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インターネットを使った生放送−2
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さていよいよ本番。3月20日仕込みで午後からリハーサルを行い、翌21日が国土交通省初の「インターネットライブ中継」です。「初」ということは失敗は許されないという事。つまり失敗すれば「初」にはならないからです。
ホール屋上に設置されたFPU装置
(赤色ケーブルのメイン回線)
写真=会議場屋上に設置されたFPU装置

(青色ケーブルのサブ回線)
写真=同じくFPU装置

正面から見るとこういう形をしています。50GHzというミリ波帯のため小径パラボラでも高利得です。
写真=FPU装置の正面

放送が始まったのは10:30からですが、催しは9:30から始まります。オープニングの和太鼓演奏や人形浄瑠璃は既に収録が始まっていて式典とテープカットのインターバルにベーターカムVTRから送出します。

いよいよライブ中継開始
画像=ストリーミング放送のブラウザ画面

写真=式典会場の本番中の様子

2キャメラで望遠レンズを使い極力パンやズーミングをなくして、ストリーミング後の画像が乱れないように心がけました。マスターモニターの画像が配信サーバーに送られる画像です。普通のテレビとは異なり、画像はテレビフレームでマスクされず100%の視野率で送られるため、モニターはアンダースキャンで確認しています。システムは普段使用しているものとあまり変わりませんが周辺機器が増えています。
写真=メインシステムの状態

入力素材が多いので配線量は当然多くなっています
写真=メインシステム裏の配線群

メインスイッチャーは愛用のSEG−2000A。ライブキャメラはこのスイッチャーで切り替えTALLY&リターンも返します。VTRはβカム収録用と送出用各1台と収録用DVカム&予備のSVHSです。
写真=スイッチャー付近

左が音声ミキサーのベリンガーで右はDFS−500の操作部。本体はラックの最下段に入っています。
音源はホールラインと舞台用バウンダリーマイク、そしてノイズ用AIRとVTR、BGM、FPUから公園ゲートのラインとAIR。小型で多入力(12in)のベリンガーはとても便利です。音声担当はは音響出身のVE山中氏=確かな耳と確かな技術の持ち主です。
写真=デジタルスイッチャーとミキサー

フリップ、スーパー文字送出用のパワーマック7600/G3。
現場でのフリップ追加やデジカメで撮影した写真を使ってスライドショーも作成しました。NTSCボードは外部同期が出来る放送用を使用しています。
写真=ラックに収まったマック7600

マックの背面に接続されたNTSCボードとハーネスです。
マルチスキャンも拡張され、第2画面で送出しながら次の操作ができます。
写真=マックの背面

ホールのAV室に設置されたエンコードマシーン。
エンコードされた信号は大阪の配信サーバーへ送られ、そこからリアルタイムで全世界に配信されています。配信中にも視聴者から「映像もよく見えるし、音もクリアーです」などのメールや電話が入っていました。インターネットは双方向なんですね!スタッフにとって何よりも嬉しいことです。
写真=エンコード中のスタッフ

和太鼓の撮影からテープカットまで安心して任せることが出来たTキャメラマン。
写真=客席でキャメラを振るT氏

2階席から20倍を振るのは弊社の邑久。この道15年のベテランです。
写真=二階から撮影中の邑久

写真=二階で本番中のせんり

テープカット会場への移動中は事前に収録した和太鼓と人形浄瑠璃を送出。マックの出力には和太鼓「とどろき」のフリップが用意されています。和太鼓はベーカムでENG収録し、人形浄瑠璃は2カメEFPで収録ずみ。
写真=マックモニター付近

式典終了後に出したフリップです
画像=和太鼓とどろきのフリップ

そして人形浄瑠璃
VTRの文字はフリップではなくスーパーでDSKから挿入しています。
画像=人形浄瑠璃のフリップ

テープカット会場に準備された1カメシステム。
キャメラケーブルは60Mを用意して、テープカットからゲート内の記念品進呈や太鼓演奏までをサポートします。1キャメラのため、ストリーミング中継はキャメラマンの技術とセンスにかかっています。
写真=テープカット会場に置かれたラック

テープカット会場からFPUで送られてきた画像です。左がサブ回線で右がメイン回線。
写真=モニター群にテープカット会場の画像

間もなくテープカット
写真=会場で撮影したテープカット寸前の様子

テープカットのファンファールに合わせて3Dエフェクトで送出
画像=祝開園のフリップ

国営明石海峡公園のオープンです
公園のマスコットキャラ、カメの「ムームー」くん
写真=公園マスコットのムームー君と花壇

お陰様で無事大役を完遂することが出来ました

 今回の経験からストリーミング中継であっても元の信号の品位は確実に最終の映像に現れることを確認しました。ストリーミングだから民生キャメラでもいいという世間の風潮は是正されるべきだと考えます。ストリーミングだからこそクォリティーの高い画像、クォリティーの高い音声、ストリーミングに適した絵作り、キャメラワークが必要だということです。
 これは高画質なVHSソフトを作ってきた時に行っていた事と全く同じことでメディアの能力を最大限に引き出すためには、出来る限りクォリティーの高い素材を供給しなくてはならないということです。
デジタルIT最先端のストリーミングにおいてもアナログ時代の経験が十分に役だってくれるということはとても嬉しいことだと思います。まさに温故知新。今回の仕事で得た経験を糧に一層のスキルアップに努めたいと思います。
2002.3.24

インターネットを使った生放送−1
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