タムラ TS-4000Sという検索。他にもTAMURA TS-4000SやTS-4000Sなど、タムラのミキサーに関するキーワードが多かった。理由はわからないが、どこかの局の中継車ででも見て興味が沸いた人なのかもしれない。
TS-4000Sは1985年に開発され、小型中継車やEFP現場でよく使われていた4chミキサーだが、必要以上に小型化していない上に、使用パーツのグレードが高いために機械的にも電気的にも非常に丈夫だ。私の会社が購入したのは会社を設立した1987年だが、非常に気に入って、のちにもう一台追加したくらいだ。2台のTS-4000Sは今なお性能劣化することなく現役で動いている。これは内部に使用されているコンデンサーの規格に余裕があるためかと考えている。TS-4000Sは後にAMX4Sというモデルにマイナーチェンジされたが、非常に寿命の長い製品だ。
私が若い頃タムラというとサンスイやタンゴと並ぶ音響用トランスのメーカーとして有名だった。当時趣味で管球式アンプの回路設計を行っていたが、タムラのトランスは性能だけではなくデザインも美しかった。2A3や300B、KT88などの銘球とともにシャーシに組見上げたアンプは美音であると同時に、眺めていても美しかった。
そんなタムラが田村ラヂオ商会を開業したのは1924年(大正13年)である。自社ブランドのラジオ販売や電気蓄音器、低周波トランスの製造を行い、ポリドールやNHKにも納入していた。また戦後は国産初のトランジスタラジオにタムラのトランスが採用された。そして放送用ワイヤレスマイクや放送番組製作用無線連絡システム「ワイヤレスインターカム」を開発している。1964年にはワイヤレスマイクが東京オリンピックで大活躍している。
面白いのはSHURE社のポータブルミキサーFP32、FP42もタムラが開発していることだ。ENGでは普通シグマのミキサーを使うがシュアーのFP31やFP32もよく使う。梨田監督をインタビューしたときもFP32を使用していた。(普段私はキャメラマンであり、テクニカルディレクターだが、時に録音技師として動いたりもする。日本音響家協会の正会員である。)
大変技術力のある会社で、従業員6,758名の大企業である。そして便利なことに、放送機器の西日本営業所が吹田市の江坂にあると。部品の調達など、私の会社にとっては大変便利だ。
TS-4000Sの写真は会社の機材紹介のページのものだが、左に写っている写真はソニーのEFPミキサーMXP-29だ。TS-4000Sは入力回路が4系統しかないため、多数のマイクを使う場合にはチャンネルが不足する。こういった場合はMXP-29を使用する。チャンネル毎にファントム電源がON-OFF出来、トークバックも備えているため、スタジオ撮りや簡単なライブ収録で重宝する。またSKB製のポップアップケースに収めているため、可搬性、操作性に優れている。うれしいのはタムラやシグマのENGミキサーと同様にバッテリー駆動ができることだ。
技術会社にとって機材は命である。時に過酷な状況で使用されるが、正しいメンテナンスを実施することで、長期間の性能維持が可能になる。フォーマットが大きく変化する映像機器と異なり、音声関連の機器は変化が少なく、稼動期間が非常に長いといえるだろう。
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ミキサーって、本当に訳が分からないんですが・・・
どのつまみが、どう働くのか?
また、音はどう出すのか?
全く分からない。
でもミキサーをいじってる人って、
カッコイイですよね。
1回でいいから、触ってみたいですね。
映像で使うミキサーはそれほどややこしくはないですよ。
映写で使うドルビーサラウンドよりははるかに解りやすいですね。
ミキサーは8chでも24〜48chでも基本は1chです。
1列だけ理解すればその数が多くなるだけです。
でもライブやスタジオの48chは確かにカッコイイですね。
転職ですか?それとも・・・頑張ってください。