2007年10月01日(月)
XDCAM EX/PMW-EX1
 最近業界でXDCAM EXが話題になっている。なかなか精悍な面構えである。製品名はPMW-EX1希望小売価格 840,000円(税抜価格 800,000円)ということで、ココにPDFのカタログがある。

 メーカーによると

フルHD 1/2型3CMOSセンサー搭載
ハンディタイプカムコーダーとして初めて1/2型フルHD(有効画素1920×1080ドット)3CMOSセンサーを搭載。CMOSには、弊社製・新開発“Exmor TM”CMOSイメージセンサーを採用しており、大型撮像素子により、高解像度、高感度、広いダイナミックレンジなど、ショルダーカムコーダーと同等クラスの描写力を実現しました。
SxS TM メモリーカードに長時間のHD記録
記録方式には高画質と長時間記録を両立するMPEG-HD圧縮方式、音声記録にはリニアPCMを採用。記録モードはHQモードとSPモードの二つのモードを搭載。HQモード(35Mbps)では1920×1080ドットのフルHD記録を実現。加えて1280×720ドットの記録も選択でき、16GBのSxS TM メモリーカードに約50分間のHD記録が可能。SPモード(25Mbps)では1440×1080ドットで約70分のHD記録が可能で、1枚のメモリーカードで、長時間記録を実現しました。
マルチフレームレート対応
シネマなどでよく使用される23.98p記録やさらに29.97p記録を搭載しました。これらは720pだけではなく1080pでもネイティブの記録が可能となっています。さらに59.94iと50iの切り替えも可能で、幅広いアプリケーションでの運用が可能となります。
スロー&クイックモーション
フィルムカメラの早回し(オーバークランク)撮影、遅回し(アンダークランク)撮影と同様のスロー&クイックモーション機能を搭載しました。720p時には60フレーム、1080p時には30フレームまでの間で、1フレーム刻みで可変可能。例えば720/23.98p記録時に撮像のフレームレートを60フレームに設定すると1/2.5倍速のスロー映像が記録可能です。
フジノン製光学14倍ズームレンズ装備
レンズにはフジノン製の光学14倍ズームレンズを採用しました。広角側の焦点距離は35mm換算で31.4mmを実現し、広い画角での撮影にも適しています。また、フォーカス/ズーム/アイリスの操作リングはショルダーカムコーダーと同様、レンズ筒上に独立して配置され、プロフェッショナルの操作性を継承しています。さらに、前後にスライドする新機構のフォーカスリングを採用し、オートフォーカス機能を装備するほか、フォーカス目盛りを装備したフルマニュアルフォーカスモードに切り替えることも可能です。


 ということだ。いたれりつくせりの仕様で、価格も80万、おそらく実勢価格は65万程度であろう。もちろん購入リストに加えるべきところだが・・・
どうしても気になることがある。記録用メモリーカードの価格だ。
“SxS PRO TM”(メモリーカード)『SBP-16』(容量:16GB)
希望小売価格:オープン価格
発売予定日:2007年11月下旬

ということで今のところ何とも言えないが、WEBを検索すると
店頭予想価格は8GBが6万円前後、16GBが11万円前後の見込み。なお、PMW-EX1には8GBのSxS PROメモリーカードが1枚付属する。
 ちなみにこの16GBメモリーで50分のHD記録が可能だ。もし16GBが11万であれば、40分当たりの記録コストは11万×4/5=8万8千となる。何故40分で考えるかといえば、HDCAMの記録時間がスモールカセットで40分だからだ。ではHDCAMの記録コストは、といえば40分テープの実売価格は1本約4000円。つまりHDCAMの場合はPMW-EX1の1/20ということになる。←ハードディスク等のストレージに落としてフォーマットすればよいと言われるかもしれないが、ロケ現場ではそんなことをしている暇は無い。で、実際にロケにいく場合は概ね1箱(10本)を用意する。それでも16GBの半額以下だ。多めに2箱(20本)用意してもまだHDCAMの方が安い。再利用できるメモリーではあるが、HDCAMテープ10本に相当する枚数なら400分を50分で割った枚数=8枚の16GBメモリーを持っていかなければならない。これだけで88万円ということになる。20本相当なら当然176万円だ。テープとは違って何十万回と再利用できるメモリーであってもメディアへの初期投資が大きすぎるのではないだろうか。
※検証した訳ではないため、未確認情報として記しておこう。
SxS TM メモリーカードだが、これはExpressCard規格に準拠ということである。とすれば、Transcend Informationグループ100%出資の日本法人トランセンドジャパン株式会社ExpressCard/34 Solid State Diskが使えないだろうか。これが使えればオンラインショップで32GBが¥69,700 (税込)で手に入る。16GBなら¥39,700 (税込)だ。実機にて検証する価値はあるだろう・・・と期待してしまうのだが、転送速度が余りにも違いすぎる。ミニバイクとF1ほどの差だ。およそ3倍の価格で6倍以上速い転送速度を持つSxS TM はもの凄いメモリーカードだということである。

