映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2012年07月20日(土)  ENGは雨に苦しめられました
この日は3名体制です。駐車場の確保が難しい報道取材では現場近くにカメラクルーを降ろして、すぐに駐車場を探して待機します。報道取材で違反切符は、コンプライアンス以前の問題です。

撮影中のM君と幸永。マイクは標準のゼンハイザーMKH-416を使用していますが、この日は416よりも指向性の強いC-74もカゴ付きでも準備しました。

関西もXDCAM HDがそろそろ出始めたようですが、この日は全局HDCAMでした。まだ暫くはHDCAM全盛でしょうか。

梅雨が明けて夏空の下での取材かと思いましたが、まさかこんなドシャ降りになるとは・・・・。そういう状況も想定してレインカバーや雨具を用意していますが、レンズの表面はあっという間に水しぶきでびしょ濡れです。シュートしていないときはセル板でレンズを覆ってレンズ表面への水滴の付着を抑えました。収録は暗くなるまで続き、クルー達は雨具の下までびしょ濡れ。カメラはレインカバーと自己の発熱で豪雨の影響も受けずに無事取材完了。
帰路に来来亭の熱いラーメンでクルー達の冷えた体を温めたのはせめてものねぎらいです。

2012年07月13日(金)  番組のブツ撮りですが
番組のブツ撮りですが、指定条件がありました。、マットボックスとプロミスト、それとプロクサーです。フォーマットはHDCAMでした。

制作会社のブツ撮りに対するこだわりを感じます。クロジールのマットボックスが付いたHDW-750ですが、シネアルタのようです。三脚はビンテンではなく耐荷重の大きいサクラーのカーボン太足にVIDEO18PLUSを使用しています。

撮影場所は大阪市内のレストランの4階にある個室。エレベーターはなく、機材はずべて手運びです。Dさん、ADさん、制作さんも手伝っていただきとても助かりました。

愛用のフルードダンプズーマー、つまり流体制御式ズームレバーです。

照明はパルサー2灯を基本にRDSのミニを1灯用意しました。

撮影場所が狭い所では、小形ながら光量が強いパルサーは便利です。

モニターは今一番気に入っているTVLogicのVFM-056WPです。HDSDI入力で波形やベクトルも表示可能で、音声レベル、タイムコードなども表示でき、拡大機能やフォーカスアシストもついています。価格は少々張りますが、価格以上の性能は備えています。ただし機能が豊富な分搭載しているOSやプログラムが大きのでしょう、クイックスタートは出来ません。電源を入れてからおよそ10秒ほどの起動時間が必要です。




2012年07月11日(水)  和歌山ロケ、ようやく完了
何度も通った和歌山ロケ、ようやく最終日を迎えました。

週末の撮影でお借りしたインカムなどを返却に行ったレンタル会社の帰り道「今夜は晴れそう!」と予感が・・・。梅雨の時期なので、臨機応変に任されていた釣りのロケ。残っていた夕景絡みのブツ撮りとタチウオのヒットシーン。潮の具合も良好なのでイザ和歌山へと決定。

夕景は予想どおり陽が沈むまで見え、夕景がらみの商品撮影は完了です。残すはタチウオのヒットシーン。

HDW-750に先日購入したマトリクスライトML-80とTVLogicのVFM-056WPを装着しています。ML-80はカメラのDタップのAUTOモードで電源を供給しているので、RECスタートすると自動で点灯してとても便利です。そしてバッテラ用のBP-90でも点灯できるよう4Pキャノンコネクター→BPタイプと同型でありながら極性が逆コネクタ(芯が+)のケーブルも作製。モニターはバッテリーのDタップから電源を供給し、必要に応じてON/OFFも可能。
と、準備万端でスタートしたロケ、明け方の時合まで頑張りました。が、釣果は・・・・坊主(泣)
まあ、そういうことも釣ロケでは仕方の無いこと。以前M君が和歌山へ釣番組のロケに行ったときも一晩でイカ1匹ということがありました。

