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2006年12月06日(水)
HC-D45
 「HC-D45」という検索だった。
 昔IKEGAMIがテレビCMを行ったことがある。確かバルセロナかどこかのオリンピックの時だった。その時のコピーは「ブラウン管の向こうで有名です」と言っていたように記憶する。確かに有名だ。そしてそれを裏付けるように高画質、堅牢だ。さらに演色性が優れている。結果として今尚βカムを一体化したHL-55や57が現役で使用されている。
 今日石原真理子の記者会見があったが、HL-55+BVV5が持ち込まれていた。確かに息の長いキャメラだ。そしてタモリ倶楽部の撮影もIKEGAMI+BVV5である。これにはIKEGAMIの技術者も「凄く古いキャメラを使っている!」と驚いていた。
 以前ナショナルが新しい研究所を発足させたときにIKEGAMIから17人のトップハンティングを行ったという噂を聞いた。確かにその後ナショナルが発売したAQ-20やAQ-11という品番のキャメラはIKEGAMI風になった。そして私が技術者と電話で話したときに「HL-791、HL-95の発色を目標にしました」と言っていたことを記憶する。これらの技術はその後のAJシリーズやバリカムにも生かされているようで、IKEGAMI信奉の監督もナショナルのAJ-SDX900などの発色を見てDVCPRO使用を決めたことがあった。
 だがIKEGAMIもその後優れたキャメラを発売している。デジタルプロセスのHC-D45がそうだ。当初業務用として発売されたが、その性能の高さからHL品番に格上げされてHL-45になった。HC-D45はNTS(NHKテクニカルサービス)のNEO OB VAN(ネオ中継車)に搭載されている。
 HC-D45は52万画素CCDを搭載し、RGB DTL方式でRGB各信号からそれぞれ独立した垂直DTL信号を作ることにより、赤、青の被写体の解像感を大幅に向上させた。
 私の会社でも当初はβカムのBVV5と一体化して使用していたが、DVCAMの使用頻度が多くなったことで、最近ではDSR-1を一体化して使用している。

 完全一体型のHL-DV7Wなども使うが、キャメラ分離型の場合は完全一体型に比べてフォーマット変更などでは大変有利だ。もしβカム完全一体型のHL-V55などを購入していたなら今頃はお蔵入りになっているに違いない。HC-D45はVEリモートが使えてVP撮影には適しているのだが、VEリモートを省略したソニーの完全一体型DVCAMのDSR-400と比較すると重く大きいことは否めない。
 HC-D45wBVV5はDVCAM一体型のHC-D45wDSR-1になり、βカムからDVCAMに進化た。つまりフォーマットを進化させて稼ぎ続けているのである。
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2006年11月30日(木)
BVM-9045QD
 「BVM-9045QD」という機種名での検索だった。検索されたページは「千里ビデオが使用する撮影機材」のページである。
 ソニーのCRTモニターにはBVMとPVMがあり、BはBroadcastの略でPはProfessionalの略になる。つまり放送用と業務用をBVM、PVMとして区別している。今回検索されたBVM-9045QDには業務用バージョンのPVM-9045があり、価格は10万ほど違ったように思う。どちらも高精細CRTが使用され品位の高い映像を見せてくれるが、並べてみるとそれなりの違いはある。その違いはBVMは放送用の画像評価用でありPVMが画像確認用の業務用モニターに位置づけれれていることに起因するようだ。またBVM-9045QDにはシリアルデジタル入力があり、DVCAMのDSR-2000を収録に使用する場合などは理想的な画像評価が可能だ。
 しかし普通のロケではバッテリーを内蔵できるPVMを重宝している。また状況によっては6吋のPVM-6041Qも多用する。いずれにしても小規模のVロケでは大型のモニターの携行は出来ないため9吋以下に限定される。最近ハイビジョン収録では液晶モニターも使うようになったが、ハイビジョンと異なりSDにおける画質ではブラウン管モニターに軍配が上がる。それは画像の精細度が9吋であっても20吋液晶以上の分解能を誇ることからも明らかだ。だがこれもパソコンのモニターが液晶化していったように、近日中にはSDでもブラウン管を超える評価用モニターが登場することにだろう。それまではブラウン管依存症の我々は、大きく重いブラウン管を使用することになる。

※以前にもここでモニターに関連した記事を書いているので参照していただきたい。
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2006年11月27日(月)