※読み出し速度を比較
 SxS PRO: 読み出し速度 100MB/s
 トランセンドジャパン: Read up to 18MB/s, Write up to 8MB/s

 メモリーカードの価格はさておき、では実際にこのPMW-EX1にどんな仕事をさせればよいのだろうか?
 オーバークランクによるスロー&クイックモーション?
 マルチフレームレートによるキネコ素材?
 それならシネアルタやバリカムがあるではないか。ということだ。まさかこのPMW-EX1で1日の撮影費で20〜30万は取れないだろう。さらにメモリーに対する不安も否めない。CCDの画素抜けの原因と考えられる宇宙線の影響だ。高密度化したメモリーのセルの元素数を考えると高エネルギーの素粒子によってカタログツリーが破壊されるということも考えるべきだろう。まさかこの薄いメモリーカードが宇宙線対策を施してあるとは思えない。デジカメのメモリーカードのエラーで痛い目にあったことのある人ならやはり不安を拭い去ることはできない。
 とすれば、HD-SDI出力を用いてマルチキャメラ収録だろうか。最近プロテックなど数社から小型カムコーダーをEFP運用するためのドック(正式な名称ではない)が売り出されていて、プログラムタリーやリターンビデオにも対応できるそうだ。たしかにソニーはこういった周辺機器を現在発売していない。それよりも展示会のソニーブースにそういったサードパーティーの製品を使った状態で展示しているくらいだ。担当者曰く「こういう周辺機器をソニーが作るよりも開発から製品化まですべてお願いした方がコストも安くなります」だそうだ。たしかにそうだろう。現状の業務用ユーザーの数×今すぐHD化を望む業務用ユーザー数を考えると大手メーカーのラインには流せない。
 そこで考えることは業務用ユーザーの本格的なHD化の時期である。当然2011年のアナログ地上波=SDの停波時期までであることはほぼ決まっている。だがこれが来年か再来年か、はたまた停波寸前になるかは判らない。一般家庭にHD-DVDやBDが普及しまくるまでは放送や企業のイベント以外ではHD納品は難しいだろう。ただし、ディスクとは違った画期的なメディアが生まれれば話は変わる。もしかすると円盤以外のメディア(チップ)や、サーバーが普及するかもしれない。HD化については半年先も予測できないほど混沌としているのが現状である。

