2010年12月01日(水)
	
	
		
			
【動画撮影 マイクロニッコール】  での検索だった。マクロ続きだが、やはり35mm一眼レフ用レンズを動画に使おうと考えている人が多いようだ。実際にEOSやREDONEでもニッコールレンズは多用されているし、間もなく発売されるAF-105の英語版サイト  ではトップにAi Nikkor 135mm F2が掲載されている。(日本語サイト  は最近更新された) 
写真をクリックしていただくと大きな写真が開く。右端がAi NIKKOR。 
 
私が気に入っているマイクロニッコールはMicro NIKKOR Auto 55mm F3.5で、絞り環はAi化しているので最新のデジタルでも開放測光が可能だ。以前にも書いた  事があるが、宇宙へ行ったニッコールによく似ている。 
 
マイクロニッコールだから近接性能はもちろん優秀だ。しかしマイクロニッコール全般に言えることは近距離だけではなく遠距離の撮影でも非常にシャープな描写をする。下の写真はVG10にこのMicro NIKKOR Auto 55mm F3.5を取り付けたもの。 
 
映画用スーパー35mmに相当するVG10に付けた場合の対角画角は約24度でフルサイズの100mmレンズに相当する。また、フルサイズの約半分の撮像面積のおかげで口径食による周辺ボケの変形がなく、開放でも周辺まで均一なボケが得られることは画角を犠牲にした利点だと思う。 
Micro NIKKOR Auto 55mm F3.5にで初めて採用されたものの、開放測光時の誤動作の原因になるということで廃止された撮影距離による絞りの自動補正機能 がライブビュー時代のデジタル一眼動画のマクロ撮影で再びその素晴らしさが認識されてきたようだ。 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月28日(日)
	
	
		
			
【VG10 マクロ撮影】 で検索があった。ようやくNEX-VG10が当初考えていた用途で本領を発揮し始めた。 
 
1970年代初めに作られたベローズニッコール105mmF4をベローズユニットPB-4を介してNEX-VG10に取り付けている。3群4枚構成の135mmよりも1枚多い3群5枚構成の105mmは光学性能が向上し、かつ適度なワーキングディスタンスを得ることが出来て使いやすい。イメージサークルも十分大きくてPB-4のアオリ限界まで傾けてもケラレは無い。 
 
ベローズニッコールだから然近接から無限までピントが合うのは当たり前だが、PB-4のアオリ方向が通常の位置の場合に左右のスイングとシフトしかないために自由雲台を用いて90度傾けてヴィンテンに乗せている。そうしなければチルト方向のアオリやライズ&フォールが使えない。ただしこの場合はレンズの光軸がヴィンテンのパン軸から大きくオフセットするためパン操作に違和感がある。このことの改善策は最後に記載しているので参考にしていただきたい。 
 
アオリを必要としないマクロ撮影ではベローズよりも手軽なヘリコイド式のフォーカシングユニットを使用する。フォーカシングユニットといってもケンコーのマクロテレプラスから光学系を外して、ケラレの原因となる内部の鏡筒を除去しただけの簡単なものだ。しかしこのユニットを用いることで引き伸ばしや製版に使うエルニッコールやアポニッコールなどがエクステンションチューブを併用して手軽に使用できるようになる。写真はエルニッコール135mm F5.6にL39(ライカスクリューマウント)→Nikon F変換アダプター〜フォーカシングユニット〜Nikon M2リング(マイクロニッコール用等倍チューブ)〜Nikon F→NEXアダプター〜NEX-VG10となっていて、このままで無限迄撮影できる。そして至近距離を近づけるためにはKリングなどのチューブを追加する。 
 
NEX-VG10でワーキングディスタンスを稼げるレンズ群。左からアポニッコール240mm F9、拡大撮影用のNikon 5x F2.6 Ophthalmology lens、EL Nikkor 150mm F5.6、製版用のHEXANON GR 150mm F9で、いずれもNikon Fマウントになっている。右の小型ベローズに付いているレンズはスクリューマウントのペンタックス(私はペンタックスS2とSPを愛用していた)用のベローズタクマー100mm F4でベローズはFUJICAのSTシリーズ用ベローズユニット。これはM42→NEX変換アダプターでVG10に取り付けている。 
 
ベローズタクマーとFUJICAベローズをNEX-VG10に取り付けた状態。ニコンのベローズに比べると極めてコンパクトに出来ている。これでも無限から10cm程度のマクロ撮影が可能だ。VG10のモニターに写っている映像は指輪の実写だが、このベローズとしてはまだ余裕がある。十分なマクロ性能をお分かりいただけると思う。 
 
より大きなマクロ撮影が必要な場合はこれらのレンズを使用する。 
左からOlympus OM System ZUIKO MC MACRO 1:3.5 f=38mm RMS→NIKON-F Mount、EL Nikkor 105mm F5.6、EL Nikkor 50mm F2.8N、EL Nikkor 80mm F5.6、EL Nikkor 50mm F2.8、Fijinon EX 105mm F5.6。 
紹介したものはいずれも35mm一眼レフ用としては特殊なレンズになるが、もちろんマイクロニッコール類は多用する。特に55mmは新しいF2.8よりもMicro NIKKOR Auto 55mm F3.5はヘリコイドと絞りが連動していて実絞りビューのVG10とは相性がいい。このレンズは開放測光を行うニコンのTTL一眼レフでは誤動作するためにMicro NIKKOR P-Auto 55mm F3.5からは連動機構が廃止されてしまった。また新しいものではAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDや70-180mmのズームマクロレンズも使用する。 
 
