2006年10月08日(日)
「DF/NDF」という検索だ。DFとはドロップフレーム、NDFとはノンドロップフレームの略称である。
テレビが白黒放送であった時代には存在しなかった言葉だ。これはカラー放送になってから必要になったものである。
白黒とカラーの違いを見ると

となり、1秒間あたりのフレーム数が0.03少なくなっているのがわかる。
テレビ放送のカラー化実現しても1秒間30フレームで送ることは問題なかったのだが、既存の白黒テレビを無視できないため、同じ電波で白黒とカラーを扱えるように、カラー成分だけをサブキャリアとして後付した。その結果情報量が増え、時間内にフレームを送りきれないのである。そのために計算上29.97になってしまったのだ。もしカラーで1秒間30フレームで送ると1時間にして3.6秒のずれが生じる。この誤差を修正するために、指定したフレームをタイムコードから定期的に抜く規格がドロップフレームである。正確には29.97フレームで1秒間だが、ノンドロップフレームでは、30フレームで1秒とするため、タイムコードの表示は、実時間よりも長くなる。ドロップフレームは実時間と合わせるために0, 10, 20, 30, 40, 50分を除く時:分:秒:00の開始位置で2つのフレーム番号(0,1)をカウントせず飛ばすため、t秒:29フレームの次はt+1秒:02フレームになる。
まあ、こういったややこしい話は一般の人は気にしなくて良いことだが、上の理由でビデオのタイムコードを実時間に一致させるため、局に納品する場合はタイムコードをノンドロップフレームにしなければならない。もしノンドロップで30分の完パケを作ると最後の1.8秒が放送時間からはみ出してしまうことになる。そのために番組交換基準ではドロップフレームが約束事になっているのである。ただし15秒CMではDFでもNDFでも問題は無い。15秒での誤差は0.45フレームしか生じないのである。
面白い話があった。
アマチュアさん「プロ用はノンドロップフレームが選べていいですね」
私「???」
アマチュアさん「私のコンピューターでDVを編集するとコマ落ちして困ります。」
私「!!!」
家庭で使用するminiDVはタイムコードが実時間に一致するようにドロップフレームが使用されている。だがコマ落ちは別だ。おそらくPCやハードディスクのスペックが低いためにコマ落ちを起こすのだ。NDFでもそれは同様である。
さて今日もM君はのじぎく国体、T君は昨日から泉北の忠岡だんじりまつりの取材に行っている。ニュースでご存知だと思うがだんじりで事故があった。たまたま取材していた団とは違ったが、気を付けてもらいたい。私はというと、郵貯の怒涛の撮影、編集、第一生命のVPなどの徹夜地獄から脱出し、今朝は「がっちりマンデー」も見ることが出来た。明日は33倍レンズを使用した2CAM中継だ。ようやく怒涛からの出口が見えてきたようだ。
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2006年10月8日
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2006年10月05日(木)
2006年10月5日
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2006年10月04日(水)
「HDV撮影」である。以前ならベーカム指定だった撮影がDVCAMやDVCPROになり、UNIHIがHDCAM、DVCPRO HDに変化してきた。そして今大きく変わろうとしているものがHDVである。
HDVフォーマットのキャメラは1080iのHD信号をMPEG圧縮してDVテープに記録するが、480iのSD信号の場合も1080iのHD信号をダウンコンバートしてSD記録している。そのためハイビジョンに限らずSDにおいてもCCD(又はCMOS)の画素を全て有効に出来る。そのためDVCAMモードで16:9ワイドの場合は52画素クラスの放送用19:9キャメラに見劣りしない映像を記録できる。恐るべしHDVである。
私の会社でもこれまで放送用ベーカム指定だったものが徐々にHDVでの発注に変わってきた。それは撮影費の低価格化になり、売り上げ低下を招くことになる。だがこれは機材費が安くなったのであるから当然で、クライアントにとっては非常に良いことである。