 さて、ここで私が望むHD製品の話に入る。
 現在ソニーが出している標準スタイルの放送用HDがHDCAMであり、業務用HDはXDCAM-HDである。HDVも業務用の部類に入るが今回は除外する。この業務用HDカムコーダー(XDCAM HD)に使用するメディアはBDと同じ種類の光磁気ディスクで、時間当たりのコストはDVCAMとさほど変わりは無い。だが、やはり回転ディスクという機構からメカが存在し、半導体メモリーのXDCAM-EXやP2CAMに比べると耐衝撃性に不安がある。それに完全なEFP仕様は無い。やはりこれもプロテックの製品に依存しなければプログラムタリーやリターンビデオを使うことが出来ない。
 そこで考えることはDXC-D55シリーズのHD化である。現在業務用SDスタンドアローンキャメラの最高峰として位置付けられるD55はトライアキシャルや光ファイバーなどにも対応している。しかし今後は業務用としてのHDスタンドアローンキャメラが文教用やCATV用として必ず必要になるはずだ。それに対応するものがDXC-D55のHDモデルHXC-55シリーズ←(私が勝手に言っているだけで、ソニーの思惑は判らない)である。もちろんCCUや光ファイバー、HD-SDIスイッチャーも含んだトータルシステムでの業務用HDである。おそらく収録据置機によるXDCAM HDディスク記録であろう。出来れば松下のP2CAM HPX-555と同様にキャメラ本体に16GBのSxSメモリーカードを4枚程度搭載できると嬉しいところだ。こういった製品が出てくるまではHD/EFPは東通やエキスプレス、コールツ、テークワンといった中継会社に協力していただき、自社機材によるHD収録はENGに限定してHDVやHDCAM一体型カムコーダーで我慢しておこう。そしてマルチキャメラEFPはSDで行うことが我々のみならず、顧客にとっても得策ではないだろうか。顧客をリードするのは良いが、先走ってしまえば誰もついて来ないのである。もちろん予算さえ計上していただければ私の会社も放送用HDキャメラや中継車を用いたハイビジョン収録を行っている。また近い将来、業務用HD/EFPシステムが発売される頃には一般家庭のHD環境も整備されているであろうし、必然的に市場から業務用HDシステムの発売が求められる。
 以前ある展示会でS社の技術者と話した時、「今しばらくはSD機材の延命に努めてください。」と仰っていた。まさにその通りだ。SDで稼いで、まともな業務用HDシステムが発売されれば一気に進む!当然4CAM/EFP/アイソレーション対応のフルシステムである。今ならHDC-1600/HDW-1800orHDW-M2000等で総額は億に達してしまう。とても業務用としては採算が取れない。業務用なら4CAM/EFPでHXC&XDCAMHDで総額2〜3000万程度が妥当なところだ。趣味で機材は購入できないのである。ここで改めてSDの延命を力強く語ってくれたS社の社員に心から感謝を申し上げる。

 PMW-EX1について否定的な意見でソニーには申し訳ないが、PMW-EX1に最も適した用途は水中撮影ではないだろうか。このキャメラをハウジングに入れればHDCAMに遜色ない画質で、もちろんHDVよりも高精細な水中映像が期待できる。メモリー1枚でフルHD50分ならタンク1本でお釣りがくる。3本も潜れば死んでしまう。16GBメモリー2〜3枚あれば十分だし、1枚でも休息中に十分ストレージに落とせるだろう。HVR-Z1Jのハウジングが市場から消えた今、強く希望するものはPMW-EX1用の水中ハウジングである。

(文責:株式会社千里ビデオサービス代表取締役笹邊幸人)
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| 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM |
9月のアクセス解析
 キーワードではない。9月1ヶ月間の svs.ne.jp へのアクセス解析である。下の図はアクセス数とページビュー、そして最訪問を省いたユーザー数がユニークユーザー数である。

 そして次が検索エンジンのランキングだ。これはsvs.ne.jpへのアクセス元としての順位であり、エンジンの順位ではない。単独ではYahoo!が最も多いがGoogleはjpとcomを合算すればYahoo!よりも多く、ほぼ1/2を占めている。やはりGoogle強しといったところか。いずれもそれ以外のエンジンとは比較にならないほど多い。ここは是非MSNにも頑張ってもらいたい、というか、MSNに対応したSEO対策を施す必要があるということだ。