この写真はベローズユニットPB-4を90度傾けるために用意したステンレス製のアングル。厚さが4mmもあり、非常に頑丈に出来ている。 
 
まだ加工作業は行っていないが、完成すればこういう感じになる。雲台の回転軸の真上にベローズの中心が来ることでパンの違和感は無くなるだろう。 
NEX-VG10は一般向けのハンディーカムに比べると、高倍率でもなければズームサーボも無い。また手ぶれ補正も回転方向が無い旧タイプということで、コンシューマーモデルとしてはかなり中途半端なカメラだとは思う。しかしショートフランジバックのNEXマウントのおかげで非常に汎用性の高いカメラだと思う。私の会社に限っての話だが、NEX-VG10はマクロなどの特殊用途として益々活躍の場を増やすことになるだろうし、現在製作が進んでいるミニレール&ミニクレーンでもNEX-VG10の小型軽量高画質によって新たな用途が広がるものと考える。もちろんこういったものを作るのは来年上半期に発売が予告されたNEXマウントのスーパー35mm撮像素子を搭載したNXCAMに的を絞ってのことである。 
 
追記:最新のベローズPB-4 
L型のステンレスの加工を開始しようと思い立ったところであるものの存在に気づいた。VR写真を撮る時に使ったパノラマヘッド。これを使えば簡単にスイング→チルトの変換が可能になり、パノラマヘッド自体も無改造でできる。 
結果は下の写真。 
このことについては12月2日のフィールドレポート  に詳しく記載している。 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月22日(月)
	
	
		
			
【VG10 ニコンレンズアダプター】  での検索。かなり上位にヒットしている。 
マウント変換アダプターはかなり沢山の種類が出ている。その中で私が使っている【価格が安い】ものを紹介させていただこう。 
 
 
光学系を含まないものだから高価なものを使う必要は無い。レンズ側とボディー側のマウント面の平行さえきっちり出ていれば十分だ。フランジバックは正確に越したことは無いが、正確すぎてギリギリジャストで無限が出ているものよりは若干フランジバックが短いオーバーインフになっている物の方が都合がいい場合が多い。というのも、ニッコールもレンズによっては距離指標が∞でも∞になっていないものも稀にあり、そういうレンズでもオーバーインフのアダプターなら正確に無限が出る。ちなみに私が使っているソニー純正の16mmF2.8もAF依存のためか、∞で無限を超えるオーバーインフになっている。 
また、ズームレンズを使う場合などはオーバーインフのアダプターなら私が行っているようにアダプターのマウントと鏡筒の間に金属箔を挟んでフランジバックを追い込むことも簡単に出来る。もしもアダプターが長ければ削らなくてはならない。 
下に紹介しているものは絞りの連動機構が無いもので、AI-Sニッコールまでのレンズに使用するタイプで、絞り環の無いGレンズには使用できない。マニュアルフォーカスのオートニッコールやNEWニッコール、AI、AI-Sに使用する場合はこれが適合する。 
 
 
もし使用するレンズが絞り環の無いAF-SのGレンズの場合は絞り連動ピンを操作できるタイプが必要になる。これは日本のハンザのもので、アダプターにあるリングを回して絞りを動かすことが出来る。ただし絞り値はF値での表示ではなく、等間隔に表記された数値となり、開放から最小までも目安となる。しかしNEXで使用する場合は元々ライブビューになっているので被写界深度を確認しながら決めるわけで、F値を表示しなくても全く困ることは無い。 
ただし価格はGレンズ非対応のものに比べると高価だ。GレンズのAF-S 35mmF1.4と85mmF1.4、60mmF2.8、またDXサイズのAF-S 18-70mm、18-200mm等で使用したが不具合は無く好結果を得ている。
 
ちなみに明日23日もNEX-VG10にニコンマウントアダプターを装着してベローズニッコール105mmF4+PB-4やズームマクロの70-180mm、ベローズタクマーなど用いてネイルアートのVPを撮影する。従来のカムコーダーでは不可能だった撮影がスーパー35mmに相当する撮像素子を搭載したNEX-VG10がいとも容易く可能にしてくれる。使い方次第で可能性の広がるカメラだと感じている。 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月18日(木)
	
	
		
			
【NEX-VG10 バッグ 】という検索が3件もあった。しかし上位の方には全く見当たらなかった。かなり下の方にいずれかのページがヒットしていたのだろう。 
NEX-VG10のキャリングバッグについてはぴったりの物がなかなか見つからなかった。マットボックスを装着した状態のものはEOS5D2のジュラケースにぴったり収まったが、マットボックスを使用しない撮影や、写真撮影にはソフトタイプがベストだ。ソニーの純正がヨドバシに有ったがデザインが気に入らなかった。 
色々探した結果に落ち着いたものがタムラッ  クの5608 PRO-8  というモデル。 
VG10の他に16mmF2.8やフィッシュアイコンバーター、NIKON F→NEXマウントコンバーター、そしてNDフィルター、バッテリーなどの周辺機材がうまく収まる。 
VG10を出してみたところ。小ぶりのバッグだがポケットも多くて色々なものが整理しやすい。NDフィルターは49mm/52mm/62mm/72mm等のND4/16などが入っている。バッテリーはNP-FV100互換の中国製が数本。ケンコーが代理店  だが、ケンコー光学ショップ 楽天市場店  には無かった。 
嬉しいのはメモリーカード用のポケットがあり、メモリー用のポーチはゴムベルトでバッグとつながっているところ。SDHCやメモリースティックはケースに入れても紛失する恐怖があり、タムラックのような気配りは安心というか、事故防止に大変有効だ。 
タムラックのカメラバッグはヨドバシ梅田でもけっこう高いが、楽天のショップを探すと意外と安かった。青いコーデュラナイロンは他の映像機器で使用しているポータブレイスのものと似ていて気に入っている。もしVG10をポータブレイスに入れたならばバッグの価格が本体の10%以上になってしまう。民生機のVG10ではカメラバッグが占めるコストは5%程度が妥当ではないだろうか。 
タムラックのバッグは決して高級な価格ではないが作りはしっかりしていて、写真の業界ではドンケと並んでプロ御用達ということだ。
 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月11日(木)
	
