2007年04月18日(水)
「P2CAM」というキーワード。P2CAMとは松下の半導体メモリーによるカムコーダーである。先に書いたAG-HPX555がそうだ。
このHPX555が発表されているNAB2007のソニーブースで異変が起こっているらしい。先日からNAB2007へ視察にいっている技術会社のH氏から届くニュースでは松下のP2CAMに対抗する半導体メモリーカムコーダーとしてフラッシュメモリを採用したXDCAM EXが発表されたらしい。特大の写真をここで見ることができる。
HDCAMによって世界をリードしつつもNHK地方局のDVCPRO-HD採用によって地方選に敗れはしたが、PCAMによって一歩先んじていた松下に対してソニーは新しい戦いを挑み始めた。HDVに参加せず、独自にP2CAM路線で進んできた松下陣営とXDCAM_EXでサンディスクのメモリーを採用したソニー。HD/SD混在で混沌とする映像業界でユーザーはどちらを選ぶのか、たいへん興味深い戦いが口火を切った。
さて、私の会社はどっちを選ぶのか?
答えは2つである。技術会社としては双方に対応しなければならないだろう。今現在私の会社が対応しているフォーマットはβCAM/DVCAM/DVCPRO-25/50/HD、そしてHDV、P2CAM、HDCAMだが、また新たな対応を迫られることになる。フォーマット争いに振り回されるのは最終の視聴者もさることながら、技術会社も振り回されて続けているのだ。
ちなみにXDCAM EXと競合するP2CAMカムコーダーは下の写真AG-HVX200である。
下の写真が気になるXDCAM EXである。
この写真を見るとワイド端が5.8mmになっている。もしかすると撮像素子が1/3ではなくXDCAM HDと同じ1/2インチになっているのかもしれない。それならば画素数は150万画素以上ということになる。期待ばかりが膨らむNAB2007だ。最後の写真がXDCAM EXの全体像である。
NAB2007の現地レポートがシステムファイブさんのポータルサイトで公開されている。見ているだけでワクワクする。しかし目の毒でもある。
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2007年4月18日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年04月15日(日)
「PL-41D」である。PL-41Dとはパイオニアのベルトドライブ式アナログレコーデッドディスクプレーヤーシステム要するにレコードプレーヤーだ。写真は私が使っているPL-41A改←(紫電改のように一部を改良したもの)で41Aオリジナルの4極ヒステリシスシンクロナスモーターを8極のものに換装し、進相コンデンサーとプーリーも2倍の直径のものに換装している。つまり8極になることで回転数が1/2になり、ゴロが減少しS/Nが良くなる。これが検索キーワードにあるPL-41Dである。このPL-41Sからトーンアームを除いたフォノモーターがMU-41Dという品番で販売されていた。今から40年近く前のことだった。
上の写真は太くなったブーリー部分。
これはシャーシに直付けしたSME-3009/SV。チタンアームが美しい。私は昔からSMEのファンで、SL-1200にも3009/SUを使用している。
今回のキーワードで検索されていたページはブロガリの「タンノイ GRF」だが、そこでもPL-41についてこう書いていた。
40年程前に購入したPL-41Aにはオリジナルのトーンアームが付いていたが、ダイキャストボディーを加工し3009に換装して使用していた。その後モーターの回転数が1/2になったPL-41Dという8極モーターを搭載したモデルが発売され、モーター、プーリー、進相コンデンサー、軸受けを交換してPL-41Dと同等に改造し、トーンアームも3009/SVに交換した。またその時、FR(フィディリティーリサーチ)のトロイダルコアトランスを用いたFRT-3型MCカートリッジ昇圧トランスも内臓した。このトランスは機械生産できず、手作りによるものだそうだ。
当時ターンテーブルとしてMU-41が発売されていたが「ターンテーブルとトーンアームは分離せず、剛体でひとつに結ばれているべきである」という考えからダイキャストに穴を空けてトーンアームを直付けしたのだ。さらにオリジナルの木製箱に漆黒のピアノ塗装を施した。
この古いターンテーブルのリペアパーツは今も入手可能で、拙宅では当時の性能を維持しつつ元気に回っている。私にとってはトーレンスやガラードの名機以上の名機として愛着は深い。
