2009年06月26日(金)
ショットトランジション
ショットトランジション」だった。
ショットトランジションとはソニーの民生用HDVカムコーダーHDR-FX1以降に発売された業務用のHVR-Z1J、A1J、V1J、Z7J、Z5J、そしてXDCAMEXのEX1、EX3などに採用されたズーム、フォーカム、アイリスなどを自動で制御する機能だ。メーカーの開発者の思い入れは強いようで、ソニーのサイトでも機能紹介での扱いは大きい。
ところが実際に使われているかどうかはいささか疑問だ。Z1J、Z7J、Z5Jなどを使っている同業の人と話したが、ほとんどの人は「使ったことが無い」そうだ。付加機能というものはそういうもので、最新の放送用ENGレンズにも様々な付加機能が付いていても10人中10人が「使ったこと無い」という。私も同様、ショルダータイプのカムコーダーではレンズの付加機能は「使ったことが無い」つまり「使わなくても手で出来てしまう」からだ。
ところが、HDVクラスのカムコーダーの場合はよく、というか頻繁に利用する。理由は「手でやりにくい」からである。HDVの場合はフォーカス、ズーム、アイリス全てが放送用のENGレンズとは機構やサイズが手動に向いていないように思う。例えばズームのトルクだが、HVR-Z7Jの場合はズームのトルクが極端に軽く、「ズーミングしながらフォーカスを寄せる」というENGレンズなら容易いことが何度トライしてもうまくいかない。結局電気で動かすことになる。

先週は1週間HVR-Z7Jばかりを使っていたが、スローズームにはいつもRM-1000BPを使っていた。HVR-Z7Jの機械式のズーム機構は素早いズーミングが求められるバラエティーやドキュメンタリーには有利だが、VP系には辛かった。

先週の後半に撮った医療系のVPでもRM-1000BPを多用した。そしてシーンによっては「ショットトランジション」も利用したが、以前ブログに書いたようにトランジションカーブ(入り口及ぶ出口の加速〜減速)の設定が出来ないZ7Jではカックンスタート〜カックンストップになってしまい、監督から「動き始めはゆっくりね」とNGが出る。仕方なくズームリングを回す指を鏡筒部分に半掛けしながら速度をコントロールして撮った。スカスカなうえに太いズームリングに苦労した。

ショットトランジションは便利な機能だが、イーズイン・イーズアウトは必須である。モノが動くには加速〜減速があってこそ自然に見えるのではないだろうか。HVR-Z5JはZ1Jの後継なだけあって、ショットトランジションはZ1Jよりも一層設定範囲が広がった。またレンズ交換式のために割愛されたというZ7Jには出来ない技が可能になっている。やはり後発のためだろうか。

ショットトランジションとは関係ない話だが、Z5J、Z7Jを使っていて思うことは「Z1Jとどこか違う」ということ。確かに感度も上がり、数値的には良くなっているはずだが、照明部が入った現場では撮れた映像の印象が異なる。CCDとCMOSの違いなのか、レンズの違いなのか?しっかりとしたデータを取ったわけではないが、今なおHVR-Z1Jは第一線を走る実力を持っている。おそらく「第一号」に対する開発者の意気込みが価格以上の性能を注ぎ込んだことによるものと私は思っている。

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| 映像制作・撮影技術 |
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