映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

■2009年06月12日(金)  ビンテンのメンテナンス完了
ビンテンのビジョン10がメンテナンスを完了して戻ってきました。メンテナンスが済んだビジョン10はビンテンジャパンの代理店でキヤノンの代理店でもあるミカミさんがお届けくださいました。

今回のメンテナンスは100mmボールの交換です。表面の塗装が磨耗して滑りが出てきたためです。

上の写真が完了品と同梱されてきた問題の100mmボール。見事に磨り減っています。これが原因で非常に大きな力でボールを締めないといけない状態になっていました。外した100mmボールはというと↓↓↓

鍛造軽合金を削り出した100mmボール、廃棄するには勿体無いのでペン立てとして再利用しました。文鎮を兼ねたペン立ての名称は「PENTEN」に。

■2009年06月09日(火)  HXC-100&HSC-300 SONY新型業務用HDシステム内覧会
今日はライオンズクラブの記念イベントのリハーサルでした。本番はまだ先なのですが、オープニング映像の試写、PPTと登壇者のカメリハ等を行いました。本番は3カメスイッチングと素材送出のマルチカムシステムを組みます。このイベントは以前にも行いましたが、毎回ながら会員さんたちの熱心さに敬服します。
リハーサルは午前中で終わり、その後はJr.とともに先日発表されたソニーの新型業務用ハイビジョンシステムの内覧会に向かいました。
現在マルチカメラシステムが組めるHDのスタンドアローンカメラといえばHDC-1600等になり、カメラ1台で1000万を超えてしまいます。もちろんXDCAMHDなどに取り付けるサードパーティーのシステムなども出ていますが、HD/SDのリターンビデオやRET2〜4等の複数リターンビデオが使え、もちろんインカムやCCUが使用できる放送用のシステムには全く及びません。
先日登場したHSC-300とHXC-100という新機種のうち笹邊が注目しているのはHXC-100です。品番からDXCシリーズのHD版にも思えますが、システム性は放送用のHDCシリーズに比べて遜色の無いものです。ケーブルの最大長はHXC-100が600m、HSC-300が900m、そしてHSC-300は箱レンズに対応していたり、光学式CCフィルターを備え、フィルター切り替えもリモート操作可能になっています。当然価格もHXCを上回ります。
現実的に2011年以降千里ビデオサービスのHD運用を考えればHXC-100で十分です。というか導入コストや提供価格を考えればHXC-100しか無いと思います。とはいっても、4カメシステムとしてスイッチャー、VTR、ケーブル、モニター、三脚などを全て揃えれば4000万ほどになります。業務用システムとしてこの金額はいささか無理があるといえるもので、2011年に「はい、HDマルチカメラシステムを自社保有しました」なんてことは有り得ません。でも指をくわえて2011年を待っていては次の時代に取り残されてしまいます。
現在自社保有のHDシステムとしてはカムコーダーのHDCAMとHDVまでですが、やはり夢はHDマルチカムシステム。景気が回復し、HD中継の需要が増えることを願って日々努力を積み重ねるしか無いと思います。
内覧会へはスタッフと行って来ました。他にも様々な新製品も展示されていましたが、気持ちはHXC-100一直線。営業担当さんにビンテンに乗ったHXC-100のところへ案内されるや、いきなり三脚を自分のポジションに上げて触りまくってしまいました。さらにはヘッドから外してハンディー運用もさせていただきました。スタッフに「他何か見ました?」といわれ、気が付けば小一時間が経過。CCUやリモートなどHXC-100に関わるものは徹底的に触ってきましたが、それ以外は何が展示されていたのか、記憶にさえありません。
HXC-100、とにかく素晴らしかったです。通販のごとく「この性能でこの価格!」と喚いても決して嘘にはならないと思います。昨年真剣にサードパーティー製のスタジオ運用システムを検討しましたが「導入しなくて良かった」とつくづく思いました。HXC-100の(HSC-300も)システムは本物です!

