2006年11月27日(月)
カメラリターンスイッチケーブル
 「カメラリターンスイッチケーブル」である。以前にもリターンスイッチの検索があったが、少し詳しく説明しよう。
 マルチキャメラでスイッチャーを使った収録の場合、キャメラマンはスイッチャーやディレクターの指示でカメラを振るのではなく、キャメラマンの感性で絵作りを行う。カット割が決まっている収録の場合も、自分の映像が入る前の映像(スイッチャーが現在選択している映像)を見なければならない。
 家庭用のキャメラをフレームシンクロナイザー内臓のスイッチャーで切り替えている映像会社を見かけることがあるが、技術的にしっかりしたところは小型の液晶モニターをキャメラや三脚に取り付けて収録している。ただしこういった場合はケーブルが煩雑になったり、仕込みに時間を要したりする。これが業務用、放送用になるとキャメラのジェンロック入力にプログラム映像を入力したり、CCUのRETURNにプログラム映像を入力することで、キャメラのファインダーを切り替えることでリターン映像を確認することができる。特に放送用キャメラや業務用キャメラのDXC-D50WSなどの場合はプログラムリターンだけではなく、リターン2としてオンエアやエフェクト、グリーンタリーの裏撮りなどの映像を見ることが出来る。キャメラケーブルも複数を張る必要は無く、多芯のマルチケーブルやトライアキシャル、光ファイバーなどでは1本のケーブルに電源の他、複数の映像、制御信号、インカム信号などが重畳されている。
 普通リターンスイッチはキャメラのレンズやボディーに付けられているが、非常に使いづらい。そこでレンズのズームデマンドを取り付けるコネクターからリターンのみを取り出してスイッチすることでファインダーの映像を撮影/リターンを切り替える。普通このスイッチは三脚のパン棒に取り付けて使用する。手動ズームの苦手な人が電動ズームサーボを使用し、コントローラーに付いているリターンスイッチを使用しているようだが、ズーミング中にリターンを確認することは至難の技である。※オーバーラップを使う場合は相手方のキャメラマンの映像がどう重なるかをリターンビデオで確認しなければ理想的な効果は得られない。
 写真は私の会社で使用しているオリジナルのリターンスイッチだ特許に匹敵する部分もあるため、詳しくは書けないが、様々な工夫を施している。しかし、キャメラマン歴の長い人が見ると直感で判ると思う。リターンスイッチは既製品が無く、技術会社はそれぞれに独自の物を自作しているというのが現状である。


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| 映像制作・撮影技術 |
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