カメラリターンスイッチケーブル
 「カメラリターンスイッチケーブル」である。以前にもリターンスイッチの検索があったが、少し詳しく説明しよう。
 マルチキャメラでスイッチャーを使った収録の場合、キャメラマンはスイッチャーやディレクターの指示でカメラを振るのではなく、キャメラマンの感性で絵作りを行う。カット割が決まっている収録の場合も、自分の映像が入る前の映像(スイッチャーが現在選択している映像)を見なければならない。
 家庭用のキャメラをフレームシンクロナイザー内臓のスイッチャーで切り替えている映像会社を見かけることがあるが、技術的にしっかりしたところは小型の液晶モニターをキャメラや三脚に取り付けて収録している。ただしこういった場合はケーブルが煩雑になったり、仕込みに時間を要したりする。これが業務用、放送用になるとキャメラのジェンロック入力にプログラム映像を入力したり、CCUのRETURNにプログラム映像を入力することで、キャメラのファインダーを切り替えることでリターン映像を確認することができる。特に放送用キャメラや業務用キャメラのDXC-D50WSなどの場合はプログラムリターンだけではなく、リターン2としてオンエアやエフェクト、グリーンタリーの裏撮りなどの映像を見ることが出来る。キャメラケーブルも複数を張る必要は無く、多芯のマルチケーブルやトライアキシャル、光ファイバーなどでは1本のケーブルに電源の他、複数の映像、制御信号、インカム信号などが重畳されている。
 普通リターンスイッチはキャメラのレンズやボディーに付けられているが、非常に使いづらい。そこでレンズのズームデマンドを取り付けるコネクターからリターンのみを取り出してスイッチすることでファインダーの映像を撮影/リターンを切り替える。普通このスイッチは三脚のパン棒に取り付けて使用する。手動ズームの苦手な人が電動ズームサーボを使用し、コントローラーに付いているリターンスイッチを使用しているようだが、ズーミング中にリターンを確認することは至難の技である。※オーバーラップを使う場合は相手方のキャメラマンの映像がどう重なるかをリターンビデオで確認しなければ理想的な効果は得られない。
 写真は私の会社で使用しているオリジナルのリターンスイッチだ特許に匹敵する部分もあるため、詳しくは書けないが、様々な工夫を施している。しかし、キャメラマン歴の長い人が見ると直感で判ると思う。リターンスイッチは既製品が無く、技術会社はそれぞれに独自の物を自作しているというのが現状である。
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2006年11月26日(日)
大阪 ビデオ制作
 「大阪 ビデオ制作」という検索。検索者のIPアドレスから大阪北部からだと言う事が判る。
 検索されたからといって仕事に繋がるかといえば、決してそうでないこともある。このIPの場合はこれまでも数百回というアクセスをしてきたWEB制作及びビデオ制作を行ってきた会社だ。つまり敵陣視察といったところだろう。こういった場合はその訪問者がどのページをどれ程の時間を費やして閲覧したかなども分析する必要がある。そしてその結果から他社がどういったコンテンツに興味を持っているかなどを収集することで自社の営業戦略に有効利用しなければアクセス解析の意味が無いだろう。インターネットには善良な市民だけではなく魑魅魍魎たちも蠢いているのだ。そしてこういう解析を行う私自身もインターネットに棲みつく物の怪なのかも知れない。
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2006年11月25日(土)
ケーブルテレビショー
 「ケーブルテレビショー」での検索が多い。23日に終わったばかりで検索が続いている。
 今回のケーブルテレビショーではメインステージとケーブルテレビブースの送出を担当した。 会場には展示ブースとイベントステージがあり、笹邊はイベントステージを担当した。ここではステージ上下(かみしも)に透過式スクリーンを配置し、5500ANSIのDLPで投影した。DLPは液晶プロジェクターに比べると明るく、発色も良い。

 ステージ裏に組んだ送出機器は動画用ノンリニア編集機、DVDプレーヤー、パワーポイント送出用PC、中継車からの映像を同期させるフレームシンクロナイザーやダウンコンバーターなどである。

 今回は当日に間に合わない素材があるかも知れないということで、バイオをインターネット接続ルーターとして使用した。CATVインターネットは主催者へオーダーされていなかったため、接続にはAirH"を使用している。↓

これは100BASE/Tのハブの写真だ。↓

 送出用コンピューターをハブを通してWORKGROUPにすることで全てをファイル共有とインターネットに接続した。NHKのイベントで使用した「いないいないばぁっ!」のロゴなどもインターネットでダウンロードして使用している。