これは内覧会でいただいた記念品。SONYのロゴが入った帆布のトートバッグ。
明日は内覧会の最終日。今日行けなかった木原と再度内覧会へ伺う予定です。
会場でもし笹邊達を見かけられたらお声がけ下さい。

6/10追記
今日はVPの打合せの後、木原と内覧会へ行ってきました。行くと突然映像音響処理技術者のHNさんから「いつもブログ見てます」とお声掛けしていただいただいて感激です。そして専門学校の講師をしていた時の同僚M先生にもばったり。さらにはケーブルテレビ局のTDさんにも。皆さんHXC-100は注目されているようです。
今日試したかったことはHXC-100へのSDレンズ流用でした。日豊の営業さんとソニーさん立会いで手持ちのJ14a×8.5をHXC-100に取り付けて正確にFB調整をしてマスモニで画像を見ました。NDフィルターをかけて開放での描画、中心部の解像度、周辺部の解像度を確認しました。「いけますね!」と日豊の営業さん。たしかに合焦した場合はスクリーンへの中継レベルなら実用可能でした。しかしテレ端でフォーカスがアウトした部分には色がのってきます。色収差の補正が最近のHDレンズ程には及んでいないことが原因だと思います。でも使えないというわけではありません。このJ14aやJ15a、J20aなどはHDCAMが出た当初はBKでもHD収録で使われていました。
決してHDカメラにSDレンズを奨めはしませんが、1台分を手持ちのSDレンズで運用すればそれだけで200万のコストダウンになります。5カメのうち3台をJ14aで組めば600万の節約というわけです。JH40などは当然レンタルになるわけですから、顧客ニーズとしてHDレンズのクォリティーを必要としないオーダーに対しては低コストでの提供が実現します。今後のHDマルチカメラシステムの導入においては求められるクォリティーに合ったシステム運用を考え、顧客に機材コストを押し付けない工夫が大切ではないでしょうか。
それから、昨日いただいたトートバッグは売り切れて有りませんでした。今日いただいたものはソニーのロゴが入ったサクマドロップス。編集室のおやつに置かせていただきます。

■2009年06月08日(月)  本番日です
昨日のリハーサルを終え、今日は本番でした。

今日は暑かったですね。立ち上げを終えてからは特に仕事はありません。今日の笹邊は技術監督という立場でしたから、昼には食事休憩もいただきました。でもホールから一歩外に出るともう暑くて暑くて。

どんどんとハイビジョン化が進む中、こういう催しでは今尚4:3SDでのオーダーが大半です。完全HD化までにはまだまだかかりそうですね。

今回の現場とは直接関係無いことですが、先日知り合いのカメラマンから「DVCAMの184分テープってギリギリ何分撮れるんですか?」と聞かれ、「186分までは大丈夫」と返事しました。それはリニア編集時代に完パケテープを作るためにシンクを入れた記憶から答えた数字です。ただし186分と何秒だったかは記憶していなかったので、今回AデッキからBデッキにリレーする際にAデッキを止まるまで回して検証してみました。
結果は186分27秒24フレームでした。安全を考えてやはり184分が確実な長さで、最大値は186分といったところでしょう。

安全といえば今回も次のようなことを行っています。
2台のDVCAMをリレー録画していますが、収録はA/Bとも同時にスタートし片側をバックアップとしています。しかしリレーする際に万が一にも回っている方のデッキが目詰まりを起していたらテープ交換時の収録が欠落してしまいます。そのためにもう一台DVCAMを用意して交換時のみ3台目のデッキを回しています。写真の一番左のVTRはかなり古いモデルですが、こういう収録では今も影で収録を支えています。
3台ともスイッチングした同じ映像を記録することは無駄なようですが、絶対録画出来ていて当たり前の放送用VTRとは違って、業務用VTRの場合は念には念を入れる安全対策は重要だと考えています。もちろん放送用のHDCAMでさえ故障することもあるわけですから、石橋を叩いても無駄にはならないでしょう。

■2009年06月06日(土)  久しぶりに日本舞踊
ここ暫くVP系の仕事が続いていましたが、久しぶりに踊りの撮影です。催しは吹田市主催の「吹田市民民踊発表会」です。民踊といっても民謡系だけではなく、歌謡舞踊、歌舞伎舞踊、大和楽、常磐津etc.さまざまなものがあります。
いつもどおりのスイッチングセットですが、一つ新しいものがあります。

先日Jr.が作った2chマルチケーブルのお披露目です。小屋の客席上手のパッチから三点釣りの音声をいただきます。

ラインは客席下手のパッチからLRをいただきます。これまではこのために4本のキャノンケーブルを引いていましたが、今回は2本引くだけで済みます。ベースのケーブル周りもシンプルになります。

それぞれのケーブルはタムラTS-4000Sに入力します。TS-4000Sは+4dBが2系統しかなく-20dBのch-1/ch-2にそれぞれ20dBのアッテネータを入れて0dBまで感度を落としています。