しかしそのままでは技術会社はやってゆけない。新たな戦略が必要になる。そこで私の会社では従来の制作コストを維持するために特機を使用することを薦めている。クレーンやレール、そして空撮などだ。また超小型HDVキャメラを使用したオンボードキャメラである。これらのことを従来の2/3吋放送キャメラで行っていたのではHDCAMやシネアルタと同様の撮影コストとなり、クライアントにとって負担増になる。これをHDVで行うところに意味があるといえるだろう。特にジブ(ミニクレーン)を使用した撮影ではキャメラの質量が減少したことで放送用キャメラよりも良い結果が出ている。またミニジブに電動リモコン雲台を併用することで本格的なクレーンワークも可能になる。
写真は昨日大阪市内で見かけたVPの撮影現場(他社)を偶然通りかかった私のスタッフがFOMAで撮影してくれたものだ。見るとABC PRODUCTSの軽量クレーンが使われ、先にDVX-100が付けられているのがわかる。*左の2名は何処と無く私が良く知る人物(照明&特機の会社)に似ているようだ。
このようにVPの世界ではキャメラが小型化することに反比例して特機の使用が増えてきている。これが技術会社の新たな戦略である。これは営業的な戦略ではなく、より良い作品を創りたいというクリエーター達の挑戦といったほうが良いだろう。
しかし「丸い月夜もただひと夜」ということわざがあるように、特機が使いやすくなったHDVであっても、いつまでもそれは売りにはなりえない。我々はいつも一歩も二歩も先を見て進む必要がある。さて次はどんなものが登場するのだろうか。
今日から日本郵政公社の第32回「私のアイデア貯金箱」コンクールの撮影が始まるが、今年は16:9ワイドになり、使用するキャメラもHDVのHVR-Z1Jになる。そして他のイベントや制作ものでHVR-Z1Jは今月半ばまでフル稼働である。
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2006年10月03日(火)
「WMVをDVDに」である。以前にも同様の検索があったが、やはり一般の人には難しいようだ。だが、検索結果からもわかるように様々な知識を持った人たちが便利なソフトウエアを紹介されているので試してみると良いだろう。
私はそういった方法とは違う方法によってWMVをDVDに記録している。使用するものはナショナルのDVDレコーダーだ。これを使えば極めて簡単にWMVからDVDを作成することが出来る。現在私の会社からのじぎく兵庫国体にキャメラマンを派遣しているが、仕事はボランティアの方々へインターネット生中継の技術指導が中心だ。期間中彼が携わっている種目のインターネット生中継は私の会社でDVDに記録している。ソフトウエアで変換する方法に比べると若干画質が低下するが、リアルタイムにMPEG2変換しながらDVD-Rに記録するため後処理は不要だ。記録資料としてはこれで十分以上であり、余分な作業が無い分優れていると思う。機械は使い方によって、設計者が意図した以上の能力を発揮してくれることがあり、それを探し出すことは技術系の人間の楽しみでもある。
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2006年10月3日
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2006年09月28日(木)
「ストリーミング配信 HTTP 利点」という検索だった。ヒットしていたページはトップがマイクロソフトの「Web サーバー対ストリーミング サーバー」というページで、次が私の会社の「ストリーミング映像の配信」のページだ。
ストリーミング配信は一般的にRTSPやMMSといった専用のプロトコルを使用するが、HTTPというWWWサーバー用のプロトコルでも動画配信が可能だ。もちろんストリーミング専用のプロトコルを使用するストリーミングサーバーには専用としての利点がある。たとえば一般ユーザーには配信動画を保存できないということや、目的の再生箇所へスキップできたりする機能だ。
今回のキーワードについて言えば、WEBサーバーで配信する場合は既存のインフラストラクチャを利用出来ることは大きな利点だ。ストリーミングサーバーとしてWindows Media サーバーを用いる場合はMediaサーバーソフトウエアをインストールする必要がある。
なお擬似ストリーミングであってもメタファイルを活用することで様々な対応ができるようだ。そしてWWWサーバーからのプログレッシブダウンロードではクライアントが一度視聴することでハードディスクにキャッシュされ、次回からはすぐに再生が始まる。これはダウンロード出来ないストリーミングとは正反対で、欠点にもなるが、利点でもある。だが、WWWサーバーを用いてストリーミングを行うと、サーバーの負荷が増大し、同時アクセスする多数のクライアントの要求を満たすには追加のサーバーハードウェアが必要となることが多い。つまり一長一短である。