この考えは今も同じであり、40年も前のオーディオ製品が今尚現役で使えることに喜びを感じている。そして今では私の息子がこういった往年の名器を大事に使い続けてくれることにより大きな喜びを感じている。
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2007年4月15日
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| 音声・録音・音響 |
「quicktime5.0」だった。検索されたページがあることも忘れていた。ページのリンク先にQuicktime5.0ではなく、最新版の7.0になっていた。Quicktimeは時として古いバージョンが必要になることがあるので、適宜インストーラをダウンロードしておく方が良い。もし無ければアップルのFTPサイトに有るかもしれない。
私が最初に使ったSystem7.5.3のマックのQuicktimeは1.5だったと思う。その後7.6.1〜8となりQuicktimeも2.0〜3.0へ進んだ。この頃のマックに入っていたAVID VideoshopやAVID CINEMAなど、動画を扱うアプリケーションにQuicktimeは不可欠な機能拡張であり、マイクロソフトに対してもQuicktime1.5からfor Windowsとして提供されている。
Quicktimeは動画再生プレーヤーやファイル形式と思われがちだが、実際は時間を制御する技術であり、その名の通りである。もしQuicktimeが無ければコンピューターによるビデオ編集や画像処理に今日の姿は無かったといっても過言ではないだろう。そしてマイクロソフトへの提供はマイクロソフトがアップルにオフィスを提供したこと以上に大きな出来事であったと思う。私は3.0以降QuicktimeはPro版を使用しているが、映像だけではなく、画像や音のファイル変換にも大変有用で音質も優れている。特にサンプリング周波数の変換ではWindowsを使ったビデオ編集の必需品となっている。
「マイクロソフトがアップルにオフィスを提供」というと誤解を招きそうだ。正しくは「マイクロソフトがアップルに統合アプリケーションOfficeを提供」という方が正しい。ちなみに私の古いマックにはPhotoshop 2.0やWord 4 for Mac、Excel 4 for Macが入っていて、もちろんQuicktimeもインストールされている。
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2007年4月15日
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| コンピュータ・IT系 |
2007年04月14日(土)
「撮影技術会社」である。このキーワードは一般には使われない。業界でのみ通用するキーワードである。おそらく業界の人が検索したのだろう。
嬉しい事にグーグルでも「撮影技術会社」で上位になっていた。ただしこういう結果は一過性のもので、いつ下がるとも限らない。やはり撮影現場やブログなどの更新は大切である。
写真は先日行った滋賀県のマキノ町である。桜など、春の風物詩の撮影だが、HDCAMと三脚だけでは物足りない。映像に動きを付けるためにモノレール式のドリーを使用している。撮影技術会社を生業にするには撮影だけではなく、様々な特機の応用が求められる。また収録フォーマットもDVCAM、BETACAM、DVCPRO、DVCPROHD、HDV、HDCAM等、様々なフォーマットにも対応しなければならない。撮影技術会社は面白い仕事だが、決して儲かる商売ではない。
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2007年4月14日
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| 検索エンジン・SEO |
2007年04月12日(木)
「WMVをDVDに変換」である。このキーワードも良く見かける。作業は決して難しいものではない。フリーウエアでWMVからVIDEO_TSを書き出してDVDを焼くだけだ。しかし仕事として請け負うことは出来ない。こういう問い合わせがあればフリーウエアのダウンロードサイトを知らせて自分でやってもらうようにしている。
