撮影技術 フィールドレポート   LIST view  RSS
撮影技術会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)
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■2012年03月22日(木)  空間光学手ぶれ補正
ソニーのハンディーカムHDR-CX720Vに搭載された新技術「空間光学手ぶれ補正」
これはもう完全に3軸ジャイロ。
世界のソニー”流石ですね。




知り合いがHDR-CX720Vで撮影したサンプルをアップしています。


カメラの能力だけではなく、この小さな民生機を使いこなす技術が素晴らしいです。
※普段は2/3吋のショルダータイプXDCAM HDカムコーダーをご使用されています。

空間光学手ぶれ補正のレンズが動く様子がYouTubeにありました。上下方向の補正と左右方向では乗数が違うのでしょうか、左右のパンが利くように少し抑えているようです。


こちらは同じくYouTubeで見つけた笹邊お気に入りのHDR-CX720Vの車載動画。素晴らしいです。
他の動画の走行エリアを見ると青森方面の方のようですね。素晴らしい動画に感謝です。


手ぶれ補正だけではなくワイド端の湾曲の少なさも素晴らしいと思いました。


HDR-CX720Vに搭載された「空間光学手ぶれ補正」は1920x1080/60pの能力や広角性能と湾曲性能も加わってこれからの撮影シーンを塗り替えるのではないかと期待します。やっぱり“世界のソニー”凄いです。

■2012年03月20日(火)  神戸オープンロケ
先日天候が悪くて室内のみの撮影で終わった神戸異人館のオープンロケです。

まずは風見鶏の館から。ほんとにいいお天気になりました。

カメラはNEX-VG20にロッドサポートを付けています。三脚はサクラーVIDEO 18 Plus。小さなカメラですが、意外と大きな三脚を欲しがります。EOSでもそうですが、大判撮像素子のカメラは概ね大きな三脚の方がいいようです。

フィルターを使わない場合でも状況が許せばマットボックスとフラップは使いたいものです。ただし人ごみでは十分注意しなければ怪我をさせてしまいます。用心用心。

レンズはAiニッコール15mmF3.5を使用しました。今のところシフトが出来る最広角レンズになります。これより広いシフトはあの「毒キノコ」Nikkor 13mm F5.6ということになるでしょうか。シグマの8-16mmをF8に固定してシフトアダプターに付けてみましたが、やはりAPS-Cのためイメージサークルが足りません。

こちらは萌黄の館です。微妙な色合いは難しいですね。オートホワイトで撮ると下のコンパクトデジカメのように色が変ってしまいます。

下から見上げるショットでも見た目の違和感をシフトレンズで改善しています。

うろこの家ではレンズを17-35mm F2.8に交換しました。絞り環が付いたズームレンズは普通のニッコールレンズと同様にシフト撮影が行えます。

ここはラインの館。無料公開されいますが、屋内や庭を三脚使用で撮影するために、制作さんが事前に連絡をして許可をいただきました。

通りのドリーショットもとてもいい天気で、気持ちのいい撮影が出来ました。カメラ無しでぶらついてみたいものです。

ラインの館前のバス停。運良く二台のバスが並んでくれました。神戸の山手はほんとに異国情緒豊かな街だと思います。

下の写真はコンパクトデジカメのサイバーショットT100で撮影したものをデジタルシフトでパースペクティブを補正しています。まずは見比べてみてください。

シフト補正なし。

垂直線が完全に平行になるように補正。

若干上が小さく見える程度の補正。

上の3枚でどれが自然に見えるでしょうか。笹邊の建築写真の師匠が「ビューカメラのピントグラスで正確に合わせると上が大きく見える。正確に合わせてから、チョットだけ戻すのがコツや」と仰っておられました。物撮りでも縦の線を正確に合わせると下が大きく見えてしまうので、見おろす撮影では下を少し小さく撮るのがコツになります。


■2012年03月17日(土)  今回のロケ最終日は神戸異人館
今回のロケの最終日は神戸異人館です。
萌黄の館や風見鶏の館などの内部の撮影です。生憎の空模様でしたが屋内撮影には好適で、この日はオープンは中止して屋内のみの撮影に香盤を変更しました。

萌黄の館内部です。昔来た時は白かったのですが、改修の際に下からオリジナルの塗装が出てきて、その色が現代に復元されました。ここではレールを使って階段なども撮影しました。

階下はゲスト用に作られ、プライベートな部屋は二階になります。このあたりが日本と違うところですね。

二階の展望室というかベランダ状の廊下です。神戸の港町を見おろして喫茶も出来るようになっています。

風見鶏の館の内部です。悪天候のお陰で外光が弱められ、撮影は弱い照明でも十分に行えました。屋内撮影には好天ということで、外観は週明けの撮影になります。

ここからはロケハンの時に撮影したコンデジの写真です。晴れた本番にはクレーンやドリーを用いて撮影します。

萌黄の館、中庭からの撮影。

風見鶏の館には青空が似合います。本番もこうあってほしいですね。

山並みを背景にうろこの館。

青い空と白い窓。週明けの天候を祈るばかりです。

今回の撮影とは関係ありませんが、この日の撮影を手伝ってもらった技術のNさんがスタッツとして加わっていた関西制作のドラマ「奇跡のホスピス」主演:真矢みきが今月28日にオンエアされます。MBS制作のTBS系全国ネットで21:00〜22:48の放送です。Nさんの名前もクレジットされます。番組のオフショット写真館にもしっかりと写っていました。