私の会社が行っている動画配信はあくまで少数のクライアントと仮定しているため、現在のところはWWWサーバーで間に合っている。会社で行っているオンデマンド配信のリストには様々なものがある。その中でも最近特に多いのは漢字点の動画サイトだ。リアルビデオで動画配信しているが、毎日100以上のアクセスでも何とか耐えている。そして最近新しいコンテンツを追加した。
これは自宅にあるタナゴの水槽をハイビジョンキャメラで撮影し、2つのサイズで配信しているものだ。小さい方は640×360ピクセルのサイズで1500kbpsで行っている。殆どのPCで視聴できるはずだ。そしてもう一つはHDコンテンツとして1024×576ピクセルで3500kbpsで配信している。光やCATVによるBB環境であれば速度的には問題ない。PCもセレロン2.53GHzで視聴できた。Pentium4で2GHzもあれば十分だろう。どちらも Windows Media 9で行っている。
会社のWEBサーバーはsvs.ne.jpだが、動画はwww2.svs.ne.jpから行っている。どちらのサーバーもインターネットに100Mbpsで繋がっているので回線速度は問題ない。あとはクライアント数によるサーバーの負荷だが、同時に16も繋がればストリーミングサーバーに切り替えなければならない。
もうひとつの動画配信はリアルタイムエンコードによるWEB放送だ。現在実験中だが日に20件ほどの接続がある。詳しくはこちらのライブエンコードをご覧いただきたい。Windows Media Playerから
http://svs.ne.jp/rt.asxを開いていただければリアルタイムエンコードの動画を24時間視聴できる。(時々ノートンアンチウイルスをかけたり、Microsoftアップデートをしていて接続できない場合もあるが)時代はいよいよ「誰でもできる簡単ストリーミング」に突入したようだ。
タナゴの水槽SD版 タナゴの水槽HD版
※環境によってスタートするまでに少し時間を要する場合がある。
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2006年9月28日
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2006年09月25日(月)
「コンポーネント→HDV」である。ヒットしていたのはこのブログの記事だが、先日の「日々好日」でも書いている。
やはり未だにHD→HDVへの変換に対応したコンバーターは発売されず、変換には時間がかかる。現在私の会社ではDVCPRO HDからHDVへの変換を11本受注していてHDVに書き出すためのMPEG2/TSファイルへの変換作業に多大な時間を要している。
3.2GHzのPentiumDマシーンをもってしても1時間分の変換に3時間ほど費やしている。それでも出来ないよりは良いということであろう。DVD黎明期にMacintoshを使って10分のビデオをMPEG2に変換するのに一晩かかった時代よりは遥かに速いのである。土曜日から始めた作業もようやく終了しようとしている。
今回の仕事はHDVをお持ちのクライアントがHD素材を自宅で見たいということから代理店が受注したものだが、HD→HDVへの変換に対応したコンバーターが発売されていない今が稼ぎ時なのかも知れない。DVDの黎明期と同様に1〜2年もしないうちに作業料金は1/10以下に下がるだろう。
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2006年09月23日(土)
近頃は専門的なものがよく検索される。検索キーワードは「ハムイーター 中継」だった。hameaterではなくhumeaterである。ハムとは電源の接地(アース)と信号の間に生じる電位差から起こる50Hzないし60Hzの周期的な電磁ノイズで、音声の場合はブーンというノイズになり、映像の場合は縞模様として現れる。
我々の仕事では映像を数百メートル離れた所へ無線を使わず有線で送ったり、受けたりもする。送り側と受け側が別な電源系を使う場合(周波数が微妙に異なる発電機を使う野外中継など)にはハムによるビートノイズが発生する場合がある。こういう場合に使用するものがハムイーターだ。
アサカは放送用フィールドスイッチャーのASW-100などを作ってきたメーカーで、業界では非常に有名なメーカーだ。ハムイーターは目立つ存在ではないが、中継現場では「縁の下の力持ち」的存在として重要なアイテムである。ちなみに私はボンレスハム大好きのHAMEATERである。オヤジ!
