映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2009年11月08日(日)  只今取り込み中です
撮影場所は神戸のCafe Fish!です。ミュージシャンの方からJr.が請けた仕事は16:9収録でDVD仕上げ、音声はライン+エアのオーソドックスなものです。夕方から始まり、会場から見える窓外の様子が徐々に夕闇に包まれていく大変ロマンチックな雰囲気でした。

撮影の後は事務所に戻ってメモリーカードからキャプチャーしながら、昨日から行っている編集を仕上げます。
キャプチャー作業の際にこんな看板はいかがでしょうか?う〜〜ん、なんか誤解を招きそうですか。面白そうなんですけどね。

2009年11月07日(土)  スタジオ撮影終了・・・28時
夏ならそろそろ薄明になる時刻です。先ほどスタジオ撮影が終了しました。
千里ビデオサービスの地下1階は40uの撮影スタジオになっています。とは言っても天井にライトレールが4本と電気の容量が8kwというミニスタジオです。ただし自社用なので24時間使えるメリットがあります。以前はクロマキーやニュース風のセットを組んだりして撮影を行っていました。しかし最近は自社スタジオも手狭になってしまい、殆ど使っていない状態でした。そのような状況から撮影はホリゾントがあるレンタルスタジオで行っていました。ただし状況によってはここでも物撮りなどは十分に可能なので今回は自社スタジオにて撮影を行いました。メインの照明は2kwのスカイパンライトで、今回はその他にBEAMAXを使用しました。

今回の撮影は空気中でコロイド状態になった粒子を滑らかなスローモーション撮影で撮りますが、予算の面からHVR-Z5Jのスムーススローレックを用いました。鮎のジャンプなどを撮って好結果を得ていたため、予想していたとおりの映像を撮ることができました。

デジタルカメラのおかげでタングステン照明によるる物撮りが復活しスタジオでのスチル撮影が増えてきました。また今回のようなビデオ撮影も同様です。年明けからは「千里ビデオサービス箕面スタジオ」をフルサイズ稼働にしたいと考えています。

週末はこの素材の編集と撮影が1本、そして3カメパラ撮りのマルチカム編集です。休日返上での作業になります。そして来週はまたグライドカムの撮影です。随分涼しくなってきたので、今度は汗をかくことも無く快適な撮影が期待できます。

2009年11月06日(金)  YouTubeをメニューに収納しました
今夜は社内の撮影スタジオでスーパースローの撮影を行います。夕刻まで皆が出払っているのでそれまではフリー。そこでホープページを少しさわってみました。メニューのボタンを作ってスクリプトの書き換えを行いリンクを設定。

これまで別なウインドウで開いていたYouTubeのチャンネルをフレーム内に開くようにしました。JONS TVのJONSとははっきり言って親父ギャグです。Japan Osaka North Settsuの略です。
「フレーム構造は古い」、「W3Cは非フレーム」を推奨などと言われますが、フレームにはフレームのメリットがあるように思います。こういった表示はスタイルシートを使った擬似フレームではうまくいかず、非フレームではIF(インナーフレーム)ということになるのでしょうか。
フレームに収まったSVSのYouTubeのURLは
http://svs.ne.jp/index_youtube.htmlとなります。
YouTubeのアカウントをお持ちの方は「チャンネル登録」していただくとJONS TVに新しい動画をアップした時にお知らせが届きます。また、現在アカウントをお持ちでない方も簡単に登録できます。
※ブラウザのクッキーがOFFになっているとYouTube & Googleのログイン画面が表示されますので、クッキーをONにしてください。対応方法はこちらをご覧下さい。

ではこの後はスタジオでスーパースローの撮影に入ります。
大手家電メーカーの新製品のために撮影は公開できませんが、スタジオの様子などは後ほどFieldReportにアップできると思います。

2009年11月05日(木)  オシャレな小物が届きました
ライコートを買った時に付属しているヘアブラシ、じゃなくてジャマー用ブラシです。特に変わった所は無いようですが、ご覧お通りです。

もしかするとロゴ無しのものが何処かの輸入雑貨のお店に売っているのではと思いますが、やはりライコートのロゴが欲しいですね。付属していた1本を大事にしていましたが、最近色々フェイクファーを使って籠ジャマーなどを自作していたので、それぞれに追加しようと録音部が2本注文していました。

