「wmv エンコード 費用」というキーワード。WMVつまりWindows Media Videoへの変換である。
メディアファイルへの変換は今ならパソコンさえあれば誰でも出来る時代である。だがそういったことも仕事として成立するには訳がある。指定のサイズ、画像と音声それぞれのコーデック、ビットレート、サンプリングの設定が非常に細かい。以前にも書いたが、GyaOへの納品は上記の全てに指定があり、それを外れると不良素材として受け入れてもらえない。まさに放送局の「番組交換基準」そのものである。そしてキャプチャー用のVTRのグレードなども重要になる。
先日ある芸能プロダクションが歌手のプロモーションビデオをDVDで局に送ったところ、有無を言わさず送り返されてしまった。深夜、プロダクションから私のところへ「大至急ベーカムへ変換してほしい」と依頼が来た。要するに泣き付かれたわけだ。原因はDVDが番組交換基準外であるということに他ならない。
DVDを確認すると音声レベルは基準を超え、黒レベルは潜ってしまっている。そして捨てカット(リーダー、トレーラー)が無い・・・etc.であった。何処のSOHOが作ったかは伏せておくが、これならD-2で納品しても不良素材である。結局私の会社の編集室でレベル修正とリーダーの追加、カラーバー、クレジット、TC付けなどの作業を行い、ベーカムに出力した。
「プロに任せる意味がある」というキャッチコピーを聞いたことがある。自動車を例にすれば判り易い。誰でも自動車は運転できるが、お金を取って人を運ぶ場合は二種免許が必要だ。そして大勢の人を運ぶ自動車を運転するには大型免許が必要になる。要は事故無く確実に輸送するためには費用がかかってもプロに頼むのである。
テレビキャメラを操作したり、映像の編集に免許は要らない。つまり誰でもが出来る。ここが落とし穴だ。誰でもが出来るが、結果に差が出る。費用とはその差のための対価なのだ。
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