一旦大阪へ戻って仮眠の後再び和歌山へ来ることにして帰阪。でもラッキーなこともありました。
ロケ車の走行距離が77777kmです。もちろん記念写真を撮影。ラッキーな数字に期待して態勢の立て直しです。

再び和歌山に来ると昨日にましてきれいな夕景。途中大阪では雨が激しく降りましたが、目的地の和歌山は梅雨の最中にもかかわらずご覧の通りです。

釣り始めておよそ30分、77777の威力でしょうか、いきなり「ヒット!」の声が。
無事目的のカットの撮影ができました。

釣果の撮影にもML-80は役立ちました。カメラにスナップオンではなく、単体で点灯できるようバッテラ用のBP-90を使用できるケーブルを作ってきた甲斐がありました。

ロケ完了とスタッフの労をねぎらう締めくくりは「和歌山ラーメン」。自家製麺で有名なお店「大福軒」です。

メニューは手頃な価格帯のものが中心です。

名物タルタルラーメンとキムチ焼飯。麺は太めで美味しいです。キムチ焼飯はふんだんに入ったキムチがよく効いてキムチ好きにはたまりません。

そして味噌ラーメンと和歌山のラーメン屋さんお約束の早寿司です。寿司好きの笹邊は2個も頂いてしまいました。
食事の後は時合も過ぎているのでフリーにガシラなどを釣って楽しみました。最後に釣ったタコは今冷蔵庫で食卓に供されることを待っています。
全てを終えて和歌山を離れるときの港の朝焼け、とても印象的でした。私たちは天候に恵まれましたが、西の方は大雨で大変なことになっています。「これまでに経験したことの無い大雨」という新しい表現で緊急性が報じられています。どうぞ気をつけてください。

2012年07月09日(月)  リサイタルの3カメ収録
7月20日から放送されるインフォマーシャルの編集・MAを終えて先週はVPの撮影・編集と忙しくしています。そして週末はリサイタルの収録でした。

仕上げはワイドのDVDで、予算が許せば勿論ハイビジョン収録となるはずですが、この現場はSDワイド収録となりました。カメラはDSR-570WSが2台とHVR-Z5Jで570のレンズは20倍と16倍を使用しました。
収録ベースはいつものスタイルでVTRはプログラム2系統と3CAMのパラ、570WSもそれぞれテープを回してZ5JのメモリーのみHD収録です。

音声については8chを用意し、音響さんからいただくラインはトータルのステレオ2ミックスとVo、MCなどのブーストライン、そして舞台側から客席をガンマイクでオーディエンスのステレオ2ch、そして舞台の框から客席に向けたPCC-160でオーディエンス&ホールトーンをステレオで収録します。
レコーダーはローランドR-44を2台カスケード接続でサンプリングは96kHz/24bitです。R-44はステレオminiPINケーブル1本でMASTER/SLAVEとなREC/PAUSE/PLEY操作はMASTERのみで行えます。16GBのSDHCカード2枚で96kHz/24bit/stereo×4が3時間以上連続収録できます。

ベースに置いたVTRはDSR-1800とDSR-45でサンプリングを32kHzの4chとし、編集ガイド用にラインの2MIXとガンマイクのオーディエンスを入れています。ラックの最下部に置いた田村TS-4000Sは収録用ではなくスイッチャーのモニター用です。

スイッチャー周りの様子です。モニターはDC駆動可能なONKYOの小型SPでインカムはプロテックの同軸インカム。(DSR-570はインカムアダプターを取り付かなければCCU、スイッチャーのインカムが使用できません)そして3カメのコントロールを行うタリーランプが付いたRM-BP1000です。

ちょっと面白い話。この日の音響さんのことです。
「1キロ2デシ下げて、1.8キロ1デシ上げて」そうです。【ケー】ではなく【キロ】なんですよ。
ちょっと嬉しくなりました。収録時の基準信号1kHzも【いちけー】と言われると少し萎えてしまいます。