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2006年9月23日
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2006年09月22日(金)
「放送用フィールドモニター」での検索だった。17万8千件中のトップで「千里ビデオが使用する撮影機材について」ページがヒットしていた。
近頃は液晶モニターの性能が良くなり、フィールドでは液晶モニターが使われるようになったが、どちらかと言えばハイビジョンの収録時に限定されるようだ。ソニーからLMD-9050といった優れた液晶モニターがLUMAシリーズとして発売され、同時にそれまでのブラウン管式のフィールドモニターは生産完了となってしまった。しかしSD収録の現場では今なおブラウン管式のモニターを求める監督が多い。やはりSDとブラウン管の相性は液晶とは違う。
ハイビジョン液晶テレビで従来のアナログ放送を見て画質の悪さに愕然とされた方も多いだろう。特にハイビジョンをDVDやハードディスクにダウンコンバート記録したときにそのショックは大きいようだ。「こんなはずじゃなかった」と言うわけである。こういった人は口を揃えて「安いブラウン管テレビで見た方がよっぽどきれい」と言われる。しかしこれはまぎれも無い事実だ。水平解像度1080本のハイビジョンに最適化された液晶モニターで水平解像度480本のSD放送を見れば当然そうなる。たとえば17吋液晶モニターが接続されたパソコンのモニター設定を1280×1024から1024×768に変えた場合はパソコンの解像度とモニターの解像度(ピクセル数)が一致しないため文字などはボケてしまう。しかしその状態で1024×768に最適化された15吋液晶を接続すれば極めてきれいな画面になる。
同じことをブラウン管で行った場合はそうはならない。ブラウン管の場合は蛍光面にドットが無く、好みの解像度を設定することが出来る。最近の放送用液晶モニターでは様々な技術によってかなりSDでの画質は向上したが、やはりHDに最適化することでSDは犠牲にせざるを得ない。
私の会社が使っているSDフィールドモニターはソニーのBVM-9045QDとPVM-9045Q、PVM-9044Q、PVM-6041Qだ。業務用のPVMシリーズが映像確認用モニターであるのに対し、放送用は画像評価用モニターに位置付けられ、マスモニに準じたものになる。もちろん性能はPVMシリーズよりも上になるが、価格も高くなる。9吋の癖に家庭用の37インチ液晶ハイビジョンテレビと同じくらいといえば見当が付くだろう。面積あたりの単価は37インチ液晶テレビの15倍ほどになる。しかし、37インチ液晶テレビできれいに見える映像を撮影するためにはこういったフィールドモニターが必要になる。
写真はBVM-9045QDで16:9のカラーバーをアンダースキャンモードで表示させたものだ。AQUOSがアンダースキャンを標準装備し、ネット配信やDVDのパソコンでの視聴を考えると今後は従来のオーバースキャンではなく、アンダースキャンが標準になるかもしれない。
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2006年9月22日
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2006年09月21日(木)

「業務 ダビング システム」だった。そして同じIPからヤフーで「業務用 ダビングシステム」とグーグルで「業務用 ダビングシステム」でも検索されていた。検索結果は私の会社が自社で保有するダビングシステムのページだ。
私の会社ではVHSへのダビングは写真のシステムで行っている。VPなどのVHSコピーではこのシステムでも400本/日程度の処理能力を持っている。といっても120分物の1000本オーダーなど、処理能力が追いつかない場合は磁気印刷用のミラーマザーを作成し、百数十倍の速度でパンケーキ(長尺ロールの生テープ)にプリントすることになる。そういう作業は協力工場で行うことにする。しかし最近ではVHSよりもDVDでの納品が多くなった。DVDは大量の場合はプレスし、少量の場合はDVD-Rコピーになる。やはり時代の変化だろう。今ではテレビをハードディスクで録画し、そのコピーをDVD-Rに保存するのが普通になってきた。VHSもオーディオカセットテープと同様の運命を辿り始めた。
地上波アナログ放送が終了する時まで、なんとか維持できればこのシステムも大往生ということになる。だが、果たしてVHSはこの世から姿を消すのだろうか?現在私の会社で保有している旧フォーマットはVHS以前の1/2吋オープンリールや3/4吋Uマチック、そしてβT、βU、βV、βTSHB、Hi8、MU、βカム、1吋Cフォーマットなどだ。これらは今もダビング依頼がある。当然VHSやS-VHSからのダビングは今後10年以上は必要だろう。
