映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2012年02月14日(火)  NEX-VG20用オリジナルショルダーリグが完成
千里ビデオサービスオリジナルのNEX-VG20用ショルダーリグが完成しました。
写真は初期モデルVGRIG “POODLE”リビジョン1です。

このリグの特徴をメーカー風に言うと
1.RECトリガーをNIKONピストルグリップで行える。

2.音声はCH-1/CH-2にそれぞれ別な音を記録できる(ワイヤレスPINとショットガンやミキサーからの音声など。

3.音声レベルをチャンネル毎にそれぞれ調整できる。またイヤフォンでCH-1/CH-2を切り替えてモニターできる。

4.液晶モニターのルーペはスライドインタイプの着脱式で、タッチパネル操作用にルーペを枠ごと跳ね上げられる。

5.ファントム48V電源を搭載し、市販のショットガンマイクを取り付けられる。また過大入力を防ぐための-10dB/-20dBのアッテネーターを内臓。

6.リグのマイクホルダーは方向を自在に調整できるので、カメラの向いた方向とは違った方向の音も狙える。

7.バッテリーライトや小型モニターなどを取り付けられるアクセサリーホルダーを装備。

8.放送用ワイヤレスマイクのレシーバーをワンタッチで取り付けられる台座を装備。

9.三脚への着脱にクイックリリースを採用。

10.HDMI出力端子とXLR音声端子はリグ最後部に配置して現場運用性を考慮。

11.A・V/R端子を装備したHDR-CX560V等の小型カムコーダー(最後の2枚の写真)の搭載も可能で、RECトリガーや外部音声などもNEX-VG20と同様に扱える。
といったところです。

製作に当たって苦労したところはピストルグリップのトリガー信号をソニーのA/V/R端子への変換です。NIKOLANCとしてブラックボックスになっているところがNIKOLANCです。
他にもUNのモニタリングルーペのスライドイン化や跳ね上げ式機構の加工、他にも山ほど笹邊のアイデアが盛り込まれています。
また、リグは現在リビジョン2としてモニタリングルーペのアイピースカバーがNIKON製のアイカップ内臓式になっています。
明日からこのVGRIGを現場に投入します。このFieldRoportでいずれ紹介させていただきます。
さて、このVGRIGの愛称ですが“POODLE”としました。最後の写真、何処と無くプードルの可愛い姿に似ていませんか。

2012年02月07日(火)  再び美山【かやぶきの里】
今日はラジオ番組のロケで先日行った京都府南丹市美山町の【かやぶきの里】へ来ています。つまり今日は撮影部ではなく録音部、録音技術ということです。
映像屋が録音?と思われるかもしれませんが、もちろん録音もお引き受けします。番組だけではなく演奏会のCDなども録音しています。HPのトップにもリンクが貼ってありますが、笹邊は日本音響家協会の正会員ですし、千里ビデオサービスは日本音響学会の会員でもあります。
ただ、テレビと違ってラジオは100パーセント音だけで成立させなければいけないのです。AMは音質が、特に高音域が出ないと思われがちです。もちろん送信電波の周波数占有帯域が法律によって定められていますので側波帯(USB、LSB)は制限がかかりますが、実際には10kHz〜上も伸びています。
ここで電波法の話です。
第一章 総則
(定義等)
第二条 電波法に基づく命令の規定の解釈に関しては、別に規定せられるもののほか、次の定義に従うものとする
六十一 「占有周波数帯幅」とは、その上限の周波数をこえて輻射され、及びその下限の周波数未満において輻射される平均電力がそれぞれ与えられた発射によつて輻射される全平均電力の〇・五パーセントに等しい上限及び下限の周波数帯幅をいう。ただし、周波数分割多重方式の場合、テレビジヨン伝送の場合等〇・五パーセントの比率が占有周波数帯幅及び必要周波数帯幅の定義を実際に適用することが困難な場合においては、異なる比率によることができる。


そしてこういった意見もあります。
つまり、送信電力の 0.5% + 0.5% = 1%は 15kHz からはみ出しても法律上の問題はない訳です。
1% というと少ないように思いますが、音楽でも 7.5kHz以上の成分はそれほど入っていないでしょう。
上のスペクトルのグラフでは結構出ているように見えますが、これはあくまでもピーク値です。
縦軸は対数表示ですし、ときどき出ただけかもしれません。
おまけに 99% の「占有周波数帯幅」の方の電力には搬送波も含みます。