■2012年03月16日(金)  ロケ五日目は同じく奈良県の橿原市今井町
奈良県橿原市の今井町でのロケです。

今回のロケで大活躍の正弦波インバーターです。DC12Vをパソコンなどでも使える60Hzの正弦波100Vに変換してくれます。300W型と150W型がありますが、これは150Wのもので、無負荷時のアイドル電流は0.18Aで経済的です。

ジュラケースに内蔵したバッテリーは32A19Rという軽自動車用鉛バッテリーです。容量は24Ah(5時間率)ですからインバーターの効率87%をかけると約20Ah強になります。ですから20Ah×12Vで240W/hの容量が取り出せることになります。またインバーターの終止電圧は10.5Vですからほぼ使い切ることが出来ます。
ちなみにこのジュラケースは千里ビデオサービス設立時にポータブルVTRやカメラの電源として使用していたもので、当時は軽自動車用の無水バッテリーを内蔵していました。最近はリチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーを使用し、この電源ケースは阪神淡路大震災の際に使用したのが最終でした。しかしハイビジョンになって野外で20インチクラスのモニターが必要になったことでインバーターと一体化して再び活躍する機会を得ました。廃棄しなくて良かったと思います。充電は自動車用の充電器以外にシガーライターからの充電も可能です。

今井町の入口に近い飛鳥川に架かる蘇武橋でクレーンショットの撮影です。19インチHDモニターは上で紹介したバッテリー&正弦波インバーターで駆動しています。

今井まちなみ交流センター“華甍”(はないらか)。旧高市郡教育博物館(明治36年)で、昭和4年より今井町役場としても使われていた建物です。

交流センター内に展示された今井町のジオラマ。AyuMINIを使用したドリーショットです。頑張る山ちゃん、朝をイメージして東から低めの照明を入れています。

機材を載せたマグパッチが町を行きます。町の道路に起伏がないのでマグパッチには有り難いです。

マットボックスが付いたNEX-VG10はシネサドルによって保護されているので安心してマグパッチに載せられます。マグパッチにはレンズ一式、19インチ液晶、インバーター、バッテリー、三脚、照明機材や養生マットが載っています。

今も酒屋を営まれている河合家に到着しました。ここでは外観、内部の様子、インタビューなどを行います。

河合家の二階にある座敷の撮影。昔の家ですからコンセントはほとんどありません。足りない分は一階から引いてきます。

今井町の町内には素敵なお店がいっぱいあります。次は撮影でなく訪れたいと思いました。




機材満載のマグパッチで町内を移動。目指すは今西家さんです。

その昔今西家には「いぶし牢」という部屋があり軽犯罪を犯した人を煙でいぶして罪を白状させたそうで、奥様から興味深いインタビューも撮ることが出来ました。撮影していると当時のことが見えてくるようです。

夕闇が迫る今井町の風情は今も昔も変わらないのでしょう。とても素敵です。
この日は日没後まで撮影を行い、明日は最終日の神戸異人館へ移動します。




■2012年03月15日(木)  ロケ四日目は五條市ですが、写真は携帯で
昨日までの写真をPCにバックアップしてそのまま・・・・たまにはそういうこともあります。ということで今日の写真はAUの携帯で撮ったものになってしまいました。

朝の吉野川。「吉野川」の河川法上の名称は「紀の川」ですが、和歌山県の橋本市に入るまでの奈良県側では一般に吉野川と呼ばれているようです。つまり吉野川は海には流れないということでしょうか、屁理屈ですがクイズになりそうです。

建物自体を展示物とする「まちや館」では、江戸時代の伝統的な町家建築様式による家屋、井戸やかまど、箱階段なども復元され、当時の暮らしを偲ばせています。

まちや館内部の撮影。NEX-VG20は本体液晶と外部出力の同時出力が可能になり、出力が排他関係だったNEX-VG10よりも遥かに便利になりましたが、設定中の画面がでるのはいただけません。できればキャラクターを出さない設定が欲しいところです。
モニターを覗いているのは照明部のYさん。芸術大学で映画を専攻していたそうで、笹邊が知っているY先生の教え子だそうです。

時間が無くて買えなかったお店其ノ1は柿ワイン。次回は是非。

其ノ2は撮影場所のすぐ後ろにあった餅屋さん(団子屋)です。撮影しているときはいっぱいあったのですが、どんどんと売れていって、いざ買おうと思ったら完売閉店・・・・。こちらも次回に延期です。

せんとくんではなく、>奈良県警察マスコットキャラクター「ナポくん」です。笹邊は「ナッポくん」だと思っていましたが、奈良のポリスでナポだそうです。「ッ」を入れなかったのは俗称のマッポと区別するためでしょうか。

