Audio Track 02/28(Wed)
あるライブイベントを収録したDVCAMが20本近く届きました。仕事はこれをDVDにエンコードすることです。仕事内容は特に問題ありませんが、収録されている音声が問題です。思わず千里ビデオサービスのDSR-2000が壊れているのかと耳を疑いました。ピークレベルは最大でも-6dB程度ですから、収録レベルとしては問題ありません。なのにローはベロベロでハイはサチッています。おそらく収録時にミキサーの入り口で頭が支えてしまったのだと思います。音響さんから貰ったレベルが高すぎたのでしょう。こういう場合はやはり-10dB程度のアッテネーターを挟むべきであり、それよりも音響さんとレベルの打合せを行うことが必要です。ライブ会場ではミキサーのヘッドフォンでモニターしても隙間から入ってくる大音響のために正しくモニターできません。試し撮りをして静かな時にチェックすべきです。
クライアントに連絡をするとこれがオリジナルで、どちらかいい方のチャンネルを使ってくれということでしたが、両チャンネルともラインが入っていて、よりによってライブなのにエアが収録されていません。はっきり言ってどうしようもありません。観客はノリノリなのにその雰囲気も無く、プレーヤーがサックスを吹きながら客席を練り歩いている時などはほぼ無音です。
笹邊はライブではエアが基本で、ラインは芯を付けるものだと考えて収録しています。そしてステレオの必要が無ければラインとエアを別トラックに収録します。客席に居て聞こえる音が入っていないということは完全な録音ミスです。ビデオの映像は重要ですが、それを支える音はもっと重要です。音は目を閉じたり、よそ見をしていても必ず聞こえますからね。
自分の会社が収録したものでなくて良かったと思いつつ、こういう音を録って平気で納品する業者が居ることに悲しくなります。何処の会社かは言いませんが、WEBサイトも有るENGの会社です。この後6時間、この音と付き合わなくてはなりません。
|
|