最近多いのはVHSやβ、8ミリビデオからのDVD化だ。つまり家庭や会社の映像資産をデジタル化して永久保存を考えた結果である。確かに以前の広告などでは「半永久的」や「永久保存」という言葉が使われてきた。ちなみにGoogleで「DVD 永久保存」を検索すると1,140,000件もヒットする。しかしこれは間違っている。もし永久保存を考えているのであればDVDを定期的にバックアップし、更新してゆかねばならない。さらに可能ならオリジナルテープも保存すべきだろう。何故ならDVDやCDのような光ディスクは永久どころか、半永久的ともいえないのだ。DVDの保存性については私の会社のDVDのページのQ&Aを参考にしてもらいたい。また大和総研のコラムで情報技術研究所の小川創生氏が的確な意見を述べられている。
DVDとは決して消えないものではない。ハードディスクと同様、上っ面に記録された軽薄な情報なのだ。
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2006年9月21日
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2006年09月17日(日)
「クレーン ショット 撮影」だった。検索されていたのは「HDVキャメラを使ったお手軽特機撮影」だ。
クレーンショットとは撮影技術の一つだが、ズームやパンと異なり、キャメラが上下、左右に移動しながら撮ることだ。ミニジブやクレーン、レールを用いた撮影は企業ビデオの制作では予算が限られるためになかなか利用しにくいが、費用をかけるだけの効果はある。スタジオ撮りのドラマではクレーンやぺデスタルが常設されているのでクレーンショットは自由に使えるが、オープンロケでは特機費が嵩むために、当然だが必要なカットのみにクレーンが使われる。しかし、最近流行の韓流ドラマでは頻繁にクレーンやレールが使われているようだ。金のかけ方が違うのだろうか。映画のように総制作費が大きくなるとクレーンやレールは当たり前になるが、それでもエンディングだけにクレーンが使われている作品もある。やはり予算ということか。
ところが最近では小型HDキャメラ用にロングサイズジブ+リモート雲台なども登場し、クレーンショット導入が簡単になった。私の会社でもミラーのプロジブとミカミのリモコン雲台を保有し、手軽なクレーンショットに対応している。クレーンショットを利用した現場レポートには次のようなものをホームページで公開している。写真をクリックしていただくと該当ページが新しいウインドウで開く。

ゴスペルシンガー「リチャード・ハートレイ」のPV撮影

和太鼓「あすか組」の販売用ビデオ撮影現場などがある。
映像がワイド化し、より映画に近い画角になると、キャメラワークも映画と同じものが必要になる。ビデオにクレーンショットがどういう風に利用されるかは、技術会社云々というよりも監督しだいである。
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2006年9月17日
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2006年09月14日(木)
検索キーワードは「すべては撮影から」である。「すべては撮影から始まる」というのは私の会社のモットーであり、テーマだ。検索されていた結果に「黄昏硝煙横丁»田渕寿雄の愉快な世界」のリンク集があった。田渕寿雄氏と面識は無いが「読み応えのあるページなのでリンク」などと書かれると「尻(ケツ)の穴が痒くなる」というものだ。言われて悪い気はしないが、頑張らねばと思う。
と言う言葉を思いついたのは随分昔だ。世の中がデジタル化し「コンピューターグラフィックスがあれば何でもできる」といった先走りが起こった頃だ。確かに最近の64bitゲームなどを見るとバーチャルキャラクターがあたかも生き物のように活躍している。それはそれで良い。我々も常にCGの世話になっている。しかし、映像で真実、事実を伝えるという仕事は写真、動画に限らずいつの時代にも必要だと考える。その判断から私は「すべては撮影から始まる」を打ち出した。もちろん時代はハイビジョンになり、その次はスーパーハイビジョンの時代になる。そして平面の映像はいずれ立体に変わるだろう。もちろんレーザーフォログラフィーなどの立体映像はすでに実用化されているが、もっとリアリティーのある立体映像の時代が必ず来る。当然実写のシステムも変化し、現代の常識からは想像も出来ないシステムになるはずだ。
いずれにしても実写という仕事は無くならないはずだ。それが我々技術会社の生業であり使命であるはずだ。今後も「すべては撮影から始まる」は変わらないテーマであり続けるだろう。「撮影技術の向上」は我々にとって最大の目標である。
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2006年9月14日
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2006年09月10日(日)