どの局も 11kHz 前後で切っているのは、法規や実用上のバランスを考えての妥協点なのでしょう。
NBC のニュース番組は、人間の声だけですので仮に 20kHz まで出ていても法律の範囲内で納まると思います。


また、現在ではAM(振幅変調)の電波だけではなくラジコなどIPによるサイマル放送によってFM(周波数変調)放送に近い音質で聴くことが出来ます。

まあ、ややこしい話はこのくらいにしておいて、ロケの現場はとても楽しいものでした。
番組はMBSラジオの「京都いちばん!京へ運ぶ道 宇治〜保津川〜西の鯖街道を探る」という60分番組です。
出演はご存知、ジェフ バーグランドさんと泉ゆうこさん。

ジェフさんと泉さんが地元の方々にお話をお伺いしていく番組で、マイクは最大4本を現場ミックスで録っていきます。

これは本日の昼食に用意された弁当です。鹿肉のハンバーグや地元産の野菜のみを使ったおかず。とにかく美味しくて上品なお弁当でした。詳しくは番組と番組ホームページで紹介されますのでここまでの話とします。

西の鯖街道の取っておき「鯖寿司」と美山で搾られた【美山牛乳】です。かやぶきの里の情報はコチラをご覧ください。
http://www.kayabukinosato.com/
そして美山ナビもご覧ください。
http://www.miyamanavi.net/

放送は2月19日(日)の20時からMBS毎日放送、AM 1179kHz です。
AMラジオをお持ちでない方も↑↑ホームページの
MBSラジオがパソコンで聴ける!インターネットラジオサービス「radiko.jp」で聴くことが出来ます。
※radiko.jpは、パソコンがそのままラジオ受信機となる「IP(Internet Protocol)サイマルラジオ」の配信サービスです。
独自コンテンツ、エリア制限なしという通常のインターネットラジオサービスとは異なり、地上波ラジオ放送をCMも含め、そのまま同時に放送エリアに準じた地域に 配信するサイマルサービスです。そういうわけで東京からradikoでは残念ながらMBSを聴くことは出来ません。


実は泉ゆうこさんのブログに笹邊やJr.も載っています。是非ご覧ください。
泉ゆうこ オフィシャルブログ【そのまんま】
http://ameblo.jp/izumiyuko/entry-11158208972.html

さてここでお土産のご紹介は美山特産の【きび羽二重】1パック200円というお手ごろな値段ですが、味は最高!美山へお出かけの際にはどうぞお召し上がりください。写真をクリックしていただくと大きなサイズでご覧いただけます。

Bellows Nikkor 105mm F4/Bellows PB-4/NIKON D700

MBSラジオ2月19日(日)の20時から、「京都いちばん!京へ運ぶ道 宇治〜保津川〜西の鯖街道を探る」是非お聴きください。

2012年02月06日(月)  特殊機械の追加
セミナーの収録です。前回はHDCAMなどを使いましたが今回は小さな機材が色々と動いています。

カメラは合計3台、AカメとBカメはカメラマンが入ってタリーとインカムを使えるようにして、Cカメはリモートコントロールヘッドに乗せた小型もHDハンディーカムのHDR-CX560Vです。

これがFUJIFILMの電動パン・チルトヘッドのCPT-1A-10D改です。
本来壁や天井に取り付けるように作られている監視カメラ用のものですが、千里ビデオサービスではネジ止め式の取り付け部を100mmボールヘッド式に加工してENG三脚へ天地反転して取り付けられるようにして、カメラの取り付け部本来の位置から変更してカメラのサイズによる制限を取り除いています。

こちらはスイッチャーのベース。今回からPCの画像はカメラによる再撮ではなく、ダウンコンバーターでRGBをVIDEO変換してVTRで記録しています。スイッチャーには4番を割り当てていますが、スイッチングしたプログラムと同時に各カメラ及びダウンコンバーター出力もパラで収録しています。HDR-CX560VはリモートコネクターとA/V出力コネクターが共用になっているためカメラのリモートを使うとNTSC出力が出来ません。そのためモニター(スイッチャー)へはHDMI→SDVIDEOのダウンコンバーターを使用しています。音声は会場の音響卓のワイヤレスマイクレシーバーのダイレクトアウトから各マイク(4ch)をそれぞれ別チャンネルでローランドのR-44とダウンコンバーター用VTRのマスター機に収録し、全てをミックスた音声はダウンコンバーター用VTRのサブ機と出先のカムコーダーに収録しています。

