2007年10月15日(月)
ハイビジョン ブライダル 映像制作 大阪
 「ハイビジョン ブライダル 映像制作 大阪」である。ハイビジョンで結婚式のビデオ撮影をする業者を探されていたのだろうか。もしくはブライダル業者からの検索かも知れない。だが、検索結果のハイライトにも表示されているように「勝手ながらブライダルはお断りしております。」である。にもかかわらずアクセスがあったのは、こういうことを明示する会社に対して不思議に思われたからかも知れない。これは私が会社が設立した時からのことだが、現実的には取引先との関係から断りきれない場合がある。またブライダルを生業とするビデオ制作会社からの派遣依頼があった(これも付き合い上断りきれない)時にはキャメラマンを出したり、マルチキャメラEFPを行ってきた。特に多かったのは写真関係の会社から議員や名士といわれる方の身内が挙式する場合の規模の大きい中継録画だった。それでも極力ブライダルはお断りしてきた。理由は会社案内に書いているように、基本は「キャメラマンの目がうるうるになってフォーカスが合わないため、勝手ながらブライダルはお断りしております。」であり、その文言は今も消していない。

 私が会社の基本姿勢としてブライダルを断るのには「うるうる」の他にも理由がある。まず日程が土日祝に集中し、安定した人材確保が難しいことだ。ブライダルの場合は全てがワンテークとなり、キャメラマンのポジション移動や「デス」「マス」のきっかけでカットを割ってゆくにはきっちりとしたENG経験が必要であり、ワンマン作業になるため音声やVEとしての経験も豊富でなければならない。そういったキャメラマンばかりを集めるのはかなり難しい。
 もうひとつは私の会社の取引先の多く(特に東京方面)が「ブライダルをやっていないから安心した」という意見を述べられている点である。詳しく聞いてみると制作会社によってはブライダルや幼稚園の発表会を撮影する業者のことを「ブラ屋」とか「ビデオ屋」と見て「プロダクションとは考えていない」ということらしい。これは大きな間違いで、ブライダルや幼稚園の発表会であっても撮影の全てにおいて高い技術や経験が求められるのである。しかしそれを説明してもなかなか理解されないことも確かだ。このことについては「地方プロダクションの映像制作」の福田さんが意見を述べられているので参照していただきたい。
 また、ブライダルや発表会といった業種に低価格で高画質な民生DV機材と簡単なパソコン編集システムを引っさげたド素人業者が参入してきたことも大きな影響を与えている。影響とは「価格低下」である。最近では「5カメ6万」なんていう論外の金額でビデオを作る業者が出没しているらしい。さらにブライダルや発表会のビデオを求める顧客もビデオ制作のコストに対する認識が無いことも問題だ。数枚、数十枚程度のビデオに対してコンビニやソフトショップで売られているDVDの価格で予算を立ててしまう。そして業者も「仕事が無いよりは・・・・」というわけで泣く泣く請け負ってしまうらしい。まさに悪循環である。
 先日ある企業の依頼で3分ほどのVPを製作させていただいたが、完成版DVDとコピー数枚で100オーバーのコストがかかった。内訳は企画構成ディレクション、制作進行管理、出演者&ナレーター、撮影技術、照明技術、音声技術、編集技術etcである。これでも当初見積より2割ほど引いている。
 ブライダルや幼稚園の発表会に関して、「映像制作には金がかかる」ということを説明するよりも「ブライダルや幼稚園の発表会はお断りしています。」としたほうが、顧客に嫌な思いをさせずに済むという判断である。ただし、ブライダルフェアのプロモーションや、園児獲得のための案内ビデオはその限りではない。当然クレーンや特機などが必要な撮影になる。

2007年10月15日 | 記事へ | コメント(2) |
| 未分類・エトセトラ.etc. |
> ブライダルや幼稚園の発表会を撮影する業者のことを
> 「ブラ屋」とか「ビデオ屋」と見て
> 「プロダクションとは考えていない」

ブライダルや発表会を仕事としている会社の全てがそうだとは言えないですが、残念ながらこの現実は否定できないですね。
DVD単価×枚数=総制作費という金額設定では当然作品の質も落とすことになります。
これらの仕事ばかりをやっていれば制作技術レベルが上がることはないですから。

餅は餅屋の考え方でいけば、ブライダルを専門にやっている人がブライフダルの現場で動く場合はかなり良いです。
なので、自分としてはブライダルを否定するつもりはありません。
問題があるとすればSENRIさんが書かれているように、会社案内などの作品に対しても
ブライダルや発表会の感覚で金額設定してしまうことでしょうか。
こんばんは。神戸での公開オペの中継を無事終了して戻りました。
会社を設立する前にブライダルの撮影を何本もやりましたが、編集せずに納める編集撮りはそこで学びました。言葉のきっかけでカットを割る撮り方はその後のENGでも基本になっています。瞬時に判断してポジション移動したり、サイズ変更したり・・・
でも私は「目がうるうるになってフォーカスが合わない」タイプで、両親への花束贈呈には苦労しました。
>餅は餅屋の考え方でいけば、ブライダルを専門にやっている人が
>ブライフダルの現場で動く場合はかなり良いです。

その当時も体だけで3万でしたから、1日に2本撮る人は稼いでましたね。
確かに割りのいい仕事です。
でも最近は機材付きで3万なんていう派遣依頼が来て(もちろん断りますが)驚きます。
一度下げると上げられなくなるということを学習できない人が多いですね。
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(株)千里ビデオサービス
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