「dxc-レンズ」という検索。DXCとはソニーの業務用キャメラに付く品番で、放送用にはBVPやBVW、HDW等の品番が付く。業務用ではDXCのほかDSR、PDWなどの品番が使われる。
放送用と業務用とでは何処が違うかと言うと、耐久性、信頼性、画質ということになる。耐久性、信頼性と言う点で以前は使用部品のグレードなどが違い、明らかに放送用の部品は厳選されたものが使用されていた。しかし、最近のものではその差もなくなり、画質も大きな差を感じることが無くなった。

↑(DXC-637にJ20×8を装着)
ただしテレビキャメラは装着するレンズによって画質に大きい違いが出る。業務用のレンズ(キヤノンの場合はYJシリーズ)は放送用のJシリーズやHJシリーズと比べて確実に解像度が低い。レンズの違いが放送用キャメラと業務用キャメラの画質を決めているといっても過言ではあるまい。さらに使用部品の関係だろうか、ズームやフォーカスの動きにも明らかな差がある。
制作ものの撮影では業務用キャメラであっても放送用レンズを使用する。理由は解像度の高さと、ズームの粘りをカメラマンの好みに合わせてメーカーのSCで調整してもらえるからだ。YJシリーズの場合メーカはこういった対応をしていないらしい。調整部分が無いことと、手動ズームを使う人が少ないことによるものと思われる。

↑(写真はDXC-637にJ14×8.5を装着)
東京のキャメラマンには電動ズームを使用する人が多いが、関西では電気は恥とされる傾向がある。職人技としての手動ズームが今も要求されるのだ。私はそのことには拘らず、必要とあればオイルダンプズーマーなども使うし、HDVのキャメラではA地点〜B地点でズーム、フォーカス、アイリスを設定し、自動で動くオートトランジションも使用する。しかしあくまで基本は手動だ。手動ズームが意のままに出来なければ一人前とは言えない。撮影現場でベテランの監督が台本に無いキャメラワークを要求することがある。「今のを超ゆっくりのスローズームで、フォーカスフォローね」である。おそらく編集では使わないカットだが、監督のご希望通りにテークを増やす。この時電気に切り替えてはいけない。要するに腕試しである。
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2006年9月10日
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2006年09月07日(木)
TBSの制作デスクから電話が入った。明日現場入りの急な撮影だ。電話を終えてアクセスを調べてみると「BVW-D600」「ベーカム 撮影 大阪」などがあった。IPを見るとTBSの番組を制作している会社からの検索キーワードである。結局その現場は笹邊が担当することになった。
DVCAMやDVCPRO、HDCAMが主流になっているが、今なおベーカム健在である。やはり2011年まではベーターカムのオキサイド(メタルのSPでは無くオキサイドである)は残さなければならない。今年は番組の仕事が増えている。我々のようなプロダクションでもネットのお陰で様々な引き合いがある。撮影は企業のサイズではなく、キャメラマンの感性、技術、質が問われるものだと考える。
間もなく「のじぎく兵庫国体」が始まる。私の会社からはハイビジョンやスタジオ撮影で笹邊が信頼するM君に中継で専従してもらうことにした。
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2006年9月7日
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2006年09月04日(月)
「HDVで残す」というキーワードだ。最近のVP撮影ではβCAMやDVCAMで記録するよりもHDVで記録することが多くなった。SDで限りなく高画質を望む場合はデジタルベーカムやIKEGAMのD45にJ14×8というとてもも無く大きく重いEFP用レンズを使用して撮影するが、2011年のアナログ地上波放送の停波対策としてコストの低いHVR-Z1Jでハイビジョン撮影を行っている。もちろんHDCAMで撮影することは理想だが、企業VPは予算あってのものだからHDVフォーマットは有りがたい。
最近ソニーからHDW-D1800という新しいHDCAMが発表された。これまでHDVからHDCAMへの変換にはHDアナログコンポーネントからHDSDIへ変換したり、CANONのHDVキャメラのHDSDIをHDCAMにコピーしていたが、HDW-D1800を使うことでIEEE1394でHDVのMPEG2/TSを直接コピーできるようになる。完全なデジタル処理によってHDV⇒HDCAMの変換画質が向上することが期待できる。MiniDVテープの究極といえるHDVファーマットは今後も様々な発展、展開が期待できるだろう。
私の会社もHDCAMに比べて低コストなXDCAM HD導入までは、将来性を考えたHDV収録の需要は増え続けると思われる。
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