ローランドさん来社
ローランドさんが来社された。といっても受注の仕事の話ではない。ローランドの仕事をしていても代理店を通さないで話をすることは商道徳を外すことになる。来られたのは先般行われた新商品発表会に招待していただいた大阪営業所のM氏だ。
来社の目的は新製品発表会来訪者への挨拶回りである。明日からポスプロでMA、そして月末までVロケが立てこんでいるので、訪問していただくことが可能なのは今日しかなかった。M氏にとっても、私にとても、この挨拶回りというのは重要だ。会場で入手できなかった情報のキャッチボールである。M氏が嬉しいのは営業営業していないこと。技術面での知識に長けていて、私の技術的な質問にも的確に答えてくれることだ。さすがに技術の会社ローランドである。ちなみにローランドの役員の経歴を見ると、そのほとんどの方が技術系出身者である。
今日お持ちいただいたカタログの中に先日の発表会で見たP-10もラインナップされていた。もちろん購入予定ではあるが、その前にまず買わねばならないものが二つある。
まずは4CHフィールドレコーダーのR-44だ。私がこの製品のプロモーションビデオを撮った時から「素晴らしい」と思っていたものだ。レコーダーとしてだけではなく、4in4outのミキサー兼レコーダーとしての利用だ。出力がアンバランスのRCAということに抵抗を持つ人もいると思うが、業務用DVCAM VTRがアンバランス入力であることを考えればこの方が好都合だ。また、ENGでもケーブル長が短い場合はキャノン変換で十分だ。さらにミキサーとして各入力にそれぞれファントム供給が可能な上、許容入力の大きさも十分だ。スペックとしては次のようになる。
規定入力レベル +4,-2,-8,-14,-20,-26,-32,-38,-44,-50,-56dBuの11段階
最大許容入力レベル +24 dBu (センスつまみ +4dBu)
さらに、レコーダーとして2台のスレーブ動作が可能で8CHマルチトラックレコーダー動作が可能だ。そして何よりも嬉しいのは記録メディアが上位機種のハードディスクからSDカードに替わったことだ。これによって耐衝撃性が飛躍的に向上し、さらにメカノイズが消え、内蔵マイクも本編用に使えることだ。たとえばENG取材でR-44のRECボタンを押しておけば取材中の連続した環境音を押さえておくことが可能になる。これは音楽もののメーキングや、ドキュメンタリーの撮影、編集を考えれば非常にありがたい。
また4CH記録のDVCAMでは32kHzでしか回らないものを、このR-44をミキサーとして使うことでサンプリング48kHz以上の非圧縮音声を別録音出来る。新製品発表会ではテレビ朝日映像がドラマの同録兼ミキサーとしてR-4PROを使用した導入事例が映像で紹介されていた。やはり技術系の人間が考えることは同じである。遅ればせながら、私の会社も今回このR-44導入の決済が下りた。
そしてもう一つ購入を決定しているものがデジタル出力対応のM-10DXだ。私の会社での用途はナレ録り用のミキサーとしてである。これまでアナログインターフェースを利用してきた編集機のタイムライン入力を48kHzのデジタル入力にアップグレードできる。すでに編集機はデジタル入力に対応していたが、ミキサーがアナログ出力だったために勿体無いはなしである。先日ヨドブラ(ヨドバシ梅田の店内をぶらつきながら、商品情報を漁る事)でちょっと気になっていたアイテムだった。
いずれの機種も早急に導入というつもりではなかったが、M氏の来訪はその時期を加速させるいいきっかけになった。口ではなく、足で営業する氏の姿勢にプッシュされたわけだが、足での営業はとても大切なことだ。
先日の新製品発表会でローランドの役員の方と話すことが出来、その方が「いつもブログをよませてもらってますよ」と仰っていた。それゆえに今日はローランドの顧客として一言、M氏の「積極的に売らないが、十分な情報提供を行う」営業スタイルにはとても好感が持てるのである。
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2008年7月23日
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映像制作・撮影技術 /
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