2005年06月24日(金)
フランジバックチャート
 テレビキャメラの殆どはズームレンズを装着している。家庭用デジタルビデオキャメラの場合も確実にズームレンズが装着されている。
 私達が使用する放送キャメラの場合、家庭用と違ってレンズ交換できるようになっていて、標準ズームの他に広角ズームレンズや超望遠ズームレンズに付け替えて使用することが多い。しかしテレビキャメラの場合は写真用とは異なり、高倍率のズームレンズが使用される。このときに気を付けなければならないのがフランジバックだ。
 ズームレンズは1本のレンズで連続的に焦点距離を変えることができる便利なレンズだが、どの焦点距離であってもフォーカス(ピント)が前後してはならない。短焦点側ではフォーカスが合わせずらいため、望遠側で合わせてから必要な画角に調整することがある。もしレンズのフランジバック調整を正しく行っていなければ、せっかく望遠側で正確に合わせたフォーカスも短焦点でずれてしまうことになる。
 写真はフランジバックチャートまたはフォーカスチャートと呼ばれるものだが、広角側であっても正確なフォーカスを得ることが出きる。私達が普段使用している放送用レンズの場合は望遠側と広角側各々でフォーカスが合うように調整すれば中間焦点も正しく合うようになっているが、業務用レンズの場合はそうは行かないことが多い。優れもののフランジバックチャートだが、業務用レンズの場合は望遠、中間、広角の全てで完全一致しないことが判るだけに悲しい思いをすることがある。それでも最近の業務用レンズの場合は性能もかなり良くなり、けっこう許容範囲に収まるようになってきたようだが、やはり放送用には敵わない。たしかに放送用レンズが高級車並みの価格であることに対し、業務用は軽自動車の半額程の価格だということを考えれば当然である。もし放送用と業務用が同等の性能であればもっと悲しい思いをしなければならない。
 このフランジバックチャートはホワイトバランスチャートとともに、撮影には欠かせない七つ道具である。
 フランジバックチャートを捜して来られた方にお土産として印刷用PDFファイルをアップしておく。これはIllustratorで作成したもので拡大してもジャギーは現れない。品質向上のために役立てていただければ幸いである。なおヴァイラスはノートントンNAV2005で検疫済みなので安心していただいて良いだろう。

2005年6月24日 | 記事へ | コメント(2) |
| 映像制作・撮影技術 |
ブライダル撮影をやっているものです。はじめまして。

昨日撮影した折 バックフォーカスが怪しいことに気づき検索してここにたどり着きました。
フランジバックチャートの画像を頂きます。本当に助かります。
全然たいしたもんじゃないです。
お役に立てば幸いです。
FB調整はチャートが無くてもNDを効かせて開放で細かな模様の被写体を使えば問題なく取れると思いますが、
たまにはチャートでしっかり合わせておいた方が安心ですね。

ショートズームなどは使った後わざと思い切りFBをずらしておきます。中途半端に合っていて他のカメラマンがうっかり合わせないで使ってしまうという事故を防ぐためです。特にHDになると引きボケは致命的ですからね。
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