ビデオ 音声 逆相
「ビデオ 音声 逆相」である。逆相とは位相(フェイズphase )が反転していることだ。
例えばステレオのスピーカーケーブルを片方だけ+-を逆に接続したのと同じ状態でである。定位がおかしくなり、鼓膜が引っ張られたような違和感がある。また音声ラインのような電気信号で逆相のものをミックスすれば、信号が互いに打ち消しあって消滅してしまう。
逆相が起こる原因の多くはケーブルの製造ミスや2番ホットと3番ホットの機器が混在した場合だ。最近では3番ホットの機器が少なくなり、大半はケーブルが原因の場合が多い。
我々の現場では音響さんからラインをいただくことが多い。LRの2ミックスでいただいたものをヘッドフォンで聞くとやたらボーカルが弱いことがある。ミキサーのPANをセンターに持っていくと案の定レバルが極端に下がる。・・・・・逆相だ。
ただしこんなことに文句を言ってはいけない。ほとんどの現場は音響さんに無償で制作協力していただいているのだ。いただいた音の位相はこちらで反転すれば解決できる。
解決にはこういうケーブルを使用する。XLR-11c〜XLR-12cを短くつないだ変換ケーブルだ。雄雌いずれかのケーブルを2番と3番を逆にして作ったものだ。つまり2番ピンに入力したものが3番ピンに出力し、3番ピンに入力したものが2番ピンに出力するだけである。
他のノーマルケーブルに混入しないようにしっかりと表記し、ブッシュの色やコネクターの色を変えて変換ケーブルであることが判りやすいようにしている。表記シールはテプラで作り、剥がれ落ちないように熱収縮チューブでカバーしている。
このような位相反転ケーブルや、両側とも11cや12cにした雄雌変換ケーブルなども常時携行しておいた方がいい。めったに使うことは無いが、時として「有ってよかった」という現場に出くわすことがある。いわば技術会社の七つ道具のひとつといえるだろう。
2008.9.22追記
逆相の音声についてNMT8.2iさんがアーケードゲーム戯言としてたいへん解りやすく書かれている。特にここの逆相について説明動画(22.4MB)は素晴らしい!
日本音響家協会会員として頭が下がる。位相に関心があ方は是非ごらんいただきたい。
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2008年9月17日
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