2008年04月23日(水)
PALネイティブサポート
 先日のR社に続いて、今回は大阪にある某メーカーのドイツでの展示会用プロモーションビデオを英語版で製作した。R社の場合は日本やアメリカでの使用が多いため、基本はNTSCであり、撮影もNTSCで行い、PAL圏用はNTSC⇒PALの変換でDVD化した。ところが今回は展示会がドイツで行われ、モニターは50インチPDPである。高解像のWMVやBDが理想だが、会場の方で手配するプレーヤーがPALのDVDということで当然それに合わせて納品しなければならない。
 そこで今回はNTSCではなく、撮影から編集、オーサリングを全てPALで行った。つまり「PALネイティブサポート」である。
 NTSCの場合は16:9での画素は正方ピクセルで856×480になるがPALの場合は1024×576である。当然480本の水平走査線よりも576本の方が垂直解像度は高くなる。ただしNTSCが30フレーム/秒であるのにPALでは25フレーム/秒となり、動きの速い被写体では違和感が出る。しかし25フレームのテレビに慣れたPAL圏の人にはNTSCは気持ち悪いそうだ。
 新商品のプロモーションという用途から考えればやはり会場となるドイツのテレビ方式に合わせたPALネイティブであることは必然の結果である。MAのオペレーターと話していたが、10年前ならPALネイティブなどとてつもない予算が必要だったが、今ではPCの進化とスイッチャブルカムコーダー、VスイッチャブルカムコーダーTRのおかげでNTSCの製作とさほどコストは変わらない。
 グローバル化によるテレビ方式の標準化を唱えた人がいたが、技術進化がその必要性を解除してしまった。私の会社で試写用に置いているDVDプレーヤーはPAL/NTSC兼用のモデルだが、1万円程度だ。そして検証用に今も置いている古いDVDプレーヤー(レコーダー機能は無い)は当時128,000円であった。我々映像関係の仕事もやはり電子機器の進歩無しには存在し得ない職業だと痛感する。

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| 映像制作・撮影技術 |
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