2009年12月25日(金)
Z5J 被写界深度
Z5J 被写界深度」での検索。
ビデオでも写真でもフォーカスが合っている場所はひとつの平面であり、いくらアイリスを絞っても合焦している面は三次元にはならない。カメラから伸ばした巻尺を撮影すれば合焦点がフォーカス操作によって前後することがわかる。しかしアイリスを絞ることでフォーカスが合っているように見える範囲(深度)は増えていく。これが被写界深度と呼ばれる。合焦しているように見える許容錯乱円の大きさにもよるが、写真に比べるとハイビジョンであっても許容錯乱円の径は写真よりも大きい。そして焦点距離が長いレンズほどボケが大きく、許容錯乱円をはみだすことになる。
レンズの焦点距離と画角は撮像素子の大きさが変わった場合に相似形で変化するように思うが、そこに絞り値が影響する。1/3吋の撮像素子を搭載したHDVや1/2吋のXDCAMEXで2/3吋の撮像素子を持つHDCAMと同じ深度の浅さを求める場合にはアイリスをHDCAMよりも1段ないし2段開かなければならない。ところがレンズの開放F値はHDCAMもHDVも大して変わらない。写真でも同様にAPS-CやDXフォーマット、フォーサーズ用レンズであっても開放F値はそれほど変わらない。つまりフルサイズの50oF1.4に対応するDXフォーマットのレンズであれば35oF1.0が欲しいところだ。WEB上に詳しい計算式などもあるが、経験的に撮像面積が小さくなれば被写界深度が深くなってしまう。HVR-Z5Jもそうだが、HDCAMの2/3吋CCDであってもよほどアイリスを開かなければ映画のようなフォーカスによる演出は難しい。もちろん長めの焦点距離を使ってボケを演出するが、HJやHAレンズも開放付近ではスチル用レンズの性能には及ばない。

上の写真はNikon FマウントのレンズをCANON EOSに取り付ける変換アダプターだ。
CANON EOSマウントはフランジバック44.0mmマウント開口φ51.2mm
ニコンFマウントはフランジバック46.5mmマウント開口φ44o
このフランジバックの差2.5oとAF化の際に評判の悪かった小さめの開口径のおかげでFマウントはEOSマウントに無限遠までのフォーカスをキープしたまま変換光学系を必要とせずに装着できる。
ちなみにキヤノンFL/FDマウントはフランジバック42.0mmマウント開口φ47.9oでリレーレンズを使わなければ近接専用になってしまう。
何故マウントアダプターなのか?それは手元に30本ほどのニッコールがあるからで、来年はそれらをEOS5DMkUで使う算段をしているからだ。HDCAMのB4マウントに比べて電気結合も無く、脱着が容易だ。マウントアダプターの価格が安いので、数本分を用意することでレンズ交換も素早い。EOS5DMkUの発売以降玄光社の「コマーシャルフォト」でもデジ一動画の記事が満載され、写真業界からの動画参入が目立つ。当然私の会社も25年間動画撮影を行ってきた経験を生かしてEOS動画導入は当然の流れだ。
先日ニコンのD3sを触りながら技術者と話す機会があり、色々うかがった。結果NIKON D3sの動画機能は我々の動画制作向けでないことがわかった。それはファインダー機能である。アイリスを絞ってもライブビューの明るさが常に補正されて暗くならない。露出はインジケーターで決めることになる。ファインダーやモニター出力で照明やアイリスを調整する我々のスタイルには極めて不向きである。そしてその機能を外すことが出来ないこともわかった。
では、何故ニコンがそういうライブビューを選んだのか?答えはAP通信や共同通信の要望らしい。ファイル形式もAVCHDではなくMotion-JPEGのAVIということも頷ける。1280×720の静止画が24枚/秒撮れる超高速のモータードライブということだろうか。いずれにせよNikonのDムービーは私の会社のHD制作用には向いていないという結論を得た。
現在30本ほどのFマウントニッコールを保有しているが、多くはマニュアルフォーカスのAIニッコールだ。ニコンがFマウントを他社のように変えなかったお陰でD300やD700でも問題なく使え、さらに絞り環が付いたAIニッコールのお陰でEOSにも装着可能だ。
動画用に使用予定のニッコールはED50-300oF4.5、15oF3.5、16oF2.8、20oF2.8、25-50oF4、35oF1.4、50oF1.4、85oF1.4、135oF2、180oF2.8、ED300oF2.8、ED400oF5.6等である。

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