撮影技術 フィールドレポート   LIST view  RSS
撮影技術会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)
以前の記事は該当月をクリック→ 2008年04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2009年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2010年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2011年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2012年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2013年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2014年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2015年01月 02月 03月 04月 05月 
2016年01月 
2017年01月 

■2010年08月30日(月)  LSCAM
SONY NEX-VG10の発売までもう数えるほどの日程になりました。

さて、この新しいカムコーダーはこれまでのカムコーダーと何処が違うのでしょうか?
レンズ交換式?
これまでに使ってきたデジスタイルの小型カムコーダーは専用レンズが固定されていましたが、業務用カムコーダーはDVCAM/HDCAMなど全てレンズ交換式で、必要に応じてショートズームや超望遠レンズ、時に光学防振レンズに交換していました。レンズ交換式ということは何ら新しいことではありません。
一眼ビデオカメラ?
二眼ビデオカメラって何?ということでビデオカメラの殆どは撮影レンズ=ビューレンズであり、二眼ビデオと言えばP社の3Dカメラを思い浮かべてしまいます。
デジタル一眼
確かに最近良く使われているEOS5Dmk2やEOS5Dはデジタル一眼レフレックスカメラに動画機能を搭載したスチルカメラで「デジタル一眼ムービー」「デジ一」という言葉も一般的になってきました。
でも考えてみるとDVCAMやHDV、HDCAMなど全てデジタルプロセスカメラで、上にも書いたようにレンズは1本ですからこれらもデジタル一眼ムービーということになってしまいます。

ではNEX-VG10がこれまでのカムコーダーと大きく違うところに注目してみます。
最も大きな違いは撮像素子が大きいことです。現在このサイズの撮像素子が使われたカムコーダーはHDCAMの最上位機種CINEALTA F35(F23は2/3吋)やRED ONEなどのデジタルシネマということになり、民生機や民生機をベースにした業務用カムコーダーの分野ではNEX-VG10が初めてではないでしょうか。(NEX-VG10は民生機のハンディーカムになります)
これまで1/3吋や1/4吋カムコーダーではDOFユニットを用いて浅い被写界深度を表現してきましたが、APS-CサイズのカムコーダーNEX-VG10では35舒豐礇譽嬪僂筌リンパスPEN F用、ライカLマウントの古い交換レンズを用いて比較的簡単に浅い被写界深度を得ることが可能です。もちろんEOSでもそれは可能ですが、写真撮影用に作られたEOSではかなり特殊な周辺機器を用いないとカムコーダースタイルにはなりません。
参考に「自作の人生」さんがアップされている自作DOFアダプターのYouTubeを貼っておきます。


ソニーが出したデジタルカメラでAPS-Cサイズの撮像素子が使われたものにサイバーショットDSC-R1(販売終了)という製品がありましたが、残念ながら動画機能は搭載されませんでした。以前BLOGに書いた記事最新の光学設計技術を駆使してもミラーの存在はレンズ設計者にとって大変な障害と書きましたが、NEX-VG10はレンズから撮像素子までの光路に一眼レフのようなミラーはありません。そのおかげでライカのLマウントレンズ(キヤノンや小西六のヘキサノンも)やコンタックス、ニコンSマウントなど、ミラーのないレンジファインダーカメラの交換レンズも使用できます。つまり一眼レフのようにミラーボックスを持ったカメラと異なり、フランジバック(マウント面から撮像面までの距離)が短いことでレンズの選択肢が広いことも大きな特徴だと思います。

NEX-VG10の特徴を並べると
・スタイルが動画撮影用にデザインされたカムコーダースタイルである。
・撮像素子が大きい。
・フランジバックが短い(レンズ設計が自由・既存レンズの選択肢が広い)
ということになります。
そこでこの新しいカムコーダーをどういった呼び方が相応しいのかを考えると
Large Sensor Camcorder with Short Frangeback
または
Short Frangeback & Large Sensor Camcorder
もしくは
Large Sensor & Short Frangeback Camcorder
ということになるのでしょうか?

しかしこれではややこしいので、その最大の特徴であるLarge Sensorを略して
LSCAM もしくはハンドヘルドをデジと呼ぶことから LSデジ
いかがですか!