写真の左手前の白い機械がCPT-1A-10DのコントローラEOP-102J-50D改です。何処が改かというと、ヘッドの天地反転に合わせてジョイスティックの結線を変転させて操作を反転したカメラに合わせています。このEOP-102J-50Dはかなりの優れもので、1台のコントローラで4台のヘッドをコントロールできます。さらに各カメラにつき32のポジションをメモリーすることが出来ます。メモリーは不揮発になっていて、電源を落としてもポジションメモリーは消えません。しかしITV用のカメラと違い、ハンディーカムではEOP-102J-50Dのズームコントロールが使えないため、ズームとRECはリーベックのLANCリモコンで行います。
それともう一点CPT-1A-10Dで特筆すべきことはモーターが静かだということです。クラシックの演奏会のステージ用リモコンカメラとしても使えそうです。リモートケーブルは電話用4Pモジュラーケーブルを使用するため実質的な制限はほとんどありません。
 

2012年02月05日(日)  デジタル一眼レフ用液晶ルーペメーカーにお願い
デジタル一眼レフの動画撮影が大流行です。弊社でもEOS動画やNEX動画を利用します。またHDVのカムコーダーも多用します。
こういった機種に共通することは液晶モニターにルーペが付いていないということです。そこでサードパーティー製の液晶ルーペやHDMI入力が付いた外部ファインダーを使用することになります。HDVやNEX-VG20/10などは液晶に回転機構が付いているので、撮影しないときや移動の時にはルーペを下に(ルーペのレンズが地面を向くように)向けます。なぜかというと、ルーペを覗いたときに焦点が合うということは、接眼部に直射日光が入ったときに、太陽光線が液晶面に合焦してしまうからです。液晶そのものを焼かなくても、周辺の樹脂部分を溶かしてしまったりもします。
虫眼鏡で紙を燃やしたり、木を焦がしたことがありますね。それと同じです。
弊社でもHVR-Z1J用に取り付けたルーペで、液晶ではないのですがうっかりミスで本体の樹脂部分を一部焦がしたことがあります。もちろん焦げた部分の部品は交換して、現在は液晶と一体化して回転するルーペになっていますので、移動時の約束事さえ守れば液晶を溶かす心配はありません。

実は先日機材レンタルの会社のHDMI入力できる外部ファインダーを見せていただいたときに液晶面と周辺のベゼル部分に焦げ痕がありました。デジタル一眼レフの液晶モニターと同様に、回転機構が無いためです。
デジタル一眼レフの液晶にルーペを装着されている方は十分注意してください。特に大きなズームレンズや望遠レンズを装着したカメラをルーペ付きで肩に掛けるとルーペは必ず空に向きます。

さて、ここでDSLRカメラ用のルーペを製造や販売されているメーカーやショップにお願いです。次の写真をご覧ください。
これはNIKONがNIKON F3用に販売した高倍率ファインダーDW-4です。NIKON F2用に生産されたDW-1やDW-2とは絞り値やカメラ情報を読み取る光学系が追加されている以外はメインの光学系にそれほど大きな違いは無いと思います。しかし接眼部に大きな改良(実はそんなに大げさではありません)が加えられています。

接眼レンズのゴムキャップです。使用しないときは閉じて、使用するときはアイカップの窪みにはめ込める構造です。もともとはTTL測光時に接眼部からの光による測光誤差を無くすための接眼部キャップ=アイピースシャッターです。気が利いた機能ですね。このキャップは同時に太陽の熱による事故も防止します。全視野を高倍率見られるということは接眼部が大きくなり、集光力も大きくなります。そのため接眼部から長時間目を離していると太陽の光がフレネルレンズや焦点版を溶かしてしまう可能性があります。 それにアイカップとの一体化によって無くす心配も無ければ、撮影時に邪魔にもなりません。
デジタル一眼レフ用の液晶ルーペにも是非ともこういった接眼部キャップやカバーを付けていただきたいと思います。紐付きのキャップでもかまいませんが、外しているときにブラブラしない工夫もお願いします。
DW-4は十数年前に手放して手元にはありません。写真は下記のショップから拝借しました。
http://shop.shphotoshop.de/epages/es104977.sf/en_GB/?ObjectPath=/Shops/es104977_shphoto/Products/26366

