発泡スチロールよりも腰があります。

3×3サイズのカネカポックです。普通の白黒カポックと同様にカポックホルダーに取り付けることが出来ます。また、裏面はご覧のように艶消し黒色に塗装しています。


3×6サイズのカネカポックは衝立式の他に自立式を用意しました。照明用のベタスタンドにダボを付けてカポックホルダーで立てています。スタンドの自重とカネカポックの腰の強さでウエイトなしでも倒れにくくなっています。


もちろん裏面は3×3と同様に艶消し黒色に塗装しています。厚みは3×3よりも厚い30mmを採用し、ホルダーも大型カポック用を採用しました。

腰が強く割れにくくなったことと、汚れた場合の再塗装など、新しい白黒カポック=カネカポックはエコなカポックと言えそうです。
また「カネライトフォーム」は人にも優しい材料です。
@原料中にクロルピリホスを一切使用していない。
Aホルムアルデヒド発散建築材料ではない。
さらにカネカは環境にも十分配慮しています。
http://www2.kenzai.kaneka.co.jp/kanelite/kanelite/eco.

2011年09月24日(土)  鮎遡上
鮎が上って来たので湖北まで様子を伺いに行ってきました。

台風が去って、敬老の日は雲ひとつない快晴。

川は台風のもたらした大雨でかなりにごっています。しかし河床がきれいになり、間もなくやってくるビワマスにとっては良い産卵床になりそうです。

こちらはビワマスの孵化場。人工孵化の準備が整っています。

敬老の日が過ぎた土曜日はスタジオ整備です。
水性塗料でレフ板を塗っています。片面は艶消しの黒で、も一方は艶消しの白。

カポックのスチロールに比べてカネライトは強度があって粉が出ません。ただし色はベージュですから塗装しなければレフとしては使えません。周辺機材の手入れも大切な仕事です。

明日は役所関係のVP打ち合わせですが、仕事を依頼してくれたのはかつての教え子君。今はTV番組のディレクターを務めています。
教え子から仕事の依頼・・・敬老の日? そう思わないでもらいたいものです。暦は数年先。まだまだ現役で頑張っています。

2011年09月20日(火)  晴耕雨縫/~~
天候不良で中継が延期になりました。
天気が悪いということでこの後の中継のために少し機材整備を行いました。

これは今回の中継の際に使用する予定だった放送席の解説者用グーズネックマイクです。ダイナミック型ですから吹かれには強い方ですが、やはり風向きによっては通常のウインドスクリーンだけでは吹かれてしまいます。(放送席は野外に設営されます)

というわけで今日は「晴耕雨縫」・・・・男の裁縫の時間です。
カゴジャマーを作ったときの余りもののフェイクファーを使ってグースネックマイク用ジャマーを作りました。
中継で使用するマイクはカゴジャマーが付いたAIR用の416とアナウンサー用のヘッドセットマイクの他にこのグースネックが2本です。天気が悪いので、この際4本全部作ってしまえというわけでコツコツと裁縫に勤しみました。(ちょっと他人には見せたくない、もちろん見たくも無い光景なので製作中の写真はボツ)

ジャマーの先端部分には音声用のウレタンを入れてフェイクファーとユニットの間に適度な距離を持たせました。この隙間がなければジャマーとしての効果は半減してしまいます。ウレタンの厚みは実験をしながら決定しました。扇風機を最強で当てても吹かれることも無く、音質は安定しています。

完成したついでにグースネックマイクが4本とも収納できるジュラケースも用意しました。

で、笹邊は
いい感じで収まったと悦に入っております。

2011年09月17日(土)  熱中症厳重警報発令中
grp0917223454.jpg 240×320 22Kもう9月も半ばだというのに暑くなりました。
今日、明日、明後日とバスケットボールのUST中継に行っているスタッフからメールが届きました。現場は屋内ですが、そとは真夏並みの暑さです。
みなさんも残暑の暑気あたり、熱中症に気をつけてください。
そういえば先週から東京で撮影しているJr.から連絡で「佐川のドライバーさんが熱中症で倒れているので、通行人の人と応急処置をしながら今救急車を呼んだところ」という連絡も入りました。他人事ではなく、くれぐれも気をつけてください。

週明けは笹邊も野球中継のSWです。カメラマンそれぞれに小型クーラーボックスに水分補給用のペットボトル、ドリンク、キャンディーを用意しています。

2011年09月14日(水)  まだまだSDオーダーがあります
現場は心斎橋大丸劇場。SD3カメスイッチングのオーダーです。放送以外ではまだしばらくはSDが残る気配です。

看板のタイトルはイベントのタイトルではなくて芝居の大道具です。

ベースは客席やお客様エリアからは見えない場所に設置しています。

SDカメラもオーダーによっては今なお現役で活躍しています。今後のお薦めはもちろんHDですが、PCやiPadでの視聴を考えると今しばらくはこういったオーダーも続くようです。またUSTへの中継でもタリー&リターンビデオ、インカムがオプションなしで使えることも予算面で有利です。

芝居はカット割りも重要ですが、何よりも大切なのは音声。舞台上手と下手にショットガンマイク。舞台のかまちにアムクロンのバウンダリーマイクPCCを3枚設置しています。

マイク音声は合計5系統で、それに音響さんからいただくM及びSEのステレオラインを合わせて合計で7回線。カメラケーブルと音声マルチケーブルは事故が発生しないようにまとめて配線し、必要に応じて養生マットを被せます。

舞台前で拾うマイクとラインの時間差は無視できるので現場で2ミックスのステレオとして録音します。また各カメラへはミキサーのAUX回線からMとSEを省いたマイクの音声のみをCCUのインカム音声入力に送ります。台詞の聴き取りがやすさがカメラマンにとって重要なポイントになるからです。

マチネが終わってソワレが始まるまでの空き時間に大丸劇場のある大丸北館の屋上庭園に上がってみました。

夏が戻ったような暑さと抜けるような青空。今年の夏はスタジオ整備やロケで景色を眺める暇もありませんでした。そのせいか、この景色がとても新鮮に見えました。

追記:女子大学PV制作スタッフ慰労会
この現場の後先日書いた記事にある慰労会に出席しました。お客様に喜んでいただいて、さらにこんな会を用意していただいたことに深く感謝いたします。

2011年09月08日(木)  今日から3CAMスイッチング
台風が去って秋晴れになったかと思えば、この後は屋内の現場が続きます。
今日から週末までは3CAMスイッチングの現場です。
現場レポートは後日ということで、お盆明けから取り掛かったスタジオ整備はほぼ完了というところまで辿りつきました。
ムービー及びスチルに対応し、ストロボは1200ジェネ×2でヘッドは3灯。メインはバルカーです。ハロゲン用の電源は8kWの容量です。4m×9m=36uでさほど広くはありませんが、フルサイズのバック紙を立てて保管出来るようにしたため、様々な背景を迅速に選択できます。壁面は吸音ボードで同録OKです。事務所の回線とは別にスタジオ用にひとつIPを割り当てましたのでUストリームもスムーズにアップ可能になりました。
こちらのほうも後日写真を添えてアップします。

別件ですが、気になる動画がYouTubeにアップされていました。


いま真剣に未来を考えなければならないときだと思います。

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