 最後の図、これは初めての訪問者とリピーターの割合だ。初見の訪問者が95%ということでリピーターは5%ということになる。少し少ないようだ。これには確かな理由がある。要するに更新を疎かにしているということの結果に他ならない。
 近頃は企業にとってホームページも重要な仕事である。忙しいからといって更新をさぼると「いつ来てもまた一緒」ということになる。ホームページも重要な業務、特に我々のように小さな企業にとっては大切な営業ツールである。ブログやダイアリーだけではなく、コンテンツの拡充は企業の使命といっても過言ではあるまい。
2007年10月1日 | 記事へ | コメント(0) |
| 検索エンジン・SEO |
AHEADCAM
 「AHEADCAM」で韓国の検索エンジンからアクセスされていた。検索結果にはキャメラマンのブログがあり、私のサイトを翻訳して掲載していた。
 ブログにはOBSとあるが、日本のOBSとは関係ない。KBSKBSBBCBBCのようなものだ。ちなみにここが大分放送OBSのサイトでこちらが韓国のOBSである。
 さて、AHEADCAMとはなんぞやということだが、これは私が開発?した小型カムコーダー用のスタビライザーの名称である。
 今のところ製品化するつもりは無く、もっぱら自社の撮影現場での使用に限っている。スタビライザーの重要な構成部品の名称AHEADにCAMを足してアヘッドカムとしただけである。
 そして製品開発のチーム名を千里ビデオサービスのSVSに合わせてSpecial Video Supportとした。アヘッドカムについては同業者から製作依頼とも言える問い合わせもあるが、グラインダーと旋盤さえあれば(無くても鑢やドリルで代用も可)誰にで簡単に作ることが出来るものである。Special Video Supportはあくまで自社の機材開発を基本に考えている←そんな大げさなものではない。
 ただ、自分が付けた製品名をキーワードにして海外から検索されるということは少し嬉しい気がする。千里ビデオサービスも国際的になったものだ・・・と。
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| 映像制作・撮影技術 / NEX・HDV・HDCAM |
2007年09月30日(日)
「ハンナのかばん」編集中

 先日(9/26-27)撮影した「ハンナのかばん」を編集している。公演は「劇団コーロ」。これまでにも「日の丸心中」「カモメに飛ぶことを教えた猫」「天満のとらやん」「三匹の子ぶた」「わいどま、ぎゃあいうとたたききるど」「聖の青春」「剛&剛」「《鬼》考-おににおうどうなきものを-」「だれが石を投げたのか?」などを収録してきたが、今回は90分間、全く緩むことの無い作品だった。テーマがテーマだけに、遊びを入れる余地の無い作品といえる。「ハンナのかばん」ついてはNPO法人ホロコースト教育資料センターをご覧いただくとよいだろう。
 膨大な数のユダヤ系民族がナチスの手によってガス室に送られてからおよそ70年になる。遠い昔のようにも思われるが、現在もその時代を生きた人々が居る。人類が犯した罪を歴史の闇に葬り去らないためにも様々な啓蒙活動が必要だ。劇団コーロの「ハンナのかばん」もその一つである。作品内容が高く評価され舞台芸術振興事業の平成19年度助成対象となり、独立行政法人日本芸術文化振興会から助成されている。公開資料によると助成金の総額は4億5,100万円で「ハンナのかばん」には400万円が交付される。来る10月9日には大阪で平成20年度助成対象活動募集等説明会が実施される(東京は10月15日)我こそはと思われる劇団はエントリーされてはいかがだろうか。
 収録は3台のキャメラと5台のVTRを用いて音声は4CHを割り当てた。編集はこの舞台の重み、熱さが伝わる映像作品を目指したい。ただし週末は「吉祥寺アニメワンダーランド」で「森の映画館」を担当するため、「ハンナのかばん」の編集は4日までに完了しなければならない。かなりタイトなスケジュールになってしまった。
2007年9月30日 | 記事へ | コメント(0) |
| 未分類・エトセトラ.etc. |
2007年09月25日(火)
中秋の名月は満月ではなかった
 ニュースで「今日は中秋の名月です」と言っている。??、私には満月には見えないが・・・・
 調べてみると今日の月齢は13.6である。満月は27日ということだ。そこで中秋の名月についていえば「旧暦」の8月15日のことで、今年は9月25日がそれにあたる。つまり満月になる27日ではなく、その二日前の今日が「中秋」ということになる。念のためEOSで写真を撮ってみた。シンチレーションも無く、デジカメでも十分撮影出来た。
写真をクリックすると新しいウインドウに大きなサイズで表示

