「日常美術館」である。NHKで日曜日に放送している「日曜美術館」(今は新しくなって「新日曜美術館」)をパロッて付けたタイトルだが、検索結果に中黒・を付けた「日常・美術館」はあっても、何故か私が付けた「日常美術館」は他には見当たらない。おかげで[日常美術館で検索した結果 1件目/約1,880,000件中]というラッキーなキーワードになった。
今掲載している写真は25年ほど前に撮影した「鶴橋の日常」である。日常をテーマに鶴橋に通い続けたが「何ゆえに日常を撮るのか」がぼんやりしていた。それ以前にも夕張をテーマに何ヶ月も北海道に滞在したり、日本全国を旅して歩いた。その後ネイチャーフォトに転向し、写真雑誌の「アサヒカメラ」に売り込みに行って、岩合光昭氏や嶋田忠氏らと共にネイチャーフォトの特集に採用され原稿料も戴いた。しかし私の中で「何ゆえに」は解決出来なかった。
「何ゆえに日常を撮るのか」それが最近になってパズルが解けるように解りだしたのである。人々の日常をモチーフに撮り続けたものは彼らの生き様だ。私は彼らの生き様を借りて「自分自身の生き様」を写していたのでる。つまり「写真を撮る行為が私の生き様であり、日常である」ということだ。
五十路を迎えてようやく解りはじめた「日常」だが、銀塩のアーカイブだけではつまらないし、ストレスも溜まる。デジタル写真のギャラリーなどもコンテンツとしては置いているが、新たに「日常」をテーマにした「生き様」を撮りはじめた。映像制作の合間を見ての撮影だが、心強い相棒が現れた。
フォトアルバムにも掲載したが、最新のサイバーショットDSC-T9がそうだ。この小さなデジカメが私をワクワクさせてくれる。常に身につけることで様々な日常に私の生き様が表現できれば・・・と思う。
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