私も自宅のPCでGYAOの動画部分だけををDVDに焼いたりしている。これはあくまで個人的に楽しむための作業といえる。電波から録画する場合はエアチェックといったが、ネットから録画する作業はなんと言えば良いのだろうか。IPチェック、あるいはITチェックとでも言うのだろうか?いずれにしても仕事でやれば不法行為となる。
明日は滋賀のHDCAMロケである。サブはやはりHDVのHVR-Z1Jだ。天候も良さそうで、いい上がりが期待できそうだ。我々の仕事はエアチェックではなく、エアチェックされる映像を作ることである。
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2007年4月12日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年04月11日(水)
「リターンスイッチとは」だった。時々このキーワードがログに出現する。検索されたページのトップにリターンスイッチの作り方を紹介されているキャメラマンさんのページがあったので、作りたい人にはいいのではないだろうか。
掲載している写真はソニーのリターンスイッチCAC-6である。リターン1と2の他にインカムのマイクスイッチも付いている。インカムにはケーブルの中間やヘッドセットにスイッチが付いていて、普段は音の回りこみを防ぐためにOFFにしているが、必要に応じてキャメラ側からも話さなければならない場合がある。しかし左手でレンズを操作し、右手でパン棒を持っている場合はケーブルに付けられたトグルスイッチを触ることが出来ない。そういう場合にはCAC-6のマイクスイッチを押しながら話す事になる。ただしメーカー製のリターンスイッチはさすがに高価で、CAC-6は税別95,000円もする。やはりリターンスイッチは自作が良さそうである。
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2007年4月11日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年04月10日(火)
「映像特機の仕事将来性」である。特機の仕事というのはどちらかと言えば映画やドラマである。しかし私の会社でも最近になって特機の需要が増えてきた。これはキャメラが小型化されて、特機自体が小さくなってコストが下がったことが一つの要因である。そしてもう一つ考えられることはハイビジョンの普及に伴った家庭用の視聴環境がハイビジョン化したことに因るのではないだろうか。画面のアスペクト比の変化と、スクリーンの大型化である。
私の家庭でもこれまで20吋前後のサイズで見ていたテレビも今では28吋のアクオスに変わった。すいぶん大きくなったと思うが、世間では30吋以上の液晶ハイビジョンディスプレイが飛ぶように売れているらしい。40吋のディスプレイを6畳間で見ているとまるで映画館である。こうなるとアスペクト比が映画に近づいただけではなく、視野角も映画館並みである。
「映像特機の仕事将来性」に話を戻すが、映画館並みになったハイビジョンの視聴環境では1カットの情報量が非常に多くなる。フィックスの長いショットでも十分納得できるカットになり、パンやズームが多くなると見ていて疲れる。また、ロングショットでキャメラが動くとまるで地震のように見える。とはいっても、ズームやパン、フォローは必要である。だが4:3では普通に見えたズームアップも画角が変化するため、ワイドサイズのハイビジョンでは違和感を伴ってしまう。ズームインよりはトラックインの方がはるかに自然だ。やはりハイビジョンには映画と同じ手法が適しているようだ。映画を見ていると良く判るが、ズームは殆ど使われていない。キャメラはレールの上を計算された動きをする。同様のキャメラワークがビデオにも求められる。大型化したハイビジョンディスプレーが我々に映画のようなキャメラワークを求めるのである。ただしビデオでは映画ほどの予算が取れないことは当然で、そのために様々な努力が必要になる。
写真は海外のサイトから拝借したケーブルドリーだが、多くの人がいろいろな努力をしている。そして色々なサイトから情報を得ることが出来る。
私にとってコーナンは閃きの場であり、スケートボードのショップも同様である。最近行った徳島のコーナン(おそらく西日本で最大のコーナンだと思う)では様々なものを仕入れてきた。特機とは使うだけではなく、作ることも必要な分野であり、映像が多様化する時代を考えると大いに将来性のある仕事ではないかと考えられる。しかし重要なことは特機作りではなく、どういった映像演出が必要かを考えることであり、もし特機が必要な場合には特機を使用し、最適な特機が無い場合には労力を惜しまず作ることである。