2012年02月04日(土)  美山町かやぶきの里「雪灯篭」の【冬花火】
京都府南丹市美山町のかやぶきの里で行われている「雪灯篭」の最終日【冬花火】です。

町の駐車場は大型バスが数十台と一般車で満車という賑わいぶり。大勢の親子が雪灯篭作りを楽しんでいました。
花火は18時30分に開始されました。花火の数は70発だそうで、花火大会としては極めて小規模なものです。それでも雪が舞って寒風の吹く由良川河川敷では15分程度の花火鑑賞で十分に体は冷えました。



私たちは由良川対岸から眺めていたので、花火の下に「かやぶきの里」が見えます。この時の様子を少しだけYouTubeにアップいたしました。距離が近いので魚眼れんずなんかも使用しています。



かやぶきの里のホームページはコチラです。
http://www.kayabukinosato.com/

こちらは美山町観光協会のホームページです。
http://www.miyamanavi.net/

2012年02月03日(金)  パナソニックのデジタルシネカメラAG-AF105が爆安
パナソニックのデジタルシネカメラAG-AF105が驚くほどに安いことに驚きました。
下の写真にあるボディーのみの価格がシステムファイブでなんと\298,000 (税込)です。メーカー機能小売価格が\837,900 (税込)ですから65%OFFということですね。※(レンズは含んでいません)
AF105の魅力は何といってもNDフィルター内臓とHD-SDI出力でしょうか。もちろんビデオカメラとして偽色によるモアレ対策についてはDSLRとは一線を隔した性能であることはいうまでもありません。
メーカーのAF105のサイトはこちらです。http://pro-av.panasonic.net/jp/af105/



発売当初海外の価格と国内の価格に大きな開きがあって、B&Hなどで購入された方もいらっしゃるようですが、これはメーカー保証付きの新品のようです。一体どうなっているのか?

またシステムファイブさんではズームレンズ2本と充電器、バッテリーなどをセットしたものや、キヤノンEFレンズ用マウントアダプターと充電器、バッテリーをセットしたもの、NIKONユーザー用にニッコールマウントアダプターと充電器、バッテリーをセットした「スターターセット」も販売されています。
次のセットはLUMIX用ズームレンズ2本をセットしたもので販売価格:\554,800 (税込)です。




次はレンズが付属しないCanonユーザー優待版!撮影スターターセットは\374,800 (税込)です。KIPONのマウントアダプターで手持ちのEFマウントを利用するセットです。


ニコンユーザー優待版!撮影スターターセットは\384,800 (税込)です。これもレンズは付属せず、Novoflex社製のマウントアダプターで手持ちのニッコールレンズを使用します。




どうしよう・・・心が揺らいでしまいます・・・・

2012年01月23日(月)  ちょっと変わったビデオカメラ?を紹介します。
次の写真はこの前加工したCINEX-5N(キネックス5N)と名付けたNEX-5Nベースの(といっても改造などは行っていません)シネカメラです。


何故シネかといえば、この小さなカメラが35mm映画カメラとほぼ同じ面積の撮像素子を搭載しているうえに、フィルムと同じ24P(プログレッシブ24コマ/秒)でかつ1920×1080のフルハイビジョンが撮れてしまうのです。それだけではなく、テレビ放送標準のフルHDインターレース60iや、さらにインターレース無しの1920×1080のプログレッシブ60Pも撮れてしまいます。
そしてさらにNEX-5では動画撮影時にオートにしかならなかったものが、完全手動(フォーカス・シャッター速度・感度・絞り)で撮影できます。もちろんシネマトーンやホワイトバランスのオプションとしてCCフィルターの設定もできます。コントラストやディティールも大まかにではありますが設定可能です。そんなカメラがアマゾンではこんな価格で売られています。