1kHzとか1.8kHzなど、イコライザーの調整ですが、kは【キロ】と読みます。若い人には【ケー】という人がいます。もし【ケー】いうならM、G、Tも【エム】【ジー】【ティー】と読んでもらいたいです。
※kHzは元々kc/s(キロサイクル・パー・セカンド)だったものが1972年からハインリヒ・ヘルツさんの功績を讃えて周波数の単位になりました。だからヘルツのHzはワットのWなどと同様に大文字になります。上記の1デシのデシもdBのことでBはベルさんのBで大文字が使われます。(日本音響家協会・日本音響学会会員のボヤキでございます)

今週はネイルアートのVPの仕上げ、釣ロケ、そして新規の自治体VPの打合せなどが進みます。

2012年07月01日(日)  日曜出勤
朝一に電話が入り、今夜オンエアのENG依頼で福井県まで行ってきました。途中Dさんを京都駅でピックアップしての移動ですが、現場周辺に車が待機出来るか不明なので技術は3名体制です。



HDCAMで収録した素材を現場で待機しているSNG車によって必要部分をラッシュしてキー局へ伝送していただいきました。同素材はこの日だけではなく、翌朝の番組でも流れます。

2012年06月30日(土)  ロケハン隊の写真
笹邊は昨日から編集ですが、別班がフィッシング関連のVPのロケハンに行ってきました。

阪和自動車道の有田です。梅雨の中休みか、まるで真夏のような日差しです。

大手清涼飲料メーカーかと思いきや、農園という文字がついています。みかんの里有田です。土産にいただきましたが美味いです。

ロケハンの目的地はここです。映画の舞台になりそうな風景です。

映画によく出てくる外国の島のような感じが気に入りました。

風景はとてもよい感じですが、フィッシング関連のVPということで実際に釣れなければNGです。

夕方から釣り始めた成果は・・・・ままあというところでしょうか。ただし目標のタチウオは当りだけでした。ただ周りの人は数本あげていたようです。

朝方まで何箇所かロケハンしての帰路は美しい朝焼けだったそうです。編集で徹夜した笹邊も事務所の窓から同じ朝焼けを眺めていました。ロケハン、編集も無事終えて、今日は納品です。

2012年06月27日(水)  CINEKINETIC シネサドル活躍
今日はアウトドア関連の新製品プロモーションビデオの撮影でした。何かと便利なCINEKINETIC CINESADDLEは今では撮影に必要不可欠のアイテムになっています。今日は少し変った使い方をしたのでご紹介します。

カメラはHDW-750でファインダーモニターはTVLogic VFM-056WPで、サクラーのVIDEO18PLUSの上にシネサドルを置いて撮影しています。VFM-056WPは波形表示、ベクトル表示、フォーカスアシストなど非常に多機能でかつ高画質です。このときはHDSDIをPOVCAM→HDSDI REGZAに繋いでTVLogic VFM-056WPにはSDIから接続しました。もちろんHDSDIのスルーアウトもありますが引き回しの関係(POVCAMに5CFBで接続するため)でそうしました。SD接続していても十分に高解像なのがTVLogic VFM-056WPの凄さでもあります。

何をしているかというと、電動回転台に乗せて水平方向に回転する商品垂直方向に回転させて撮影しています。90度倒したカメラのファインダーでの撮影は無理なのでモニターはPico Flex Table Dollyに附属していたアームで普通の角度に合わせました。ただヘッドをパンさせると画面は上下に、チルトさせるとパン動作するという不思議な感覚です。Video18Plusの上にフネ→シネサドル→HDW-750→サンドバッグの順で乗っています。

サンドバッグを外して見た様子です。HDW-750はこんな感じで乗っています。このときクロジールのオイルダンプズーマー(Fluid Zoomantriebe)はズームロックとして機能しています。のドラグ調整用ダイヤルを逆方向(緩む方向)に止るまで回すことでズームのロックとして使用できます。

下のYouTubeはCINEKINETICのオフィシャルプロモーションです。



2012年06月24日(日)  休みの日に突然
今日は日曜日。事務所のPCの前で邑久が先日請けたWEBの仕事をしていると、開け放した窓の向こうから「よ〜〜!私だ」の声が聞こえました。
邑久が私に「先生が!先生が〜・・・・。」と叫んでおりました。確かに聞き覚えのある声。

