HDVを導入して早速入った仕事は音楽家たちの営業ツールとしてのプロモーションビデオの撮影です。仕上がりがDVD、VHS、CD-R、WEB配信ということで16:9フル画面、レターボックス、そしてエッジクロップのSDの3サイズが必要になります。レターボックスの4:3であればDVCAMのスクイーズでの撮影でも問題有りませんが、エッジクロップの画質をよくするために今回1080iのHDV撮影を選びました。というよりも使いたかった!というところが本音。結果から言うと今回の提案は適切だったといえます。特にエッジクロップの4:3映像はDVCAMのSD映像と比べて遜色のないものでした。またシネマトーンガンマを使うことでハイライトからシャドーまでの諧調もドラマ並に表現することが出来ました。HVR-Z1JのシネマトーンガンマはPanasonic DVX-100Aとは異なったカーブを持っていて性格も違います。シネマトーンガンマ1、2いずれも正しい照明を行わなければならず、一見映画風と言うだけではVPには通用しません。もともとガンマカーブはブラウン管の非直線性を逆補正するためのものです。HVR-Z1Jではディスプレーや撮像素子のリニアリティーが向上したことも考慮に入れた素直なカーブを描いています。またハイライトのラチチュードが広くなっています。実際の撮影においてはシネマトーンガンマ+ブラックストレッチもしくは7.5%セットアップを併用する方が諧調は豊かになるように思います。HDVのように解像度が上がると画面の精細感は解像度ではなく、ハイライトや暗部の諧調の豊かさが重要になると考えます。笹邊が勝手に師と仰ぐアンセル・アダムスの写真はタップリと光のあたったネガを独特の処方(師の処方に興味のある方は笹邊まで問い合わせてください)で現像した濃厚なネガを、非常に軟調な印画紙に焼き付けること作られています。HVR-Z1Jでシネマトーンガンマを設定した時、最初に思い浮かべたのはアンセル・アダムスでした。HVR-Z1Jでシネマトーンガンマを用いて撮影を行うにあたっては、よく調整されたピクチャーモニター、波形モニターを使用して信号レベルを管理しなくてはなりません。
HVR-Z1Jは価格対性能比や、画質においてPDクラスのキャメラとは一線を画したものです。まさに仕事が出来るDV?キャメラと言えるでしょう。