「AW-SW350 取り込み」という検索。
AW-SW350とはナショナルのライブスイッチャーのことだが、前作のSW-300とは似て非なるものになっている。SW-300がフレームシンクロナイザーを1CH分しか入れていないのに対し、SW-350では5基搭載している。そのおかげで非同期の信号から非同期の信号へスイッチングする場合もジェンロックモードと同様、自由自在に切り替えることが出来る。ただしフレームシンクロナイザーで画像をメモリーに書き込み、読み出しを行っているために最大1フレームの遅れが生じる。ただしこれは民生用VTRやPC、DVDなどを入力する場合のことで、ジェンロックがかけられるTVキャメラやVTRの場合はフレームシンクロナイザーをバイパスできるため遅れは生じない。
また、SW-350はYC信号を基本に考えたこれまでの廉価版スイッチャーとは異なり、コンポジット信号を主体に設計されているため、14.3MHzのサンプリングで色信号ごとDA変換を行っているらしく、コンポジット信号での画質が格段に向上し、ジェンロックモードに迫る画質をFSモードで実現していることは特筆に値する。もちろんライブスイッチャーに絶対必要なタリー出力やインターカム回路は内蔵している。
私がSW-350で気に入っていることはこれだけではなく、USBによってPCから静止画をメモリーに取り込むことが出来る機能だ。.NET Frameworkをベースにしたオリジナルアプリケーションによって720×540ピクセルの静止画をフレームモードでSW-350のRAM/ROMに書き込むことでロゴマークやイベントタイトルなどの静止画を送出できるのである。イベントなどのV出し現場では大変ありがたい。時に現場でデジカメで撮った写真をロゴに加工して送出したりもする。このSW-350はこれほどの高性能に関わらず前作のSW-300と同価格で販売されたことは驚きであった。
後から聞いた話では(あくまで噂だが)開発グループが望んだ価格を営業が強引に据え置き価格におとしたらしい。それはさておき、これほどの性能を持ちながら低価格で発売されたことは我々にとってはありがたい話だ。そして現在は350の後継機としてHD-SDI対応のマルチフォーマット超小型ライブスイッチャーAV-HS300を発売した。
対応フォーマットはSD(480/59.94i,576/50i)
HD(1080/59.94i,1080/50i,720/59.94p,720/50p)ということで全世界のHD/SDフォーマットにマルチ対応が可能になっている。また6入力全てに10bitフレームシンクロナイザーを搭載し、屋外用のDC駆動、タリー出力なども装備している。価格は据え置きとは行かないが、それでも軽自動車程度に設定されていることは嬉しい限りだ。いわば松下の底力である。
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>SEG-2550Aの次のスイッチャーとしてAV-HS300
そうですね。そろそろ考えておかなければというところです。
松下の人の話では「スイッチは放送用を採用しました」ということです。確かにケジメがあって気持ちいいですね。
出来れば「回路部品も放送用を採用しました」と言って欲しかったのですが、そのあたりは今後検証する必要があると思います。
>HDモニター環境や収録VTRの問題
たしかにそうです。
まだHD EFPでの受注が一般化していないので何も言えませんが、キヤノンのG1を使った簡易システムを構築する場合はAV-HS300にならざるを得ませんね。
といいつつ、私のところでライブ収録にはSEG-2550だけではなくSEG-2000Aもいまだに現役ですから、当分は現状で大丈夫ですね。