道路に出てまず目に入ったのは黒のハーレー。ピカピカに輝いています。
詳しくは知りませんがモデルは【ソフテイルデラックス】のようです。

フルフェイスの向こうにうっすらと見えるその顔は・・・・
そう、いつもお世話になっている楽器奏者のあの先生です。40年ぶりに乗る鉄馬だそうです。

いいなあぁ・・・・
笹邊もまたバイクに乗りたくなってしまいました。

あっけにとられる私達を「ちょっと寄っただけ」とニコニコしながら走り去るカッコイイ後ろ姿。
ご自宅に到着された先生はすぐにこの写真を見ていただけることでしょう。

2012年06月22日(金)  今年もまた株主総会の中継です
今年もまた株主総会中継です。

ここ数年ほとんど同じシステムですが、毎年少しずつ変化しています。ただHDではなくSDという状態は変りません。ただしこれも時間の問題ではないかと思います。PPTはPCからの送出ではなく、すでにPPTをBDに落とし込んだハイビジョン動画になっています。

送出先がSDですからカメラはもちろんSDです。ただしレンズは1カメも、2カメも放送用のJ16aとJ20aを使用しています。

ベースで少し変った部分はVE卓のコントローラー部にタリーランプが点くようになったことでしょうか。些細なことですがとても使いやすくなっています。そして音声ミキサーはやはりTAMURA。もうそろそろ更新したいのですが、トランス式バランス入力でヘッドが広いTS-4000Sに変る適度なコンパクトミキサーやフィールドミキサーが無いことも更新できない理由でもあります。

こちらは最初に設置したスピーカー向けのC-38Bです。ラインの万一に備えたバックアップになり案巣。しかし質疑応答のマイクがスイッチ付きになったため、オーディエンス用のショットガンマイクを追加して、ラインのバックアップはC-38BからECM-23FUに変更しました。これは本番中無効にしておき、万一ラインが途絶えたときにアサインします。
この会場で嬉しいことは自販機のコレです。【ふってふってゼリー】美味しいですね。

そして制作会社さんが用意してくださったスタッフ弁当。このほかにも数種類用意していただいた気配りに頭が下がります。休憩中も現場から離れることができない会場では弁当は命です。

2012年06月18日(月)  和歌山のナイトロケ
進行中のVPで18〜19日に和歌山マリーナシティーへ行ってきました。

ポルトヨーロッパです。以前ホラーアトラクションの映像を作るために深夜にロケしたことが思い出されます。昼間は賑やかなアミューズメント施設も夜になって人が居なくなると不気味になります。

撮影準備中です。照明はHMIのマイティールポで960Wのインバーター発電機で駆動しますが、万一に備えてシネキンバッテリーを3セット用意しました。出演者は4名プラスクライアント2名。それに制作・技術の3名を加えて9名の現場はマリーナシティーの岸壁での撮影です。カメラは今回もHDW-750を使用しています。今日も台風が心配でしたが、4号は和歌山の南を駆け足で通り抜けていきました。準備時にはレインカバーをかけていましたが、本番では小雨も上がってドライコンディションで撮影することが出来ました。

HMIにはビニール傘をかけて雨対策としました。カメラにはTVLogicの5.6インチマルチフォーマット液晶モニターVFM-056WPを取り付けています。電源はもちろんHDW-750のDタップからの供給です。

マグパッチマスターカートに乗せた発電機や電源リール。上のジュラはHMIマイティールポのもので1台は使用し、もうひとつのジュラには予備の灯体とバラストが入っています。950Wの発発はマグパッチにすっぽりと収まってくれるのでとても便利です。そしてロケの必需品となったシネサドルもぶら下がっています。

照明を照らすといろんな虫たちが集まってきます。

深夜の海辺の虫たちです。名前は調べていませんがそれぞれ美しい体を持っています。世間では臭いと嫌われるカメムシもとてもきれいな緑色をしています。

撮影は明け方まで続き、帰路はロケハンをかねて加太から岬町を帰りました。

関空手前から阪和道に入ってちょっと休憩。ドライバーも交替します。岸和田SAは城のイメージを演出した作りで、自販機もご覧のとおりです。
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