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2007年4月10日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年04月09日(月)
「CANON J14X8」である。忘れ去られたレンズといっても良いだろう。
これまでにも何度か検索されていたが、検索結果は殆どJ14X8.5であり、J14X8はまず見当たらない。しかし今回検索されたページにこんなサイトが有った。
http://www.zenvideo.co.uk/services.htm
DSR-130(DXC-30wDSR-1)にJ14X8を装着している。海外とはいえ親近感を覚える。
ところが同じ海外のオークションサイトでは$100程度で取引されている。おそらく出品している人もこのJ14X8に秘められた高性能を知らないのだろう。私はこのJ14X8をHDW-700Aに使用しているが、現行のHDレンズに比べても遜色の無いシャープな映像を結んでくれる。
以前テストで1/3吋CCDのJVC JY HD-250に装着してみたが、付属の1/3吋HDレンズ(かなりプアなレンズだが)よりもシャープな映像を映し出してくれた。
最近このレンズの発注元である某国営放送局の放出品が業者から出回っているようだが、機会があれば1本欲しいところだ。ただし重量は2kg以上あり、ハンディーで使用するにはかなり重いことは覚悟しなければならない。
ちなみにHDCAMが発売された1035i時代(現在は1080i)のHDW-700では多くのプロダクションがSDレンズを流用していたし、ソニーも現行(当時の)2/3吋B4マウントレンズを使用できることをカタログなどで売りにしていた。もちろん業務用のレンズは論外だがJ14a×8.5や13a×9、J20a×8などはけっこう使えたようだが、さすがにJ14×8には敵わない。
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2007年4月9日
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2007年04月05日(木)
「HDCAM 大阪」だった。SEO対策の効果だろうか、TOPページではなくSEO対策のページがトップでヒットしていた。そしてブロガリの「ハイビジョン撮影 大阪」を書いた記事もヒットしていた。
番組だけではなく、VPなどでもHDCAMが使われ始めたことの証ではないだろうか。まだ今のところ放送以外でのHD利用はイベント程度に限られるが、DVD制作においては、同じ16:9というアスペクトから、納品はSDだが収録はハイビジョンで行おうという動きが出始めたようである。先日行ったHDCAMの4CAM収録も一部はオンエアするそうだが、パッケージは16:9のSD-DVDになる。やはり2011年のアナログ放送電波の停波に伴って様々な変化が起こり始めている。
DVDを作っていて感じることは、SDのDVCAMで収録した物より、HDCAMやVARICAMで撮影したものをダウンコンバートしたものの方が品位が高いということだ。ハッキリした理由は判らないが、私が思うには撮像素子の数に因るようだ。例えばHDVのHVR-Z1Jだが、SDのDVキャメラであるPD-150などとは比較にならない高品位なSD画像を記録してくれる。ただしCCDの1セル当たりの面積が少ないために感度は低く、ニ時代前のBVP-70クラス程度しかない。また業務用のDVCAMであるDSR-450とHDCAMシリーズを比較してもやはりダウンコンバートしたHDCAMの方がはるかに品位の高い画像になる。これも画素数の違いだとは思うが、それ以前に土俵が違う。
これまでHDCAMカムコーダーの最高峰はシネアルタHDW-F900Rだと思っていたら来月にはCineAlta F23なるデジタルシネマキャメラが発売される。本体にはVTRは内蔵されず、これまでのHDCAMカムコーダーシリーズとは全く違ったデザインで、いかにもフィルムキャメラといった形をしている。というよりもジョージ・ルーカスのために作ったキャメラかも知れない。ソニーの高画質への探究心はとどまることがない。さてこのデジタルシネマキャメラだが、いったいどんなプロダクションが使うのだろうか。
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2007年4月5日
