2010年01月01日(金)
2010年初撮影 EOS5DmarkU+Nikkor
明けましておめでとうございます。
旧年中は勝手気ままなブログにお付き合いくださり有難うございました。今年も相変わらず独断と偏見に満ちたブログになること必至ですが、何卒お引き立てのほどお願い申し上げます。
笹邊幸人 2010年元旦


昨年から徐々に計画していたEOS動画がようやくスタートラインに立った。まだ仕事を請けるところまでは完成していないが、その一部を紹介するためにスタジオで機材の撮影を行った。
先ずはEOS5D MkUに使う最長のレンズAi Nikkor ED 300mm F2.8S(IF)である。何故キヤノンのカメラにニコンのレンズなのかは後述するが、EOSで動画を撮影する場合はEFレンズよりも何かと都合がいい。そして何故ニコンのD3sやD300sのDムービーでない事も理由がある。
次の写真は最短焦点距離のAi Nikkor 15mm F3.5Sだ。
15oF3.5の水平画角は100度(対角画角は110度)で13oF5.6の水平画角108度には及ばないものの、放送用HDショートズームHJ14e×4.3B IRSEのワイド端水平画角96.3度よりも広い。明るさもF3.5と旧のAi Nikkor 15mm F5.6やAi Nikkor 13mm F5.6Sに比べて1絞り以上明るく照明部の負担が少なくてすむ。超広角レンズにみられる周辺光量の低下も全画角に一様な明るさを持つように配慮され、歪曲収差も良好に補正されているので、建造物や室内での撮影をはじめ、特異な効果を狙った撮影にも威力を発揮する。

先ほど書いたEOS+ニッコールレンズのことだが、EFレンズには絞り環が無く、ボディー側から電気的にコントロールするようになっている。同様にニコンも最新のレンズはキヤノン同様絞り環が省かれてしまった。実はこれが動画撮影にとって非常に不便になる。ビデオカメラの絞り(アイリス)は連続可変し、作画意図に合わせて微妙なコントロールが可能(一部民生機のVXやPDなどでは段階変化)である。中継録画のようにVEが撮影中にアイリスを調整することはないが、時にアイリスフォローが必要な場合は段階変化はいただけない。
では、何故ニッコールにキヤノンなのか?
それはニコンのムービー機能が動画制作向けのものではなく「連続する静止画」としての要望からスタートしたらしく、ファインダーがアイリスの変化に対応して変化しないようになっているからだ。D3sで色々確認したがアイリスを絞ってもライブビューは明るいままだった。メニューで変更できるのかとニコンの技術者にも聞いたが無理なようだ。ニコンはあくまで写真機ということだ。

我々は普段からソニーのビデオカメラにキヤノンやフジノンのレンズを装着して使っているため、ビデオカメラにカメラメーカー純正のレンズを装着する必要は感じていないしビデオカメラメーカーもOEMで純正レンズを供給している程度だ。
EOS動画を考えた時にレンズは迷わずマニュアルフォーカスのニッコールと考えていた。もちろんNIKON FからF2、F3Pと使ってきたユーザーゆえにニッコールへの愛着は強い。もちろんキヤノンF1やA1も使い、FDレンズも色々使ってきたが、ここに来てEOSのマウントに余分な光学系を入れないで使えるFマウントのMFニッコールレンズが輝きだした。当然余分なコストがかからないこともEOS+ニッコールレンズの大きな理由だ。キヤノンのEFレンズもEF-S17-55mm F2.8ISやEF70-200mm F2.8Lを持っているが、これを5DMkUに装着して写真を取るかと言えば疑問だ。写真はあくまでD700である。
EOS+ニッコールレンズに対する基本的な考え方は5DMkUはあくまで撮像部分である。そのためにメーカー保証の対象から外れる改造なども必要だ。この考え方はビデオカメラに置き換えるとわかりやすい。ビデオカメラの場合はレンズ、カメラヘッド、ファインダー、マイクなど全てがバラバラに構成され、必要に応じてメーカーの枠を越えてシステムを構築する。EOS動画も同様、必要に応じてレンズ、周辺機器などを組み合わせていくことが動画カメラとしては自然な流れではないだろうか。写真には全貌は写っていないが、5DMkUに取り付けられたモニターは5.6吋の液晶モニター。小柄だが1024×600の解像度を持ち、EOS5DmkUとはHDMIで接続する。電源はソニーのNP-F970を12Vに昇圧して使用している。

際最後の写真はAi AF Zoom Micro Nikkor ED 70-180mm F4.5-5.6Dを装着したEOS5DmkU
AFレンズだがマニュアルフォーカスで使用する。このズームレンズはニコンだけが発売したマクロ撮影用ズームレンズで、ズーム全域で約0.37mまで被写体に接近することが可能だ。最大撮影倍率は70mm時1/3.2倍、180o時は約1/1.32倍となり、ワーキングディスタンスは約12cm。EDレンズを採用することで色収差を抑え高画質を実現し、フルハイビジョンの接写でも高い解像度が得られることはもちろん、三脚を前後ささることなくフレーミングできるために、通常のマクロレンズの数倍の速さで撮影を進めることが出来る。もちろんズームレンズ+クローズアップレンズでも同様のことが出来るが、やはりマイクロズームレンズとして設計されただけに性能は高い。マクロレンズだが無限遠性能も非常に高く、さらに近接時に露出倍数がかからずF値が常に一定と言うことも特筆すべきことである。EOS動画の物撮りには必須の一本であると思う。

2010年1月1日 | 記事へ | コメント(0) |
| 映像制作・撮影技術 / 写真撮影・カメラ機材 / 技術系・ハイテク系 |
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