(EOS-5D/70〜200F2.8/ISO=100/F2.8開放/1250分の1秒)
 やはり左側「秋の海」や「夏の海」が影になっていた。中秋の名月が満月とは限らないのである。
2007年9月25日 | 記事へ | コメント(0) |
| 自然環境・自然科学 |
HD編集にカノープス
 「HD編集にカノープス」である。このページがヒットしていた。

 HD編集といっても、ノンリニアで行う場合は従来のSDと大差は無い。640×480の画面解像度が1920×1080に変わっただけである。ただし撮影キャメラや収録VTR、編集環境を構築するハードウエアが全く違ったものになった。これについてはまた後日書くことにするが、リニア編集に比べるとノンリニアでは設備投資が圧倒的に少なくて済む。
 まず編集用VTRの台数だ。リニアでは最低2台、特殊効果を加える場合は3台以上が必要になるが、ノンリニアでは1台で済む。さらにタイトラーやテロップ装置もホストコンピューターにインストールしたソフトウエアで事足りる上に、三次元特殊効果を行うスイチャーやDVEもソフトウエアで行える。設備投資ということではリニアの1/5〜1/10程度で済む。例えば家庭で撮影したビデオもムービーメーカーやiMovieで編集すればパソコン代さえ用意すれば済むことと似ている。一昨日の記事で書いたが、こういうことがビデオ制作の価格を極端に低価格化させている原因だと思えるのだが、リニア編集とノンリニア編集とでは、いったい何が変わったのだろうか。私が思うには結果としてはそれほど変わってはいない。つまりノンリニアでも、リニアでも、目的は同じで、単に手段が異なるだけでしかない。ただし再生用VTRと録画用VTRのみで行う1対1のカット編集ではノンリニア編集には太刀打ちできない。もちろんテロップ装置やスイッチャー、三次元デジタルエフェクト、複数の再生用VTRが備わった状態での比較である。
 私にとってノンリニアへの移行によって最も大きく変わったことといえば、液晶モニターへの移行ではないかと思う。液晶モニター=ノンリニアというのは正しくは無いが、ノンリニアへの移行時期が、ちょうどパソコンモニターの液晶化と同時期だったからである。リニア時代もマッキントッシュは多用していたが、いずれもCRTが標準モニターであり、液晶といえば見る角度によって明るさが大きく変化し、限界角度を超えるとネガに反転して見える粗悪品もあった。これでは映像評価どころか、パソコンのデスクトップとしても使い物にならない。
 それが2004年のアテネオリンピックに合わせたかのようにパソコンモニターやテレビモニターが一気に高画質化(広視野化)した。同時に一般放送も一気にハイビジョン化した。結局この時期が私の会社の液晶移行時期になった。
 液晶化する前は照明が明るいとマスモニが見づらいために、編集室ではモニターへ照明があたることを嫌って下の写真のような照明器具を用いていた。これは私の会社のリニア編集卓の天井に取り付けた照明器具である。
 当時は窓に遮光スクリーンを取り付けて外光が差し込まないようにし、日中でも編集室内部は薄暗くしていた。今でもそういったポスプロは多い。これが液晶になって全く変わった。
 直射光のみは薄いスクリーンで和らげるが、遮光スクリーンは使わずに自然採光を中心にしている。昼か夜か判らないような編集室で夜な夜な作業していた頃に比べると格段に快適になった。もちろん画質評価用のHD/SDモニターにはブラウン管を使用するが、末端視聴者の環境が液晶化している今日では液晶モニターでの画質評価は必須だと考える。
 ノンリニアの効果は絶大だが、それに付随した大きな環境変化は液晶モニターによる編集時間帯の変化ではないだろうか。これからは爽やかな季節を感じながら、気持ちのいい編集が行える。
 今日は中秋。編集室の東の窓から昇りはじめた月を見る。
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年09月23日(日)
話題の映像制作会社 大阪
 「話題の映像制作会社 大阪」だ。思わず笑ってしまった。こういうキーワードもあるのかと。検索結果にはこのブログが2件ヒットしていたが、私の会社は決して話題の映像制作会社ではない。それよりも10万円の映像制作、CM制作というスポンサーサイトの方が話題の映像制作会社ということになろう。
 サイトを検索していると7万でマルチキャメラによる舞台収録や企業ビデオを制作する業者も存在する。ためしに「ビデオ制作 10万」、「ビデオ制作 9万」、「ビデオ制作 8万」、「ビデオ制作 7万」、「ビデオ制作 6万」など等、出るわ出るわ!である。さらに「ビデオ制作 5万」、「ビデオ制作 4万」、「ビデオ制作 3万」、「ビデオ制作 2万」、そしてついには「ビデオ制作 1万」でもヒットしてくる。
 こうなると価格など存在しないというか、ボランティア活動か奉仕活動、もしくはある種の修行としか思えない。確かに大阪の某宗教団体はBVW-400(放送用ベーカム)を自前で持っていたり、アルファベットの名前がつく女性教祖の団体は中継システムをも保有していた。また、無差別テロで世の中を震撼させた団体もベーカムの編集システムを保有していた映像がニュースに流れていた。だが、それらの団体は何れも自分の団体のPRや勧誘手段としての映像制作を行っているわけで、決して外部に営業はしない。
