超小型ハイビジョンカメラ「豆カムHD」をオリジナル特機で運用(千里ビデオサービス:大阪)
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SONY 豆カムHDを用いたBoomCamシステムのご案内

ブームカムオペレーション 豆カムHDはカメラヘッド部とメモリー記録部が2.8mのケーブルで分離し、アイリス・ズーム・フォーカス・ホワイトバランスなどがリモートコントロールできることで「小さいだけのハイビジョンカメラではない可能性」を持っています。千里ビデオサービスではその可能性を引き出すBoomCamの運用を始めました。

 左の写真はBoomCamT型です。1.8mのアルミ角パイプを2本繋いだもので、支点から最大2.5mの簡易クレーンショットが可能になります。ただしカメラヘッドの角度調整は手動で行います。
 下の写真(左)は写真用の自由雲台を取り付けたスタイルです。右はオリジナルのチルトヘッドです。BoomCamの先端に3/8吋ボルトを埋め込んだことで様々な写真用アタッチメントに対応します。

自由雲台に取り付けた豆カム

3/8吋ボルトに固定した自由雲台と豆カムHD&ワイコン

オリジナル雲台に取り付けた豆カムHD

オリジナルのチルトヘッドに取り付けた豆カムHD&ワイコン

一人でも運搬可能なBoomCam BoomCamT型は弊社のロケ車デリカD:5の座席を折り畳むこと無く床に収納できるように設計したもので、二分割すると全長が約1.8mとコンパクトになります。持ち運びも写真のように三脚(ビジョン3)と一緒に一人で運ぶことが出来ます。
 また材質を耐蝕アルミとステンレスを中心に構成したことで水濡れにも強く、水中ハウジングに入れた豆カムHDを使用することで簡易水中撮影が可能になります。また豆カムHDの記録部から出力されるHDMI及びコンポーネントのハイビジョン信号を外部モニターに送出することも容易に行えます。教育関連のイベントでは水中を泳ぐ魚の姿を大型ハイビジョンモニターやスクリーンへ映し出したり、また調査や研究においても様々な用途が考えられます。

 豆カムHDの画質ですが、光量が十分であればかなり高精細な映像を得ることが可能です。ただし光量が不足している場合は3CCD/3CMOSのものに比べると確実に劣化します。また、HDMIから出力される映像に比べると、AVCHDのメモリー録画もビットレート相応のものになります。高画質を求める場合はAJAのKi Pro(キープロ)などを用いることで高画質化が行えるものと考えます。

BoomCamで水中観察

市販品を元に改良を加えたSVSバージョンの水中ハウジング。ドームポートは精度・光学性能が高く評価されているAthena社製。またカメラの正確な水平調整を行うために三脚座には特製の水平アジャスターを装着しています。

オリジナル雲台に取り付けた豆カムHD

ビンテンビジョン3型三脚に取り付けて撮影するBoomCam。水中の様子がHDMIハイビジョンモニターに映し出されています。モニターは大型液晶ディスプレー等にもハイビジョンで対応しますから、イベントや教育用途への利用も可能です。

上の動画は水中ハウジングとBoomCamを使ったサンプルです。
使用機材:豆カムHD・水中ハウジング・ドームポート・ワイドコンバーター・1000ルーメン水中LEDライト・ブームカム

BoomCamU型の開発

BoomCamUのヘッド部分

T型で出来なかったヘッドのチルト(上下パン)をワイヤーによってリモートコントロール出来るように設計したBoomCamUです。ヘッドは操作部のレバーによって360度以上回せる構造になっています。。

BoomCamUの操作部分

BoomCamUの操作部。ヘッド部分の重量増加でカウンターウエイトは全部で10kg強になります。搭載するシステムやライトにより細かく調整を行います。水中では浮力が発生し、6kg程度で完全バランスします。

0.6倍小型ワイドコンバーター ハウジングでドームポートを使用するとドームポート自体が凹レンズの働きをするため水中画角は陸上画角に近くなります。しかしより広角を求める場合はワイドコンバーターが有効です。弊社ではSONY純正の0.7倍以外にサードパーティーの0.6倍HDワイコンを用意しています。このワイコンは設計が優れ、鏡筒が細いためにドームポート装着の際にポートのレンズを脱着せずに交換が行えます。そのため標準ポートからドームポートへの切り替えが非常に簡単で、必要に応じて標準・広角を選択することが容易に行えます。
 もちろん陸上での使用もハイビジョンの画質を十分に伝えることが出来る性能です。純正のワイコンが大きすぎて「仕込カメラとしては目立ちすぎる」という豆カムHDの欠点は完全に解決できるものです。

運用中のBoomCamU
1000ルーメンの水中LEDライト

 豆カムHDはCMOS単版式のハイビジョンカメラのため、光量不足が画質に覿面に現れます。特にノイズが多くなるとAVCHDでは圧縮ノイズも目立ってきます。弊社では1000ルーメンのLEDライトを用意して暗所の撮影に対応しています。特殊フィルムによるディフューザーを内蔵することで一灯でも広く均一な照明を得ることが可能ですが、二灯用いることで立体的な照明効果を得ることが出来ます。色温度はミノルタカラーメーターによって管理し、最適な色温度を得られるようにしています。

ピエゾ水中マイク
8.9吋ハイビジョンモニター

 水中映像ではリアルな音も重要です。弊社では圧電効果を利用した水中マイク4本を独自に輸入し、ローランド4CHフィールドデコーダーR-44で立体感のある水中音声を収録しています。※R-44の紹介ムービーは弊社で製作させていただきました。
写真(左)は水中専用のオリジナルクレードルサスペンションに取り付けた水中マイクです。
録音サンプル1 録音サンプル2

 豆カムHDのタッチパネルLCDではフォーカスの確認が難しいため、撮影時のモニタリングはHDMIで接続する9吋液晶モニター(写真右)を使用します。モニターはBoomCamの操作部に取り付け、記録部のタッチパネルを操作しながらフォーカス・アイリス・ズームの正確な調整が出来ます。またモニターの電源(12V)にソニー小型カムコーダー用のバッテリーNP-F970(7.2V)を使用できるようにDC-DCコンバーターを搭載して12Vに昇圧しています。

 ソニーから発売された豆カムHDはその高性能ぶりからオンエアの収録でも様々なシーンで使用されています。千里ビデオサービスではこの愛らしい小型ハイビジョンカメラの用途を様々な分野で拡げて行きたいと考えています。
また、パナソニックからも間もなくケーブル延長20m対応のAVCCAMが発売されます。ケーブルが20mまで延長可能で3MOSによる三板式が採用されています。どうぞご期待下さい。

BoomCamを用いた撮影に関するご質問、ご依頼は弊社メールまたは電話(072-729-5995)でお気軽にお問い合わせ下さい(担当:笹邊)