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HDVキャメラを使ったお手軽特機撮影

最近のVP制作ではたいへん予算が厳しく、なかなか特機を使用するところまで・・・という状況です。
今回の撮影予算はDVCAMもしくはDVCPROといったところですが、HDV(HVR-Z1J)を使用することでタイヤドリー、レールドリー、ミニジブといった特機に予算を取ることができました。また、求める画質によってはHDCAMやVARICAMを使用するよりもキャメラのランクを下げることで予算をキャメラワークに割り当てることが出来ます。ひたすら高画質を求めるのであればもちろん最上級のキャメラが必要になりますが、表現という世界では画質以上にキャメラワークが重要だということは当然です。
床の状態が良ければタイヤドリーを使用することで滑らかなトラックインが可能になります。ズームインとは違い、トラックインは画角を変えずに対象のサイズが変化します。映画では当たり前のキャメラワークですが、ビデオの場合も画角に対するこだわりを持った演出が大切です。
タイヤドリーは車輪を交換することでレール用にも使用します。後にレールドリーが登場します。
床に凹凸があるとタイヤドリーは使用できません。キャメラの移動距離を確認した後レールを敷きます。敷設に移動中にキャメラの水平がずれないように正確な設置が必要です。
縦方向、横方向ともに水準器を使って正確に調整します。
移動車の車輪をレール対応に交換しています。
敷設が完了し移動車を乗せたところです。進行方向にレールがあるためレールの見切りを嫌ってローアングルから撮影します。三脚はジッツオの写真用三脚に100mm椀を付けてビデオ用にしています。
クレーンショット用にミニジブ(ミラーPROJIB)を使用します。ミラーの代理店がHONJOだった頃に購入したものです。軽量のHDVキャメラとの相性が良く、大きなキャメラのような慣性力が働かず、動き出し、動き終わりの動作が非常に滑らかで安定しています。またカウンターウエイトも1枚でバランスするため総重量も軽くなります。ヘッドはマンフロット#505を使用していますが、これは2台を用意し、三脚用、ジブ用それぞれに割り当てて交換の手間を省いています。弊社の#505はカウンターバランスをHVR-Z1J、DVX-100に最適化しているため、仰角にかかわらず完全バランスします。
モニターはSONYの放送用BVM-9045QDを使用しています。

映像制作費には様々な要素があります。その一部をクレーン等に割り当てることでキャメラワークは大きく変わります。小型ハイビジョンキャメラの能力は従来の放送用フォーマットに迫るものがあります。従来の機材費に特機費を加えても小型ハイビジョンキャメラであれば機材費の差でカバーすることも可能です。魅力ある作品づくりに是非特機をご利用下さい。