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2007年04月03日(火)
5月発売のAG-HPX555がやたら気になって、ナショナルに電話を入れた。昔ビデオシステム事業部で課長をされていた某氏が現在放送業務機器のトップに出世されている。電話を入れたところ丁度中国から戻って席に着いたばかりということ。
相手の都合も考えず、あ〜や、こ〜やと色々と小一時間ほど話し、その後でAG-HPX555の担当者から直接話も聞け、気になっていたことが判明したが・・・・実はがっかりした。
何ががっかりかといえば、リモート運用は出来るものの、CCU運用が出来ないこだ。リターンビデオも割愛し、タリーもレックタリーのみ。AG品番だから、グリーンタリーやリターン2は無くても当然だが、EFP運用に対応するならせめてCCUとプログラムタリー、プログラムリターンは残して欲しかった!中継キャメラマンにとって、タリーランプとリターンビデオは最重要な情報伝達器官である。自動車に例えると、バックミラーやウインカーのようなものと言える。ホームページのリターン&タリーのページを参照されるとわかり易いと思う。
P2CAMに期待できることはVTRメカが無いことの堅牢性だと思う。ジュラケースに入れて貨物車の荷台にドンと置いて運ぶ場合、一番壊れやすいのがVTRであり、P2CAMは「半導体メディアに記録も出来るスタンドアローンキャメラ」=EFPに最適!という考えが無かったようだ。
せっかく2/3吋なのに残念過ぎる。税別160万円というのは某氏の思い入れがあって決めたそうだが。「160万でここまで出来たのなら、170万でCCUとプログラムタリー、プログラムリターンに対応してくれた方がよほどシェアが広がるのに」と担当者に申し上げると、「上位機種が売れなくなります」らしい。たしかにそうだが、グリーンタリー、リターン2が付いていないから放送用とは競合しない。それよりも「下位機種が売れれば、上位機種も売れるはず」と私。オリンピックの公式キャメラになって売れるのは放送用ではなくて家庭用だけである。ナショナルにも「ブラウン管の向こう側で有名」な会社になってもらいたい。
某氏が担当部下に替るときに電話の向こうで「私の古くからの友人で・・・」と聞こえた時は嬉しかった。しかしそれなら作る前に是非「友人に相談」していただきたい(笑)
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2007年4月3日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年03月30日(金)
「ハイビジョン撮影 大阪」だった。同じキーワーでグーグルからもアクセスがあった。やはりハイビジョンが徐々に一般的になってきたようだし、番組はかなりのものがハイビジョンで制作されている。
検索されてくるページは「Panasonic AJ-HDC27F(バリカム)による720/60Pハイビジョン撮影」民生機の売り上げでもVictorの720/30Pに比べるとソニー、キヤノンの1080iが圧倒的に強い。確かに720/30Pと1080/60iを比較すると動きのあるものに対してはインターレースが有利で、動きも滑らかだ。つまり一秒間に走査線1本ごと間引いたフィールド画像が60枚あり、2フィールドで1フレームの画像を作ることのメリットである。しかしブラウン管と違って液晶モニターでは60iの信号を内部処理してプログレッシブ化を行っているため、インターレースの本当の良さは表現し切れていないことも確かだ。
ところが実際には720/60Pでは1080/60iよりも緻密な映像が表現でき、かつ動きのある被写体にも強い。しかしやはり数字の大きさが影響して、世の中は1080iに向かっていて、ビクターもナショナルも今は1080iを前面に押し出してきた。そして私の会社にオーダーが来るのもやはり1080iのHDCAMが指定される。つまりHDCAM=業界標準ということだろう。
先日のブログに書いたような複数のHDキャメラを使った中継録画での収録はHDCAM/1080/60iになる。だがやはりHDは高価だ。HDVやHDCAM一体型を使った撮影は自社の機材で対応できるが、中継車を使ったマルチキャメラ収録では放送用の中継車をお借りして運用する事になる。先日の現場の中継システムをもし購入するなら数億の費用が必要になる。また1日の使用料であっても100万ほどが必要になる。では私の会社が中継車を借りてどうして利益を出すか?それは撮影技術費である。機材費以外の技術費が会社の収益になる。そして私がテクニカルディレクターやスイッチャーを担当し、私のスタッフがキャメラを振ることで自社のカラーが出せるのだ。