こういうカメラが出てきて使わない手はありませんね。道具として考えれば、使い勝手などにまだまだ改良の余地はありますが、もし放送用や業務用としての少量販売やプロトタイプだったらNEX-5Nはその能力から見て10倍のコストで販売されてもおかしくないと思います。民生機の、それも人気のヒット商品だからこそできた価格設定だと考えます。NEXはEOS7Dなどと同様に撮影費に占める機材費を大幅に下げることができます。もちろんレンズや周辺機材はけっこうかかったりしますし、撮影技術費や照明・録音技術費はこれまでと変わりません。しかし大型カメラにできなかったこと、NEXだからできる撮影があると思います。
NEX-5Nと時を同じくしてNEX-VG10も24P/60P/60i対応や、ファインダーと外部モニターの映像が同時出力できるようになって登場しました。こちらもVG10とほぼ同一の価格設定。
このNEX-5NとNEX-VG20に共通した従来機からの大きな改良点は、動画撮影時の画角が静止画と同じになったということです。これまでのNEX-5やNEX-VG10では動画撮影の画角が静止画撮影の0.83倍になってしまいました。つまり静止画で35mmのレンズが動画時には42mmにシフトしてしまい、画角が40度あったものが33度になってしまいます。望遠レンズではさほど気にならないかもしれませんが、広角レンズでは100度のものが83度になっています。写真用35mmフルサイズにたとえれば20mm超広角が24mm相当になってしまうようなものです。
上記のCINEX-5Nは水中カメラのニコノス用水陸両用レンズを使うように蛇腹フードにカメラを取り付ける方法を用いましたが、今度のキネックス5Nはちょっともやっとも、かなり本気です。

NEX-VG10やNEX-VG20に最適化したマットボックスにNEX-5Nを調整無しで取り付けれれるように、NEX-5Nの下にマンフロットのスライドプレートを取り付けています。下部のプレートはオリジナルではなく二枚重ねで高さを稼いでいます。もちろん取り付けネジが回せるようにプレートにはオリジナルの加工を行いました。これでNEX-5Nの光軸がNEX-VG20とそろいました。
また、NEX-5Nがプレートの先端に取り付けられていますが、それには深〜い訳があります。それが次の写真です。

これまで動画でアオリ撮影、フォーカスコントロールのチルト(光軸を傾けてピント面を制御する)ではなく、レンズの光軸を撮像面に対して鉛直に保ちながら平行移動させるシフト(建築写真などで建物のパースをコントロールするアオリでパースペクティブコントロールの略としてPC等の名称が使われます)がほぼ全てのレンズで可能になります。NEXに外部マイクを付けているとウインドジャマーが干渉するので最大までシフトする場合はジャマーを外さなければなりません。

上写真はニッコールフルサイズ用Ai Nikkor 15mm F3.5を装着したものです。とてもNEX-5Nには見えませんね。イメージサークルが広いので最大シフトでもケラレはありませんが、内面反射によるフレアーを防止するためのフラップやハレ切りは必須です。

シフトアダプターはシフト方向を自在に変えることができ、全ての方向でシフト撮影が可能です。たとえばフルサイズ用対角180度の魚眼レンズをAPS-Cに取り付けた場合は湾曲した画面をシフトによって切り取ったりもできます。もちろん4KのRED ONEなどが使えればカメラを正面に構えて編集時にトリミングすることでシフトレンズと同じ効果は得られますが、Super35mmのRED ONEでは撮像素子が24.4×13.7mmでAPS-Cサイズ23.5×15.6mmとほぼ同じなために見かけの焦点距離が望遠側に約2倍シフトしてしまい画角が狭くなります。そういったことから撮影時にシフトしておく方が収差を考えても有利かと思います。

15mmを装着した場合もマットボックスの使用は可能です。ただしシフトはマットボックス内のマスクによって制限されるためにフルでシフトするにはマスクを取る必要があります。もちろん簡単に着脱できる構造になっています。4×4フィルターも何とか使えますが、気をつけないと前玉に当たりそうです。シフトは出来ないけれど、ライカMマウントのウルトラワイドへリアー12mmF5.6も欲しいところです。

シフトは単焦点のレンズに限らず、フルサイズ35mm用のレンズであればイメージサークルが広いのでズームレンズでもNEXなら十分使えます。写真はフルサイズ用 Nikkor 17mm-35mm F2.8 EDです。ただし廉価版のズームレンズの場合は特に周辺での湾曲(口角で樽型、望遠で糸巻き型)は否めません。次の写真がシフトアダプターの心臓部。PCニッコールと比べると可動部の精度や、調整部のつくりが華奢ですが、十分使えます。昔2/3吋のTVカメラにNIKON Fマウントアダプターを付けてPCニッコールを使っておりましたが、カメラも大きい上にアダプターが長いためにけっこう不便でした。それがこのアダプターがあることでコンパクトなデジカメで簡単にシフト撮影ができるわけですから画期的というか、デジ一の必需品といえるかも知れません。