■2009年06月04日(木)  豆カムHDの需要が多くなってきました
先日電子機器メーカーのVPで早速仕事をした豆カムHDですが、次は農機具メーカーのVPにオンボードカメラとしてカメラ部、記録部とも水中ハウジングに入れて使うことになりました。やはり期待していた通りの活躍です。
さて今日は少し違った、というか本来の用途での紹介です。

ライトスタンドに取り付けた豆カムHD。狙っているものは・・・・

会社の近所にある神社で毎年子育てをするオバズクです。これ以上近づくのは失礼と、距離は約3m。

手元で撮影中の映像がモニターできることが便利な豆カムHD。SD時代の豆カムとは違い、10倍ズームが付いてさらにハイビジョン。もちろんマイクも内蔵しています。様々なものに利用できると思います。

■2009年06月01日(月)  里山が素晴らしい箕面市
自然映像をライフワークにしている木原が近所でヒメボタルを撮ってきました。ゲンジボタルやヘイケボタルとは異なり、ヒメボタルは陸ボタルで、川が無いところで観察されます。
春日神社のヒメボタル
キヤノンのEOSで数分間多重露光した写真です。肉眼ではもちろんこれほどは見えません。蓄積された光の信号です。

春日神社のヒメボタル
ゲンジボタルと違い、光の点滅の周期が短く、そのことではヘイケボタルに近いと思います。体長は10mm余りの大きさです。笹邊が瑞穂区に住んで名古屋電通の仕事をしていた頃、名古屋城外堀の土手にも居ました。

春日神社のヒメボタル
千里ビデオサービスの近隣では吹田の千里高校近くや、箕面との境界付近、勝尾寺などで観察できます。箕面の蛍はこれからゲンジボタルの最盛期に入ります。近所のローソン川でもすでに出ているようで、これから暫く光の乱舞を楽しめます。
昨年も書きましたが、蛍が出るところはマムシも出ます。もちろんムカデも!蛍見物は長ズボン、ゴム長で行くように心がけましょう。それで、もし蛇に噛まれたら慌てずに、救急に連絡し、血清のある病院へ行ってください。血清のある病院は昨年のブログに書きましたが、今年は調べていません。各自事前に調べておいて下さい。また、どういう蛇が噛んだか、蛇の特徴を記録、もしくは捕獲出来ると良いでしょう。ただし深追いして被害が拡大しないよう気をつけてください。
これは笹邊が山歩きしていた頃の話ですが、咬傷をタンニンを多く含んだ洗浄液(柿渋等)で洗うということが推奨されていました。蛇毒(たんぱく質)を凝固させるためだそうです。濃茶などで洗うと少しは効果があるかもしれません。少なくとも何もしないよりは良いでしょう。
それと過去に毒蛇に噛まれた経験のある人は一層の注意が必要です。スズメバチと同様、体に抗体が出来ていて時にショックを起こす場合があるそうです。あと、今回写真を撮影した付近には”セアカゴケグモ”もいるそうです。

蛍見物足下注意!下にはヘビ待つムカデ待つ!

■2009年05月29日(金)  Aquarian H2a-XLR-15 Hydrophoneのテスト
これがH2a-XLR Hydrophoneです。Hydrophoneを訳すと「水中聴音器」だそうです。ところが「水中聴音器」を英訳すると「Detectoscope」?そんなことはさておき膳は急げと早速フィールドへGo!

近場の川の砂地に鎮座したH2a-XLR(豆カムHD Sony HXR-MC1で撮った静止画)

橋の上から録音開始。フィールドレコーダーはもちろんローランドのR-44です。

今回はR-44の2CHだけを使用しましたが、残りの2CHにMKH-416やECM-672などで録った水上のステレオ音声を同時に録音すると面白そうです。2a-XLRはファントム48Vで動作します。またH2a-XLRの出力が普通のマイクと比べて非常に幅があり、状況によってはラインレベルにまで達することがあります。これは圧電式マイクの特徴なのでしょうか。たしかに昔使ったカーボンマイクも音圧が上がると大きな出力が出ました。この点でR-44が備えているトリムはうってつけです。入力ボリュームの外側のダイヤルでマイクレベルからラインレベルまで自由に調整できるためベストな設定が出来ました。
初体験の水中マイクに大満足のJr.「次は陸上の音も同時収録したい」水中撮影の際にも録音部の仕事があると思うと、やる気満々です。
今回録音したサンプルをアップしておきます。こんなに手軽に水中の音が録れていいんでょうか?
でも音は奥が深いから様々なチャレンジが大切!! ←日本音響家協会正会員からのアドバイス!!