コレが注文していた2本のブラシ。ケースなどは無く、薄いビニール袋に入っているだけ。価格は@1,500円で、ブラシとしては決して安くはないと思いますが、やはりライコート純正というところがカッコいいです。

品名はRYC BRUSHだそうです。大してこだわるようなモノではないかもしれませんが、ここはイヤフォンやヘッドフォンと同様に音声マンとしての拘りたいところ。旅行用のブラシとしても一つ欲しいですね。

2009年11月04日(水)  琵琶湖はユキでした
昨日は全国的に冷えたようで、琵琶湖の山々も朝から雪化粧をしていました。長野県の八ヶ岳で山小屋を営む親友からも雪が積もったとの知らせが届きました。最新情報によると「氷点下10度を割りました。11/3現在の最低気温−11℃  最高気温−4℃です。平地でいうところの真冬日です。」だそうです。右の写真は琵琶湖ではなく、知らせにあった標高2000mの木道です。

湖西道路にはご覧のような虹がかかっており、こんな低い虹は初めて!と皆驚いていました。現地にはまだコスモスが咲いていましたが季節は晩秋です。

目的地では霙が降る中、水面が激しく揺れ動いていました。川面を覗き込んでみるとビワマスの雄同士が激しい闘争を繰り広げていました。

水中ハウジングに入ったハイビジョンカメラで撮影します。これからの季節は川に潜るにも決心が必要です。

この時期、琵琶湖の流入河川のあちこちで黄色いゼッケンを付けた漁師さんが投網を投げているのを目にします。目的はビワマスの採卵と採精のため。10月26日に書いたレポートの滋賀県漁連高島事業場へ届けられます。※ビワマスは10月1日から11月30日まで捕獲が禁止されています。一般の人がビワマスを獲れば密漁になります。もちろん罰金もあります。

漁師さんに見せていただいた立派なビワマスの雄です。琵琶湖って素晴らしいですね、そしてそこに棲むビワマスも!

特別採捕許可のゼッケン。リンクに滋賀県からの注意事項があります。アユ、ビワマスとりをされる方への注意事項

滋賀県のサイトに啓発ポスターがありました。
(画像は滋賀県のサイトを参照していますので表示できないこともあります。)

ビワマスの漁獲高は戦前〜戦後は年間100トン前後でしたが、現在は年間20トン程度と減少しています。20トンというと多いようですが、大型トラック2台に積んでしまえる量でしかありません。環境整備と保護が大切です。

2009年11月03日(火)  肩乗XDCAM EXかEOS7D&1DmkW、はたまた・・・
ソニーから新しく出る肩乗せ型のハイビジョンカムコーダーPMW-350。
そしてキヤノンの新しいデジカメEOS7DとEOS1DmkW。さらにデジ一と同等の画素でスーパーハイビジョン(4K)を撮るRED ONE。中継システムとしてはデジタルトライアクスのソニーHSC-300やHXC-100等。そしてAJAのKIPROなども気になるところ。
とにかく賑やかです。
現実的にはハイビジョンVPの制作に向けたPMW-350あたりが最も現実的でしょうか。なんといっても撮像素子が2/3吋ということで放送用のショートズームや超望遠レンズも装着可能なことです。さらにSxSカードのMSDUOアダプターも発表され、メモリースティックDUOでも35MbpsのフルHDが記録できるそうです。ビデオアルファのニュースページ

価格がHDCAMの約1/3ですから更に現実的です。来年は殆どのプロダクションが導入するのではないかと笹邊は思っています。
先日アメリカのドラマ、映画事情に精通した方からお聞きした話ではHDVの25Mbpsのビットレートでは本編は無理、最低35Mbps、主流は50Mbpsという事でした。確かにMPEG-2を使った圧縮では50Mbpsは必要かと思います。
ちなみにBSハイビジョンのビットレートはというと(http://blog.goo.ne.jp/krmmk3

左から音声、画像サイズ、映像ビットレート

NHK BS-Hi
  255kbps  1920x1080 17954kbps
BS日テレ
  192kbps  1920x1080 19096kbps
BS-i
  144kbps  1440x1080 17536kbps
BSフジ
  192kbps  1920x1080 3-20Mbps(VBR)
BS朝日
  192kbps  1920x1080 16-22Mbps(VBR)