	
		
			
【HVR-Z5J 16GB シリコンパワー】  で検索されていた。
現在HVR-Z5Jでメインに使用している。長時間記録の場合はトランセンドの32GBを使うが、テープとの同時記録やVP撮影ではシリコンパワーの16GBを標準にしている。 
 
なぜ16GBを標準的に使用するかといえば、テープの記録時間64.5分(実記録時間)より10分長い74分の記録が出来るからだ。同時収録するテープとメモリーカードを同じタイミングで交換することで、テープとメモリーカードのロール番号をそろえる事が出来る。 
以前に比べると200倍速のCFカードも少し価格も下がり、HDVマスターテープの1.5倍ほどの価格に落ちついいる。しかし、中国ではレアアースの価格高騰を受け、窃盗や違法採掘などの事件が頻発しているそうで、【過去最大のレアアース窃盗=中国内モンゴル】  といったニュースも流れている。そういったこともあり、今が買い時かとも考えて多数購入し置いた方が良いだろうと考えた。 
会社の仕事ではテープ納品の場合の仕事でもクライアントに了解の上、クロッグ対策としてCFカードへのバックアップを行い、検収確認後にメモリーを初期化するようにしている。また、自社で編集する場合もテープをバックアップとして残しながらも編集完了、または複数のHDDへコピーするまではメモリーは初期化せずに保存する。 
メーカー純正や指定のメモリーカードは安心だが、テープ感覚で使用できる安価なメモリーは重宝する。安価といってもシリコンパワーのメモリーはこれまでデジタル一眼レフなどでも使ってきたがトラブルは無かった。現在使っている機器との相性はいいようだ。
 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月08日(月)
	
	
		
			
【新開発のスーパー35mm相当“Exmor”CMOSイメージセンサーを搭載し 
PLレンズに対応したデジタルシネマカムコーダー『PMW-F3』シリーズを発売】  
 
パナソニックのフォーサーズカメラに続いてソニーからも出てきた。とにかく安い。ある意味安すぎるともいえる。 
おもわず「買い!」と決め込みそうになるが、チョット待った! 
 
確かに製品は素晴らしく、PLレンズが3本付いてこの価格は脅威だ。さらに収録ファイルはAVCHDではなく、MXF準拠のXDCAM EXと同じ。さらにオプションを搭載すれば4:4:4のHDCAM SRへの出力も出来る。パナソニックのAF105の倍ほどの価格だが、その分格も違う。それがレンズも3本付いて200万ほどだからすぐに飛びつきたくもなる。 
だがこのカメラを使う頻度を考えると二の足を踏んでしまう。というのもこのカメラを使う仕事ではカメラマンの他にセカンドは必ず必要だろうし、ズーミングよりはトラックショットということで特機も必要になる。もちろん照明部は絶対に必要だ。つまり機材は安くても撮影は大掛かりになる。普通の取材ではやはり高倍率のズームレンズや超広角&高倍率のショートズームを付けたENGカメラが中心になる。つまり稼働率が低いということだ。 
東京はともかく、大阪ではこのカメラでなければ撮れないという仕事は限られるだろう。月に3〜4日稼動するのであれば2年ほどで機材費は回収できるだろうが、1〜2回程度ならばレンタルで十分対応できるし、映画機材のレンタル会社には高価なPLレンズや周辺機器が豊富にある。もちろん特機やVEさんも、それに車両もお願いできる。その場合はもちろんグロス計算も可能だ。 
 
今回発表されたPMW-F3はとても魅力たっぷりの製品ではあるが、ここは冷静に判断する必要があると考えた。しかしこれが仕事ではなく趣味で風景などを撮影する人にとっては小型軽量ということも考えるとかなり面白いカメラになるだろう。価格もニコンのデジタル一眼レフのフラグシップ機D3xと高性能レンズ数本分ということであり、そのうち趣味でPMW-F3カメラやパナソニックのAG-AF105で撮影する人も出てくると思う。なんといってもこのPMW-F3の価格は最近の高級ミニバンの半分なのだ。 
私の場合「このカメラを買いますか?」と聞かれれば答えは一つ「絶対に買いません」と返事するだろう。しかし「そのうち必ず使います」とも。 
お付き合いのある機材レンタルの会社が複数台導入してくれることを期待しておこう。 
 
このカメラは標準マウントアダプターはPLマウントになっているが、根元は既に発売されているカムコーダーのマウントらしい。つまりPLマウントが固定されていればPLマウントよりフランジバックが短い35mm一眼レフ用のレンズは装着できないが、マウントアダプター形式であることで様々なレンズに対応できると考えられる。間もなくinterBEEが始まるが、その時にはPMW-F3の全貌がわかることになるだろう。 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年11月02日(火)
	
	
		
			
【NEX-VG10 拡大アイピース】を昨日書いたが、ここでもう一つ、NEX-VG10用のLCDモニター拡大ルーペを紹介させていただこう。 
NEX-VG10を三脚やショルダーリグに付けた場合はLCDモニターが近すぎて近くのものが見えにくくなってきた人には少々辛い。ましてやフォーカスを正確に合わさなければらないハイビジョンでは非常に眼が疲れる。そこでこんなものを作った。 
 