この一見風変わりなカメラですが、昨年行ったK市やD市の文化財の撮影ではNEX-VG10やNEX-5が大変活躍しました。すでにDVDや展示映像になっていますが好評です。NEX-5NとNEX-VG20によって、さらに小型デジタル一眼動画の需要は広がると思います。すでに今年もCINEX-5NとCINEX-VGを用いる文化財の撮影が決まっていて、各地でロケを行いますが、台本にはクレーンやレールの必要なシーンが盛りだくさんです。春から始まる撮影に向けて様々なアイデアを形にしていかなくてはなりません。大判で小柄なNEXだからこそ出来るスタイルを構築することが今後の課題だと思います。
もちろん技術会社ですからHDCAMのENGや中継など、これまで以上に注力していくことは最重要視しています。

1/24追記
このシステムの名称が決まりました。監督さんか「らうねうねヘビみたいだから、スネークシフト」というご意見をいただきました。
ただ、このシステムはシフト専用ではないし、カメラはNEX-5NやNEX-VG20になるのでマットボックスとシフトアダプター部分につけるシステム名としてCINESONEX(キネソネックス)でどうかなと。
CINE+SONY+NEX=CINESONEXです。
SONEXだとYONEXみたいだし、SONEXは実在もします。他に今年の干支にちなんでシフトドラゴンなどもありましたが、結局もっともベタな名称ですが、CINESONEXに決まりです。
ということでオーダーの際はキネソネックスでお願いします(;^◇^;)ゝ

2012年01月22日(日)  東北のお客様、そして霧
東北のお客様が打ち合わせのためにはるばる関西へ来られました。といっても飛行機ですから東京から新幹線で来るよりも早いですね。週末のXDCAM EXの撮影のための打合せで、カメラはお客様のXDCAM EXで千里ビデオサービスは笹邊が撮影、そして特機と照明を用意します。打ち合わせを終えた空港はご覧の通り雨模様です。まだ1月だというのに寒くないです。決して暖かくはないのですが、異常に寒くない日が続きます。でもお客様が帰られた東北ではまだまだ厳しい冷え込みと雪なんですね。



そして休日の日曜は霧。変な天気が続きます。



でも思い出せば一昨年の12月も深い霧に包まれました。国道171号は千里と箕面に挟まれて、箕面山からの冷たい空気と大坂からの暖かく湿った空気がぶつかるのでしょうか。街中にたまる霧を見ると無性に釧路が懐かしくなります。
2010年12月22日の撮影です。AF-S DX Zoom-Nikkor 18-70mm f/3.5-4.5G IF-ED / Nikon D7000

2012年01月18日(水)  大阪の某所で番組カメラマン〜岩国で撮影監督
月末放送の番組でカメラマンでした。撮影は大阪の某所。
でもこれがちょっと大変な撮影。HVR-Z5Jを14時から22時までオールハンディーです。回ったテープは60分テープ6本。ADさんやDさんが回した分を合わせると合計10数本。編集は大変ですが、笹邊の仕事は撮影のみです。
終了して制作さんを駅やホテルへ送り届けたのち、スタジオで撮影していたスタッフをピックアップして帰社したのは24時過ぎ。テッペン越えになってしまいました。


で、翌日は6時出発でHVR-Z5JやCINEX-5N、特機のAYUmini、ユニフォーカスなどを機材車に積んで山口県の岩国へ。
往路の笹邊は荷物と化して広島まで暴睡させていただきました。


吉備で小休止して再び荷物と化して暴睡。次に気が付いたのは宮島です。交通安全を祈願して、無料の望遠鏡で安芸の宮島を眺めて食事です。


広島といえば蛎ですね。蛎の柳川風がお薦め。他にも蛎のパスタも頂きました。

料理はiPoneです。m(_.._)m
山口県にはいると山の景色も変わってきます。岩国というのもこういう風景からきたのでしょうか。

安芸灘に流れる門前川は驚くほど澄んだ川でした。いちどゆっくりと訪れたいものです。

岩国の名産はレンコン。大きな蓮根畑があちこちにありました。

この後は機密保持のため公開は出来ません。で海の幸が豊かな岩国での夕食です。
海の幸といえばもちろん寿司。回転寿司といっても100円寿司ではなく、ちょっと高級なお店。平均価格が350円の回転寿司です。