だそうで「これなら25Mbpsでいけるやん」と言われそうですが、制作サイドではせめて倍のビットレートは欲しいところ。だから35Mbpsは最低限で主流は50Mbpsということなんですね。

そしてもう一つ気になるメモリー記録のみの収録環境です。テープならば途中で切れたりしてもそれまでの記録部分は救済可能ですが、メモリーは一旦エラーが出れば大変。やはり二重記録したいところです。そういう点では今後も放送現場ではHDCAMが主流であり続けることは頷けますね。
さて、ここで一つ気になるアイテムがあります。

ローランドのVC-50HDです。HD-SDIをIEEE1394やHDMIに変換するコンバーターですが、IEEE1394の出力は通常のHDVだけではなく、35Mbps/50Mbpsへ簡単に設定できるようになっています。

これを使ってカムコーダーの信号をビデオフィールドレコーダーのF1で録画するのはいかがでしょうか。

F1はファームウエアのアップデートによりVer.2となって50Mbpsに対応しています。
カムコーダーのメモリーに35Mbpsでバックアップしながら外部HDDで本線の収録です。残念ながらシリコンディスクのF1-SSD64は50Mbpsには対応せず、HDDのF1-HD120での収録になります。HD-SDIを50MbpsのMPEG2で記録できれば動きの速いものでも破綻の心配は無いでしょう。

また、パナソニック版豆カムのレコーダーAG-HMR10を用いることでもバックアップ収録が可能です。

AG-HMR10 (税別定価¥320,000) は HD-SDI入出力付の小型レコーダ。AVCHDフォーマット記録。1080/23.98p(ネイティブ)、1080/59.94i、720/59.94p などマルチフォーマットに対応。「PHモード」で最大ビットレート24Mbpsにて収録。32GBの SDHCカード に 1920x1080 で最長180分 高画質HD映像を記録ということです。
ただ、AVCHDですが、H.264の場合、エンコーダーによる画質差が激しいと聞きます。MPEG-2ではどのようになるかが予測できてもH.264の場合は「H.264だからこうだ」とは言えないようです。
パナソニックという会社は凄いですね!家から自転車、按摩器から便器、そしてテレビやビデオカメラまで・・・・世界最大の売り上げを誇るだけありますね。
実は松下時代から面白いものを作る会社で、昭和34年発売のラジオ付カメラ、つまりラジカメの「ラメラ」は傑作です。それに笹邊が持っている電気を使わない「温泉卵器」も最高。
今度のInterBeeでは各メーカーから様々なものがお目見えすることでしょう。大いに期待したいところです。パナソニックから動画RAWデータ記録できるレンズ交換式のフォーサーズデジカメ、出てこないかな!

2009年11月01日(日)  今日はいい天気?
朝から雨です。この連休の行楽には最悪ですが、実は次の撮影にはとてもいい天気!


この後寒冷前線が通過して、おそらく北部では霙になるところも期待できマス。そう、マスです。雨の魚とも呼ばれるビワマスが遡上を始めるかもしれません。大いに期待したいところです。


そしてこんな雨の休日は窓の外のしっとりとした景色を眺めながら機材の整備などを行います。こういうときはかなり幸せなひと時なのです。

2009年10月31日(土)  撮影でお世話になっていたスタジオが・・・・・
以前から撮影でお世話になっていたレンタルスタジオが10/31を以って営業を終了しました。お知らせには「昨今の不景気が原因」と書かれていましたが、大阪でもトップクラスの大型スタジオで、かつ千里ビデオサービスから近かっただけに惜しいです。というか、悔しいです。


ローランドのF1を装着したソニーのS270、キヤノンのXL-H1、JVCのHD250を撮影


弊社の会社案内用スチル撮影


ローランドの加工機の撮影

この後スタジオが別な形で再開されるのか、全く無くなってしまうかはわかりません。是非スタジオであって欲しいと望む人は少なくないでしょう。

2009年10月29日(木)  神戸ロケ、残すところあと1日
神戸でのロケが80%まで進みました。残すところあと一日です。ロケハン〜今日まで天候は全て晴れ!順調です。