 ところがネットで検索される「格安ビデオ制作」は修行ではなく商売である。はたして5万円前後の映像制作が商売として成立するのだろうか。一度下げた価格は戻せないのである。このことを学習しなければ「格安」による忙しさばかりで、「利益なき繁栄」をたどることになる。そして本来創作活動であるべき「映像制作」を惰性化させ、創造性を失うことになりかねない。
2007年9月23日 | 記事へ | コメント(0) |
| 未分類・エトセトラ.etc. |
2007年09月21日(金)
関係ないことだが・・・・
 ブログやキーワードとは全く関係ないが、「脳内メーカー」で調べてみた。私の名前「笹邊幸人」を見ると
 ということだった。意味は判らないが、印象は悪くない。で、試しに新しい診断「笹邊幸人の前世の脳内」を見たところ、
 という結果だった。
 「脳内メーカー」というもの、なんとなく当たっていそうな気がする・・・・
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| 未分類・エトセトラ.etc. |
2007年09月20日(木)
PremierePro シンクロール編集
 「PremierePro シンクロール編集」だ。検索されていたページは私のブロガリのページだった。
 シンクロール編集とはリニア編集時代からよく使ったスタイルで、同じタイムコード(映像が同じ時間軸上にあればタイムコードは揃っていなくてもよい)が記録された複数のテープを同時に走らせて行う。これがノンリニア編集になると複数の素材を同じタイムラインに貼り付けて複数レイヤーのピクチャーinピクチャーによって1モニターで行うことが出来る。下は現在行っている編集のモニター画像だ。左上がC-1、右上がC-2、左下がC-3、右下が現場スイッチングのPGM(プログラム)である。カノープスコーデックで圧縮されたタイムラインを動かすと4つの映像がストレスを感じることなくリアルタイムに動いてくれる。
 タリーランプ、リターンビデオ、インカムを用いることで9割は現場スイッチングで完パケになるが、プログラムと同時に回したアイソレーション素材を使うことで微妙なタイミングの修正、現場で見落としたリアクションの挿入などが可能になり、作品のグレードがアップする。ただし4素材の場合は2時間の完パケを仕上げるために8時間のキャプチャーと200GB以上のハードディスクが必要になる。
 現在私はPremiereProでシンクロール編集を行っているが、4つのビデオトラックと4つのオーディオトラックがタイムライン上にインポートされる。今回は3つのオーディオトラックは不使用に設定しているが、4CH以上のマルチトラックを使う場合はトラックダウンも行う。このPremiereppRroはPremiere6.5からアップグレードしたものだが、アップグレード価格は0が一つ多くてもよいほどの価値がある。
 Pentiumを作ったインテル、Windowsを作ったマイクロソフト、Premiereを作ったアドビ、これらの企業、開発者のおかげで数十万〜数百円の費用でポストプロダクションをデスクトップに構築出来るのが今のDTV業界である。恐ろしくもあるが、面白い時代でもある。
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年09月18日(火)
ビデオ製作会社 大阪
 ヤフーからの検索で「ビデオ製作会社 大阪」である。同じくグーグルからの「ビデオ製作会社 大阪」もアクセスログにあった。いずれも上位なのは嬉しい。
 普段我々は「ビデオ制作」「映像制作」という「制作」という文字をよく使うが「ビデオ製作」「映像製作」という言葉も目にすることが多い。ではこの「制作」と「製作」の違いはどうなっているのだろうか。「制作と製作の違い」を検索してみると色々と出てくる。そのなかで分かりやすい答えは
 [制作]作品を作ること。
 [製作]物品を作ること。
ということのようだが、一概にそうとは言えない。映画やアニメでは「お金を出す」会社が製作会社で、撮影や編集を行う会社が制作会社のようだし、CMやVPでは企画、立案する会社が制作会社で技術担当が製作会社のようだ。また、イベントは制作であり、舞台は製作となる。そしてホームページでは製作よりも制作という言葉がよく使われる。こうなると何がなんだかわからない。アメリカでは「製作」も「制作」も同じProductionであり、映画のクレジットでも
 製作/製作者:Production/Produced by・・・
 プロデューサー:ProducerまたはExecutive Producer
 制作デスク Production Manager/Line Producer/Producer
 制作進行 Production/Manager/Production/Coordinator/Producer