3.125倍の拡大ルーペをUNのフレキシブルアーム(10年以上前にハレ切り用に買った物で正確な商品名は不明)でVG10に取り付けている。 
拡大ルーペはケンコーのリアルスコープ 8×20用に持っていたマイクロスタンドに付いていた物。リアルスコープと合わせると25倍の顕微鏡になるが、単体では25÷8=3.125倍となるようだ。アームとの固定はインシュロックで行った。アームのアクセサリーシューに穴を開けてインシュロックを通しているので使用中にずれたりしない。 
 
アームをVG10のアクセサリーシューに取り付けるとカメラ側が1cmほど長すぎて具合が悪かったが、アームの先のパーツを入れ替えると短い方がカメラ側に移ってちょうどいい。このアームは先端部の取り付け方法が共通のためにパーツを付け替えることが出来た。最初の写真は斜め上から覗く状態だが、下の写真のようにアイレベルにもなる。フレキシブルな調整が可能である。 
 
ルーペのコーティング面の反射を見るとレンズは1郡2枚構成のようだが精度は非常によく、周辺での色滲みは殆ど無い。そして視野角も広く出来ている。 
 
マグニファイヤーを取り付けたファインダーが有効画素数 	1,152,000ドット相当であるのに対してLCDモニターは総画素数921,600ドット相当で、このルーペで見ると各色のドットがしっかり見える。 とはいってもフォーカスは大変確認しやすい。ワンマン撮影ならHDMI入力を持った外部モニターを接続するよりもビルトインLCDモニターを拡大した方がお手軽でかつ高精細である。NEX-VG10のLCDモニターは921,600ドットのその内訳は1920×480となっている。ということは水平方向ではFULL HDをサポートしていることになるのか?と思ってソニーに確認したところ、回答はRGBのそれぞれを数えているためにRGBを一組を1ピクセルとすれば1/3となって640×480ピクセルだそうだ。業務用のHVR-Z5JやZ7Jでも約92.1万ドット (1920x480)という表記が行われているが、1920という数字のマジックである。RGBそれぞれを個別に数えれば1920ではある。 
ここで液晶モニターの画素/ドットについてシャープの技術情報を引用しておこう。画素/ドット 
表示のための基本単位。液晶パネルでは、RGB<Red・Green・Blue>3点(ドット)をまとめて1画素と言う。 
(RGB各1点ずつを1画素と言う場合がある。) 
<日本電子機会工業会(EIAJ)規格[現在は電子情報技術産業協会(JEITA)]では、RGB3点を1画素としている>  電子情報技術産業協会の規格に準じた表記を行うならNEX-VG10やHVR-Z5J/Z7J、S270などは640×480画素ということになる。ビルトインのLCDモニターであっても同じ液晶だから表記の規格は揃えてもらいたい。というか、これは揃えなければならないだろう。 
上でこのルーペで見ると各色のドットがしっかり見える。 と書いたがドットが見えて当然のことである。しかしこのLCDモニターの画像を現在使っている5.6吋(1024×600画素)のikanと比べて見劣りするどころか、より高精細に見えるのはソニーのTruBlackテクノロジー3.0型エクストラファイン液晶ワイドモニターが非常に優れていることに他ならない。再度申し上げるが、このLCDモニターを約92.1万ドット (1920x480) と表記するべきではなかったのではないだろうか? 
 
話がわき道に逸れてしまった。 
さて、このLCDルーペを屋内で使用する場合は問題ないが、屋外で覗くとLCDに当たる外光がけっこう邪魔になる。そこで外光を遮るために次のようなフードを装着する。 
これは先だってHVR−Z5J用のショルダーリグを作った時に使ったソニー純正のZ5J/Z7J用のLCDフードの残りものを利用している。フレームを外した残りのために大変軽量でVG10の華奢なLCDモニター取り付け部のフリクションでも自重で垂れ下がってきたりはしない。 
 
NEX-VG10はフォーカス周りが未完成だと不評を聞くが、私にとってはこの未完成さがとても面白いし、これほど楽しめる機械も珍しい。だか、もしもごれが業務用・放送用カムコーダーならリコールもありえるだろう。 
今回はたまたま手ごろなパーツが手元にあったためにVG10を仕事で使えるところまでチューニングできただけであり、ソニーには出来る限りユーザーの声に耳を傾けてファームウエアや周辺機器(拡大アイピース、LCD遮光フード等)でユーザーの気持ちに応えていただきたいものだ。 
 
参考までにケンコー光学ショップのアウトレットにリアルスコープ用のマイクロスタンド(LEDライト付)が有った。  リアスコープが付いていないので意外と安い。  
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年10月31日(日)
	
	
		
			
ということで、VG10のページではとなっている。 
だが、よく考えて欲しい。オートフォーカス対応よりも、その前にレンズ交換の意味を考えてマニュアルフォーカスで正確なフォーカス調整を行えるようにしてもらいたい。それが出来なければレンズ交換式の魅力は半減ところか皆無といわれえても仕方ないだろう。 
たとえばZEISSのプライムレンズにオートフォーカスはあるだろうか? 
PLマウントレンズにオートフォーカスレンズを欲しがる人が居るだろうか? 
EOS5D2や7Dでもそうだが、こういうカメラにマニュアルフォーカスレンズを使うことは当然のこと。意図したところに正確にフォーカスが来てこそ演出というものだ。だからこそアウトフォーカス、被写界深度が生きてくる。判りきったことである。映画を見ていればよく判るが、そのカメラワークのどれを見ても、決してAFで出来るものではないはずだ。 
と言えば「NEX-VG10はあくまでコンシューマーモデル」という返事が帰ってくるだろう。でもEOS5DMk2やEOS7Dはどうなのか?プロも使うが、結局はコンシューマーモデルではないのか? ソニーはシネアルタ  で映画の世界もリードしているではないか。PLマウント対応のF35  やSWR-9000PL  を創り出した会社じゃないか! 
世界のソニーから「コンシューマーモデルだから・・・」なんていういい訳は効きたくない。 
さて、少し怒りモードも入ってしまったが、1.35倍のマグニファイヤーを取り付けて、ほぼ実用出来るファインダー倍率になった私のNEX-VG10でも、とかく人間は欲深い。一つ手に入れるとすぐに次のものが欲しくなってしまう。暗いところでは1.35倍でもファーカスが判りにくく、ここは何とかしなくてはならない。とはいってもロケハンレベルの撮影でモニターは大げさで負担も大きい。やはり小さいカメラはフットワークが大切だ。 
 
