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 映像関係の新製品のVP撮影の現場です。制作会議で「よいものを作るのは技術者だけじゃない、使う人も一緒になって創っていくのだ」という小幡修一氏の精神を踏襲し「本当の使用現場を見せなければユーザーは納得しないだろう」という事から実際の使用現場のメイキングビデオを取り入れることにしました。

オープンロケ現場-レフを持った照明部
 撮影に当たっては公園管理者に「公園内使用行為許可申請」を提出して許可を頂きました。当然使用する面積に 応じた使用料が発生します。
 レフ板を準備している照明部さんにも今回は出演して頂きます。「普段通りでいいよ」と伝えておいたのですが、どこか普段よりもカッコよく見えます。
マグミッチー・カート
 移動用の機材ワゴン。普段は3段台車などを使用していますが、今回は台車にも出演してもらうのでマグライナーのマグミッチ・ミニカートを用意しました。やはりユニオンに加入した本場のスタッフが見ることを考えるとマグライナーは必須のアイテムですね。

Magliner:台車といえばそれまですが、ただの台車とは台車が違うMaglinerはBackstage Equipmentが作る撮影技術専用のカートです。日本ではBackstage Equipment-JapanとしてTaketradingが扱っています。価格は日本の台車の20倍〜40倍くらいです。我々技術会社はどうしても周辺機器よりも撮影機材に投資してしまいますが、やはり快適な制作環境を考えると、こういった周辺機器、特に搬送装置には投資する必要があるでしょう。

モニター調整中のVE
 マグミッチに載った HD LCDモニターを調整するVEのIさん。彼も 重要な登場人物です。この日は本業と同じ音声技師を演じてくれます。
監督と打合せ中のMカメラマン
 出演カメラマンのMさんが本編の監督Mさんとカメラワークを打ち合わせています。
 右下に見えている台車、これは出演しない技術用カート。両ハンドルの台車ですが、一般の台車よりも遥かに軽い総アルミ製で空気入りタイヤを採用しています。価格はマグミッチ・ミニカートと比べて格安。これはブログでも紹介しています。千里ビデオサービスではこのカートを「マグパッチ・カート」と名付けています。性能は価格以上、加工することで手頃なロケカートになります。
発発が動き出してHMIライトが点灯します。間もなく本番スタートです。
照明点灯
カメラワークテスト中のMカメラマン
 カメラのポジションをチェックするMカメラマン。全ての仕草がやはり本職。これは役者には無理な話で、業界モノのドラマを見たときに役者が演じるカメラマンに違和感を覚えるのは仕方有りません。
 今回の撮影を行っていて笹邊はこっそり「野猿」を思い出していました。高久誠司さんはクレーンのオペレーターだったと思います。業界人って芸達者ですね。
本編撮影用のHVR-Z1J
 こちらは本編撮影用のHVR-Z1J。新製品のHVR-Z7Jも出ましたが、やはり使い慣れたZ1Jなら思い通りのカメラワークを実現できます。今回も滑らかなフォーカストランジションやズームトランジションを多用しました。ソフトトランスが割愛されたZ7Jでは無理なことがZ1Jではいとも簡単に行えます。またPAL記録もZ1Jでは標準機能として備わっています。やはりZ1Jは手放せません。
レールドリーをチェックする撮影部
 ドリーオペレーターのAさんと段取りをするMカメラマン。ドリーは動き出し以上に停止することが難しいのです。大きなAさんは身長180cmのMカメラマンが乗ったドリーを難なく停止させます。
本番風景
監督役のたむらめぐみ
 今回監督役をしていただいたシアターOMのたむらめぐみさん。シアターOMからは代表の稲森誠氏、堂下朋恵さん、野田マニアさん、山本太一さん、竹田美保さん、中島じーやさんに出演して頂きました。
本番監視中のM監督
 モニターをのぞき込むのは監督のMさんと照明技師のOさん。出演カメラと本編カメラの両方を見なければなりません。M監督は大手広告制作会社出身の敏腕ディレクターです。
本番!
 いよいよ本番テーク。音楽評論家の稲森誠と若きクラリネット奏者の堂下朋恵のツーショットをXL-H1のドリーショットで押さえ、それをZ1Jがフォロー。他にも堂下朋恵のアップからXL-H1までのフォーカス寄せなど、様々なカメラワークを行います。
グライドカムを準備する笹邊
 撤収の様子はZ1Jをグライドカムに搭載したステディーショットで行います。
グライドカムは調整が簡単で敏速です。上部のスライドプレートで9割ほどバランスさせた後は次の写真のように馬鹿穴が空いたドーナツ状のウエイトをずらして調整します。原始的ですが簡単です。
グライドカムの下部ウエイト部分
グライドカムにHVR-Z1Jを搭載
 撤収の様子をグライドカムで撮影する笹邊。グライドカムは引きの歩きショットを撮る装置ではなく、寄り、引き、ポジションを自在にコントロール出来るクティブな防新装置です。
出演用のHVR-Z7J
 出演グライドカムには最新型のHDVカムコーダーHVR-Z7Jを搭載します。Z1Jよりも小ぶりなZ7Jではバランススプリングのカウンターフォースは約2/3程になり、カメラマンへの負担は小さくなります。
堂下朋恵を撮影するMカメラマン
Mカメラマンを撮影する笹邊
 堂下朋恵の歩きを撮影するMカメラマン。そしてその様子を撮影する笹邊カメラマン。主役はMカメラマンが腰に付けている新しい装置。
ホールでの撮影風景
 昼食後、撮影場所は屋内に移動。
 千里ビデオサービスの地元箕面にあるメイプルホールで行いました。客席を撤去してフロアにカーブレールを敷いています。
カーブレールとドリー
 ドリーに乗せている三脚は千里ビデオサービス特製の「桟敷三脚」マンフロットの250Bを改造したもので、ジッツオの4段脚よりも小さくなっています。
ベビー三脚2種
AYUドリーで撮影する笹邊
 出演カメラのレールドリーを撮影するレールドリーがこれ!千里ビデオサービスオリジナルのAYUドリー。
両端を三脚で支えるモノレールの上をこれも手製の自掃式小型ドリーが走ります。HVR-Z1Jに最適化したものですが、HDCAMでも問題なく走ります。
どういうカメラワークになったかは、いずれメーカーサイトから配信された時にご覧いただけるでしょう。
ドリーに乗ったMカメラマン
 Mカメラマンのシングルショットでは照明部がカポックでシャドウをおこしています。
 編集スタジオを想定した撮影は後日の香盤になっていて、本日はこれで撮影終了です。オープンロケは雨天も想定して館内の渡り廊下での撮影申請も行っておきましたが、おかげさまで後天に恵まれました。
 スタッフの口から出た素晴らしい一言を紹介します。
「天気がいいのも仕事の能力」だそうです。そうなんでしょうね!晴れ男はいったい誰なのでしょう?
撮影風景大ロング

 

記録:千里ビデオサービス制作営業部

オープンロケ現場-1