「ハイビジョン撮影 大阪」というキーワードでグーグルもヤフーも上位に表示されていることは嬉しいが、顧客から「スイッチャーは笹邊さんで」、「キャメラは誰々さんで」と指名を受けるように努力しなければならない。
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2007年3月30日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年03月26日(月)
「銀円カメラ」だそうだ。えっ!、もしかして誤字?ということでアクセス元を辿ってみた。2006年のブログでしっかりと変換ミスをしていた。恥ずかしい限りである。間違えていたページはココだった。早速訂正したためにこれ以上恥をかく事はない。しかしWEBで文章を公開する場合は気をつけなければならない。ついうっかりした変換ミスが全世界に公開されてしますのである。思わず赤面してしまった今日最後の仕事になった。
だが、グーグルの検索結果では1,270,000ものサイトがヒットしていた。どうやら私のようなミスを他にも大勢いるようである。銀円→銀塩が正しい。写真用フィルムに使われる塩化銀や臭化銀、ヨウ化銀などの第17族元素の化合物に関連して銀塩というようになったようだ。「ぎんえん」と変換すると銀円と変換されて、決して銀塩にならないのは辞書を作った人に銀塩写真という語彙が無かったことと、台湾の通貨に関わっているようだ。興味のある人は次のリンクを参照していただくとよい。 銀円券 法幣 ニュー台湾ドル
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2007年3月26日
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| 写真撮影・カメラ機材 |
2007年03月25日(日)
「スイッチャー 仕事」である。撮影技術会社の仕事には様々なものがある。キャメラにVTRが付いた一体型のCAMCORDERでのENG収録場合はキャメラマン、そしてVE(ビデオエンジニア)、CA(キャメラアシスタント)AUD(音声技師)などだ。ところが中継現場やマルチキャメラの収録では大勢のクルーが各部署に配置される。キャメラマン、CA、VE、AUD、そしてVTR、D(ディレクター)SW(スイッチャー)などである。もちろん制作関係の進行やフロアも必要だが、技術会社とは別になる。
今回のキーワードであるスイッチャーの仕事は複数のキャメラから送られてくる映像を瞬時に切り替える役目をする。ベストな映像をベストなタイミングで切り替えることがスイッチャーの仕事であり、時にスイッチャーがDを兼ねたりもする。しかしスイッチャーからはキャメラが配置された現場とは離れていることが多く、的確な判断はキャメラマンが行わなければならない。そしてスイッチャーは複数の映像からその瞬間に最もいい映像を選んでスイッチングする。お互いの信頼関係が無ければ出来ない仕事であることは当然だ。
明日の仕事はハイビジョンの5CAM収録で、スタッフ総勢12名の現場になる。そして私は中型中継車の中でスイッチャーを担当する。キャメラマンにとってもスイッチャーにとっても、そしてVEやVTR、AUD等、スタッフ全員にとっても一瞬々々が勝負の現場である。ちょうど春の選抜と重なったために何処もハイビジョンがフル稼働だそうだ。そしてVEさん達は日祝に関係なく機材整備にあけくれているらしい。実際私が発注した現場用にもHDモニターが不足していてやりくりが大変だったようだ。
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2007年3月25日
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| 映像制作・撮影技術 |
2007年03月24日(土)
「GY-HD250」というキーワードが数十件に達した。この前からこのブログで書いているからだ。GY-HD250シリーズは昨年10月20日にJVCが海外のみで発売した最新鋭機で、720p/50:60フォーマットを完全にカバーしながら1080i/50:60フォーマットの出力が可能で、プログレッシブとインターレスの両方式に対応していること。またSD/HD-SDI出力にオーディオ/タイムコードをエンベデッドしたのも大きな特徴である。