思いついたのは余っているもう一つのKPS  だ。1.35倍に拡大するマグニファイヤーを二枚重ねすれは1.35×1.35= 1.8225倍に! そう考えて重ねてみたところ見事に拡大できた。そして画像は周辺まで歪みや滲みも無くクリアーだ。小さいながらもさすがにレンズ構成3枚だけのことはある。1.35倍で計算しているが、代理店のベルボンでは約1.3倍とうたっている。1.3倍としても1.3×1.3=1.69ということで約1.7倍となり問題は無い。 
早速取り付け方法を検討し、結果は次のようになった。 
二枚重ねにすると視野角が狭くなって全視野が見えないかと心配したが、NEX-VG10のファインダーアイピースは元々倍率が低く、1枚使用の1.35倍でもかなり周辺に余裕があり、今回の状態でも全視野が見渡せた。ただしメガネを付けて覗くと周辺でケラレが生じる。 
取り付け方法だが、マグニファイヤーに付属していた取り付け部品をVG10のアイピース部に取り付けることで対応した。ただしオリジナルのままではVG10の接眼部と干渉を起こすために切削加工を施した。
アイピースとの固定にはマグニファイヤーの取り付け部品のネジ穴とビスを使用した。また、1.8倍が不要な時は増設マグにファイヤーを外してNIKON F3P用の接眼部保護レンズ(素通しガラス)そのまま装着できた。また接眼部のネジサイズがニコンと共通になったことで35mm一眼レフ用のニコン製マグにファイヤーも使用できるようになった。手元に変倍アングルファインダー DR-5が有ったので試したところ、より一層のフォーカス精度を得ることができた。ただし DR-5はL型のため実際には跳ね上げ式のDR-2ということになるが、これは手元に無いために今回はお預けである。 
さて、このNEX−VG10用の高倍率拡大アイピースの使用結果だが、 
【面白いほどマニュアルフォーカスのピントが合う】 
ということをご報告しよう。
次の2枚は室内での絞り開放。写真は大きなサイズにリンクしている。 
 
 
次に野外でのテスト。フォーカスは遠くの鉄塔に合わせた。こちらも写真は大きなサイズにリンクしている。 
 
次は手前の電柱に合わせたもの。18-55mmのコンパクトズームで焦点距離は55mmで絞りは開放(F4.5) 
 
ちなみにこのKPSマグにファイヤーだが、販売店によってかなりの価格差がある。 自分で改造しようと考えている人もいると思うので、安いショップのリンクを貼っておくことにする。それほど大変な作業ではないし、私が行った作業ではNEX-VG10に削ったり穴を開けたりの加工は加えずオリジナルのままだ。他にも様々なチューニングを行ったが、基本はVG10には加工を加えずである。 
ただしこういう作業はお約束どおり「あくまで自己責任で行ってください」という但し書きが付く。作業は慎重に行っていただきたい。
 
メーカーが拡大フォーカスを装備し忘れた?ために色々工夫しなければならないのは決していいことではない。ソニーにあっては一日も早く拡大フォーカスと音声入力レベルののマニュアル調整、そして24Pに対応したファームウエアを公開していただきたい。 
現にCANONはEOS5DMk2において下記のファームウエアアップデート  を行い、現在はVersion 2.0.8に上がっている。 
 
NEX-VG10においては再生時の拡大機能は備わっているが、撮影時は使えない。しかし動画で使用する際のPHOTOボタンはクイックフォーカスに割り当てられているが、動画撮影では未割り当て。また静止画撮影時のRECボタンは全く割り当てが無い。このあたりを拡大フォーカスに割り当ててくれれば使いやすい拡大フォーカスになるはず。 
この機能もNEX5では備わっているのにVG10に無いというのはいささか疑問である。 
NEX-5のページより引用また音声レベルはメニューの追加となるが、それほど大変なものではないと思う。 
CANONに出来てSONYに出来ないはずは無いと私は期待している。
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年10月19日(火)
	
	
		
			
【カムコーダー ショルダーリグ】  という検索が非常に多い。ヒットするページはフィールドレポートのアーカイブ【グライドカムの移動ショット一段落です】  そして【HDVカムコーダー・小型カムコーダー用ショルダーリグ】  が最も多い。1番にヒットするページにはショルダーリグという記述はあったが、新しく作ったショルダーリグの記載が無かったので検索者への利便性を考え、先日 
2010.10.15追記 ショルダー型カムコーダーのパーツやビューカメラのパーツを再利用したエコなショルダーリグを開発しました。 
こちらに詳細を掲載しています。  現在のところ自社用ということで販売は考えておりません。 という記述を書き加えた。 
実物の写真はこんな感じになる。これは初期モデルでバッテリーケースは1本用になっている。 
 
