2005年07月31日(日)
ライブスイッチャー
 私の仕事のメインはテクニカルディレクターで、普段はマルチキャメラによるスイッチャーが多い。私自身がキャメラを振る仕事はVP(1キャメラEFP)であったり、番組取材(ENG)である。
 ライブスイッチャーとは複数のキャメラを切り替えながら収録するEFP(Electronic Field Production)で用いる特殊効果装置のことをいう。スイッチャーにも様々なタイプがあるが、収録現場用、編集スタジオ用に大別されるだろう。そして収録現場用がライブスイッチャーになり、可搬式の代表的なものにのBVS-1100(SONY)やVS-6000(EVIN)、VS-4000(EVIN)、SEG-2550(SONY)、SEG-2000A(SONY)などが挙げられるだろう。またSDI、HDSDIスイッチャーも普及してきた。また最近はフレームシンクロナイザー内臓のものも色々出ていて、技術が無くてもマルチキャメラを組めるようになってきた。しかしメモリーによるディレイが起こり、音声と映像のタイミングがずれてしまう製品が多く私は好きではない。一瞬のきっかけを捉えてスイッチングする仕事においてはメモリーによる1/30秒のディレイは致命的である。
 会社のホームページでも解説しているが、キャメラマンはスイッチャーの指示で動くのではなく、スイッチャーが選択した映像をリターンビデオとして自分のファインダーで確認し、次に必要な映像はキャメラマンが自分の感性で作ってゆく。マルチキャメラでの収録ではタリーランプ、リターンビデオ、インターカムが必須の項目になる。最悪インターカムが無くてもタリーランプとリターンビデオさえあればそれほど支障なく現場は進んで行く。収録現場で複雑なカット割が無い場合には意外と楽しい会話が交わされることがある。実際某放送局の収録で、関西を代表する演歌歌手(かなり顔が大きい)と他の歌手の3ショットになったとき、その歌手が後ろに居るにもかかわらず、前に居るように見えることをネタに「遠近感がおかしい」サブ(副調整室)とキャメラで大笑いになったこともある。タリーランプとリターンビデオがあることで、必要な緊張感を保ちながらリラックスすることもミスを無くすためには必要なことである。
 もう30年ほど昔のことだが、大先輩から「注意力の分散」を教わった。キャメラを覗いていても常に周囲に気を配って、周りの状況(天候や光線だけではなく、人間関係も)を把握することが重要ということである。「注意力の分散」は今日に至るまで私の中で生き続けている言葉だ。
 仕事において集中力は絶対必要なことだが、緊張しすぎて一点集中にならないことが大切であろう。しかし自分を省みて未だに「注意力の分散」が完璧に実行できているかは自信がない。日々心がけるしかないだろう。
最近更新時講習でしったのだが、自動車の運転においても「注意力の分散」の必要性が言われていた。見込み運転は事故の原因だが、危険の予測は必要だとも。
 来週は日本海ロケが入っている。安全運転に心がけよう。

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| 映像制作・撮影技術 |
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