 今回は「芋たこなんきん」の小西美帆さんのトークショーや新日本プロレスのライガーさんのトークショーなど、個人的にも大変楽しめた。
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 上の写真はケーブルテレビブースの様子だが、今回はこのブースの送出も担当した。送出システムは下の写真のようにコンパクトなものだが、2台の65インチプラズマに異なった映像を同期させて送出するためにPanasonicのラップトップ編集機を使用している。スイッチャーはイベントステージ、展示ブースともPanasonicのAW-SW350を使用している。

 今回のケーブルテレビショーで笹邊がとても気になったものはPanasoniの出展ブースに展示されていたAW-SW350の後継機であるHD-SDI用ライブスイッチャーだ。操作性や画質もよく、イベントでのHD送出やマルチキャメラ収録に重宝しそうだ。次回のイベントは是非HDを採用していただきたい。

 この日の様子は後日ホームページのShootingに掲載する予定だ。
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2006年11月21日(火)
簡易中継車
 「簡易中継車」というキーワードで検索されていた。簡易中継車の検索結果 約952件中1-10件目ということだが、中継車としてはお粗末なものだ。しかし、このスタイルは様々なイベントで使用している。たとえばヤンマー農機の大型イベントや国土交通省の防災訓練中継などだ。
 正式な中継車と比較することは無意味だが、必要に迫られて構築してきたスタイルも定着し、今では大きな武器になっている。ここに簡易中継車を使用した現場レポを掲載している。
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2006年11月19日(日)
撮影 ケツカッチン
 「撮影 ケツカッチン」というキーワードだった。
 「ケツカッチン」とは次の仕事があるため、決められた時間内に終わらなければならない場合などに使う。ケツとはもちろん尻のことだが、カッチンは意外とあいまいなようだ。カチンコの音とも言われるし、終わりの時間がカッチリしているとも言われる。まあ、ケツのスケジュールがカッチンカッチンに決まっているというようなものだろうか。撮影で2現場を掛け持つことがあるが、そういう場合にもケツカッチンを使う。

 話が変わるが、このブログのアクセスが増えてきたようだ。これまではなかなか100/日を超えることは無かったが、最近は100を超える日が増えてきた。リピーターも15人くらい居られるようだ。会社のサイトからのアクセスが多いので、どうしても土日は減少する。ただしzaqのブロガリユーザーからのアクセスは10/日に満たないことが殆どだ。もうすこしブロガリユーザーが増えれば上位ランキングにも入りそうだが、コメント不精ゆえ仕方ないだろう。
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2006年11月18日(土)
映像送出技術
 「映像送出技術」というキーワードだ。撮影技術もそうだが、映像送出も技術会社の重要な仕事だ。オープニングやエンディング、ライブ中継など、ステージの進行に合わせて様々なものを送出する。最近は送出現場にノンリニア編集機を持ち込むスタイルが定着したために送出だけではなく、現場での編集なども可能になった。
 昨日と今日はCATVショーの打合せだったが、今年は複数のPDPに別々な画像を送出するシーンなどもあり、明日はテクニカル部分の詳細を検討することになった。素材はDVCAM、DVCPRO、DVDなど様々なものが届いた。そしてまだ到着しないものについては現場でキャプチャーすることになった。便利にはなったが、その分仕事が増えたことも事実だ。どういうイベントになるかは公表できないが、今年も大勢の方に来て頂きたいと思う。
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2006年11月12日(日)
才能教育研究会 卒業式
 「才能教育研究会 卒業式」だ。鈴木鎮一さんが亡くなられて随分と経った。師がお元気だった頃が懐かしい。
 才能教育研究会、つまりスズキメソードだが、関西ピアノ科の撮影は随分前から行っている。毎年行われる卒業式や鈴木デー記念演奏会などだが、ステージにピアノが4台並ぶ斉奏は壮観だ。京都コンサートホールや、厚生年金会館、メルパルクホール、神戸文化ホールなど、様々なホールで撮影してきた。才能教育研究会の撮影は当初から放送フォーマットによる4CAM/EFPで行ったが、今ではこの撮影方法も定着した。お陰で才能教育研究会の担当者が変わっても、続けて私の会社が引き継いで受注させてもらっている。しかしそれは努力無しに継続されるものではない。スイッチングも重要だが、何よりもキャメラマン達の技術研鑽の賜物である。