実際に私が現場(約時間担ぎっぱなしを2回の現場)で使ってみた結果はかなり良かったが、もう少し後ろを重くしたいと感じた。いつもHDCAMなどの標準サイズのショルダー型カムコーダーを担いでいるM君とも相談したところ、 
「これはいいですわ!普通に担げますやん!ファインダーも見やすい」となったが、やはり後ろをもう少し重くした方がいいという感想。そこでバッテリーケースを2本に交換してリチウムイオンよりも重いニッカドタイプのバッテリーを2本入れた。結果はほぼ満足のいくバランスになったが、ワイヤレスマイクのレシーバーを外したり、ワイドコンバーターを装着すると若干まだ前が重い。BP-90型のバッテリーケースは余っているが、あまり重くなっても良くないだろうと、ショルダーパッドをスライド出来るように変更した。 
次の写真が改良したショルダーリグ。 
M君に2時間半×2回のライブステージで担いでもらったが問題は無かった。ハンドヘルド嫌いのM君だが、これからは嫌わずに担いでくれることになった。 
 
我々が必要を感じたように、おそらく世界中のハンドヘルドカムコーダーのユーザーは必要としていると思う。こういったものは我々ではなく、カメラメーカーや周辺機器メーカーから出てきても良さそうだが、どこの製品も展示会などで実際に担いでみると「帯に短し襷に長し」で購入には至らない。設計している人がカメラマンではないということだろうか。昨日もあることで某巨大メーカーの開発担当の方から電話があった。こういった前向きな姿勢は歓迎する。アイデアや考えは墓まで持っていっても何の得にもならない。考えていることを具体化してくれるであろうメーカーさんであれば、聞かれればなんでも答えていくというのが私の姿勢である。 
現在もある映像機器メーカーのコンサルティングをしているが、自分の考えたことが製品に反映されることは非常に嬉しいし、また実際に使う立場としても有難い。ただし機密保持契約を交わしているので製品が発売されても密かに喜んでいるということになる。 
最近メーカーが発売前の製品をこういう立場の人に渡してブログやHPで評価するということが流行っているようだが、これについては反対する。というのも、こういった契約を結ぶと絶対に悪い事は書けない。無償提供された代償にブログで褒めても信用は出来ないだろう。「良いものは良い、悪いものは悪い」である。購入して本当に良かったものはいくらでも褒めることが出来る。 
 
このブログにリンクがある「自作の人生」  さんもソニーのDXCシリーズのショルダー部分を使って同じようなショルダーリグを作られていた。なんと、製作された時期が私とピタリと一致している。連絡を取り合ったわけでは無いが。つまり時期も同じくして欲しいものが一緒だったということで、これは世の中のユーザーが皆が欲しているものということらしい。 
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年10月03日(日)
	
	
		
			
フィルターの老舗ケンコー(http://www.kenko-tokina.co.jp/  )から発売されそうだ。 
 
デジカメWatch  によるとフォトキナで発表され、年内には発売とか。大いに期待したい。 
ケンコーブランドでは光の透過量を可変できる「Variable NDX ND2.5-ND1000」を展示。価格は未定だが、2010年内の発売を予定している。82mm径と77mm径をラインナップする。 
露出倍数を2.5〜1,000の間で連続可変できるNDフィルター。可変NDフィルターは前回のフォトキナ2008でも参考出品していたが、今回、明るい側を露出倍数2.5まで上げることができたため製品化に踏み切った。レンズにつけた状態でも、構図の確認ができるとする。     
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年10月01日(金)
	
	
		
			
【nex5 ニコン18-200ズーム用マウントアダプター  】という検索だった。 
絞り環の無いニコンのAFレンズの場合ソニーのEマウント(NEXマウント)では普通のマウントアダプターだと絞り値が最大(最も暗い)まで絞り込まれてしまうので使えない。 
 
このNEXアダプターは台湾製のものでレンズ側マウント部分にレンズの絞り連動ピンを動かすリングが付いている。指標はないが、これが絞り環として動作する。 
 
アダプター内部の絞り駆動用のピン。リングと直結されているのでリングの回転角は小さいが、適度なフリクションがあるので希望する深度になる場所で問題なく止まっている。絞り環が付いたニッコールレンズの場合はレンズの絞り値をセットしたまま、ワンタッチで開放に持っていくことが出来る、云わばプリセットボタンのようなことも出来る。 
 
AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDの絞り連動ピンである。このレンズを使うためにこのアダプターを探し出したといっていい。この60mmマクロレンズはそれまでのマイクロニッコールとは違い、フォーカスをレンズの繰り出しだけではなく、焦点距離を可変することで合焦させている。そのため中間リング無しで等倍まで撮影できるわけだが、それよりも嬉しいことはファーカシングの際に画像の大きさが変化せずに合焦点だけが移動する。つまりズーミングしないでボケだけが変わる特性を持っている。写真の場合にはあまり関係ないが、動画では非常に有り難い。2/3吋TVレンズでマクロ機能を使って行っていたことがフォーカスで出来る。機構は判らないがHVR-Z1Jに付いているツァイスのレンズもフォーカスで画像の大きさが変わらないのでフォーカスを送ったり寄せたりする時の映像が美しい。ただし1/3故に深度が深いのは仕方ない。 
 
NEX-VG10にこのマウントアダプターで取り付けたAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDである。もちろんAFやボディー側からの絞り制御は出来ないが、ナノクリスタルコーティングのお陰で大変クリアーな映像が撮れる。このアダプターはどのニッコールレンズをつけた場合でも確実に無限が出るように若干オーバーイングになるように作られている。そのままでは無限遠を越えてしまうので、遠景の撮影では∞に気を付けなければならない。正確なフォーカス合わせがポイントになる。そのためにフランジバックがニコンFマウントの規定であるフランジバック46.5mmより0.3mmほど短い。今回検索されていた【nex5 ニコン18-200ズーム用マウントアダプター】だが、このアダプターではニコン18-200や18-70などのズームレンズでは引きボケを起してしまう。マウントと鏡筒の接合面に極薄のアルミ板などを何枚か重ねて挟むなどしてフランジバックチャートを見ながら追い込まなければならない。 
 