今回のロケではグライドカムによるステディショットが中心で、HVR−Z5Jにワイコン、ワイドアタッチメントなどを頻繁に脱着する必要がありました。

千里ビデオサービスの笹邊が若い頃から自転車好きだったこともあり、AHEADCAMなど様々なものにサイクルパーツを使って来ました。そしてこのグライドカムにもサイクルパーツを使用しています。

使用しているパーツは自転車のシートピラーのクイックリリースです。締める、緩めるがワンタッチで行え、グライドカムのバランス調整がいたって敏速に行えます。理想はカンパのクイックリリースですが手元に一個しか持ち合わせが無く、以前シクロジャブルでゲットしたTranz-Xのクイックリリースです。ロック〜リリースの間にハーフロックのポジションがあり、グライドカムのバランス調整にはもってこいです。
バランスウエイトはグライドカムオリジナルではなく、BOOMCAM用に多数購入していた健康用品のウエイトです。

天候に恵まれた神戸ロケ、残す1日のロケも好天に恵まれますように!

2009年10月26日(月)  ビワマスの採卵を見る会に行ってきました
休日の昨日、琵琶湖博物館主催の「ビワマスの採卵現場を見学してみませんか」に参加してきました。場所は高島市マキノ町知内 百瀬漁協及び滋賀県漁連高島事業場。ビワマスは、琵琶湖の固有亜種であると同時に重要な水産資源です。そのため、毎年人工採卵放流事業が行われています。船に乗って親魚を捕獲するところから、採卵までの行程を見学してきました。
下のYouTubeは乗せていただいた船から撮ったビワマスの様子。たまたま魚を追って「えり」の中を泳ぐ鵜の姿が印象的でした。



集合地の百瀬漁港と「えり」の網を揚げる漁師さん。現在ビワマスは禁猟期間ですが、ビワマスの人工孵化のために特別採捕許可を得ての漁です。こういう機会が無いとなかなか見ることが出来ません。

参加者に説明する高島事業場の小林さん。子供達も真剣に聞き入っていました。右はこの日捕獲したビワマス。


早速採卵の体験。まずは子供達から。


ビワマスのヌルヌルした粘液や魚の匂いもへっちゃら。卵が搾り出されます。


次は雄のビワマスから採精です。新鮮な精子を卵にかけて受精させます。


精子をかけた卵の数を数えます。これ一枚で2000粒です。この日は全部で7枚。1400粒の卵が採集できました。


採卵を終えた雌のビワマス。右は採精を終えた雄のビワマス。

捕獲したビワマスには水カビに汚染さたものや、奇形が含まれていることがあります。もちろん採卵・採精は行いません。右は外来種のブルーギルやブラックバスです。

場所を事業場に移して小林さんから孵化の説明を聞きます。左はこの日獲った卵を清浄しているところ。

小林さんは一人でこの事業場を管理されているそうです。話をうかがっていて「このひとは心の底から魚が好きなんだろうな」と感じました。


標本を見る参加者。稚魚のうちはビワマスにもパーマークがあります。


孵化場の中も見せていただきましたが中は消毒エリアで入ることは出来ません。

もういちど漁協に戻り・・・先ほど採卵、採精を終えたビワマスに対面!あのビワマス達はお昼のおかずになっていました。左は琵琶湖博物館学芸員の桑原雅之さん。そして桑原さんが絶賛する郷土料理の達人、漁協の職員の中川さんです。

地元でしか口に出来ない(たぶん)鱒飯とビワマスの甘露煮です。鮒寿司が有名な琵琶湖ですが、素晴らしい郷土料理がいっぱいあります。お昼には食べきれないほどの量だったのでみなさん手土産に。味はすばらしく調理していただいた中川さんの周りには参加した女性たちがこぞってレシピを聞き取っていました。

昼食の後はビワマス産卵ビデオ鑑賞と質問タイムがあり、琵琶湖博物館学芸員の桑原雅之さんが色んな質問に丁寧に答えてくださり、密漁による捕獲が最大の問題と定義されていました。「昔から獲っている」という密猟者の意識が変わらない限りビワマスが増えていかないとおしゃっていました。子供たちがビワマスを見たことが無いという時代だけはないようにしたいものです。密猟者を見つけたら警察に一報!がビワマスを守ります。

主催していただいた琵琶湖博物館、共催の百瀬漁協の方々、滋賀県漁連高島事業場の小林さん、今日一日有難うございました。

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