2007年12月02日(日)
キャプチャ U-MATIC
 「キャプチャ U-MATIC」である。ハイビジョン全盛の時代に突入したがこんなキーワードでも検索されていた。ヒットしていたページはDVDについて解説しているページだった。
 最近多いのが8mmビデオやVHS-CのテープからDVD-Rへの変換だ。そしてベーターもたまにある。いずれもDVDレコーダーは持っているが、旧フォーマットのビデオデッキが壊れて無くなってしまって再生できないということが発注の理由である。そして稀に大学の研究室からU-MATICやM-UをDVDにして欲しいという依頼がある。
幸い私の会社にはU-MATICやM-U、それに1/2吋オープンリール、1インチCタイプなどがあり、いずれも対応している。
 U-MATICは3/4吋のテープを使用しているため、カセットのサイズが大きく、VHSテープの倍以上の大きさであるにも拘わらず60分しか記録できない。しかし低域変換といえどもVHSよりも遥かに高速で幅広のテープはお世辞にもベーカム並とはいえないが、VHSや8mmとは比較にならないほど綺麗に写る。アーカイブスとしてデジタル化することで後世にも通用する画質である。
 私の会社が創業した1987年は丁度ベータカムSPフォーマットが誕生した年だが、U-MATICは1971年からスタートしてオキサイドのベータカムが生まれた1982年以降も衰退することなく使われていた。おそらく90年代初頭までは様々なプロダクションや官公庁、研究機関で使用されていたはずだ。つまり20年間第一線で動いていたということで、信頼性はベーターカムに勝るとも劣らないもだといえよう。ただし大きさと画質でその座をベーカムに譲ったわけだが、その20年間に記録された映像の量は途方もなく多いと考えられる。それゆえに「キャプチャ U-MATIC」ということが必要になるわけだ。
 しかしU-MATICの出力信号をそのままDVDに記録すれは同期信号や色信号が不安定で、やはりここはTBC(タイムベースコレクター)を通して安定させなければならない。当然ヘテロダインタイプのTBCではなく、サブキャリアを付け替えるダイレクトモードのTBCがベストだ。そうすることでU-MATICで記録された映像も美しくデジタル化することが可能になる。1インチや3/4吋のVTRは図体も大きく、またメンテナンスも大変だが今後も当分は維持していかなければならない。これは映像技術会社としての使命だと考えている。

 暫くぶりのブログ更新だが、決してサボっていたわけではない。先日の書き込みにあったように、月末まで連日現場があった。時にロケが重複し、その上に30日納品のVPが重なったためにてんやわんやであった。先日急に入った30日の中継現場を終えてようやく週末が空き日になった。だがこれも台風の目のような無風状態で、週明けから再び強力な吹き返しがやってくる。12月も早々から中継、ロケ、編集、録音etcでスケジュール表は真っ赤になっている。
 しかしこの仕事は忙しいときばかりではない。時に1ヶ月に数本という暇な時期もある。暇な時期を乗り越えるために忙しい時期を乗り越えなければならない。つまり暇な時を暇に過ごすために今働かなければならないのである。

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| 映像制作・撮影技術 |
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