以前このブログにマウントアダプターを紹介  したが、写真にある2つのマウントアダプターも若干フランジバックが違う。ズームレンズで問題なく使えたのは右奥に写っている方だけだった。出来ればフランジバック調整機能が付いたNF→NEXマウントアダプターが発売されないものかと期待する。 
 
今回のアダプターは神奈川の小菅さんから購入した。「物売りの魂」  というブログで販売様々なアダプター類を販売されている。メールでのレスポンスも良く、安心して購入できた。 
また、どうしても国産で!と言う人には宮本製作所  から絞り環がついたマウントアダプター  が発売されている。ただし近代と同様に価格は台湾製の倍以上ということになる。 
 
気になっていいたフランジバックについては後日レンズ側のマウントとアダプターの鏡筒との間に何種類かの極薄いスペーサーを挿入してフランジバックチャート  を撮影しながら追い込んで、現在は各種のMFニッコールズームレンズと組み合わせても引きボケ・中ボケも起こさないようになった。しかし一部のAFズームレンズではテレ端でフォーカスを合わせてワイド端まで引くとフォーカスが甘くなるものもある。やはりAFに依存した設計が行なわれているのかも知れない。こういたレンズで正確にフランジバックをあわせるにはフランジバック調整機構を備えたマウントアダプターが必要ということだろう。 
フランジバック調整の結果はFieldReportに掲載  しているので興味のある方はご覧頂きたい。  
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年09月23日(木)
	
	
		
			
YouTubeを見ると新発売の大人の玩具に夢中になっている人が沢山いる。 
 
Charles MichelさんはNEX-VG10に夢中なように見える。ミッシェルチャールズビデオアカデミー  は2010年4月初めにオープンしたテレビ制作会社CAMERACREW.CH  社傘の下の学校というか、ワークショップらしい。東通が作った放送芸術学院のようなものか。 
アカデミーのサイト  には他の動画もアップされている。 
これはソニーのプロモーションビデオ。下のものもソニー。
 
 
ビデオサロン誌  の作例。EOSやGH1との比較なども入っている。
 
NEX-VG10をYouTubeで検索  すると様々な作例が上がっている。まさに玩具に夢中な大人たちだ。 
 フィルム風な処理を施したものもある。 
 これはNEX-5用のパンケーキレンズ16mm F2.8だけで撮ったもの。光量調整は偏光フィルターを二枚掛けして可変NDとしている。 
VIDEO 
  
			 
		 
	
	
 
 
 
 
	
	
		
			
先般発売されたソニーのNEX-VG10だが、巷では動画撮影カメラで有りながらNDフィルター(光量調整用ニュートラルデンシティーフィルター)を内蔵していないのは具合が悪い、不便と評判が悪い。確かに2/3吋や1/2吋、1/3吋撮像素子のビデオカメラには1/64、1/16、1/8などのNDフィルターが内蔵されていてワンタッチで切り替えることが出来る。またCCフィルターも内蔵している。屋外から屋内、太陽光から電灯光など、現場に合えあせてカメラマン、VEが切り替える。これらのフィルターはアクセサリーではなく、ビデオカメラの必需品である。 
 
では何故ハンディーカムとして売り出されたNEX-VG10にNDフィルターが内蔵されないのか?【光量が強いときはアイリスを閉じてシャッタースピードを上げればよい?】アイリスを絞ると被写界深度が深くなり、せっかくの大型撮像素子の浅いフォーカスが台無しになり、絞りすぎると回折によるボケや集光力の減少による解像力の低下が起こる。またシャッター速度を1/60秒より早くすれば動画の動きがパラパラとしたものになりマルチストロボ状態になる。60iで記録する場合フィルムカメラの開角度で見ると1/60秒では180度、1/50秒で240度、1/40で300度、1/30秒では360度となり、適切なシャッタースピードを設定しなければならない。 
つまりNEX-VG10ではアイリス値は画作りに合わせた被写界深度で決まり、シャッタースピードはむやみやたらに変えてはいけない。それで露出オーバーになる場合はかならずNDフィルターや照明で調節する。
ということはNDフィルターは必要不可欠であり、それが内蔵されていないのは大変不便なことだ。 
ではここで写真を見ていただきたい。 
 
これはNEX-VG10のレンズを外したマウント部分。APS-Cサイズ(35mmフルサイズの約半分)の撮像素子が見える。もしこの前に3種類のNDフィルターと素通しフィルターを取り付けたターレットを取り付ければどうなるだろう。ターレットの直径は約10cm程になり、それと回転機構を組み込むととんでもない大きさになってしまう。また、鏡面になった撮像素子と平行にガラスフィルターが並ぶことは光学的にもゴーストやフレアといった弊害も生じる。NEX-VG10に限らず、キヤノンのEOSや松下のGH-1、GH-2、そしてソニーのNEXやアルファなどでは撮影者がシーンに合わせてレンズのフロントにNDフィルターを装着することが望ましい。我々のように4×4吋や3×3吋のNDは理想だが、汎用の丸型フィルターでなんら問題ない。ND-2とND-4、ND-8は用意したい。もしくはND-4とND-16でもよい。足りない時は2枚重ねて使ってもよい。また、液晶を分解したことのある人は知っていると思うが、表面のフィルムの向きを変えると明暗が変化する。昔8mmフィルムで使ったフェーダーのように偏光フィルターを2枚重ね合わせる方法も光量調整の方法として使えるが、偏光の影響やフィルターの特性からニュートラルな色合いが出るかは状況によって異なるだろう。 
 