これまでHDVでは720/30Pが限界だったが、HD200やHD250では720/60PをHDVテープにも記録できる。ニュースによると「ザイリンクス社のSpartan-3E FPGAを日本ビクターが業務用HDV カメラレコーダに採用」ということだが、Spartan-3E FPGAというチップがどういう役割を果たしているかは私には解らない。だが、これまでバリカムでのみ可能だった720/60PをP2CAMのAG-HVX200に続いて実現した意味は大きい。半導体メモリーを使用するAG-HVX200とは異なり、従来のDVテープに720/60Pを記録することで運用性は従来のHDVと変わらない。
こういった優れたGY-HD250だが、何故か日本での発売が実現しない。JVCに聞いたところ、IEEE1394(iLink)で720/60Pをキャプチャーできる編集アプリケーションが無いということが理由のようだが、私が試した限りはEDIUS 3.5のMPEGCAPTUREで問題なく720/60Pのmpeg2ts(.m2t)をキャプチャー出来た。またカノープスがDVD作成ソフトとして廉価で発売しているMPEGCraft 3 DVDでも1280×720/60Pの.m2tをキャプチャーできるのである。このアプリケーションは定価7,000円で、2からアップグレードの場合は3,500円というものだ。私はEDIUSとUG版のMPEGCraft 3 DVDである。他にも・CineForm AspectHDや・MAIN CONCEPT MPEG Pro HDなどでもキャプチャーできるらしい。
「720/60Pをキャプチャーできるアプリが無い」と、大して根拠のないことが理由で国内発売を見送っているのが事実であれば憂うべきことだ。720/60PのHDVこそ、我々が待ち望んでいたHDVフォーマットである。
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2007年03月23日(金)
「XL H1 関西」だ。他にもXL-H1に関する検索が多かった。検索されたページは「HD-SDI対応HDVキャメラのCCU運用テスト」のページだ。
どうしてXL-H1なのかと思っていたら電話がかかってきた。そして今度の土曜にスタジオ撮影が決まった。ただし撮影といってもテスト撮影であり、結果がよければ本格的な運用になるというものである。まさに私が行った「HD-SDI対応HDVキャメラのCCU運用テスト」の第二弾というような内容だ。元々レンタルを探しておられたのだが、私の会社はレンタル会社ではなく、撮影技術会社として、機材と人が出向く事になった。いずれにしても検索の結果から私の会社に白羽の矢が立ったということは嬉しいことである。JVCの720/60Pといい、まさに注目のHDVである。今日も別件でHDCAMでの3CAM収録の話が進んでいるが、サブ機としてHVR-Z1JやJVCのHD100などを提案しておいた。本当はHD-250を提案したいのだが、まだ発売前のために本番日に入手できなければ具合が悪いのでHD100ということにした。ただし今日の打合せ&ロケハンにはHD250を携行する。720/60Pで13倍ショートズームで撮影したものが1080/60iに変換して放送に耐えうるかということも判断できそうだ。しかし私としてはJVCのHD250に対抗してソニーがどう出てくるかが非常に楽しみだ。何故かといえば、以前私の知っている人がHDR-FX1に付いているカールツァイスのレンズを外して、2/3インチ用レンズを付けるという改造をされていたことがあり、素晴らしいものにもに仕上がっていた。
ソニーがその気になってHVR-Z1Jの時期機種として、レンズ交換式のHDVを出してくれればまさにHDCAMのバックアップ機になり得ると思うう。それが実現した場合はもちろん13倍ショートズームが最適な標準レンズとなるだろう。ソニーには大いに期待したいところだ。
下の写真はソニーHVR-Z1JとキヤノンXH G1、そしてXL H1を並べて比較したものだ。同じ条件で今度はJVC-HD250を並べて比較してみよう。
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2007年3月23日
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| 映像制作・撮影技術 |
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