 今日12日はスズキデー記念ピアノコンサートで【関西、中国・四国、九州地区】から沢山の鈴木チルドレンがやってくる。生徒達の日頃の努力の成果を今年からはDVDに収めることになった。そして今回からはキャメラのグレードをアップしたため、画質も一段と良くなるだろう。DVDはこれまでのVHSとは比較にならない高画質、高音質で納める事が出来る。これは制作する側にとっても非常に嬉しい。そして近い将来はこれらもハイビジョンに変わってゆくことになるだろう。夢は膨らむが、しかし現状では放送やイベント以外でハイビジョンは不可能といえる。問題は採算が取れるハイビジョンEFPシステムにかかっている。HD-SDIでCCUが使え、タリー、リターン、インカムを備えた業務用ハイビジョンシステムの発売を期待している。
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2006年11月11日(土)
ZOOM DRIVE
 「ZOOM DRIVE」という検索だった。ヒットしていたページは技を支えるProToolとして、撮影に便利なToolを紹介しているページだ。
 そこで紹介しているZOOM DRIVEは正式にはFluid Zoom Driveという。Chrosziel GmbH製のもので、J15a-8やJ14a-8.5などに取り付けて使用する。シリコンオイルを使ったフルードドラグによってズームスピードをコントロールできる。ドラグ量はダイヤルの調整で無段階に行え、ズームレバーは長短2種類が付属している。
 これさえあれば監督からいくら超スローなズームワークを要求されてもワンテークでOKを取れるのである。レバーの停止位置を決め易いため超ハイスピードなズームでも同様だ。フィルムの世界ではかなり昔から普及していたが、ビデオではまだまだ普及していないのが現状だ。理由は色々考えられるが、一つは電動ズームの普及である。電動ズームもよいが、やはり職人技は手動ズームということになる。撮影技術の中でキャメラのパンやレンズのフォーカス、ズームはキャメラマンの技術が問われる部分で、キャメラマンそれぞれに拘る道具がある。
 こういう風に書くといかにも道具優先のようだが、キャメラマンにとって最も重要なことは何をどう撮るか、いかに映像表現するかであることを忘れてはならない。道具とはあくまでキャメラサポートに過ぎないのである。最近では自動機能が充実し、誰もが簡単にビデオ撮影が(それも非常に高画質で)出来るようになった。そのためか、5W1Hさえ知らないキャメラマンが居たりする。嘆かわしいことである。
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2006年11月10日(金)
映像制作 価格 相場
 「映像制作 価格 相場」というキーワードだ。ハッキリ言えば相場というものは無い。余りにも価格差が大きいのである。
費用が必要なパートの種類は
 演出費(台本、監督費等)、出演者のギャラ、ナレーターのギャラ、スタイリストのギャラ、メイクアップのギャラ、撮影スタジオ費、キャメラマンのギャラ、ビデオエンジニアのギャラ、キャメラアシスタントのギャラ、音声技師のギャラ、照明技師のギャラ、照明助手のギャラ、撮影機材費、特殊撮影費(空撮、水中等)、特機費、特機オペレーターのギャラ、撮影時の特効費(雨、雪、煙、炎、爆発等)、音声機材費、照明機材費、材料費、車両費、交通費、宿泊費、制作進行管理費(打合せ、ロケハン等)、編集費、CG費、録音費、音源費、マスタリング費等である。
 1本の作品を作る場合、製作日数、スタッフのグレード、人数、使用機材のグレード等によって20万〜数百万の幅が生じる。これまで私の会社が引き受けた仕事にしても、内容によって大きく変わる。たとえば放送番組の撮影のみを10万前後で受けることもあれば、企業の案内ビデオの撮影(演出、編集は別)に50万以上かかった場合もある。また私が撮影を担当し編集まで全て引き受けたアミューズメント用の10分の映像作品でも500万円以上になった。つまり映像制作に相場は無いといえる。
 「会社案内を作りたいが、いくらかかりますか」という問い合わせがあるが「80万〜500万程度まで幅があります」としか答えようが無い。そこで「予算に合わせた制作方法で」見積もる事になるが、どう頑張っても80万円以下で会社案内は出来ない。ただし、それ以下の金額で引き受けたものもある。シナリオの作り方をご指導することで演出費を削減する方法だ。さらに撮影を業務用のHDVやDVCAMで撮影することで50〜60万円程度で制作することが可能になった。だがそれも無理な場合はネット上で超低価格を打ち出している制作会社で作っていただくのが良いだろう。