立派なお宅の立派な梅の木に咲く花。樹齢数百年だそうです。

吉野川の夕景を待ちます。午前中はバタバタしましたが、午後からの香盤はゆったりしています。

まもなく夕景。動いていると暖かあったのですが、待っているとやはり風は冷たく寒いです。

街道筋に江戸の風情を残す旅籠「山田旅館」です。ここも屋内を撮らせていただきました。

明日はロケ後半戦の奈良県橿原市今井町です。

■2012年03月14日(水)  ロケ三日目は再び富田林
天候が不安定で撮れなかった富田林のオープン撮影です。おかげさまで好天に恵まれたロケ日和です。

撮影は興正寺の外観からスタート。瓦屋根などがよく見えるようにJiggyJIBを使用します。

少人数のロケでは小型軽量のJiggyJIBとNEX-VG20の組み合わせはとても便利です。軽量化のためマットボックスの付いたベースから分離して使用しています。かつてβCAMで重宝したヘッド分離式のBVP-90Tのような感じです。JIBの操作は5.5インチのCLM-V55を見て行い、風による微妙な揺れやカメラの動きは制作モニターの19インチ液晶で見ています。

興正寺の暗い本堂での撮影は35mmF1.4や50mmF1.4といった明るいレンズを使い、シフトを用いてパースを補正した撮影を行います。

寺内町(じないまち)はどこを歩いても素晴らしい建造物があります。視聴者の歩き目線で見られるように、カメラをドリーにつけて移動ショットを撮影しています。今回から導入した“どこでもドリー”は大活躍です。※申し訳ありませんが、下部の主要機構は非公開とさせていただきます。

ストロークの短いレールショットを可能にするAyuMINIも千里ビデオサービスオリジナルの特機です。撮影対象が動かないものにはドリーやクレーンは必要不可欠の特機ですが、カメラが小型化したことで特機でありながら少人数での撮影が可能になります。

好天の富田林ロケを無事終了して、明日からは奈良県です。

■2012年03月13日(火)  ロケ二日目は和歌山県湯浅町
二日目は湯浅伝統的建造物群保存地区での撮影です。

湯浅の醤油醸造など商工業を中心に発展した町並みは、その重厚な歴史的風致を今日によく伝えていることから我が国にとって価値が高いと評価され、平成18年(2006)12月19日に全国初の醤油の醸造町として、国の『重要伝統的建造物群保存地区』に選定されました。

湯浅を流れる広川での四手網によるシロウオの伝統的漁法です。建造物や町並みだけではなく、こういったインサートカットも必要になります。

天候は良好で撮影は香盤通りに順調に進みます。

伝建地区の一角にこんなものがありました。笹邊が子供の頃、お医者さんが乗っていたラビットです。相当裕福でなければスクーターは高嶺の花。エンジンが付いた自転車でも高級でした。
横の看板に「町内を散策される方、ご自由にご利用ください」と書かれています。?まさか・・・

で、よく読むとそれは駐車場の話でした。でも素晴らしい対応ですね。この太田みそ店でも撮影し、ご主人と奥様にも出演していただきました。

こあとは醤油の醸造工場の撮影です。建物の外観や通りのドリーショット、そして醸造工場の内部、醸造作業などを撮らせて頂きましたが、全てが新鮮で興味をそそるものでした。そして職人さんのかっこよさに惹かれてしまいました。

天保十二年(1841年)創業の醤油醸造の老舗角長の七代目加納社長さん。とてもタバコが好きな方でした。インタビューだけではなく、接客風景でも出演していただけました。この日は私たち以外に三田村邦彦さんの番組の取材もあって大忙しです。

撮影終了後美味しい珈琲をいただいてお土産まで頂戴しました。もちろんあの“醤油”が入っておりました。有難うございます。

珈琲をいただきながら煙草談義に花が咲いた後は社長さんとのツーショット。社長さんとは今回初めてお会いしましたが、とても懐かしい気分。実は社長さん“美味しんぼ”にも出演されていて幾度となく読ませていただいておりました。

この後私たちは一旦大阪にもどって、明日は再び好天の富田林ロケになります。

■2012年03月12日(月)  伝統的建造物のロケ、富田林から開始
日曜にOAされたCXのHDCAMロケを終えて週明けからは伝統的建造物のロケがスタートしました。収録はHDCAMではなく、35mm一眼レフ用のシフトレンズが使用できるNEX-VG20がメインです。フォーマットはプログレッシブではなくインターレース1920x1080の60i/28Mbpsです。

そろそろ春の足音がと思いきや何と朝の事務所前はご覧の通り少し白くなっています。ちょっと天気が心配です。

現場は富田林の重要伝統的建造物保存地区です。

杉山家は一般公開されていますが、今日は休館日でJiggyJIBやドリー等を使用して撮影を行いました。天候は一応は晴れましたが、気温は低くて風が強くて制作さんはガタガタとふるえておられました。

午後からは時折雪が舞う天候となり、外観関係は後日に延期しました。

この日は大半を屋内撮影にして早めに次のロケ地の和歌山県へ移動しました。

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