サンプルは2種アップしています。同じ川でもマイクのセッティングで全く違うものになります。




■2009年05月29日(金)  ITとグローバルを実感しました
先日水中マイクロフォンが必要になり、インターネットで色々調べてみました。情報が少なくて苦労しましたが、Aquarian Audio Productsというワシントン州にある会社の製品H2a-XLR-15 Hydrophoneを見つけました。
日本ではYokohama Surround Users Group水中の音を録るというサイトがヒットしましたが、他は海外サイトばかりです。海外では900Hz Web Logflushing device - blogJez riley French ....'in place' などがヒットしました。他にもVolume-Collectifなどを見て、価格も安いことからステレオセットで購入を決め、すぐさまサイトからオーダー。
送信して約2時間後にオーナーのRobb Nicholsさんから丁寧なメールをいただき、本日中に発送とのことでした。夜中に発注したわけですが、ワシントンはビジネスの真っ最中。FedEXでの出荷の連絡と追跡番号を知らせていただきました。


May 26, 2009 16:05集荷完了BURLINGTON, WA
May 26, 2009 17:01出荷地のFedEx営業所を出発BURLINGTON, WA
May 27, 2009 00:34FedEX経由地に到着OAKLAND, CA
May 27, 2009 06:17FedEx経由地に到着ANCHORAGE, AK
May 28, 2009 13:03貨物リリース (通関許可済み)SENNAN-SHI JP

そう、すでに関空について通関を済ませているようです。配達は本日夕方の予定、ワクワク、ドキドキ!
注文先が海外であっても3日後には手元に届くという凄さ!ワシントンからカナダ、アラスカを経由して泉南まで約50時間で届いています。笹邊が昔大阪から北海道の根室半島まで不眠不休で走って約60時間かかりました。インターネットって凄いですね。そしてFedEXの追跡サービスも。

29日正午追記
May 29, 2009 10:52At local FedEx facility HIGASHIOSAKA-SHI JP
東大阪のFedEx営業所まで来ているようです。

29日15:40追記
到着しました!予定よりも2時間以上早い到着です。この後テストしてRobb Nicholsさんにメールします。感謝感謝!

■2009年05月28日(木)  今年もアオバズク
今年もアオバズクがやってきました。アオバズクや水辺の生き物をライフワークにしているスタッフが調整を終えたレンズを持ってテストがてらの撮影です。場所は最近有名になった例の神社の境内。

キャノンのEOSに70〜200のズームレンズを付けて撮影してきたものです。メンテナンスのおかげでフォーカスの精度が上がったと思います。写真はピクセル等倍の一部分。

こちらは全体像。先般導入した豆カムHDを使った撮影も計画しているようです。今年の夏も面白そうです。

こちらは笹邊が担当する加工場?いつもお世話になっているI鉄工所です。今回は豆カムHD用の周辺機器を試作しているところです。さてどんなものが出来たかはいずれFieldReportで紹介します。

■2009年05月27日(水)  エリモスタジオ
メーカーさんの新製品を撮影しているスタジオでの様子です。

スチルとの同時進行になるため、照明はストロボのモデリングランプをベースにミニキットを追加しています。今回の撮影はWEB用のSD収録のため、技術モニターはBVM-9045QDと波形モニターLBO-5864、それにカメコンのRM-1000BP、制作モニターにPVM-9045Qといったシンプルなシステムです。HDV収録の場合は技術モニターとしてD9H5又はD9H1、制作モニターとしてPHM-20M7J等を使用します。

撮影はHVR-Z5JのメモリーRECで行い、部分的に豆カムHD(HXR-MC1)を使用しました。

昼食休憩時のスタジオ内。同ポジ撮影をハイアングルから行うためにサイコロに三脚を立てています。位置がずれないようにビンテンのベース部分をウエイトでしっかり押さえています。

こちらはスチルカメラマンの藤井さん、照明ありがとうございました。

なんと、カメラマンの藤井さんとは約30年ぶりの再会。打合せの時にはわからなかったのですが、写専(現ビジュアルアーツ)の同級生!驚きました。
当時の同級生で今もこの世界にいるのは数名だそうです。お互い続けて来れてよかったね!と納得。

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