 映像制作は大きな費用がかかっても、プロに任せる意味がある。
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2006年11月09日(木)
三つのあ 映像
 「三つのあ 映像」だ。三つの「あ」は様々な業界で様々なものがある。私が考える映像業界の三つの「あ」は次のことだ。
 1:挨拶、2:安全、3:後始末
これは映像に限らず全ての業界に通用すると思う。
先日ある現場へ派遣したキャメラマンから聞いた話だが、その現場50年に一度の大きな現場のため、色々な技術会社からプロが派遣されていた。機材屋から聞いた話だそうだが、一つで現場で有った話だ。
 某映像会社の社長が『撤収は聞いていない』と撮影終了後即座にバレたらしい。機材屋は実名付きで現場の様子を言ったようだ。これが音響や照明の撤収の手伝いなら仕方の無いこともある。だが、一つの現場を協力して中継を行った場合は、たとえ部署が照明部や制作部であっても、早く片付いたところは手伝ったりする。それが同じ映像チームの中で『撤収は聞いていない』では済まない。ましてや問題の人物は社長だそうだから、当然社員もそうだろうと類推することになる。後片付けまでやって仕事は完結する。
 まあ、業界でこういうことをするとそれなりのしっぺ返しはある。「あの会社が来たら豪い目にあわしたれ」である。これは昔から舞台関係では良く聞く言葉だ。業界とは楽しく面白い世界だが、一つ間違うと恐ろしい世界である。スタッフの口から実際には実名を挙げて伝達される。「人の口には蓋が出来ない」とはよく言ったものだ。ちなみにその会社は千里ビデオサービスからそう遠くない場所にあり、ホームページも公開している。
 挨拶、安全、後始末、きっちりと守らなければならない。
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2006年10月25日(水)
バリカムオプション
 「バリカムオプション」という検索だ。キーワードとしてはかなり専門的なものに属する。
 バリカムオプションとはカノープスが提供する拡張ソフトウエアで、動作にはUSBキーが必要になる。よく似たものにXDCAM Optionがあり、これはXDCAMを編集する場合に必要になる。
 バリカムはその名のとおりアンダークランクやオーバークランクが自由に設定できる。また映画製作の標準である24Pやシネガンマも備えている。Final Cut Proの場合は標準で24Pを扱えるが、カノープスはバリカムオプションが必要になる。価格は20万だが、一般ユーザーには不要な機能を省いて、必要とするユーザーにのみオプションで提供することは、一般ユーザーへの価格を抑えるには正しい設定だ。確かにEDIUSはFinal Cutよりも遥かに安い。
 バリカムやHDカムなど、ハイビジョンでのオーダーが増えているが、急遽入ったテレ朝のスーパーモーニングの撮影技術協力はベーカム指定の撮影だ。いったいいつまでベーカムは続くのだろうか。
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2006年10月22日(日)
HDコンテンツ サンプル動画
 「HDコンテンツ サンプル動画」である。ホームページのサイトマップがヒットしていた。
 現在水槽の動画で1024サイズのものと640サイズのものだ。パソコン上での再生を考えるとHD本来の1920×1080(フルハイビジョン)は適しているとは言えない。現在私が使用しているデスクトップは殆どが1280×1024の17吋液晶であり、2480×1024や1920×1024はデュアルモニターのために中央に継ぎ目が出てしまう。ましてそれぞれが別々のビデオカードを使用している。一般的に考えて1920×1080を一画面で表示できる環境の持ち主は23インチApple Cinema HD Displayや、フルハイビジョンのAQUSクラスと高スペックのPCに高性能なビデオカードを搭載してDVIやHDMIで接続しているユーザーくらいであろう。おそらく限られた人たちだけだある。つまりPC向けにハイビジョンを配信する場合は15吋では1024、17インチは1280でになる。
 現在私の会社が配信しているHDコンテンツ サンプル動画も公開以来1000アクセスを超え、トラフィックが規定を超えてしまった。HDコンテンツに対する関心度の高さを実感して先日新しいサーバーを契約した。ただしサンプルの配信だけでは商売にならない。HDコンテンツの制作依頼があって初めて商売になる。そしてコンテンツが多くなければ宣伝にはならない。新しい仕事に繋がるように、現在新コンテンツを計画中だ。サーバーに余裕が出来たので次は1280×720での配信を計画している。
