2007年02月27日(火)
SSG 信号
 「SSG 信号」というキーワードだった。
 SSGとは我々の間ではSync Signal Generatorであったり、Standart Signal Generatorであったりする。またSignal GeneratorとかSync Generatorとも呼ばれる。それらを略してシステム図ではSGと言う風に書かれる。

 写真はNTSC用のSSGで各種の基準信号を発生させ、VTRやモニターやモニターの調整に用いる。そして下の写真のようにBB(ブラックバースト)やSC(サブキャリア)等の同期信号も発生できるようになっている。

 同期信号とはジェンロック(ゲンロックGenerator LOCKの略)を行うもので、これが出来ないと様々な機器が自己のクロックで走るために、機器を切り替えるたびに画像が乱れたり、色が変わってしまったりする。そして、本来1秒間に29.97枚有るはずのフレーム画像が実際にはキャメラごとに枚数が異なったりする。
 例えば3台のカムコーダーで同じ現場を撮影しても1時間の総フレーム数が数コマ違ってしまうことになる。こういう状態ではアイソレーション収録したテープを編集する場合に大変苦労する。そのために複数のカムコーダーで音楽物を収録する場合は1台のシンクジェネレーターによってジェンロックをかけ、同時にそのジェネレーターによってジェンロックのかかった1台のタイムコードジェネレーターから各カムコーダーにタイムコードを送る。こうすることで全てのテープのタイムコードが時間軸上で揃い、音声の位相も統一できる。
 時々家庭用のMiniDVで撮影したアイソ撮りのビデオ素材を編集室に持ち込まれることがあるが、1時間の総フレーム数が数枚違うことなどはざらである。これは各カムコーダーのサブキャリアの周波数の違いによるものだ。放送機材のサブキャリアの誤差は3.579545MHz±20Hz 程度だが、民生用のカムコーダーでは3.579545MHz±100Hzほどの誤差があるらしい。条件が悪いと上限と下限の間で最大200Hzものズレが生じることもありうる。そういうことを防ぐために我々は同期に対してシビアにならざるを得ないのである。

2007年2月27日 | 記事へ | コメント(2) |
| 映像制作・撮影技術 |
最近はゲンロックを知らない人も多くなっていますね。
特に放送以外の分野では、リニア編集システムを組むこともなく、
マルチカメラ収録は全ラインFS付きのSWで行うことも多くなり、
ゲンロックを意識しなくても良い場合が多いです。

教える機会もどんどん減ってしまいますねー。


>最近はゲンロックを知らない人も多くなっていますね。
そうですね。SCHという言葉やカラーフレーミングという言葉も聞かなくなりました。その代わりフレーム間圧縮とか新しい言葉が出てきました。
しかしFS内臓のスイッチャーでもフレームの飛び越しを防止するためにBBは送っておく方が良いです。その点では今あちらで話題になっているHD中継システムの構築にはジェンロック出来るHDVとしてXH G1は有力候補だと思います。

>教える機会もどんどん減ってしまいますねー。
そういえば波形やベクトルの見方も教えないといけません。
面白いのはコンポーネントやHDであってもコンポジットスタイルが使いやすいということ。我々の頭の中はやはりコンポジットになっているようです。
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