■2010年08月20日(金)  2010年9月2日は?
2010年9月2日は?というと防災の日の翌日。お陰さまで今年も9月1日は3カメ中継の仕事をさせていただきますが、翌日9月2日は何の日?といえば、それはニコンから新しいレンズが発売される日です。
まず1本目はコレ

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRです。
これまでこのクラスのレンズと言えばDXフォーマットのAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR IIでしたが、今回はFXフォーマット(35mmフルサイズ)で登場します。
大きさはDX用18-200mmがアタッチメントサイズ72mmに対しFXの28-300mは77mmとなり、重量も約565gから800gと大型化しています。レンズ構成も12群16枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚)から14群19枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚)に増えています。
二つを並べてみるとこの程度の差でしょうか。

AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II

AF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VR

DX専用の18-200mmが持つ機動性がようやくフルサイズのD700やD3sで使えることになります。テレ端での開放F値5.6は暗いようですが、FXフォーマットの感度を考えるとDXよりは確実に有利です。またこのAF-S NIKKOR 28-300mm f/3.5-5.6G ED VRをDXフォーマットで使用するとフルサイズ換算で42-450个箸覆蝓△海譴眤臺儺‘粟に富んだ焦点距離だと思います。ちなみに笹邊が愛用するAi Zoom Nikkor ED 50-300mm F4.5は2,200g、Ai Zoom Nikkor ED 50-300mm F4.5Sは1,950gもあります。絞り環の付いた50-300mm F4.5は動画専用にして、スチル用はそろそろ乗り換えの時期でしょうか。

また同日にDXフォーマット用の新しいレンズAF-S DX NIKKOR 55-300mm f/4.5-5.6G ED VRも発売されます。
こちらは35丱侫襯汽ぅ佐校擦82.5mm-450mmとなります。またこのレンズはメーカー発表によると
交換レンズに初の搭載となる高屈折率(HRI= High Refractive Index)レンズにより小型・軽量化、良好な描写性能を実現
屈折率が2.0以上と高いため、1枚のレンズで通常の光学ガラスの複数枚のレンズと同等の効果を得ることが可能。さらに、1枚で像面湾曲と球面収差を同時に補正することができるため、望遠側焦点距離300mmの約5.5倍超望遠ズームレンズでありながら、小型・軽量化を実現。また、開放から全画面にわたってコントラストの高い鮮鋭な描写を実現

ということで期待できます。さらに価格は上記28-300mmの半額以下で48,000円(税抜)という破格。安かろう悪かろうではなく、〜安価なレンズにこそニッコール魂が宿る〜というニッコール千夜一夜物語を思い浮かべます。

以下「第二十一夜 Nikkor-T 10.5cm F4 - ニッコール千夜一夜物語」より抜粋
-----------------------------------------------------------------------------
"今も昔も、廉価版レンズの商品化で問題になるのは、性能と価格のバランスです。日本には "安かろう、悪かろう" という言葉があります。巷の安価な商品の中には、コストを下げるために、あたかも品質も下げてしまったかに見える商品もあります。皆が期待を裏切られた時、こんな言葉を口にしたのです。しかし、ニコンのモノ作りは、この言葉とは全く逆の発想です。昔からニコンには "広く世間の人に使っていただく廉価版商品は、上位機種にも勝るとも劣らない性能を有していなければならない。" という心意気ともいえる考え方があります。なぜなら、低価格商品はコンシューマー層のお客様の殆どが手にする商品になるわけです。それがレンズの場合、その1本の廉価版ニッコールレンズの品質こそが、全てのニッコールの品質を代表していると思われてしまうからです。多くのお客様に満足していただくには、開発者が一生懸命に知恵を絞って、価格と性能を両立させなければなりません。それは最高級品を開発するよりも、ある意味難しい試練なのです。そんな、時代を超えた開発者の思いが、このレンズに宿っていました。まさに、ニッコールの名と共に脈々と受け継がれている設計思想に他ならないのです。"
-----------------------------------------------------------------------------
さらに9/16にはフルHD動画(H.264/MPEG-4 AVC)も搭載した廉価版クラスの新機種NIKON D3100も発売されます。
新製品ラッシュの秋、食欲を忘れて物欲に走る人も多いのでは無いでしょうか。

■2010年08月15日(日)  お盆はいかがお過ごしだったでしょうか
みなさんお盆はいかがお過ごしだったでしょうか。笹邊のお盆は仕事。昨日までずっと撮影が続いておりました。けっこうきつい仕事でしたが終わってしまえば請求書を書くだけ。でも暑かったです。
週の初めは大阪南港。海辺は涼しくて気持ちがいいです。

