インターネットを使った生放送
本番日にジャンプ
今回の仕事は国営明石海峡公園の淡路地区オープンの式典をインターネットを使ってライブ配信するというものです。 システム自体は普段行っていることと比べて大きな違いは有りません。 しかし催しが2カ所に分かれることと2カ所の間にケーブルを張れないという問題がありました。 主催者側で探されたほとんどの技術会社の回答では「出来ない」または「中継車が必要」ということで、 見積もられた金額は予算を遙かにオーバーしてしまったそうです。 「百聞は一見にしかず」で取りあえず詳しい内容をおうかがいした後現場の下見を行いました。
人形浄瑠璃があるらしく、ラインと吊マイクでは音は録れないと感じました※下見ではケーブルの引き回しや電源だけではなく小屋の音響特性も見ます 音質が悪ければいくら映像が良くても何も伝えられないからです。肝心の所が決まっていないのに音が気になるのは、学生時代から録音マニアだった事による習性かもしれません。悲しい性と言うべきでしょうか。 |
小屋の管理は神戸国際ステージサービスさんということで超安心。 KISSさんにはいろんな現場でお世話になっています。 |
エントランスホールの前では当日和太鼓が演奏されます。太鼓を拾うマイクは何がいいのかなども考えておきます |
このゲート前でテープカットの後国営公園オープンとなります。工事中のため現場ではヘルメット着用が義務づけられています。 |
ケーブルさえ張れればトライアキシャルで余裕の距離なんですが・・・※トライアキシャル=電源、映像、リターン他コントロール、インカム全てが多重された信頼性の高いキャメラケーブルで2000m程度延長可ただし今回は安全への配慮からケーブルは使用出来ない上にACも不可 |
ホールまでは障害物無しということで、ホール屋上から見おろしてみます。 |
ゲートのすぐ横にトイレがあります。トイレの屋根からホール屋上へ電波を使って送れば大丈夫と判断。見通し300メートルということでFPUを使用することを提案(FPU(Field Pickup Unit)=ミリ波を使った伝送システム) |
見通しが立ったので一安心してもう少し詳しく内部を調査。 小屋に常設のAVルームはβカムやDVCもあり、スイッチャーも完備、これを借りるのも一案ですが、かなりのシステム変更をしないと使えず、費用及び常戻し作業の時間が無いため弊社の機材で運用することに決定しました。 |
失敗のない中継のため概念図を作り信号の流れや必要機材を考えます。 今回は非同期信号が多いのでTBCよりはFS内蔵のデジタルスイッチャー、DFS−500とフリップ用にNTSCボード内蔵のマッキントッシュも使用します。今回最重視したのがFPUの信頼性で、特に最悪に備えて2回線の確保を決定しました。2回線とも同じ信号を同時に送ることで緊急事態に即応出来る体制です。予備キャメラや映像信号の緊急バイパス(スイッチャー非経由)も用意しました。 |
テープカット会場からは1カメ中継とし、電源は3KW発発1基にバックアップはバッテリー駆動のBVP−70です。FPU装置やキサーも補助バッテリーで万一の事態に備えておきます。 |