2006年09月20日(水)
nikon F3 適正露出
 「nikon F3 適正露出」だった。グーグルで100件目くらいでヒットしていた。ご苦労様である。
 最近銀塩再興の動きがあるようで、デジカメ全盛時代にもかかわらず、モノクロフィルムやトランスパレンシー(反転フィルム)で撮影する若い人が増えている。確かにフィルムの持つガンマカーブや、極限の解像度は独特であり、優秀だ。ただしトランスパレンシーの場合はカラーネガに比べると露出はシビアだ。
 普通の人はTTLオートで撮影するが、カメラ内臓の露出計は基本的に18%標準反射板を18%の濃度に露出するものであり、反射式のTTLでは白い被写体は暗く、暗い被写体は明るく写してしまう。また測光方式が中央部重点やスポット測光の場合、カメラを向けた方向(何処を計るか)によっても変わってしまう。NIKON F3の場合は中央部重点であるから、あくまで目安でしかない。また、NIKON FA以降は分割プログラム測光などが導入されたが、これらを用いても決して適正露出を得ることは出来ない。つまり、カメラの測光パターンや癖を認識した上での経験的な加減が必要になる。また、入射光式の露出計を使う場合も被写体の反射率や、光の入射角度を考慮しなければ適性にはならない。
 よくアマチュアの人に「プロはどうやって適正露出を決めるのか」と聞かれるが、答えは簡単だ。フィルムの説明書に書かれている値を基本にしているだけである。たとえば順光の風景の場合、真夏以外はISO-50のフィルムでは1/125秒、F11になる。真夏の場合はF11半〜16といったところだ。そして最近では不確かなシーンの場合、使い慣れたデジカメのデータを用いたりもする。そしてどうしても必要な場合はポラロイドパックを使って試し撮りを行ったり、同じシーンを複数のフィルムに撮影してテスト現像の後、本番フィルムを現像時に1/3絞りや1/2絞りの増感や減感を行う。
 こういう方法は決して経済的とはいえないが確実な方法だ。しかしこれらは中判、大判カメラで行う方法である、私が35mmのNIKON F3Pで撮影する場合にはやはりTTL露出計を用いている。ただし露出計の示すままでシャッターを切ることはまず無い。被写体の明るさ、サイズ、背景、そして最終的に求める濃度を考えて経験的な増減を行う。
 適正露出は誰もが必ず悩むものだが、乗り越えてしまえば意外と気楽に決めることが出来る。しかしそこに達するまでには数多くの経験を積む必要がある。要は経験である。この記事が「適正露出」で検索された方の参考になれば幸いだ。

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