という具合だ。
 我々映像に携わるものにとって「制作」と「製作」の違いでで困るのはやはりクレジット、エンドロールである。「企画・制作」「衣装製作」「美術製作」「制作進行」「音楽製作」etc.様々な「セイサク」が入り混じっている。
 さて、我々撮影技術会社は制作会社なのか、製作会社なのか?
 台本を書いたり、スタッフやキャストを手配する部署は制作部、照明や録音、撮影などの技術部署が製作部になるのだろうか。困ったものである。
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2007年09月15日(土)
セスナのビデオ
 「セスナのビデオ」だった。検索されたページに載っている動画はセスナの離陸の様子をデジカメのムービーで助手が撮影したものだ。場所は小牧。桑名の仕事で木曾三川をベーカムで撮影したときのものだ。

 最近はセスナよりもヘリによる空撮の方が多くなった。コスト面ではヘリよりもセスナが断然優位だが、「防振ではヘリにウエスカムを搭載したもの以外は考えられない」ということだ。確かにウエスカムは高性能な防振装置だが、その分非常に高価で、ヘリ、キャメラ、人件費を加えると1時間で50万は軽く超えてしまう・・・だった!
 「だった!」というのはつい最近までということである。つい最近この常識が覆った。私が使う航空会社がウエスカムに匹敵する三軸ジャイロを開発し、池上のハイビジョンキャメラを組み込んだ。収録はHDCAMである。コストは従来の約半分ほどになる。画期的だ。ただしキャメラはウエスカム同様、すべてリモコン操作となり、普通のキャメラワークとは全く異なる。外科手術の撮影で使用する無影灯キャメラのようなものになる。
 同じ日の検索キーワードに「空撮 HDCAM 大阪」というものがあったが、私の会社ではすでにヘリコプターによるHDCAM防振撮影に対応している。
 話は変わるが、昨日八尾へ向かう途中で激しい夕立にあった。これがその時近畿道から撮影した写真だ。おそらくマイクロバーストが発生しているだろう。もしも小型航空機でこの写真のような下降気流に巻き込まれればひとたまりもない。

 これまでに私は北アルプスや摩周湖、支笏湖、流氷のオホーツク海などで何度も乱気流には巻き込まれたが無事だ。しかし、かってBOAC機を富士山麓に叩き落したダウンバーストのような現象には恐怖を感じざるを得ない。
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年09月13日(木)
CCU-M5
 電話がかかってきた。
 「御社のホームページを見たのですが、御社でお持ちのCCU-M5もしくはCCU-M7を譲っていただけませんか?」ということだ。社名は伏せるが、同業者である。EFPを構築したいが、CCU-M5はすでに生産を完了していて入手困難だそうだ。CCU-M5はDSR-570WSやDSR-390、DXC-D30等に対応しているのだが入手困難とは困ったことだ。CCU-M5とはキャメラのパラメーターを遠隔操作し、それぞれにジェンロック、リターンビデオ、インカム、タリー信号を送るもので、これが無ければまともなマルチキャメラのスイッチング収録は行えない。つまりCCU-M5の件は丁重にお断りした。