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2006年10月14日(土)
レンズ リターンスイッチ
 「レンズ リターンスイッチ」である。検索されていたページは「マルチキャメラでの芝居収録現場」だった。しかしそのページではリターンスイッチの詳細は記述していない。リターンスイッチとはキャメラのレンズやボディーにRETと表示してあるスイッチのことだ。VTR一体型のカムコーダーではこのRETスイッチを押すことでレックレビューが働き、すでに撮影された映像のラスト数秒をファインダーで再生できる。記録チェックやカットの繋がりを確認する場合に使用する。またβーカムなど、時間軸圧縮によるコンポーネントVTRではCTDMボタンと併用することで色信号の記録を確認したりも出来る。
 そしてRETスイッチのもう一つの機能はリターンビデオの確認だ。キャメラを複数台使用するEFPにおいて、スイッチャーからプログラム映像をリターンビデオとして送り返すことでキャメラマンはファインダー内で現在選択されているキャメラの映像やオンエア中の映像を見ることが出来る。見ることが出来るというよりも、リターンビデオが無ければまともなスイッチング収録は出来ないといっても過言ではない。リターンビデオとタリーランプさえあれば、例えインカムが故障したとしても収録に支障をきたすことは無い。余談だが制作会社が嘆かわしい話をしていた。「ある業者に3CAM撮影を依頼したが、とんでもないビデオになった。その上、本番中にトランシーバーの音がうるさかった。」そうだ。聞けばキャメラはPD-150を3台でデジタルスイッチャーを使ったらしい。ただし費用は3CAMで10万だそうだ。とんでもない金額が一人歩きしている。この業界で10万とはキャメラ1台での撮影費用だ。3CAM/EFPを現場に構築するには業務用の機材費だけでも15万/日以上は必要だ。3名の人件費を加えれば最低25万は必要になる。マルチキャメラはリターンビデオとタリーランプがあって初めてリズミカルなスイッチングが可能になる。スタッフの息を合わせるためのシステムがマルチキャメラEFPである。映像制作会社の看板をあげる前に十分な知識と技術、経験を積んでもらいたいものだ。あまりの無知、無謀に思わずぼやきたくなるのは決して歳のせいではない。
 今回検索された「レンズ リターンスイッチ」だが、レンズのRETスイッチはあまり使いやすい物ではない。スイッチがゴムで覆われ、余りにも硬すぎるのだ。マルチキャメラで収録する場合は次のようなスイッチを使用する。(ハンディーで担ぐ場合はやはりレンズのRETスイッチを使用するが、軽く押せるように工夫している)
これは私が自作したもので、一般には市販されていない。おそらく我々の同業もこういったスイッチは自作されているはずだ。私は三脚のパン棒に被せて使用するように設計した。初期のものは円の中心にスイッチを配したが、現在はキャメラマンの手のサイズに合わせてスイッチの位置を調整できるように位置を偏芯させている。手作業で作るために1つ製作するために一時間弱の時間を要する。これまでに20個ほど製作し、そのうち7〜8個は同業に頼まれたものだ。
 このRETスイッチとよく似たものがRECトリガーだ。
RETスイッチと似ているが、これはVTRをスタート、ストップさせるものである。普段は使用しないが、同ポジ撮影でキャメラが揺れないため、VPではよく使用する。またハイアングルの撮影や、左手がズームとフォーカスで手一杯になる撮影でも重宝する。RETスイッチと間違えないようにこのスイッチは赤ボタンにしている。
 これといった既製品がないのが我々の業界である。ハイテクが進む中、やはり半田ごてとテスターは手放せない。
 さて、今は朝の4時半である。実は昨夜から続くイオンの教育用ビデオの編集が終わり、現在DVDのオーサリング中なのだ。今日は午後から女声合唱の収録があり、明日は龍谷大学の修景工事が終わった深草キャンパスのPV撮影である。そのあとも新しい撮影と編集がドッと入っている。いざなぎ景気を超えるとか、景気拡大が続くとも言われるが決して油断は出来ない。米国発の世界恐慌や、1990年代日本の失われた10年など、我々は多くのことを学習してきたはずだ。この格言は決して忘れてはならない。
「おごるなよ、丸い月夜もただひと夜」
2006年10月14日 | 記事へ | コメント(0) |
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ニックネーム:SENRI
都道府県:関西・大阪府
映像制作/撮影技術会社
(株)千里ビデオサービス
代表取締役&
北八ヶ岳麦草ヒュッテHPの管理人です。よろしくお願いします。
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