そして怒涛の一発目は急遽依頼を受けた助っ人カメラマン。ピアノコンサートの3カメカメラマン。笹邊は体一つにリターンビデオ確認用のiKanの5.6吋モニターを持参で出張です。朝7時に京都に集合、奈良へ移動して仕込みをすませて本番終了は19時半。
翌日、翌々日はある有名企業の30分インフォマーシャルの撮影。守秘義務がありますので書きませんが、P2カムコーダーのHPX-555とタイヤドリーなどを使って撮影しました。照明さんと朝6時半に待ち合わせて彦根に移動して撮影開始。その後大阪市内などを移動して初日終了。オンエア用のドキュメントタッチの作品で6割がハンディー。現場終了は2200でした。この日M君は朝から野球の現場です。
そして翌日はインフォマーシャルをM君にバトンタッチして、笹邊はスチル撮影。
ハウススタジオで照明部さんにHMIを入れてもらいました。カット数は約30で新商品のカタログになります。
助手は先般プロ登録したJr.ですが、もっと経験を積まなくては一人前にはなれません。

2日間のスチル撮影を終えて昨日はプロ野球チームも持つ企業のプレゼンテーション用VPの撮影でM君とロケ。カメラはM君に任せて笹邊は助手兼ドライバー。すこしゆっくりさせてもらいました。そしてジュニアは阿波踊りの取材で徳島へ。

けっこう忙しい思いをしたお盆でしたが、今日は夕焼けがとても綺麗で、吹く風も何処と無く秋の雰囲気です。明日から少しは過ごしやすくなるのでしょうか。
そして嬉しいことにiPadのUSBアダプターが到着していました。サンプル映像をiPadに入れて持ち歩けるようになります。フラッシュは見えませんがQT系のH264やWiFiで見るYouTubeとUSTは営業に使えますね。

■2010年08月15日(日)  VG10の超広角はこのレンズに決まり!
先に書いたAPS-CのSONY NEX-VG10ですが、撮像素子のサイズがフルサイズで無いため、ニッコールの15mmF3.5を付けてもその超広角性能は発揮できません。
いろいろ探して見つけたのはシグマのAPS-C用レンズ8-16mm F4.5-5.6 DC HSMです。

絞り環はありませんが、このレンズは各メーカー用が発売され、もちろんソニー用も出ています。それに用のAマウントアダプターを付ければNEX-VG10からアイリス操作ができることになります。
APS-Cで8-16mmだと画角は114.5°〜75.7で、動画で使用しても100°以上の広角で撮影が可能です。
広角レンズの問題が解決できればシーンによってEOS5Dmk兇隼箸なける必要もなくなります。9月の発売が待ち遠しいですね。

■2010年08月09日(月)  SONY NEX-VG10
来るべきものが来た!ということでしょうか。ソニーのAPS-C撮像素子のNEX-VG10です。
これまで浅い被写界深度を得るためにキヤノンEOS 5D Mark兇鮖箸辰討い泙靴燭、この秋に発売されるNEX-VG10は撮像素子がフルサイズではないもののAPS-Cサイズ、つまりEOS 7Dと同じサイズになっています。撮像素子の面積が35丱侫襯汽ぅ困EOS 5D Mark兇鉾罎戮凸麋省で35mm一眼レフ用の交換レンズを付けた場合は画角が1/1.6(動画では1/1.8)と狭くはなりますが、それでも1/3吋のHVR-Z1J/Z5J/Z7Jなどに比べると撮像面積は約19.5倍と圧倒的な大きさで、まさにシネフィルムのサイズです。HDCAMなどの2/3吋と比較しても約10倍もあります。