 私の会社にCCU-M5は4台ある。可搬型のラックにRM-M7Gとともに装着し、このシステムはVE卓として現役運用中だ。
 下部にCCUをマウントし、引き出しトレーのRM-M7Gはモニターと同じ順序で操作性を高めている。また単体運用の場合はCCU-M7を用いている。
 WEBサーバーのアクセスログを見ると確かに「CCU-M5」というキーワードでフィールドリポートのページが検索されていた。ちなみにCCU-M5での検索結果 シネフォーカスさんのレンタル機材のページが挙がっていたが、1日のレンタル料金は\12,600だ。もちろんキャメラやモニター、ケーブルは別だ。トレーの動作する様子は下の写真が解りやすい↓

 ハイビジョン化が急速に進む中でソニーから新たなSD機材はまず出てこない。アナログ地上波が停まる2011年まではこのCCU-M5に頑張ってもらおう。そして今後の設備投資は2011年以降を考えたものでなければならない。だが現行のSD機器のメンテナンスを怠ってはいけない。メンテ代をケチると事故につながる。VTRのオーバーホールや、キャメラのコンデンサー交換など、2011年までは状況に応じて実施する必要がある。
2007年9月13日 | 記事へ | コメント(0) |
| 映像制作・撮影技術 |
2007年09月09日(日)
編集に追われる日々
 日本テレビの徹夜ロケから戻って、スタジオでは3CAMのアイソレーション素材の編集に追われている。

 編集にはPremiereProを使用して3素材を同じタイムコードで並べている。PremiereProは一度に3素材が同時に表示できるように縮小して走らせることが出来る。リニア編集で言うシンクロール編集である。

Premiere6.5からアップグレードに要した費用は極わずかである。ショートカットをPremiere6.5から移植しているので、使い勝手は極めて良い。3GHzでは少し重かったが、PentiumDを3.45GHzで駆動することで、タイムラインもサクサク動くようになった。手放せないアプリケーションである。
2007年9月9日 | 記事へ | コメント(0) |
| 映像制作・撮影技術 |
2007年09月07日(金)
リニューアルした会社のネットワーク
編集スタジオや機材庫などをリニューアルしたが、今回ネットワークを再構築して高速化を図った。TCP/IPで繋がった社内ネットワークは下の図の様になる。
 図には13台のPCが載っているが、そのうち3台がマッキントッシュだ。マックは何れもOS9.2.2USだが、ネットワークはアップルトークではなくTCP/IPによって共有している。ネットワークの速度は100Mbpsだ。オフィスも快適になったが、ネットワークの快適さは各段に向上した。
 しかし日々コンピューターに囲まれて仕事をしているわけではない。疲れ目には緑が何よりだ。オフィスの窓外にはきれいな緑地が眺望できる。箕面市の施設の周辺緑地だが、借景としては最高だ。
2007年9月7日 | 記事へ | コメント(2) |
| コンピュータ・IT系 |
2007年08月31日(金)
HDCAM 大阪
 「HDCAM 大阪」だった。オフィスのリニューアル完了と同時に入ってきた仕事は日テレ系の○ン○シャのHDCAM取材である。
 オフィスのリニューアルと同時にsvs.ne.jpのサーバー更新が同時進行し、DNSが変わったために「映像制作 大阪」が一時ランク外まで落ちていたが、どうやら復帰できたようだ。サーバーの更新はSEOに影響するということがわかった。今度のサーバーはこれまでのものに比べると数世代新しいマシーンで、CPUやレイドディスクなども高速化されている。同時に容量も大幅に増えたので色々なコンテンツを展開できそうだ。
2007年8月31日 | 記事へ | コメント(2) |
| 検索エンジン・SEO |
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ニックネーム:SENRI
都道府県:関西・大阪府
映像制作/撮影技術会社
(株)千里ビデオサービス
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北八ヶ岳麦草ヒュッテHPの管理人です。よろしくお願いします。
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