今回の表題【NEX-VG10はNDフィルターを内蔵していないのが正しい!】は検索キーワードではなく、NEX-VG10の悪評に対する私の見解である。メーカーにも「何故NDフィルターを内蔵しなかったか」についてその理由をわかりやすくユーザーに伝えてほしい。しかし将来的には電気によって光の透過率を調整できるフィルムなどが実用化されるだろう。NDだけではなく、RGB各色毎に調整できれば電子CCフィルターにもなる。最近の科学技術の進歩する速さを考えれば決して夢ではないと思う。もしかすれば既に実用化されているかも知れない。 
 
余談だが、量販店の販売員に動画の露出調整はアイリスとシャッター速度で行うと思っている人がいることは残念なことだ。さらに民生機のビデオカメラに【オートシャッター】機能が有り、さらにシャッター速度を可変させて適正露出を決めるモード【絞り優先オート】が存在することも困ったものである。 
 
まず1枚、1/16(4絞り)のNDフィルターは揃えたい。左が16mm用のΦ49mm、右が18-200mm用のΦ67mm。 ケンコー光学ショップ 楽天市場店で安く入手できる。 
  
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年09月17日(金)
	
	
		
			
【NEX-VG10 ニッコール  】それに【NEX-VG10 NIKKOR  】という検索がもの凄く多い。 
NEX-VG10というのはソニーが発売しているAPS-C撮像素子を用いたレンズ交換式デジタルカメラNEX-5やNEX-3をハンディーカムとして出してきたもので今月10に発売されたもで価格は18-200mmF3.6-6.3のズームレンズをセットで198,000円だ。発売前に予約し、16GBメモリースティックをセットで購入した。 
NEX-VG10とは思えない姿になっているが、これがマットボックスを取り付けたVG10。 
ボディーのみの販売は行われていないので、購入した3日後には上の写真に装着している18-200mmのレンズはNEX5ユーザーに売却してNikon Fマウント→NEX Eマウント変換アダプターを購入してニッコールレンズが使えるよいうにした。APS-Cサイズなので標準画角は35mmF1.4を使用し、F2.0より明るいレンズとして24mmF2、28mmF2、55mmF1.2、85mmF1.4、135mmF2、200mmF2をNEX-VG10で使用することを前提にした。2/3吋や1/2吋、1/3吋の撮像素子では得られない浅いフォーカスを得るために購入したVG10である。 
 
上の写真がNikon→NEX変換アダプター。電気的な接続は無く、アイリスはレンズの絞環で行う。ソニーのÅマウントレンズやEマウントレンズではカメラ側からアイリス調整するが、アイリスは連続可変ではなく段階変化する。その点マニュアルニッコールではアイリスを無段階に任意に設定できる。純正よりも動画向けということが出来る。 
しかしNEX-VG10のコンパクトさを生かしてスナップカメラとして使うためにオートフォーカスが効く16mmF2.8は別途用意した。18-200mmがMade in CHINAだったが16mm F2.8はNikon D300や18-200mmと同じMade in THAILAND。今や日本のモノ作りを脅かす存在、もしくは越える存在になったタイ王国の工業製品にはニコン製品の経験からも大きな信頼を感じている。 
 
 
ここで古きよき時代の日本のモノ作りを感じさせるアイテムを紹介しよう。 
NIKON F2時代に供給されたFマウントの全金属製ボディーキャップBF-3初期型(TC-14Bに付属してきたもの)だ。マウントのロックピンが噛み合うように作られていて、レンズマウントのロック解除ボタンを押さなければはずれない構造で、精度はレンズマウントに準じている。 
レンズを外したNEX-VG10の場合はフィルムと違って埃は致命傷だ。たまたま持ち続けていたBF-3がこんなところで役立つとは思いも寄らなかった。フィルムから撮像素子に変わった現在、デジタル一眼レフ用として再びロック機構のあるボディーキャップを作ってもらいたいものだ。  
			 
		 
	
	
 
 
 
 
2010年08月20日(金)
	
	
		
			
【プロカメラマン レンズにつける ズームレバー 販売  】という検索だった。 
検索されたページで紹介しているが、私が使っているものはクロジールのFluid Zoom Drive  というもの。 
レンズもしくはマットボックスのロッドに付けて使用するものだが、最も簡単に取り付けが出来るレンズ直付け用のマウントを使用している。 
オイルダンパーのノブダイアルを回すことでズームレバーのトルクが増減できる機構はビンテンのドラグ調整のような機能なのだろうか。必要なズームスピードに合わせて調整する。 
 
オイルダンパーとロッドへの固定部分。ロッドに固定する場合は専用ののアダプターを使用するが、もっぱらレンズ直付けが便利。ズーム用ではあるが、取り付け位置をフォーカス側に移動させることで簡易的なフォローフォーカスにもなる。 
 
レンズ直付け用のマウント(台座)で、元々はJ14aと一緒に信誠商事(当時クロジールの代理店)で購入したものだが、レンズへの取り付け部分を切削してキヤノンHJシリーズでもアイリスリングに緩衝しないように加工している。 
 
写真はこの夏に洛北で行ったPVロケだが、HPX-555にHJ-17とHJ-11を使用してこのFluid Zoom Driveを取り付けている。 
 
現在Fluid Zoom Driveは銀一  とスズキエンタープライズ  そしてフォノン  が代理店となっているようだ。