なぜNEX-VG10なのかといえば、そのスタイルです。Z5JやZ7Jよりもひと回り以上小さなサイズはHVR-V1JやHDR-FX7よりも小さくなっていますが、操作性は動画用そのもの。スチル用のEOS 5D Mark兇箸倭瓦異なります。
実機を触った人の話によると
残念ながら映像出力のHDMI出力にモニターを付けると本体の液晶モニターが消えるそうです(2010.08.23)
やはりNEX-VG10はハンディーカムに分類されますが、動画専用というよりは静止画(写真)カメラを動画用に発展させたものということでしょうか。
鼻マイクが緩衝するかは現時点で確認はしていませんが、ファーブルフォトEXにVG10を付けれればファーブルカムになるのかな考えます。液晶が観察者側に向くのも良いだろうし、液晶の画像もデジタル一眼レフのライブビューよりも滑らかになると期待します。
ちなみに静止画のスペックは
記録形式 JPEG(DCFv.2.0、Exif v.2.3、MPF Baseline準拠
アスペクト比 3:2 L:4592×3056(14M)、M:3344×2224(7.4M)、S:2288×1520(3.5M)
アスペクト比 16:9 1 L:4592×2576(12M)、M:3344×1872(6.3M)、S:2288×1280(2.9M)
画質モード:FINE

ということでEOS 5D Mark兇5616×3744ピクセルには及ばないもののNIKON D3sの4256×2832よりも大きなサイズで撮影できるほどです。(もちろん画像処理や素子の事もあって一概に比較できるものではありませんが、Z5Jなどの静止画機能とは格が違うことは確かでしょう)

付属の標準レンズE18-200mm F3.5-6.3 OSSは12群17枚(非球面4枚、EDガラス1枚というスペックで、デジタル一眼レフのレンズキットレベルだとは思いますが、まずはこのレンズが同梱されてきます。
あちこちでデモ機のレビューが上がってきて「大判撮像板の割には感度が低い」という意見もありますがそれはレンズの開放F値が原因です。E18-200mmはワイド側でF3.5、テレ端では6.3まで落ちます。これは致し方ないことで、例えばAPS-Cサイズで標準画角になるAi Nikkor 35mm F1.4Sや中望遠になるAi 85mm F1.4Sを取り付ければ約3絞りほど稼げます。これを感度に換算すれば8倍ほどの感度アップに相当します。ズーミングでF落ちしないAi 35-70 F3.5やAi-s 50-135F3.5、Ai-s 80-200mm F2.8、そしてAi-s 50-300mm F4.5なども十分使えるでしょう。もちろん広角の15mm F3.5やFish-eye Ais 16mm F2.8なども画角は1/1.6(動画では1/1.8)になりますが(焦点距離でいうと15个魯侫襯汽ぅ困24个砲覆蠅泙后暴淑広角レンズとして使用できます。
SONY NEX-VG10は以上のことだけでもスチルカメラとムービーカメラのベクトルが一致した新しいスタイルだと考えますが、弊社にとってNEX-VG10はもっと違った魅力があります。それはニコンのスチル用に用意しているマクロ環境です。沢山のマイクロニッコールやベローズ(蛇腹)併用するELニッコール、APOニッコール、製版用ヘキサノン等。さらに拡大撮影用のNikon 5x F2.6 Ophthalmology lensやオリンパスの顕微鏡マウントZuiko Macro 38mmなどが使えること、他にもシフト機能のついたPCニッコール28mmやチルト機能が付いたベローズPB-4などの使用です。現在保有しているニッコールのリストはコチラにあります。
SONY NEX-VG10は従来の三板式ムービーカメラとは違って単板式が採用されているためにチルト・シフトを用いてもプリズムによる収差が出ません。これは放送用カムコーダーでは不可能なことで、この部分だけでもSONY NEX-VG10には大きな魅力があります。
SONY NEX-VG10、笹邊が待ち望んでいたカムコーダーであることは間違いないでしょう。デジ一動画の広角はEOS 5D Mark兇濃ることはこれまでどおりですが、それ以外はこの愛らしいNEX-VG10が活躍してくれるのではないでしょうか。ニッコールレンズとマットボックスが付いたSONY NEX-VG10のスタイルに期待が膨らみます。入荷は9月だそうです。NEX-VG10に注目されている方は絞り環が付いた旧タイプのニッコールレンズやFDレンズ、OMズイコー等の中古が高騰しないうちに入手されることをお薦めします。笹邊がEOSと合わせてWEBで紹介したためか?(そんなことは無いと思います)すでに昨年比で150〜200%になっているものも有ります。
(今回の記事に掲載した写真はオーダー先のシステムファイブさんのものを借用しました)

以前の記事は該当月をクリック→ 2008年04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2009年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2010年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2011年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2012年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2013年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2014年01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月 12月 
2015年01月 02月 03月 04月 05月 
2016年01月 
2017年01月 

一覧 / 検索