今回の現場ではクライアントの方々の多大なるご協力によってややこしい撮影もスムーズに進み、全て香盤どおりで終了しました。クライアント、制作会社、技術会社が知恵と技術を出し合って、「ともに作る」という理想的な撮影ができました。皆さんに感謝感謝の現場でした。有難うございました。
 

2012年01月15日(日)  リベンジ芹生峠という訳ではありませんが
年初めに走って深雪で撤退した芹生峠のリベンジを兼ねて貴船から芹生峠を越えて芹生谷へ行ってきました。芹生は「せりう」「せりゅう」などと読まれるそうですが、正しくは「せりお」だそうです。

この日も四駆のデリカではなく、1.5Lの非力なファミリアRSです。貴船を過ぎて芹生峠へ向かうと積雪は30cm以上で、道路は積雪路になります。

ただし今回はどうしても撤退は出来ない理由があって、タイヤにはチェーンを巻いています。四輪スタッドレスでも凍結した芹生越えはFFには危険すぎます。たとえ峠まで登れたとしても、その先には急な下り坂が待っています。

手入れの行き届いた北山杉の林はとても綺麗です。

風上側に回り込むと、幹には吹きつけた雪が「海老の尻尾」のように付着しています。

峠を下って芹生谷の方へ行くと人気の無い集落になります。ロッジなどがあって夏場は人も大勢来るのかもしれません。

山持ちの方の邸宅でしょうか。立派な塀に雪が積もっています。時代劇に出てきそうな雰囲気です。

旧花背峠に向かう道は途中で除雪が終わって車輌での通行は出来ませんでした。人の気配の無い集落、少し不気味な感じもしますが、廃校になった旧京北町立黒田小学校・周山中学芹生分校があります。

資料によると1999年(平成11年)四月に廃校ということです。子供達はみなこの橋を渡って通っていたのですね。目を閉じると子供達の声が聞こえてきそうです。

生徒の姿が消えてもこの大きな木はずっと学校を見続けてきたのでしょう。

撮影はニコノスニッコールを付けたCINEX-5Nで1080/24Pです。この小さなカメラの姿から信じられないハイビジョンが撮影できます。

レンズはニコノス用ニッコール80mmF4と同じくニコノス用35mmF2.5、そしてSONY NEX-eマウント専用の30mmマクロレンズがCINEX-5Nの標準セットです。ニコノス用ニッコールはミラーによる制限が無いため、一眼レフ用のレンズとは全く違った画を見せてくれます。

帰りは新しい花背峠を越えて京都市内で夕食を頂きました。行ったお店は銀閣寺の「おめん」です。

カニと生湯葉のあんかけうどん。雪で冷えた体が温まります。京都へお越しのときは是非「おめん」を食べてみてください。
「おめん」は銀閣寺本店の他、京都に二軒とニューヨークにあります。

【名物料理 おめん】

旬の食材を用いたおうどん、お料理が季節ごとに変わり、お楽しみいただけます。


※季節によりお品書きが変わります

おめんの方が「ブログで紹介していただけるのですか」ということでしたが、「ブログじゃなくてホームページです」とお伝えしましたのでご紹介させていただきます。


おめん」に来たら当然「おめん」を頂きます。笹邊がここへ来るのは30年ぶりでしょうか。味は昔どおりで「おめん」の味でした。おめんは麺の大盛りや、麺のお替り=いわゆる「替え玉」もできます。

ここでちょっとコマーシャルです
写真は笹邊の超お気に入りのコンパクトな一眼デジカメSONY NEX-5NとEマウントマクロレンズで撮っています。
もちろんフラッシュなどは使わず、お店の灯かりだけで手持ちで撮影です。NEX-5Nは手軽なレンズ交換式コンパクトデジタル一眼でありながら、
写真はもちろん大判撮像素子によるFullHD(1920×1080/60P・60i・60P)の動画撮影が可能です。
NEX-5Nをブログでも紹介していますのでどうぞご覧ください。 こちらに上の写真撮影情報があります。

たくさんの具と、たっぷりの摺りゴマをかけていただきます。季節の野菜と胡麻の風味が上品に食欲をそそります。

薬味は赤一味、青三味、赤三味、そして八味です。美味しいものを食べてゆっくり休んで明日は番組カメラマン。その翌日から岩国で撮影監督です。

そしてこれが年初めに途中撤退となった【New Yer Special Stage! 花背峠〜芹生峠 全開爆走!Mazda Familia RS】です。



大きなサイズのYouTubeはこちらでご覧ください。

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